2025 SEATTLE MARINERS
TOP 15 PROSPECTS
2025年 シアトル・マリナーズ プロスペクトランキング
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Colt Emerson |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。
FV55
1.コルト・エマーソン(SS)/Colt Emerson:19歳23年ドラフト1巡目。マイナー最高クラスのヒットツールの持ち主と評判で、アプローチとラインドライブ感覚に長ける。24年は18歳にして(普通の高卒選手より1歳若い)AでwRC+142とあっさり適応し、A+に昇格。24年は19歳にして2Aに定着できるチャンスがある。70試合で4本塁打、ISO.113とパワーは発揮されていないが、年齢の若さや打撃感覚の良さから最終的には20本塁打程度まで伸びるだろうと楽観的な評価が多い。守備能力は平均的で、将来的にはSSから外れるとの見方が多い。「ベースボールアメリカ」は高い出塁率と15HR程度のパワーからチェイス・ヘッドリー(元SD他)と比較していた。
Colt Emerson wins this battle of Top 100 prospects vs. Cade Horton.
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) March 8, 2025
The @Mariners' top-ranked prospect leads the club's Spring Breakout contingent next week: https://t.co/v5G6R3Ks4n pic.twitter.com/DQCi675MU2
Colt Emerson
FV50
2.コール・ヤング(SS)/Cole Young:21歳22年ドラフト全体21位指名の高卒内野手。洗練された打撃能力が魅力で、打者としての完成像はダニエル・マーフィー(元WSH他)と比較されている。24年は2Aで120試合に出場してwRC+119をマーク。ライナー重視で9本塁打止まりだったが、四球率12.1%/三振率15.8%と打撃能力は疑いの余地はなく、フライ重視のアプローチに切り替えれば本塁打増も狙えるはずだ。守備面の評価も堅実で高いが、長い目で見るとSSよりも2Bの方がフィットするとの見立てだ。SSでやっていけるぐらいに守備が成長すればJ.P.クロフォードのような3-4WARプレーヤーに飛躍する可能性も。
23年度のMLB公式国際アマチュアリストで2位にランクインしていた大器で、球団史上最高額となる契約金470万ドルでSEA入りを決めた。プラスのパワー&スピードを兼ね備えた大型スイッチヒッターで、守備もSSに定着できる資質を有している。昨季はRでOPS.999と素晴らしい成績を残した一方で、ハムストリングや手首の故障があった。まずは健康に1年を過ごしたい。
22年1月にコロンビア出身選手としては最高額となる137.5万ドルで契約すると、昨季はA/A+で23本塁打/wRC+148と期待通りの活躍を見せた。打撃能力の高さと2B向きの守備力からハウィ・ケンドリック(元WSH他)と比較されている。ゴロ率34%とバレルコントロールに長けており、広角にライナー/フライを量産してパワーを発揮する。守備走塁は傑出しておらず、打撃能力が将来を左右するだろう。
Michael Arroyo lasers a 2-out 2-run triple. pic.twitter.com/AeZAKHAFD8
— Mariners Minors (@MiLBMariners) March 15, 2025
Michael Arroyo
フリオ・ロドリゲスの新人王獲得による指名権により、23年ドラフト全体29位で指名され、オーバースロットとなる契約金320万ドルでプロ入りとなった。「20-20」が狙える5ツールアスリートタイプであり、中でもスピードは70評価。辛抱強いアプローチを身に着けている一方で、スイングは荒く、打者として磨かれる必要がある。24年はAでwRC+124と好スタートを切っていたが、前十字靭帯断裂により6月でシーズン終了。
21年ドラフト全体12位指名。傑出した運動能力の持ち主で、捕手ながら走力はプラス評価。打撃は優れたハンドアイコーディネーションと辛抱強いアプローチで広角にライナーを量産できる。ゾーン管理が優秀で、22-23年は2年続けてwRC+130超、24年はやや数字を落として2AでwRC+119だった。捕手としての守備力は全体的に磨かれる必要があり、ドールトン・バーショー(TOR)のように外野手でブレイクするルートもあるだろう。
7.ラザロ・モンテス(OF)/Lazaro Montes:20歳
キューバ出身。ヨーダン・アルバレス(HOU)を彷彿とさせる左のパワーヒッター候補。24年はA/A+で21本塁打/wRC+138をマーク。四球率14.4%と見極めも落ち着いている。長打力と出塁能力を発揮した一方で、A+昇格後51試合で三振率29.6%とコンタクト能力に弱点がる。また、外野守備もDHに回る可能性が高いとの評価。DHでも価値を出せるように打ち続けるしかない。
FV45
8.ライアン・スローン(RHP)/Ryan Sloan:19歳
今季の活躍次第では球界トップクラスの投手プロスペクトに成長する可能性がある高卒右腕。昨年のドラフトで2巡指名を受けると、1巡目相当となる契約金300万ドルでプロ入りした。6-4/220の理想的な体格からMAX100マイル。スライダー&チェンジアップもプラスピッチ候補。
大学4年間で防御率6.78、23年ドラフト12巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、SEA加入後に覚醒の兆し。24年はフルシーズン1年目にしていきなり2Aで107回/防御率3.20と好投した。スウィーパーが文句無しのプラスピッチだが、奪三振率21.9%と支配力は抜きん出ていない。速球はシンキングファスト系で三振を奪うよりもゴロを打たせるのに効果的。奪三振を量産するエースよりも、ゴロを打たせてイニングを稼ぐワークホース向きか。
10.ジャレンジェロ・シンチェ(RHP/LHP)/Jurrangelo Cijntje:22歳
両投げ投手で、昨年のドラフト全体15位指名。右はMAX99マイルの速球と90マイルに届く高速スライダーが武器の本格派パワーピッチャー、左は90マイル前半の速球と横滑りするスライダーのコンビネーションで抑える技巧派ピッチャー。プロでも両投げスタイルを維持するのかどうか注目だ。23年ドラフト全体30位指名。高校では二刀流で鳴らしていたが、ドラフト年に肘を故障。野手として才能が開花し、そのまま指名された。パワーとスピードを兼ね備えたアスリートタイプで、ヒットツール向上に課題がある。24年はAでwRC+100とまずまずの内容だったが、三振率は30.7%と悪く、7本塁打&HR/FB=7.5%とパワーも今一つ発揮できなかった。将来的な守備位置も不透明で、すでに三塁や外野でも出場している。
Three hits for Tai Peete at #SpringBreakout!
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) March 15, 2025
The @Mariners' No. 12 prospect gets even hotter with a 110.6 mph homer.
Tune into the showcase event LIVE: https://t.co/RisKZeaiuD pic.twitter.com/6B9r9CB5nB
Tai Peete
22年ドラフト2巡目。コンタクト能力とスイング判断は要改善も、長打力と四球率の高さを兼ね備えた生粋のスラッガータイプ。24年は2AでwRC+160、3Aで103を記録しMLBデビューを経験。四球率12.3%と四球は多いが、スイング率50%という積極アプローチでボール球を振ることも多いので、MLBでどうなるか。走守で貢献を稼げるタイプではないため、打ち続けることが求められる。
健康ならエース級の投球ができるパワーピッチャー。アマチュア時代に2度のTJ手術をしており、昨季復帰したが4試合に登板したのちに再び肘を負傷しシーズン終了となってしまった。MAX98マイルのシンカーとプラスのスライダーのコンビネーション。健康面に加えて、大学2シーズンで与四球率13.9%とコントロールも不安定。
大学では4年間で防御率5.93&リリーフ中心の起用だったが、プロ1年目にいきなり25先発で防御率2.25/奪三振率27%と覚醒。994-95マイルのツーシームと大きく曲がるスウィーパーのコンボでゴロと三振の山を築く。チェンジアップの質や全体的なコントロールは発展途上で、先発として大成するにはもうワンランク成長が求められる。
Notable Prospects
23年ドラフト2巡目。プラスの3B守備と成熟したアプローチで左右へ打ち分けるミドルヒッティングが強み。24年はA+/2Aで打率.283/出場率.375をマークしたが、124試合で4本塁打とパワー不足が目立つ。ゴロ率47.9%とフライボールを打つのに苦戦している。
マイケル・モラレス(RHP)/Michael Morales:22歳
21年ドラフト3巡目、オーバースロットとなる150万ドルで契約した高卒右腕。プロ入りから3年連続100イニング超、昨季は自己最多の149イニングを投げ抜くなどイニングイーターとして着実に成長している。速球は92マイル程度で奪三振率は平凡だが、5球種をコントロール良く投げ分ける。アシュトン・イジー(RHP)/Ashton Izzi:21歳
22年ドラフト4巡目の高卒右腕で、現トッププロスペクトのノア・シュルツ(CWS)は高校のチームメイト。スラリとした長身から投げ込まれる94マイル前後の速球はさらなる向上の余地あり。スウィーパー、チェンジアップも評価が高く、課題のコマンドを磨いていけばローテーションクラスの投手に育つかもしれない。
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