2020年12月20日日曜日

2021 KANSAS CITY ROYALS TOP 20 PROSPECTS

2021 KANSAS CITY ROYALS

TOP 20 PROSPECTS

Asa Lacy

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
エイサ・レイシー(LHP)/Asa Lacy:22歳
◯奪三振 3球種 球威 / △コントロール
20年ドラフト全体4位指名。荒さはあるが、長身から繰り出す92-97マイルの速球&スライダーのコンボは強烈。20年はスライダーが87-90マイルに高速化するなどワンランク成長し、4先発で防御率0.75・K/9=17.3と大学生を圧倒。チェンジアップも磨けばプラスピッチと評判で、スケールの大きい先発左腕になりうる。
Asa Lacy

2.
ボビー・ウィット Jr(SS)/Bobby Witt Jr.:21歳
(R)37G 164AB 1HR 13BB 35K 9SB .262/.317/.354/.670
◎5ツール / △素材型 コンタクト
19年ドラフト全体2位指名の高卒選手。傑出した5ツールポテンシャルを秘めており、上手く育てば、ゴールドグラブ級のSS守備&「30-30」も実現可能と評判。ヒットツール&アプローチに課題があり、RではOPS.670止まり。20年は代替キャンプと教育リーグで実戦経験を積んだ。

3.
ダニエル・リンチ(LHP)/Daniel Lynch:24歳
(A+)3.10ERA 78.1IP BB/9=2.6 K/9=8.8 K/BB=3.35
◯速球 3球種 コントロール 即戦力 / 
大学では90マイル前後のツーシーム主体も、プロではフォーシーム主体に切り替えたことで支配力が向上。AFLでは短いイニングではあるが、97-99マイルを計測するなどプロ入り後に球速が大幅UP。スライダー&チェンジアップもプラスピッチ。6-6の長身の長いリーチから投げ込んでくるため打ちにくい。フォームもスムーズでコントロールの評価も平均以上。20年は代替キャンプで過ごした。

4.
ジャクソン・コワー(RHP)/Jackson Kowar:24歳
(A+/2A)3.52ERA 148.1IP BB/9=2.6 K/9=8.7 K/BB=3.35
◎チェンジアップ / ◯速球 コントロール / △スライダー
18年ドラフト全体33位。常時94-95マイルの速球とプラスプラスのチェンジアップのコンビネーションは支配的。コマンドも平均以上でストライク先行の投球で試合を作れる。スライダーが平均から平均以下のため、磨いていく必要がある。力んで投げる傾向があり、フォームを乱さず、速球をコマンドよく投げ分ける投球を代替キャンプで磨いた。
Jackson Kowar

5.
カイル・イズベル(OF)/Kyle Isbel:24歳
(A+)52G 194AB 5HR 15BB 44K 8SB .216/.282/.361/.643
◯スピード CF守備 打撃 / △パワー コンディション不良
打撃はコンパクトに左右へライナーを打ち分ける二塁打マシーンで、スクーター・ジェネット(元レッズ他)と比較するスカウトも。天井は「3割・20本・30盗塁のCF」。スピードに優れ、走守でも貢献できる。19年はハムストリングの故障などで59試合の出場にとどまり、特にラスト39試合は打率.176とスランプに陥った。AFLでは打率.315と復活の兆しを見せたが、20年は代替キャンプで経験を積んだ。
Kyle Isbel

6.
ニック・ロフティン(SS)/Nick Loftin:22歳
◯守備 コンタクト 野球IQ / △パワー
20年ドラフト全体32位指名。目立ったツールないが野球IQが高く、攻守にオールラウンドなカレッジSS。SSに残れるだけの守備力を有しており、ナショナルチームでは5ポジションを守るなどユーティリティ性も高い。打撃はパンチ力を秘めているが、ライナー中心のアプローチを心がけている。

7.
ジョナサン・ボウラン(RHP)/Jonathan Bowlan:24歳
(A/A+)3.14ERA 146.0IP BB/9=1.4 K/9=9.2 K/BB=6.52
◯体格 速球 コントロール / △変化球
18年ドラフト2巡目、6-6/262の巨漢右腕。18年のプロデビューはRでは防御率6.94と不安なデビューだったが、19年は11勝をあげるなどブレーク。最速97マイルの速球をゾーンに集めるイニングイータータイプで、変化球の質向上がカギ。将来像は200イニングをコンスタントに投げて防御率4点台前後。

8.エリック・ペーニャ(OF)/Erick Pena :18歳
◯パワー 体格 / △素材型 RF向き?
19年に契約金389万ドルで入団のドミニカン。6-3/180の立派なフィジカルからプラスのパワーポテンシャルを秘めており、スムーズなレベルスイングで年齢に比してヒットツールにも穴がない。走力、肩の強さどちらも平均的で守備センスも良いが、将来は体格の成熟に伴って両翼に回るだろう。20年は教育リーグで経験を積んだ。
(A/A+)2.76ERA 130.2IP BB/9=2.6 K/9=8.9 K/BB=3.39
◯速球 3球種 コマンド 奪三振 / 
18年ドラフト5巡目。投げっぷりの良い大型左腕。6フィート4の長身から最速96マイルの速球と大きく割れる縦カーブをテンポよく投げ下ろす。チェンジアップも向上に取り組んでおり、平均以上のボールになる可能性。課題のコントロールも18年のBB/9=4.1から2.6に大幅改善された。3球種をコマンドよく扱うスターターになれる。

10.カルロス・ヘルナンデス(RHP)/Carlos Hernandez:24歳
(R/A)5.31ERA 57.2IP BB/9=3.7 K/9=10.6 K/BB=2.83
(MLB)4.91ERA 14.2IP BB/9=3.7 K/9=8.0 K/BB=2.17
◯速球 3球種 / △素材型
6-4/250の迫力ある体格から94-97マイルの速球&チェンジアップ&カーブを投げ込む。19年はRでは打ちこまれたものの、A昇格後は7先発して防御率3.60・K/9=10.8・BB/9=2.3と安定した投球内容だった。同年代の選手と比べ、フォームの再現性も高く先発適性あり。Aまでの経験しかないが、20年はメジャーデビューを経験。速球は平均96.4マイルを計測するなどポテンシャルは見せつけた。

11.
ベン・ヘルナンデス(RHP)/Ben Hernandez:19歳
◎チェンジアップ / △素材型
20年ドラフト2巡目の高卒右腕。ダブルプラスのチェンジアップがベストピッチで、90-95マイルの速球とのコンビネーションで三振を奪える。また第3球種に70マイル台のカーブを交える。6-2/205とすでにしっかりした体格からアップサイドはあまり見込めないだろうが、コントロールも年齢に比して発達しており、早期昇格も狙える。

12.
MJ メレンデス(C)/MJ Melendez:22歳
(A+)110G 419AB 9HR 44BB 165K .163/.260/.311/.571
◯肩 C守備 運動能力 / △素材型 / ✖コンタクト
運動能力抜群のオールラウンドキャッチャー。レシービングは発展途上だが、プレート後方での機敏さや座り投げで盗塁阻止するキャノンアームは魅力満点。19年は驚異の盗塁阻止率60%。打撃は三振率39%と荒削りだがパワーは魅力。マイナーでの成績はひどいものだが、まだ若く、長い目で見ていきたい。
(R)40G 178AB 5HR 15BB 68K .213/.288/.400/.688
◯パワー スピード / △SS守備 / ✖コンタクト
19年ドラフト2巡目。長身で30ホーマーも狙えるパワーポテンシャルを備えているが、空振りの多さと2Bor3Bへのコンバートが目されている守備力が懸念材料。Rでは三振率39.1%と黄色信号。少ないサンプルだったので保留とし、初のフルシーズンで再起なるか。

14.
アレク・マーシュ(RHP)/Alec Marsh:23歳
(R)4.05ERA 33.1IP BB/9=1.1 K/9=10.3 K/BB=9.50
◯速球 カーブ 
19年ドラフト2巡目。大学時代に90-94マイルだった速球は、20年の代替キャンプでMAX99マイルを計測するなどパワーアップ。落差大のプラスのカーブに、シャープなスライダーを組み合わせる。チェンジアップもまずまずで、フォームの再現性も高いため先発適性は十分。代替キャンプで見せた球威をシーズン通して発揮できるかがポイント。
(2A)127G 488AB 18HR 43BB 98K 35SB .283/.349/.453/.801
(MLB)31G 96AB 3HR 4BB 25K .240/.267/.375/.642
◯パワー スピード 肩 / △コンタクト 守備
トレバー・ローゼンタールとのトレードでパドレスから加入。平均以上のパワー&スピードを兼ね備えるが、攻守の荒さがネックでレギュラーというよりも、第四の外野手向きとされる。打撃ではコンタクト&アプローチが脆く、メジャーでも苦戦。守備ではスピード&肩の強さは平均以上だが、
ルート取りや打球反応の鈍さから平均以下の評価にとどまっている。

16.ブルワー・ヒックレン(OF)/Brewer Hicklen:25歳
(A+)125G 419AB 14HR 55BB 140K 39SB .263/.363/.427/.790
◯パワー スピード / △LF向き? / ✖肩 コンタクト
17年ドラフト7巡目ながらフットボールで鳴らしたパワーとスピードは要注目。三振率28.3%とコンタクトは不安定だが、23歳にしてA+で14本塁打・39盗塁・OPS.790のポテンシャルを買いたい。守備は弱肩だがLFで平均以上になれる。シーリングは「20本塁打・40盗塁」、フロアーは対左のプラトーン要員。
〇5ツール / △フリースインガー RF向き
20年ドラフト3巡目。20年はパンデミックによりシーズン終了も、全米1部リーグで打率、出塁率、長打率でリーグトップとブレークしかけていた。5ツールすべてが平均から平均以上の評価を得ており、中でも広角に長打を打てるパワーが魅力。走守の能力も十分でRFに適任。フリースインガーながら20年は三振数を減らしていたが、プロ相手にも打撃成績を維持できるか。

18.ロナルド・ボラノス(RHP)/Ronald Bolanos:24歳
(A+/2A)3.66ERA 130.1IP BB/9=3.7 K/9=9.8 K/BB=2.68
(MLB)12.27ERA 3.2IP BB/9=7.4 K/9=4.9 K/BB=0.67
◯速球 カーブ / △コントロール チェンジアップ リリーフ向き?
20年夏にティム・ヒルとのトレードで加入。
19年にメジャーで19.2回/19Kをマークしたパワフルさが魅力。アベレージで94-95マイルの速球を軸に、キレが良く空振り率の高いスライダー&カーブで仕留める。チェンジアップ&コントロールの平凡さからローテーション下位~リリーフ向きのポテンシャルと見られている。

19.ザック・ハーキー(RHP)/Zach Haake:24歳
(A)2.85ERA 75.2IP BB/9=4.3 K/9=10.7 K/BB=2.50
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / △コントロール リリーフ向き? フォーム
最速97マイルの速球とスプリット気味に鋭く落ちるチェンジアップのコンボでK/9=10.6と球威は◎。しかし、投球フォームに改善の余地があり、コントロールが不安定。5月以降14先発で5.1回以上投げた試合はなく、先発適性に疑問。もしコントロールを改善できればローテーション半ばポテンシャルだが、リリーフ向きだろう。

(A)3.12ERA 112.2IP BB/9=2.7 K/9=9.6 K/BB=3.53
◯4球種 / △年齢
18年ドラフト13巡目の出身ながら、19年は初のフルシーズンで好投。20先発(25登板)を任され、リーグ2位の防御率3.12をマークした。平均~平均以上の4球種を扱う完成度が強みで、ネックだった球威もMAX97マイルに届くなど成長中。高スピンの速球と平均以上の縦カーブを軸に、チェンジアップ&スライダーを織り混ぜる。

Plus One Prospect
ルシウス・フォックス(SS)/Lucius Fox:23歳
(2A/3A)119G 407AB 3HR  59BB 104K .221/.331/.327/.657
◯スピード 守備 / ×パワー
バハマ出身。ブレット・フィリップスとのトレードで昨夏に加入した。15年に契約金600万ドルで入団の大器も、非力な打撃がネックで、マイナー4シーズンでOPS.662止まり。OPSが7割を超えたシーズンもない。しかしマイナー4年で123盗塁をマークの俊足とスケールの大きいSS守備からユーティリティーとして使い道はあるだろう。

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