2020年12月29日火曜日

2021 NEW YORK METS TOP 20 PROSPECTS

2021  NEW YORK METS 

TOP 20 PROSPECTS

Francisco Alvarez


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
フランシスコ・アルバレス(C)/Francisco Alvarez:19歳
(R)42G 157AB 7HR 21BB 37K .312/.407/.510/.916
◯パワー 打撃 肩 / △素材型 スピード パスボール多い
18年に契約金270万ドルで入団のベネズエラン。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めた攻撃型捕手で、若くして速球、変化球どちらも苦にせずバレル性の打球を量産する。一方の守備面は発展途上。19年は27試合マスクをかぶって15個のパスボールを許したが、これは近年MLBで流行っているフレーミングを重視した片膝捕球の習得過程でのもので、徐々に改善されていく見込み。肩の強さはプラス評価を得る。
Francisco Alvarez

2.
マット・アラン(RHP)/Matt Allan:20歳
(R/A-)2.61ERA 10.1IP BB/9=4.4 K/9=12.2 K/BB=2.80
◯速球 カーブ 奪三振 コントロール 体格 / △素材型
19年ドラフト3巡指名ながら1巡目相当となる契約金250万ドルで入団の高卒右腕。球威、体格、メークアップ、力感のないフォームどれも◎。最速97マイルの速球にダブルプラスのカーブをゾーンの低めにコマンドできる。チェンジアップも平均以上のボールになり得る可能性を示しており、ポテンシャルはローテ2番手クラス。
Matt Allan

3.
ロニー・マウリシオ(SS)/Ronny Mauricio:20歳
(A)116G 470AB 4HR 23BB 99K 6SB .268/.307/.357/.665
◯パワー 肩 / △スピード 3B向き? 素材型
17年に契約金210万ドルで入団。守備はメジャーでプレーしているアメッド・ロサリオやアンドレス・ジメネスほど傑出していないが、6-3/166の体型からパワーポテンシャルを期待されている。しかしスイングの長さが課題で、Aではグラウンドボール率53.6%とハードヒットを生み出せずに苦しんだ。それでもリーグ平均よりも3.5歳若かったことを加味したいところ。同じく18歳でAをプレーしたヒメネス(.265/.346/.349)と比べるとアベレージは同程度、選球眼はヒメネス、長打力ならマウリシオに軍配が上がりそうだ。
Ronny Mauricio
(R/A-)51G 188AB 7HR 35BB 65K .234/.368/.452/.821
◯パワー アプローチ 肩 / △素材型 スピード コンタクト
19年ドラフト全体12位指名。パワーと辛抱強さを兼ね備えたスラッガーで、高校最終年は93打席で打率.624・19本塁打とズバ抜けたパフォーマンス。打球速度が速く、広角にも打てるため将来は25本塁打も狙える。三塁守備は要改善だがバスケ&アメフトでも活躍の運動能力を磨けば光るかもしれない。

5.ピート・クロウ=アームストロング(OF)/Pete Crow-Armstrong:19歳
◯スピード CF守備 肩 / △パワー 素材型
20年ドラフト全体19位指名。パワー面の評価が分かれるが、それ以外の4ツールは間違いなく平均以上でグレディ・サイズモア(元インディアンス)と比較されるアスリート。守備範囲も広大で、20年ドラフト組ではNo.1の外野守備評価を得いていた。パワーを伸ばせばスケールの大きい1番CFになれる。両親はハリウッド俳優。

6.
J.T. ギン(RHP)/J.T. Ginn:22歳
◯速球 スライダー / △TJ手術明け チェンジアップ
18年ドラフトでドジャースから1巡指名も、ドラフトイヤーの20年にTJ手術。2巡目で指名されたが、1巡目相当となる契約金290万ドルでメッツ入りを決めた。健康であればMAX99マイルの速球とプラスの縦スライダーのコンビネーション。プロではチェンジアップの向上に取り組んでいく必要があるだろう。
(2A)4.19ERA 116.0IP BB/9=2.9 K/9=9.5 K/BB=3.30
(MLB)3.44ERA 49.2IP BB/9=4.3 K/9=7.2 K/BB=1.67
◯スライダー 即戦力 / △球威 チェンジアップ
18年にマイナーの規定投球回に達した投手の中では3位となるグラウンドボール率64.5%を記録したグラウンドボーラー。20年はメジャーデビューすると、新人トップの6勝をマークし、ローテーションの一角を担った。平均92マイルの4シームを高低に投げ分け、被打率.119・空振り率37%のスライダーで仕留める。マイナー通算BB/9=2.5とコマンドは本来ならば優秀。チェンジアップ&シンカーの質が上がってくれば、マイナー時代のようにゴロアウトが増えるだろう。

8.
カリル・リー(OF)/Khalil Lee:23歳
(2A)129G 470AB 8HR 65BB 154K 53SB .264/.363/.372/.735
◯パワー 肩 スピード / △素材型 コンタクト 両翼向き
パワーとスピードを兼ね備えるダイナミックな5ツール候補。19年は四球率11.9%と選べてはいるが、三振率28.2%&ゴロ率53%とヒットツールに疑問符。リーグ最多の53盗塁を決めるなどスピードは平均以上だが、守備ではスピードを生かし切れておらず、強肩と併せてRFが適任と言われている。20年は代替キャンプで経験を積み、コンタクト面を磨いた。21年こそはポテンシャルを開花させられるか。

(A)111G 416AB 12HR 22BB 110K .255/.300/.411/.711
◯パワー 肩 / △コンタクト 素材型 スピード 3B守備
17年ドラフト2巡目。長身細身の体型から伸びしろが大きく、ズバ抜けたパワーポテンシャルを秘める。フライボール特化のアプローチで打球速度も傘下トップクラス。しかし、19年は投手有利な本拠地でシーズンを通して苦しみ、特に四球率は前年の14.1%から4.8%に大幅悪化。それでも前半戦のOPS.650から後半戦はOPS.777とスランプを脱した。守備では強肩もスピードに欠け、比較されるマニー・マチャド(パドレス)のようなゴールドグラバーになるのは厳しいだろう。

10.
トーマス・サパッキー(LHP)/Thomas Szapucki:25歳
(A/A+/2A)2.63ERA 61.2IP BB/9=3.8 K/9=10.5 K/BB=2.77
◯3球種 奪三振 / △耐久性 リリーフ向き?
18年にTJ手術を受けており、健康面に不安があるが、3球種を有効に織り交ぜる先発ローテーション候補。オフには40人枠入りも果たした。球持ちが良く、低めのリリースポイントから投げ込んでくるため打者は球速以上に打ちにくい。しかし、マイナー5シーズンで最も投げられたのが19年の61.2回であり、先発投手に必要な頑丈さを備えているとは言い難い。マイナーでの投球内容は非凡だが、ブルペンが適任だろう。

11.アレクサンダー・ラミレス(OF)/Alexander Ramirez:18歳
◯パワー スピード CF守備 / △素材型 コンタクト  
19年に契約金205万ドルで入団の大型ドミニカン。現段階ではひょろひょろしているが、パワー&スピードを両立したCFになり得る。CF守備も経験を積めば平均以上になれるとの見立て。大振りなスイングでヒットツールの評価が分かれているが、バレル性の打球をキープできており、メッツ関係者は心配していない。

12.
フレディ・バルデス(OF)/Freddy Valdez:19歳
(DSL/R)60G 230AB 6HR 31BB 49K 6SB .274/.367/.448/.814
◯パワー / △両翼向き スピード コンタクト 素材型
18年に契約金145万ドルで入団のドミニカン。空振りは多いがパワーは本物。フライボールの割合が高く、四球率10.9%と選球眼も優れているスラッガーとしての資質は十分。体が大きくスピードも平均以下のためRFが適任だろう。まだメジャー昇格までは長い時間が必要だが中軸を打てるポテンシャル。

13.
フランクリン・キロメ(RHP)/Franklyn Kilome:26歳
(MLB)11.12ERA 11.1IP BB/9=7.1 K/9=10.3 K/BB=1.44
◯速球 カーブ 体格 / △コントロール TJ手術明け
TJ手術により19年シーズンを全休。コマンドが平凡なのがネックだがポテンシャルを高く評価されている。高スピンレートの最速97マイルの速球と落差の大きいカーブはどちらも決め球に使える上質なボール。コマンドの問題からブルペン向きとの声も多い。20年はメジャーデビューし、4試合にリリーフ登板。

14.
ロベルト・ドミンゲス(RHP)/Robert Dominguez:19歳
◎速球 / △素材型 コントロール / ✖チェンジアップ
19年11月、18歳になる直前にメッツと契約合意に達した豪腕。ドミニカの教育リーグでは17歳にして最速99マイルを計測。ちなみに20年のドラフト候補の高校生で99マイルを計測したのはジャレッド・ケリー(現CWS)とドミンゲスの2人だけ。球速が全てではないが、希少な存在であることは間違いない。(R)5.09ERA 40.2IP BB/9=5.5 K/9=8.0 K/BB=1.44
◯速球 伸びしろ 体格 / △素材型 コントロール
17年に27万ドルで入団の隠れた逸材。6-8/218と体格に恵まれており、90-95マイルの速球は表示以上に力がある。70マイル後半のカーブもスピンレートが高く、チェンジアップも扱える。しかしコントロールに課題があり、Rでは14先発して1度も5イニング以上を投げていない。メジャー昇格にはだいぶ時間がかかりそうだ。

16.
ミシェル・オタネス(RHP)/Michel Otanez:23歳
(R/A-)3.14ERA 63.0IP BB/9=4.0 K/9=10.0 K/BB=2.50
◯速球 / △コマンド 素材型
95-98マイルの速球を投げ込む剛腕で、シュート方向に勢いよく切れる球質はスライダーとの相性抜群だ。チェンジアップは磨く必要があるが、平均以上のボールになると見るスカウトも存在する。ブルペンでは間違いなく輝ける素材だが、チェンジアップが安定すれば先発としての可能性も十分残っている。

(A)109G 382AB 9HR 37BB 139K .209/.283/.330/.613
◯パワー 肩 / △素材型 / ✖コンタクト
長身細身のスイッチヒッターで、ズバ抜けたパワーポテンシャルの持ち主。しかし、19年にAで打率.209・三振率33%を喫するなどヒットツールに課題がある。しかしコンタクト面を改善できれば大化けの可能性あり。プラスの強肩に加え、フットワーク&ハンドリングもSSとして及第点レベルの資質を持っているが、19年はトッププロスペクトのマウリシオがいたため2Bを中心に守った。体の大きさを考えると将来は3B転向か。

(R)62G 242AB 7HR 31BB 108K .260/.344/.413/.757
◯パワー / △素材型 / ✖コンタクト
三振が多くハイリスクだが、プラスのパワーポテンシャルを秘めた素材。6-3/195の伸びしろある体格からさらなるパワー向上が見込める。一方守備ではSSとしては守備範囲が不足しており、肩の強さを考えると3Bが最もフィットしそうだ。

19.ホセ・ブット(RHP)/Jose Butto:23歳
(A)3.62ERA 112.0IP BB/9=2.5 K/9=8.8 K/BB=3.52
◯チェンジアップ 奪三振 / △カーブ リリーフ向き?
19年はメッツ傘下4位となる防御率3.62、5位となる109奪三振をマーク。特に後半戦は2イニング限定のショートスターターとして起用されると速球が90マイル前半→最速98マイルにまで上昇。傘下ベストとも評されるチェンジアップとのコンボで球宴明けは防御率2.72と好投。カーブが今一つでブルペン向きか。

20.
タイラー・メジル(RHP)/Tylor Megill:25歳
(A/A+/2A)3.52ERA 71.2IP BB/9=3.1 K/9=11.6 K/BB=3.68
◯速球 奪三振 / △コマンド チェンジアップ リリーフ向き?
6-7/230の迫力ある体躯から高スピンレートの平均93マイルの速球を投げ下ろす。80マイル中盤のスライダーも威力がある。クロスファイアー気味に投げ込んでくるため、特に右打者からすると角度が厄介。チームは今後も先発としての機会を与えていくつもりだが、コマンド&チェンジアップは平均以下のためブルペンが適任かもしれない。

21.サム・マクウィリアムズ(RHP)/Sam McWilliams:25歳
(2A/3A)4.10ERA 131.2IP BB/9=3.2 K/9=7.5 K/BB=2.32
◯スライダー スタミナ / △奪三振
メジャー未経験ながら今オフにメジャー契約で入団の右腕。6-7/230の恵まれた体格から90マイル前半から中盤のシンカーとキレ味鋭い高スピンのスライダーを投げ下ろす。17-19年にマイナーで3年続けて130イニングオーバーとスタミナも豊富。マイナー6年でK/9=7.0と奪三振能力は平均的な水準にとどまっており、ブルペンに回るか?

Plus One Prospect
ジョシュア・コーニエリー(RHP)/Joshua Cornielly:20歳
(DSL/R)4.89ERA 46.0IP BB/9=1.8 K/9=10.2 K/BB=5.78
◯コントロール / △球威 カーブ
昨季DSL/RでK/BB=5.78をマークしたコントロールが武器の右腕。速球は90マイル前半と球威は平凡だが、チェンジアップを巧みに織り交ぜてタイミングを崩す。カーブは平均的な第3球種だがキレを磨いていきたいところ。

0 件のコメント:

コメントを投稿