2020年5月4日月曜日

2020 LOS ANGELES DODGERS TOP 20 PROSPECTS

2020 LOS ANGELES DODGERS

TOP 20 PROSPECTS

Gavin Lux(SS)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ギャビン・ラックス(SS/2B)/Gavin Lux
(MLB)23G 75AB 2HR 7BB 24K 2SB .240/.305/.400/.705
(2A/3A)113G 458AB 26HR 61BB 102K 10SB .347/.421/.607/1.028
◎打撃 / ◯メークアップ パワー 即戦力 スピード /  
2020年シーズンの新人王候補最有力。滑らかなスイングで左右に長短打を量産する姿はまさに「内野版クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)」。「3割・20本・20盗塁」がコンスタントに期待できる。コリー・シーガーがいるため2B起用になるだろうが、SSとしても及第点の実力。

2.ダスティン・メイ(RHP)/Dustin May
(MLB)3.63ERA 14G/4GS 34.2IP BB/9=1.3 K/9=8.3 K/BB=6.40
(2A/3A)3.38ERA 20GS 106.2IP BB/9=2.4 K/9=9.3 K/BB=3.79
◎速球 カッター / ◯コマンド カーブ 体格 グラウンドボーラー  / △チェンジアップ
完成型はジェーコブ・デグロム(メッツ)。長身で手足が長く、エクステンションに富んだフォームから93-98マイルのツーシームと90マイル前半のカッターでピッチトンネルを通し、パワーカーブでトンネルを外す。昨季グラウンドボール率53.9%とゴロアウトも多い。コントロールも申し分なく、ウォーカー・ビューラーに次ぐ2番手エースとして期待。

3.ジョシア・グレイ(RHP)/Josiah Gray
(A/A+/2A)2.28ERA 26G/25GS 130.0IP BB/9=2.1 K/9=10.2 K/BB=4.74
◯速球 3球種 スタミナ コマンド 奪三振 / △素材型 体格
小柄だがアスレチックで完成型はソニー・グレイ(レッズ)。92-97マイルの速球でズバズバとゾーンを突く。速球はシュート方向に伸びあがるような軌道で、コマンド&スタミナにも優れるため、多くの空振りが奪える。スライダー、チェンジアップでピッチトンネルを通し、カーブで目線を変えることもできる。フォームも制球も安定しているため、先発適性も高い。

4.ブラスダー・グラテロル(RHP)/Brusdar Graterol
(MLB)4.66ERA 10G 9.2IP BB/9=1.9 K/9=9.3 K/BB=5.00
(R/2A/3A)1.92ERA 18G/11GS  61.0IP BB/9=3.4 K/9=9.0 K/BB=2.65
◎速球 / △チェンジアップ リリーフ向き? 耐久性
前田健太とのトレードでツインズから加入。昨季メジャーで平均99マイル、最速102マイルを計測した速球が武器の剛腕。87-90マイルのスライダーも切れ、マイナー4年でBB/9=2.7とコントロールもまとまっている。しかし、チェンジアップの質の低さと耐久性の不安(マイナー4年でキャリアハイ102イニング)から先発としては見切られる形でツインズから放出された。ドジャースではブルペンの一員に加わると見られるが、クローザーを狙えるポテンシャル。

5.トニー・ゴンソリン(RHP)/Tony Gonsolin
(MLB)2.93ERA 11G/6GS  40.0IP BB/9=3.4 K/9=8.3 K/BB=2.47
(3A)4.35ERA 13GS 41.1IP BB/9=4.6 K/9=10.9 K/BB=2.38
◎スプリット / ◯速球 スライダー 奪三振 / △コマンド
大学時代にMAX95マイルだった球速はプロ入り後に100マイルに到達。ダブルプラスのスプリットチェンジとのコンビネーションでピッチトンネルを通す。カーブは平均以上、スライダーは平均的でメジャーレベルの球種が4つ揃っている。コマンドを改善できればローテーション3番手クラスのポテンシャルも、チーム状況と元リリーフという経歴からブルペン起用か?

6.キーバート・ルイーズ(C)/Keibert Ruiz
(2A/3A)85G 314AB 6HR 30BB 22K .261/.331/.347/.679
◯コンタクト C守備 / △パワー 肩 フリースインガー
攻守にオールラウンドでマイナー屈指のキャッチングプロスペクト。卓越したコンタクト技術を有し「3割・15本」クラスのポテンシャルを秘めるが、2年続けて2Aで不本意なシーズンを送っている。フライの平均飛距離がリーグ平均の下位10%とパワーを発揮できておらず、一方でフライボールの割合は平均的。ヒットツールを生かすためにフライを抑え、よりライナー中心のアプローチに変える必要があるだろう。守備ではブロッキング、フレーミングともに優秀だが、肩が弱くマイナー通算盗塁阻止率23%とスローイングに課題。

7.ディエゴ・カルタヤ(C)/Diego Cartaya
(DSL/R)49G 185AB 4HR 16BB 42K .281/.343/.432/.775
◯C守備 肩 コンタクト / △スピード パワー 素材型
18年に250万ドルで契約したベネズエラ人。攻守に高い評価を得ており、同じくベネズエラ出身のサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)のようなオールスター捕手に育つことが期待されている。打撃はフィールド全体にライナーを量産することに徹しているが、素早いスイングスピードからフライボールの割合を増やせば15-20本塁打も可能との見立て。守備では俊敏で平均以上のレシーバーになれるとの見立て。肩の強さもプラス評価。

8.コディ・ホース(3B)/Kody Hoese
(R/A)41G 147AB 5HR 18BB 25K .299/.380/.483/.863
◯打撃 パワー / △スピード
19年ドラフト全体25位指名。カレッジ屈指のスラッガーで、大学では昨季国内2位の長打率.779・5位の23本塁打をマーク。パワーとアプローチを兼ね備えており、失投を待って逃さず広角に長打を量産する打撃スキルはメジャーでも20~25ホーマーが見込める。スピードは平均以下だが3B守備は及第点。

9.エドウィン・リオス(3B/1B)/Edwin Rios
(MLB)28G 47AB 4HR 9BB 21K .277/.393/.617/1.010
(3A)104G 393AB 31HR 37BB 153K .270/.340/.575/.915
◎パワー / △コンタクト 守備 / ✖スピード 
レギュラーで出られれば30ホーマー以上も狙えるパワーヒッター。16-18年はマイナーで3年続けて打率3割超えとヒットツールは優秀だが、昨季は打率を犠牲にホームラン狙いのアプローチに転身したことでブレークを果たした。しかし、べリンジャー、ターナー、マンシーにポジションを完全にブロックされており、トレードされない限りはレギュラーを掴むのは厳しいだろう。

10.ジェーコブ・アマヤ(SS)/Jacob Amaya
(A/A+)124G 466AB 7HR 81BB 98K 5SB .260/.369/.391/.760
◯コンタクト アプローチ SS守備 / △パワー
バットコントロールと選球眼に優れ、昨季はAでリーグ2位の74四球、7位のOPS.775をマークした。パワーは目立たないが、成熟したアプローチとバレル理解の深さから長打狙いに転じれば12‐15本塁打も狙えるはず。純粋なスピードは平均的だが、野球IQや技術面が発達しており、守備走塁では持っているスピード以上に機敏に動ける。送球も強く正確でSSとして及第点、2Bに回れば平均以上との見立て。

11.マイケル・ブッシュ(2B)/Michael Busch
(R)10G 24AB 0HR 7BB 5K .125/.371/.125/.496
◯打撃 パワー / △スピード / ✖肩 守備
19年ドラフト全体31位指名。美しいスイングで広角に長打が打て、バランスの取れたアプローチで四球も多い。パワーとアベレージを両立した平均以上の打者になれるとの見立て。一方で守備面が課題。大学では主に1B/LFとしてプレーしていが、ドジャースは2Bとして育成予定。ダルビッシュ有とのトレードでレンジャースへ移ったウィリー・カルフーン(昨季21本塁打・LFでDRS-13)が比較対象か。

12.デビン・マン(2B/3B)/Devin Mann
(A+)98G 367AB 19HR 45BB 93K 5SB .278/.358/.496/.854
◯パワー / △スピード 3B向き?
プロ入り後に長打狙いのアプローチに変更してブレーク。昨季はA+でリーグ7位タイの19本塁打、同4位の長打率.496をマークした。四球率は12.9%→10.6%にやや落ちたが、それでもまだ高い水準を維持しており、長打力と出塁力を両立した打者になり得る。スピードは平均以下だが肩の強さとフットワークは2Bとして及第点。それでも長い目で見れば3B向きか。デビッド・フリース(元ドジャース)と比べられる。

13.オマー・エステべス(2B)/Omar Estevez
(R/2A)90G 319AB 6HR 33BB 78K .292/.353/.429/.782
◯打撃 / △守備走塁 パワー
滑らかなスイングから広角に打ち分けるヒットマシーン。元々はプルヒッターだったが、18年後半から打撃トリルに取り組み、センターを中心に外野の間を破る打撃を習得した。本塁打を量産するパワーは見込めないが、二塁打マシーンとして開花しつつある。守備、スピードはいずれも平均以下で、打撃力を磨いていくしかない。

14.ミゲル・バルガス(3B)/Miguel Vargas 
(A/A+)124G 491AB 7HR 55BB 83K 13SB .308/.380/.440/.820
◯打撃 / △パワー スピード 3B守備
昨季はAでリーグ2位の打率.325、A/A+では傘下トップとなる計38二塁打をマーク。インサイドアウトのスイングを身に着けており、フィールド全体にライナーを打ち分ける。今はめったに引っ張ることをしないが、技術とアプローチを修正していく中で本塁打増も狙えるだろう。守備では3Bにふさわしいスピード、運動能力ともに欠如しており、1B向きとみるスカウトが多い。

15.アンディ・パゲス(OF)/Andy Pages
(R)63G 235AB 19HR 26BB 79K .298/.398/.651/1.049
◎肩 パワー / △RF向き? 素材型 / ×コンタクト 
キューバ出身で、強靭なフィジカルや運動能力の高さはヤシエル・プイグ(元レッズ)を連想させる。昨季はRでリーグ2位の19本塁打・長打率.651とブレーク。しかし一方で極度のプルヒッター&三振率28%とコンタクト面に不安。体格に反して動け、CFに残れる守備力を示しているが、ダブルプラスの肩の強さはRFにフィットするはず。残念ながらプイグ同様に走守に緩慢プレーが見られ、集中力不足が目立つ。

16.DJ ピータース(OF)/DJ Peters
(2A/3A)125G 457AB 23HR 61BB 168K .249/.358/.453/.811
◎パワー / 〇肩 アプローチ / ×コンタクト
見た目もフォロースルーもそっくりなことからジェーソン・ワース(元ナショナルズ)と比較されている右の長距離砲。20-80スケールで80評価のパワーが武器で、18年には2Aでリーグトップの29本塁打をマークしている。昨季四球率11.3%と見極めはOKもゾーン内の空振りが目立ち、マイナー通算三振率36%とコンタクトに課題。

17.ミッチェル・ホワイト(RHP)/Mitchell White
(3A)5.09ERA 23G/20GS 93.2IP BB/9=3.0 K/9=10.1 K/BB=3.39
◯速球 スライダー カーブ 奪三振 / △チェンジアップ 耐久性 
調子のばらつきが大きいが、92-97マイルの速球、80マイル後半のスラッター、縦に大きく割れるカーブのコンビネーションはスケール大。しかし投球フォームが不安定で、コマンドの維持と故障の多さを不安視する声がある。また、対左被OPS.921と左打者を苦にしており、チェンジアップの向上も必須。課題は多いが、天井はローテーション3番手相当。

18.デニス・サンタナ(RHP)/Dennis Santana
(MLB)7.20ERA 3G 5.0IP BB/9=7.2 K/9=10.8 K/BB=1.50
(3A)6.94ERA 27G/17GS 93.1IP BB/9=5.1 K/9=10.1 K/BB=1.98
◯速球 スライダー 奪三振 / △チェンジアップ コマンド リリーフ向き?
低めのアングルから93-95マイルのツーシームと切れ味抜群のスライダーで内外を揺さぶる。昨季は3Aで先発として防御率8.00、リリーフとして1.72とブルペン向きの適性がはっきりとしてしまった。昨季左打者に対して被OPS1.026と苦手にしており、先発に残るには平均以下のチェンジアップを磨く必要がある。リリーフに専念すればエドウィン・ディアズ(メッツ)のような支配的なクローザーになれる。

19.エドウィン・ウセタ(RHP)/Edwin Uceta
(A+/2A)2.77ERA 26G/24GS 123.1IP BB/9=3.6 K/9=10.3 K/BB=2.88
◯チェンジアップ コマンド 3球種 奪三振 / △フライボーラー 体格  
支配的ではないが、90-94マイルの速球とプラスのチェンジアップでピッチトンネルを通す投球が巧みで、昨季は傘下2位となる防御率2.77・141Kとブレーク。昨季は70マイル台のカーブも向上をたどり、チェンジアップと同程度の奪三振数を奪うなど効果的だった。フライボーラーで被本塁打の多さが課題だったが、低めにあつめるコマンドの向上もあり、HR/9は1.2→0.8に改善された。小柄な体格からブルペン向きと見る声も多いが、先発ローテーション4-5番手相当のポテンシャルはある。

20.ホセ・マルティネス(RHP)/Jose Martinez:21歳
(A/A+)3.28ERA 27G/16GS 126.1IP BB/9=2.4 K/9=8.2 K/BB=3.48
◯速球 3球種 コマンド / △体格 先発経験  
昨季はリリーフとして開幕も好投が認められ6月から先発転向。A/A+で11勝2敗の活躍でブレークを飾った。最速96マイルの速球に80マイル中盤のスライダー&チェンジアップで打者を崩す。フォームも滑らかな上にマイナー3年でBB/9=2.0とコントロールも良い。A+ではリーグ平均よりも3歳以上若いのにもかかわらず、5登板で防御率3.04・K/BB=4.83と抜群の内容。今季のさらなる活躍が楽しみだ。

Plus One Prospect
レオ・クロフォード(LHP)/Leo Crawford:23歳
(A+/2A)2.81ERA 25G/21GS 121.2IP BB/9=2.0 K/9=9.9 K/BB=4.96
◯チェンジアップ コマンド / △球威
ニカラグア出身で、「左のジョニー・クエト(ジャイアンツ)」として注目の技巧派。速球は90マイル前後とパワーレスだが、素晴らしいチェンジアップを持っており、打者のタイミングを外す投球が得意。また、牽制のうまさも光る。

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