2020年5月9日土曜日

2020 SAN FRANCISCO GIANTS TOP 20 PROSPECTS

2020 SAN FRANCISCO GIANTS

TOP 20 PROSPECTS

Marco Luciano(SS)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.マルコ・ルシアーノ(SS)/Marco Luciano:18歳
(R/A-)47G 179AB 10HR 32BB 45K 9SB .302/.417/.564/.981
◎パワー / 〇打撃 アプローチ 肩 / △素材型 スピード 3B向き?
17歳ながら素晴らしいパワーとアプローチを身に着けており将来は、「3割・40本」も狙えるポテンシャル。一方でSSに残れるかは評価が分かれている。プラスの強肩を有し、運動能力&野球IQも高いが平均以下のスピードがネック。今後体が成熟すればさらにスピードが失われるため3BやRFに移る可能性もある。

2.ジョーイ・バート(C)/Joey Bart:23歳
(A+/2A)79G 313AB 16HR 21BB 71K .278/.328/.495/.824
◯パワー 肩 C守備 / ×スピード
18年ドラフト全体2位指名。バスター・ポージーの後継者になれる強打の司令塔候補。広角に長打が打てる生粋の長距離砲で、マイナー2年でISO.248とパワー面は文句なし。昨季四球率6.2%ともう少し選球眼を磨いてほしいところ。捕手守備ではゴールドグラブを狙えると評判。肩の強さも平均以上で、足は遅いがプレート後方での動きは機敏だ。

3.ヘリオット・ラモス(OF)/Heliot Ramos:20歳
(A+/2A)102G 389AB 16HR 42BB 118K 8SB .290/.369/.481/.850
◯パワー スピード 肩 / △素材型 両翼向き?
17年ドラフト1巡目。「30-30」も夢ではないほどのパワー&スピードを秘めるアスリートタイプ。昨季は課題となっていたアプローチ面が大きく改善。三振率、四球率ともに改善し、フィールド全体に打ち分ける技術も向上した。現在はCFを守っているが、スカウトからはコーナー向きと指摘されている。

4.ハンター・ビショップ(OF)/Hunter Bishop:21歳
(R/A-)32G 105AB 5HR 38BB 39K 8SB .229/.438/.429/.867
◯パワー スピード アプローチ / △コンタクト
19年ドラフト全体10位指名。兄ブレイデンはマリナーズ所属のメジャーリーガー。6-5/210の恵まれた体格にプラスのパワー&スピードを備えた大型CF。打撃ではコンタクトにやや不安も、辛抱強いアプローチで四球を多く選べる。守備では打球反応やルート取りも良く、チームはCFに残れると自信を見せている。

5.アレクサンダー・カナリオ(OF)/Alexander Canario:19歳
(R/A-)59G 236AB 16HR 20BB 80K 4SB .318/.377/.623/1.000
◎パワー / 〇肩 / △素材型 RF向き / ×アプローチ 守備
圧倒的なパワーポテンシャルの持ち主で、昨季のフライ平均飛距離322.6フィートは、超打高だった3Aの選手を除けば、マイナー全体2位(60フライ以上)と特筆すべき数字だった。一方で三振率30.5%と選球眼を磨く必要がある。守備では現在CFを守っているが、ルート取りが拙く危なっかしいため、強肩を生かせるRFに回ることになるだろう。

6.セス・コリー(LHP)/Seth Corry:21歳
(A)1.76ERA 26GS 122.2IP BB/9=4.3 K/9=12.6 K/BB=2.97
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド
昨季はマイナー全体2位となる防御率1.76、同5位のK/9=12.6をマークするなどブレーク。最速96マイルの速球とハンマーカーブのコンビネーションが強烈で、第3球種のチェンジアップも昨季磨きがかかった。マイナー通算BB/9=6.2とコントロールが課題だったが、昨季後半戦は73.1イニングでBB/9=2.6と改善の兆しを見せた。制球難な点も含めてマット・ムーア(現ソフトB)と比べられる。

7.ルイス・トリビオ(3B)/Luis Toribio:19歳
(R/A-)54G 196AB 3HR 47BB 59K 4SB .296/.433/.454/.887
◯コンタクト アプローチ 肩 / △素材型 3B守備 スピード
傘下ベストのピュアヒッター。バレル性の打球を量産し、昨季四球率19.3%と選球眼も卓越している。現在は逆方向中心のアプローチだが、Fangraphsによると平均打球速度が93マイルと打球速度も非常に速く、引っ張るバッティングを覚えれば本塁打増も見込める。唯一の欠点は守備で、肩こそ強いが、守備範囲不足な上に昨季守備率.848とエラーも多い。1B転向時間の問題だろう。

8.ルイス・マトス(OF)/Luis Matos:18歳
(DSL/R)60G 251AB 7HR 20BB 31K 21SB .367/.438/.566/1.004
◯打撃 スピード / △素材型 
昨季はDSLでリーグ3位となる打率.362&OPS1.00と素晴らしいプロデビューを飾った。コンタクト技術が傑出しており、ラインドライブ性の打球を量産する。パワーポテンシャルも秘め、将来は20ホーマーも狙えると評判。走守のツールはメジャー標準レベルで、外野3ポジションどこでもフィットするだろう。ルイス・アレクサンダー・バサべ(Wソックス)はいとこで、野球家系に育ったため、野球IQも高く評価されている。

9.マウリシオ・ドゥボン(SS/2B)/Mauricio Dubon:25歳
(MLB)30G 106AB 4HR 5BB 20K 3SB .274/.306/.434/.740
(3A)123G 503AB 20HR 28BB 68K 10SB .302/.345/.477/.822
◯コンタクト 守備 スピード / △パワー
昨季メジャーデビューし、ホンジュラス生まれホンジュラス育ちの選手としては初のメジャーリーガーとなった。ドリュー・ポメランツとのトレードでジャイアンツに加入すると、ほぼレギュラーで使われて28試合で打率.279をマークした。高いコンタクト力と二遊間を堅実にこなす守備力が持ち味。18年に前十字靭帯を断裂し、プラスだったスピードは平均をやや上回る程度まで下がった。

10.ローガン・ウェッブ(RHP)/Logan Webb:23歳
(MLB)5.22ERA 8GS 39.2IP BB/9=3.2 K/9=8.4 K/BB=2.64
(R/A/2A/3A)1.85ERA 10GS 63.1IP BB/9=2.1 K/9=9.8 K/BB=4.60
◯3球種 スライダー / △コマンド  
昨季は禁止薬物の使用で80試合の出場停止があったが、8月にメジャーデビューし、ローテーションに加わると、8先発中4試合は2失点以下と結果を出した。速球は平均93.2マイルと及第点だったが、被打率.339と打ち込まれ、コマンドに課題を残す。ベストピッチとされるスライダーは被打率.157と素晴らしく、第3球種のチェンジアップも落差が平均以上で空振り率14%とまずまずだった。速球のコマンドとチェンジアップの質を磨けばローテーション3番手クラス。

11.ウィル・ウィルソン(SS/2B)/Will Wilson:21歳
(R)46G 189AB 5HR 14BB 47K .275/.328/.439/.768
◯コンタクト / △スピード 素材型 2B向き?
19年ドラフト全体15位指名。ザック・コザートのサラリーを引き取る形でエンゼルスから獲得した。コンタクトが優秀で、積極的なアプローチで外野の間をライナーで破る中距離ヒッター。ハンドリングは堅実だが、SSとしてはスピードが不足しているため2B向きか。将来像は攻撃型二塁手と見られている。

12.ハイロ・ポマレス(OF)/Jairo Pomares:19歳
(R/A-)51G 213AB 3HR 11BB 43K 5SB .324/.362/.465/.827
〇コンタクト 肩 / △両翼向き 素材型
年齢に比して打撃が発達しており、大振りせずにフィールド全体にライナーを量産する。パワーも平均レベルのポテンシャルを秘めている。Rで打率.368と打ちまくった後にA-で打率.207と苦しんだが、年齢を考慮すれば問題なし。昨季はRFを中心に守ったが、チームはCFとしてのチャンスも与えていくつもり。強肩だがルート取りや打球反応は発展途上。

13.ショーン・ジェリ(RHP)/Sean Hjelle:22歳
(A/A+/2A)3.32ERA 28GS 143.2IP BB/9=2.3 K/9=8.7 K/BB=3.76
◯コマンド 3球種 ナックルカーブ 体格 / 
210cmの長身から投げ下ろされるボールは角度があり、中でもナックルカーブが絶品。速球は92-94マイルと支配的ではないが、コマンドに優れているため低めを突いて打たれにくい。昨季はチェンジアップも向上を辿り、3球種で勝負できるようになった。ハイフロアーで、ローテーション4番手向き。

14.ジェイリン・デービス(OF)/Jaylin Davis:25歳
(MLB)17G 42AB 1HR 3BB 11K .167/.255/.238/.493
(2A/3A)126G 468AB 35HR 65BB 138K .306/.397/.590/.987
◯パワー スピード 肩 / △コンタクト
サム・ダイソンとのトレードで昨夏ツインズから加入。マイナー3年で42ホーマーの男が昨季マイナー/メジャーで計36ホーマーとブレーク。下半身を有効に使い、スイング中に頭を動かないように修正したことで安定してパワーを発揮できるようになった。マイナー4年で33盗塁止まりだが、昨季メジャーで記録したスプリントスピードはメジャー上位4%に入るほど優秀だった。肩も強く、外野3ポジションOK。

15.トリスタン・ベック(RHP)/Tristan Beck:23歳
(R/A+)3.98ERA 16GS 81.1IP BB/9=3.4 K/9=10.0 K/BB=2.90
〇速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ
マーク・マランソンとのトレードで昨夏ブレーブスから加入。ジャイアンツ加入後は6先発で防御率2.27と別人のような投球を見せた。その要因として速球の向上が挙げられている。シーズン序盤に91-92マイルだった球速は92-95マイルに上昇し、また高めに投げる割合を増やしたことで、決め球の縦カーブとの相性が良くなったとみられている。平均以下のチェンジアップを磨けばローテーション入りが見えてくる。

16.グレゴリー・サントス(RHP)/Gregory Santos:20歳
(A)2.86ERA 8GS 34.2IP BB/9=2.3 K/9=6.8 K/BB=2.89
◯速球 スライダー / △チェンジアップ 素材型 耐久性
まだ原石だが、ポテンシャルはローテーション2番手クラスとも。最速98マイルの沈む速球と80マイル後半のスライダーのコンビネーション。左打者対策のために平均以下のチェンジアップを磨く必要がある。昨季は肩の故障により8試合の登板にとどまり、健康な状態で復帰できるかがポイント。

17.サンドロ・ファビアン(OF)/Sandro Fabian::22歳
(R/A+)54G 199AB 7HR 19BB 46K .276/.355/.427/.782
◯打撃 肩 / △素材型 スピード / ×アプローチ 守備
フリースインガー&プルヒッターながら打撃センスは抜群で、選球眼を磨けば「打率.280・20本」も狙える。課題のアプローチも昨季は四球率は5.8%→7.5%、三振率は23.8%→17.6%と進歩がみられた。守備では強肩を生かした補殺が光るが、エラーの多さも目立つ。攻守に磨かれる必要があるが、ポテンシャルはある。

18.ジェーク・ウォン(RHP)/Jake Wong:23歳
(A/A+)3.90ERA 23GS 113.0IP BB/9=2.8 K/9=8.0 K/BB=2.89
◯3球種 / 
18年ドラフト3巡目。91-94マイルのツーシームを低めに集め、スライダー&チェンジアップも平均レベル。元々はカーブも投げていたが安定感に欠くため、スライダー主体に切り替えた。フォームの再現性が高くワークホース向き。打者を圧倒する球威はないだけに細かいコマンドを磨いていきたい。

19.カイウェイ・テン(RHP)/Kai-Wei Teng:21歳
(A)1.58ERA 13GS 79.2IP BB/9=2.4 K/9=9.9 K/BB=4.19
◯体格 変化球 コマンド / △球威
台湾出身。サム・ダイソンのトレードで14位のデービスと共に移籍してきた。速球は90-93マイル程度で投球割合の50%にも満たない。スライダーとチェンジアップを多投しており、どちらも平均以上の評価。カーブも効果的に扱え、ジャイアンツ加入後は速球のスピン量向上に取り組んでいる。6-4/260と体格は完全に出来上がっており、ワークホースに適任。

20.マット・フリスビー(RHP)/Matt Frisbee:23歳
(A/A+)3.13ERA 26G/22GS 132.1IP BB/9=1.9 K/9=10.5 K/BB=5.50
◯速球 コマンド / ×第3球種
ドラフト15巡目の出身でブルペン起用が見込まれていたが、昨季は先発に抜擢されると9勝をあげるなどブレーク。速球とスライダーの2球種に頼った投球スタイルながらK/BB=5.50の抜群のコマンドのおかげで好成績を収めることができた。第3球種をマスターできるかが先発残留を左右するだろう。

Plus One Prospect
トレバー・マクドナルド(RHP)/Trevor McDonald:19歳
(R)2.25ERA 3GS 4.0IP BB/9=4.5 K/9=18.0 K/BB=4.00
◯速球 / △素材型
19年ドラフト11巡目。大学への推薦が決まっていたが、2-3巡目相当の契約金を積んでスティールに成功した。すでに速球は最速96マイルに達しており、80マイル前半のパワーカーブでピッチトンネルを通すことができる。チェンジアップはまだ投げ始めたばかりなので磨く必要がある。研究熱心でメークアップも評価が高い。

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