2020年12月31日木曜日

2021 WASHINGTON NATIONALS TOP 20 PROSPECTS

2021 WASHINGTON NATIONALS

TOP 20 PROSPECTS

Jackson Rutledge

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ケード・カバリ(RHP)/Cade Cavalli:22歳
◯速球 変化球 / △耐久性 コマンド
20年ドラフト1巡目。腕のコンディション不良で評価を落としたが、ポテンシャルはエース級。最速98マイルのホップ型のフォーシームと80マイル前半のハンマーカーブのコンボ。80マイル後半のスラッターも磨きがかかった。コマンドと健康面に不安があり、リスクはある。プロ入り後は代替キャンプと教育リーグで経験を積んでおり、21年は準備万端。
Cade Cavalli

(R/A-/A)3.13ERA 37.1IP BB/9=3.6 K/9=9.4 K/BB=2.60
◎速球 / ◯スライダー 体格 / △コマンド 素材型
19年ドラフト1巡目。6-8/250の恵まれた体躯と凄まじいポテンシャルから元ナショナルズのルーカス・ジオリト(現Wソックス)と比較される。最速99マイルの速球とパワースライダーがプラスピッチで、カーブ&チェンジアップも平均以上のポテンシャルを秘める。ジオリトを彷彿とさせるショートアームを採用しており、じきに課題のコントロールも向上するだろう。20年は代替キャンプでコントロール良く投球できていた。
Jackson Rutledge

3.コール・ヘンリー(RHP)/Cole Henry:21歳
◯速球 カーブ / △耐久性
20年ドラフト2巡目。1巡目級のポテンシャルの持ち主で、オーバースロットとなる契約金200万ドルで合意した。大学2年でプロ入りと1位のカバリよりも1歳年下である点もプラス。最速97マイルのシンキングファストと70マイル中盤の縦カーブを主体にチェンジアップも向上中。肘の故障歴がある点は心配。
Cole Henry


4.
ヤセル・アンチュナ(SS)/Yasel Antuna:21歳
(R)3G 6AB 0HR 2BB 1K .167/.375/.167/.542
◯パワー 肩 / △守備 素材型 / ✖エラー 
16年に国際アマチュアFAではナショナルズ史上最高額となる契約金385万ドルでプロ入りしたドミニカン。19年はTJ手術のためにわずか3試合の出場にとどまった。荒削りながらパワーを秘めたスイッチヒッターで、バレル性の打球を量産する攻撃面のポテンシャルは極めて高い。スピードと肩は平均以上で、グラブ捌きも柔らかいが、マイナー2年で守備率.871は落第点だ。20年は代替キャンプで本塁打を量産して評価が急上昇。

5.ティム・ケイト(LHP)/Tim Cate:23歳
(A/A+)3.07ERA 143.2IP  BB/9=2.0 K/9=8.7 K/BB=4.34
◎カーブ / ◯コマンド グラウンドボーラー / △体格 球速
速球は平均89マイルと球威は平凡だが、縦に割れるカーブが絶品。19年は143.2回で139Kを奪い、グラウンドボール率58.3%はマイナー全体10位の高水準だった。平均以下だったチェンジアップも向上を辿り、右打者対策も十分。コマンドは良いだけに速球をあと2マイルほど伸ばせればローテーション4番手クラスの投手になれるだろう。

6.
アンドリー・ララ(RHP)/Andry Lara:18歳
◯速球 体格 / △素材型
19年に契約金125万ドルで入団のベネズエラン。92-95マイルの速球を投げ込み、すでに再現性の高いフォームも身に付けている。投球センスにも秀でており、カーブ&チェンジアップを効果的に扱う。また6-4/180と理想的な体格をしており、3球種を角度をつけて投げ込むことができる。時間はかかるだろうが、傘下トップクラスの投手になり得る素材だ。

7.
ジェレミー・デラロサ(OF)/Jeremy De La Rosa:19歳
(R)26G 82AB 2HR 12BB 29K 3SB .232/.343/.366/.709 
◯5ツール / △素材型
フアン・ソトに次ぐパワーバットとして注目の原石。素早いスイングスピードで、フィールド全体にバレル性の打球を量産を生み出せる。また2ストライクになったらスタンスをかがめるソト流のアプローチを取り入れている。
ビクター・ロブレスのようにはズバ抜けてはいないが、走守も高評価。20年は代替キャンプに参加し、センターへ2HRを放つなど年上選手を相手に自信をつけた。(A)55G 201AB 4HR 34BB 57K .264/.377/.383/.760
◯アプローチ パワー 肩 / △コンタクト 消極的すぎ
19年ドラフト3巡目。ゾーン理解に長けた四球マシーンで、Aでは四球率14.8%をマーク。また6-5/230と大柄からパワーも向上が見込める。しかしアプローチが消極的すぎるところがあり、チームはもう少し積極的に打つようにアプローチを改善させようとしている。プロ入り後に1Bに転向したが、運動能力の高さから早くも適応を見せている。完成型はマット・カーペンター(カージナルス)だろうが、丁度よいアプローチを見つけてパワーナンバーを伸ばす必要がある。(R)7.52ERA 20.1IP BB/9=6.2 K/9=8.4 K/BB=1.36
◯速球 体格 運動能力 / △素材型 故障歴 コントロール
18年ドラフト全体27位。故障歴があり、リスクを負っての指名となったが、19年はコンディション不良に悩まされ、オフには肩の手術を受けた。20年は復帰して教育リーグに参加した。高校では投手、野手、アメフトのキッカーの「三刀流」をこなし、18年ドラフトで最も運動能力が高いと評判だった。6-4/195の体格から最速97マイルを投げ込むポテンシャルは文句無し。健康を取り戻せるかが最大のカギ。
 
10.セス・ロメロ(LHP)/Seth Romero:25歳
(A)3.91ERA 25.1IP BB/9=2.8 K/9=12.1 K/BB=4.25
(MLB)13.50ERA 2.2IP BB/9=10.1 K/9=16.9 K/BB=1.67
◯速球 スライダー 奪三振 / ✖素行面
17年のドラフト1巡目。薬物使用、門限破り、チームメイトへの暴行…数々の問題行動により大学の野球部から除名処分を受けた超問題児。19年はチームの規律違反で春季トレーニングを追い出されるなどプロ入りしても相変わらず。しかし、野球の才能は本物で、速球&スライダーのコンビネーションは威力抜群。ポテンシャルはローテーション半ばクラスなだけに人として成長してほしい。20年はリリーフとしてデビューも、チームは先発として期待しているため、21年はマイナーで先発経験を積むことになるだろう。

11.
ロイスマー・キンターナ(OF)/Roismar Quintana:18歳
◯パワー CF守備 / △素材型
19年に契約金82万ドルで入団のベネズエラン。運動能力に富んだフィジカル面と平均以上のパワーからマーセル・オズーナ(前ブレーブス)を彷彿とさせる。両翼/DH向きのオズーナに対して、スピードのあるキンターナはCFに残れる可能性を残している。

12.
サミー・インファンテ(SS)/Sammy Infante:20歳
◯オールラウンド / △コンタクト 素材型
20年ドラフト2巡目。大学進学の可能性もあり、オーバースロットの契約金で合意した。目立ったプラスツールはないが、5ツール全てが平均~平均以上で野球センスも抜群。1番の欠点はヒットツールだが、そこさえ改善できれば20年ドラフト組ではトップクラスの高校生SSとの評判だった。

13.
ホアン・アドン(RHP)/Joan Adon:22歳
(A)3.86ERA 105.0IP BB/9=3.8 K/9=7.7 K/BB=2.05
◯速球 スライダー / △コントロール チェンジアップ
19年はAで11勝をマークするなど一気にブレーク。7月に防御率8.10と息切れしたが、8月には防御率1.93と復調してみせた。平均93マイル、コンスタントに95-96マイルを計測する速球と80マイル中盤のスライダーのコンボはパワフル。チェンジアップは平均87マイルと速球との球速差が甘く、改善の余地あり。コントロールも磨いていく必要がある。オフに40人枠入りするなどチームも期待している。

14.
マット・クロニン(LHP)/Matt Cronin:23歳
(A)0.82ERA 22.0IP BB/9=4.5 K/9=16.8 K/BB=3.73
◯速球 カーブ 奪三振 / ×コントロール
19年ドラフト4巡目。早期昇格の期待できるパワフルリリーフ左腕。オーバースローから投げ下ろされる92-95マイルの速球と縦に割れるカーブはいずれもプラスピッチ。コントロールに不安を抱えているが、安定感を磨いていけばセットアッパークラスのリリーバーになれるだろう。

15.トレス・バレラ(C)/Tres Barrera:26歳 
(2A)101G 357AB 8HR 36BB 69K .249/.323/.381/.704
◯肩 C守備 / △打撃
19年9月にはメジャーデビューを果たすなど守備型のバックアップ捕手としての働きが期待できる。運動能力が高く、スローイングやブロッキングなど捕手としての才能は文句無し。打撃のポテンシャルは平凡だが、コンパクトなスイングへと転換し、19年はキャリアハイとなる23二塁打を放った。レギュラーとまではいかなくても、優秀なバックアップになれるだろう。20年は禁止薬物の使用により80試合の出場停止処分。

16.ジェーク・アービン(RHP)/Jake Irvin:24歳
(A)3.79ERA 128.1IP BB/9=2.7 K/9=7.9 K/BB=2.97
◯体格 速球 / △チェンジアップ
18年ドラフト4巡目。19年の4月は防御率8.24と苦しんだが、5月以降は20先発で防御率2.95と見違える投球。90マイル前半の速球は終盤には95-96マイルを計測するなどパワーアップ。カーブもよく切れ、6-6/225と体格も理想的。チェンジアップの向上が必須で、昨季は対左打者にOPS.759と苦しんだ。

17.スティーブン・フエンテス(RHP)/Steven Fuentes:24歳
(A+/2A)2.23ERA 80.2IP BB/9=2.5 K/9=9.9 K/BB=4.05
◯奪三振 3球種 / △球威 リリーフ向き
球威は平均的だが投球術に優れており、ユスメイロ・ペティート(アスレチックス)と比べられる便利屋。90マイル前半のシンカーを武器に19年はグラウンドボール率58%をマーク。スライダー&チェンジアップも三振率40%超えと決め球として効果的だった。

18.ジャクソン・クラフ(SS)/Jackson Cluff:24歳
(A)62G 240AB 5HR 26BB 63K .229/.320/.367/.687
◯肩 スピード 守備 / △打撃 パワー
19年ドラフト6巡目。大学時に精神面の問題で2シーズン休養したが、19年にカムバックすると打率.325をマークするなど好成績を残し、ナショナルズからドラフト指名を受けた
。平均以上のスピードと強肩を生かしたSS守備が計算でき、ユーティリティーポテンシャル。打撃のコンスタントさを改善できればジェーク・クロネンワース(パドレス)になれる。

19.
ダニエル・マーテ(OF)/Daniel Marte:20歳
(DSL)55G 210AB 5HR 11BB 67K .257/.310/.448/.758
◯スピード / △素材型
19年にDSLでチームトップの5本塁打・長打率.448をマーク。20年も教育リーグで印象的なパフォーマンスを見せた。プラスのスピードを備えたCFで、打撃はライナー中心の中距離ヒッター。プロ入り後に20ポンドの増量に成功するなどパワー面も向上の兆し。フリースインガーでコンスタントさを磨いていきたい。
(R)37G 154AB 0HR 21BB 31K 6SB .359/.455/.481/.935
◯コンタクト / ✖パワー 
5-8/147とかなりの小兵でパワーはからっきしだが、19年にRで打率.359をマークしたコンタクトヒッター。スピードと内野守備はどちらもメジャー平均レベルのポテンシャルを秘めており、今後も打ち続けることができればメジャーでユーティリティーの枠を狙えるだろう。まだ若く、これからの選手だ。

Plus One Prospect
(2A/3A)3.39ERA 93.0IP BB/9=2.5 K/9=10.1 K/BB=4.00
(MLB)4.91ERA 11.0IP BB/9=4.1 K/9=13.1 K/BB=3.20
◯スライダー 奪三振 / △コントロール 被弾多い リリーフ向き
21年シーズンのメジャー定着に期待のリリーバー。高スピンの速球&スライダーのコンビネーションで、メジャー通算34.2回/42Kをマークしている。20年は速球、スライダーいずれも被打率1割台と好調で、特に決め球のスライダーは空振り率46%と冴えていた。一方でHR/9=2.6と一発病が顕著。コントロールを磨いて被弾を減らしたいところ。

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