2020年12月2日水曜日

2021 TAMPA BAY RAYS TOP 20 PROSPECTS

2021 TAMPA BAY RAYS

TOP 20 PROSPECTS

Randy Arozarena


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.ワンダー・フランコ(SS)/Wander Franco:20歳
(A/A+)114G 425AB 9HR 56BB 35K 18SB .327/.398/.487/.885
◎打撃 / ◯パワー / △2B/3B向き?
マイナーNo.1プロスペクト。18歳離れした打撃能力は本物で、卓越したコンタクト&ソーンコントロールを有している。パワーポテンシャルもダブルプラスだが、ゲームの中では発揮しきれていない。守備は長期的に見れば2B/3B向きと見られている。20年は代替キャンプでメジャーレベルの投手との対戦経験を積んだ。
Wander Franco

2.
ランディ・アロザレナ(OF)/Randy Arozarena:26歳
(MLB)23G 64AB 7HR 6BB 22K .281/.382/.641/1.022
◯スピード パワー / △守備
元々はコンタクト&スピードが武器の二塁打マシーンとの評価だったが、20年は長打力が開眼。特にポストシーズンでは計10本塁打を放ち、ポストシーズンの本塁打記録を更新。リーグ優勝決定シリーズではMVPを獲得するなど一躍時の人となった。守備ではルート取りが今一つで平均的な評価にとどまる。シーズン通してどれだけの成績を残すか注目だ。

3.ビダル・ブルハン(2B/SS)/Vidal Brujan:23歳
(A+/2A)99G 383AB 4HR 37BB 61K 48SB .277/.346/.389/.735
◎スピード / ◯コンタクト 守備 / ✖パワー
小柄ながら打撃センスは本物。ハイアベレージ&出塁率の見込めるリードオフタイプで、スピードは20-80スケールで80評価。ズバ抜けたアスリートで守備も素晴らしく、2Bを中心に内外野をこなすユーティリティー性も併せ持つ。パワーレスだが上手く育てば8-10HR程度が見込める。比較対象はオジー・アルビース(ブレーブス)。
Vidal Brujan

4.
ルイス・パティーノ(RHP)/Luis Patino:21歳
(A+/2A)2.57ERA 19GS 94.2IP BB/9=3.6 K/9=11.7 K/BB=3.24
(MLB)5.19ERA 17.1IP BB/9=7.3 K/9=10.9 K/BB=1.50
◎速球 / ◯スライダー 奪三振 運動能力 / △体格 チェンジアップ
ブレーク・スネルとのトレードで加入。6-0/192と体は大きくないが、運動能力に富んだ軽快なメカニクスから最速99マイルの速球と80マイル中盤のスライダーを投げ込む本格派。82マイル前後のカーブでカウントを稼ぐ器用さも備える。チェンジアップの向上が課題で、対左被OPS.781と左打者を苦手にしている。20年はメジャーデビューしたが、17.1回/14BBとコマンドに苦しんだ。新天地では先発としてチャンスを与えられるか。
(2A/3A)1.10ERA 73.2IP BB/9=2.2 K/9=12.5 K/BB=5.67
(MLB)5.14ERA 49.0IP BB/9=2.9 K/9=10.3 K/BB=3.50
◯4球種 コマンド 打撃 / △肩の手術明け
二刀流プレーヤー。19年はMLBでも11先発してK/BB=3.50と持ち味のコマンドを披露。平均93.9マイルの速球を主体にカッター、カーブ、チェンジアップを織り交ぜる。20年はコロナ陽性⇒肩の関節唇損傷の手術で登板なし。チームは来春のキャンプでの復帰を望んでいるが、同手術からの完全復活は時間がかかるため、来季中のメジャー復帰は厳しいかもしれない。*リュ・ヒョンジンは15年5月に手術⇒16年5月にマイナー復帰しメジャーで1登板⇒17年はメジャーでフルシーズンプレー(途中離脱含む)。

6.
シェーン・バズ(RHP)/Shane Baz:22歳
(A)2.99ERA 81.1IP BB/9=4.1 K/9=9.6 K/BB=2.35
◎速球 スライダー / ✖コントロール
クリス・アーチャーとのトレードで加入の17年ドラフト1巡目右腕。MAX100マイルの速球にキレあるスライダーのコンビネーションは強烈だが、キャリアを通してコントロールに苦しんでいる。それでもレイズ移籍後にフォームを改良し、ストライクゾーンへの投球割合は18年の59.5%→19年は61.5%にUP。2球種で圧倒するが制球に苦しんでいる元パイレーツ所属という点でT.グラスナウと重なる。チェンジアップ&カーブは未完成。
Shane Baz
(A/A+/2A)3.36ERA 120.2IP BB/9=3.4 K/9=11.5 K/BB=3.42
◎速球 / ◯3球種 奪三振 / △コントロール
18年ドラフト1巡目の大型左腕。100マイルの速球&スライダー&平均以上のチェンジアップはクリス・セール(レッドソックス)と比較されるポテンシャル。19年はシーズン最初の48イニングでBB/9=5.6とコントロールに苦しんだが、その後の73イニングはBB/9=1.8と改善された。20年はポストシーズンでメジャーデビュー。コマンドに苦しむ場面が目立ったが最速101マイルを計測。支配的な3球種持っており、リリーフに専念させるにはまだ早い。

(A/A+)123G 503AB 1HR 44BB 54K 34SB .322/.375/.396/.771
◎スピード / ◯守備 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
19年12月にトミー・ファムとのトレードでパドレスから加入の18年ドラ1。エリック・ヤングと比較されるスピードスターで、打撃は非力ながらA/A+で打率.322とコンタクトに秀でる。スイッチヒッターでアプローチも良く、リードオフとして重宝されるだろう。守備範囲は広く守備動作も滑らかだが、肩があまり強くないのでSSよりも2B向き。◎速球 / ◯3球種 / △コマンド リリーフ向き?
20年ドラフト3巡目。3巡目としては史上最高額となる契約金330万ドルで入団。オフにブレーク・スネルのトレードで加入した。最速100マイルの速球&86-88マイルのスラッターのコンビネーションが強烈。チェンジアップも平均以上で体格も恵まれているが、コマンド&投球フォームの評価が高くなく、ブルペン向きと見るスカウトも少なくない。
(A/A+/2A)1.96ERA 123.2IP BB/9=2.0 K/9=13.3 K/BB=6.78
◎速球 / ◯奪三振 コマンド/ △変化球
マイナーで規定投球回を投げた投手の中で「K/9=13.0以上・BB/9=2.0以下」をクリアした唯一の投手。92-95マイルの速球はスピンレート2250と平均的だが、恵まれたエクステンションと水球で培ったバックスピンを利かせるリリースを武器に打者を手玉に取る。この速球が投球の76%を占める。上のレベルに対応するには変化球の向上が求められる。スライダーの強度を上げたい。

11.ニック・ビツコ(RHP)/Nick Bitsko:19歳
◯速球 カーブ 体格 / △素材型 肩の手術明け
20年ドラフト全体24位指名の高卒右腕。オーバースロットとなる契約金300万ドルでプロ入りを決めた。6-4/220の迫力ある体躯からMAX98マイルの速球にプラスのカーブのコンビネーション。コントロール&チェンジアップの評価もまずまずだが、パンデミックの影響で実戦経験に乏しく、マイナーでのプレーを見ないことには何とも言えない。オフに肩の手術を受け、21年シーズンの復帰は未定。

◯5球種 速球 コマンド / △肘のコンディション
肘の手術によりここ3ーズン登板なし。故障前は先発ローテーション2番手相当のポテンシャル評を得ていた。健康時にはMAX99マイルの速球とスクリューで打者をきりきり舞いにしていた。チェンジアップ、スライダー、カーブも上質な上にコマンドも良い。20年はコロナの影響で仕方ないとはいえ、3シーズンのブランクを覆せるか。

13.ジョシュ・ロウ(OF)/Josh Lowe:23歳
(2A)121G 448AB 18HR 59BB 132K 30SB .252/.341/.442/.783
◯スピード 肩 CF守備 / △コンタクト 素材型
16年ドラフト1巡目の5ツールポテンシャル。19年は2Aでキャリアハイとなる18本塁打・OPS.783・30盗塁をマークし、オフには40人枠入りを果たした。三振の多さは相変わらずだがセレクティブなアプローチでゲームパワーも証明した点は評価したい。プラスのスピード&強肩を兼ね備えたアスリートで外野守備は傘下ベスト評価。「20-20」が期待できるCFだ。

(A-)48G 191AB 1HR 22BB 56K 19SB .335/.413/.461/.874
◎スピード / △打撃 パワー
20-80スケールで80評価のスピードが武器の韋駄天SS。19年ドラ1。A-では打率.335とよく打ったが、打撃の評価は平均以下。二桁ホームランも狙える水準だが、自分のスピードを生かせる最適なアプローチを見つけていきたい。肩はSSとして及第点だが、俊足があまり守備範囲に生かされていない。外野等に転向する可能性もあり、将来的なポジションは不透明。ビリー・ハミルトンのような将来像か。

15.
JJ ゴス(RHP)/JJ Goss:20歳
(R)5.82ERA 17.0IP BB/9=1.1 K/9=8.5 K/BB=8.00
◯3球種 体格 コントロール / △素材型
19年ドラフト全体36位の高卒投手。6-3/185の恵まれた体格から伸びしろを期待されている。プロ入り時に90-92マイル程度だった速球は、20年の教育リーグでは92-95マイルを計測するなどパワーアップ。体格の成熟と共にさらなる上昇が期待できる。80マイル前半のスライダーがベストピッチで打者の手元でカクッと落ちる。チェンジアップも扱えコントロールも安定しているため、今後も先発投手として育成されるだろう。

16.
ニック・シュネル(OF)/Nick Schnell:21歳
(R/A-/A)55G 223AB 5HR 20BB 84K 5SB .265/.325/.448/.774
◯スピード 肩 打撃 / △パワー 素材型
18年ドラフト1巡目。走攻守揃ったオールラウンダーで、俊足&強肩からCFに残れる資質を有している。打撃はフィールド全体を扱うギャップヒッターで、6-3/180の体格からパワーも向上が期待できる。将来はアレックス・ゴードン(前ロイヤルズ)のような守備型オールラウンダーか。

17.
セス・ジョンソン(RHP)/Seth Johnson:22歳
(R)2.12ERA 17.0IP BB/9=1.6 K/9=8.5 K/BB=5.33
◯速球 スライダー / △第3球種 コマンド 投手経験
19年ドラフト全体40位指名のカレッジ選手。大学2年までは野手としてプレーしており、本格転向は3年になってから。力みの少ないフォームから91-95マイルの速球と平均以上のスライダー主体の投球。速球はMAXで98マイルに達する。第3球種の習得とコマンドの洗練が課題。投手経験が浅く、どう育つかは未知数。
(A+/2A)96G 367AB 10HR 45BB 79K 28SB .270/.343/.452/.795
◯コンタクト スピード SS守備 / △パワー
ホームランを量産するパワーはないがコンタクトとアプローチに優れるミドルヒッター。マイナー3年で140盗塁を決めるなどスピードも優れ、1,2番打者に適任。守備面では平均以上の肩の強さと守備範囲を見せており、平均以上のSSディフェンダーになれる。ユーティリティーもしくは下位レギュラーが将来像だろう。

19.アリカ・ウィリアムズ(SS)/Alika Williams:22歳
◯SS守備 コンタクト / △パワー
20年ドラフト全体37位指名。大学米国代表としてもプレーした実力者で、ベン・ゾブリストのようなスーパーユーティリティプレーヤーになり得る。打球判断とハンドリングに優れたSS守備はカバー範囲大で、長くポジションに残れると評判。打撃はBB>Kのアプローチが光るコンタクトヒッター。パワーは高望みできないが、成長中。
(2A/3A)3.57ERA 148.2IP BB/9=1.6 K/9=6.5 K/BB=4.00
(MLB)2.78ERA 32.1IP BB/9=1.9 K/9=7.0 K/BB=3.57
◎コマンド / △対左打者 / ×球威
20年にメジャーデビューすると5勝0敗と好投し、チームのリーグ優勝に貢献。マイナー3年でBB/9=1.6のコマンドが最大の武器で、速球は平均90.5マイル止まりながら低めに集める投球でハードコンタクトを許さなかった。平均の被打球速度86マイルはメジャー上位13%と指標にも持ち味が反映されている。チェンジアップが決め球で、右打者の方が相性が良い。左打者対策にスライダー系を磨きたい。

21.マイケル・プラスメイヤー(LHP)/Michael Plassmeyer:24歳
(A/A+/3A)1.91ERA 132IP BB/9=1.6 K/9=7.4 K/BB=4.74
◎コマンド / ×球威
21位のフレミングと同じくコマンドに優れるローテーション下位タイプの左腕。89-90マイルの速球で両コーナーを突き、平均的なスライダー&チェンジアップを織り交ぜ打者を崩す。19年はマイナー全体2位(120イニング以上)となる防御率1.91をマークした。

Plus One Prospect
フォード・プロクター(SS/C)/Ford Proctor:24歳
(A/A+)121G 458AB 6HR 69BB 90K .290/.383/.402/.785
◯アプローチ 複数ポジションOK / △パワー 守備範囲
18年ドラフト3巡目。攻守に確実性が高く、打撃はアプローチの良いギャップヒッター。20年は米独立リーグで打率.346をマーク。守備ではルーティンプレーをしっかりこなすが、SSとしては守備範囲が物足りず2B向き。オフに参加したオーストラリアリーグでは捕手を経験し、ユーティリティー性がUP。オースティン・バーンズやトニー・ウォルタースのようなスーパーサブとして期待。


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