2021年1月11日月曜日

2021 ST. LOUIS CARDINALS TOP 20 PROSPECTS

2021 ST. LOUIS CARDINALS

TOP 20 PROSPECTS

Dylan Carlson


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.ディラン・カールソン(OF)/Dylan Carlson:22歳
(2A/3A)126G 489AB 26HR 58BB 116K .292/.372/.542/.914
(MLB)35G 110AB 3HR 8BB 35K .200/.252/.364/.616
◯パワー アプローチ スピード 肩 守備 /△両翼向き?
19年に20歳ながらマイナーで「20-20」を達成したオールラウンダー。5ツールすべてが平均以上の評価を得ており、四球率10.4%と選球眼も良い。スイッチヒッターだが、両打席で高いフライ/ラインドライブ率をマークしており、穴のない1、2番打者に育つだろう。現在はCFを守っているがスピードは平均をやや上回る程度のため、長い目で見るとRF向きか。もしRFに回れば平均以上の守備貢献が期待できるだろう。20年はメジャーデビューも苦しい内容。
Dylan Carlson

2.マシュー・リベラトーレ(LHP)/Matthew Liberatore:21歳
(A)3.10ERA 78.1IP BB/9=3.6 K/9=8.7 K/BB=2.45
◯速球 カーブ 4球種 コマンド グラウンドボーラー / 
高卒出身ながら完成度が高く、スティーブン・マッツ(メッツ)やタイラー・スキャッグス(元エンゼルス)と比較されている。6フィート5の長身から平均以上の4球種を低めに投げ分け、グラウンドボール率57.8%とゴロを打たせる技術に優れている。将来は三振を量産するエースとまではいかないだろうが、堅実なローテーション投手に育ってくれるだろう。

3.ノーラン・ゴーマン(3B)/Nolan Gorman:21歳
(A/A+)125G 456AB 15HR 45BB 152K .248/.326/.439/.765
◎パワー / △スピード 3B守備 / ✖コンタクト
空振りは多いが40ホーマーを狙えるパワーヒッター候補。19年は三振率29.7%とコンタクト難に苦しんだが、リーグ平均よりも3歳以上若かったことと、A+は投高であり、傑出度を見るwRC+は123(100が平均)と平均以上だったことから救いの余地はある。21年は2Aで開幕を迎える予定。守備面は強肩だが守備範囲に乏しく、三塁に残るには特訓が必要。
Nolan Gorman

4.イバン・ヘレーラ(C)/Ivan Herrera:21歳
(A/A+)87G 306AB 9HR 40BB 72K .284/.374/.405/.779
◯コンタクト / △素材型 パワー / ✖スピード
素早くコンパクトなスイングでコンタクトを量産する攻撃型捕手。めったに空振りすることもなく、増量を経てパワーも15本程度まで向上する可能性がある。守備では運動能力は十分も技術的に未発達。しかし、チームのプログラムに懸命に取り組んでおり、改善が期待できる。ブロッキングでは進歩もフレーミングと送球に課題。それでも19年は盗塁阻止率31%と特訓の成果が出始めている。

5.
ザック・トンプソン(LHP)/Zack Thompson:23歳
(R/A+)3.52ERA 15.1IP BB/9=2.3 K/9=13.5 K/BB=5.75
◯4球種 即戦力 / △コマンド 耐久性
19年ドラフト1巡目。ガッシリした体格で4球種を織り交ぜるワークホース向きのプロフィール。速球は90マイル前半だが、リリーフ時には96-97マイルを計測するなど馬力がある。ローテーション半ばクラスの球威の持ち主だが、細かいコマンドは平均以下のため、ローテーション4~5番手のイニングイーター止まりと見るスカウトも。大学2年の時に肘の故障でシーズンを棒に振っており、健康面も心配事の一つ。

6.メイソン・ウィン(SS/RHP)/Masyn Winn:19歳
〇二刀流 素材型 / △体格
20年ドラフト2巡目。SS/RHPの二刀流選手としてドラフト指名された。5-11/180とアンダーサイズながら投打に才能を示しており、元全体1位指名のマット・ブッシュ(元レンジャース)と比較されている。野手としては運動能力に支えられたSS守備&パワーポテンシャル。投手としては高スピンレートの最速98マイルの速球&カーブを投げ込む。
Masyn Winn

7.
ジョーダン・ウォーカー(3B)/Jordan Walker:19歳
◯パワー 肩 / △コンタクト 素材型 1B向き?
20年ドラフト1巡目。6-5/220の恵まれた体格にパワーを秘めたスラッガー候補。大振りながら速球への対応力を見せている。しかし、プロレベルでもパワーを発揮していくためには、コンタクト&選球眼の向上がカギとなるだろう。守備では大柄な体格に比して俊敏に動け、強肩で3B残留の可能性を見せているが、肥大化すると1B転向のリスクもある。4番サードを狙えるポテンシャルだが、攻守に磨かれる必要がある。

8.
アンドリュー・ニズナー(C)/Andrew Knizner:25歳
(MLB)8G 16AB 0HR 0BB 5K .250/.235/.313/.548
(3A)66G 246AB 12HR 24BB 37K .276/.357/.463/.821
◯コンタクト 肩 / △パワー フレーミング 早打ち
広角にライナーを打ち分けるコンタクトが武器で、マイナー4年で打率.302をマークしている。早打ちで四球も三振も少ない。パワーは平均以下の評価だが、19年はメジャー/マイナー合わせて14本塁打とキャリアハイを更新。守備では19年盗塁阻止率42%と肩が強くブロッキングも上手いが、フレーミングが平均以下のため、捕手としての総合評価は平均以下にとどまっている。完成像はカート・スズキ(前ナショナルズ)か。

9.
ホアン・オビエド(RHP)/Johan Oviedo:23歳
(A+/2A)4.73ERA 146.2IP BB/9=4.7 K/9=10.0 K/BB=2.14
(MLB)5.47ERA 24.2IP BB/9=3.6 K/9=5.8 K/BB=1.60
◯速球 体格 / ✖コントロール
6フィート6の長身から繰り出される94-98マイルの速球はエクステンションにも富んで抜群。19年はA+で5先発/防御率1.60と好投も、2Aでは23先発/防御率5.65と苦しんだ。投球フォーム&コントロールを磨く必要がある。スライダーは高スピンで将来の決め球になり、チェンジアップも磨けば平均から平均以上のボールになれる。20年はデビューし5先発を任されたが、21年はマイナースタートで経験を積む形となるだろう。

10.ティンク・ヘンス(RHP)/Tink Hence:18歳
◯速球 / △素材型
20年ドラフト2巡目補完指名。ショーケースのたびに成長を見せており、19年10月には96マイルを計測。20年春はパンデミックによりアピールの場に恵まれなかったが、93-95マイルの速球を主体にスライダー&チェンジアップを扱う。6-1/175とアンダーサイズだが、運動能力の高さとフォームの再現性から先発適性あり。

11.ジョン・トーレス(OF)/Jhon Torres:21歳
(R/A)54G 178AB 6HR 26BB 65K .242/.337/.410/.747
◯パワー 強肩 / △素材型 RF向き コンタクト 
ハイリスクハイリターンのプロスペクト。6-4/200の恵まれた体格に平均以上のパワーと強肩を兼ね備える。19年はRではOPS.918と同世代の選手を圧倒したが、Aでは年上相手にOPS.452・三振率38%と苦戦した。守備では外野3ポジションを守れるが、平均的なスピードと平均以上の肩の強さからRFが最も適任だと見られている。

12.
ジュニアー・フェルナンデス(RHP)/Junior Fernandez:24歳
(MLB)13.50ERA 4.0IP BB/9=11.3 K/9=4.5 K/BB=0.40
(A+/2A/3A)1.52ERA 65.0IP BB/9=4.2 K/9=11.1 K/BB-2.67
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / △コントロール
平均97.0マイルの沈む速球でゴロを打たせ、落差の大きいチェンジアップ&スライダーで空振りを奪うパワーリリーバー。20年は3登板に終わったが、19年には11.2回/16Kとパワフルな内容。特に速球との球速差が10マイル以上あるチェンジアップはメジャーでも被打率.071・空振り率21.7%と抜群だった。セットアップ以上を担うには、平均以下のコントロールを磨く必要がある。

13.
エンジェル・ロンドン(RHP)/Angel Rondon:23歳
(A+/2A)2.93ERA 160.0IP BB/9=3.3 K/9=8.9 K/BB=2.69
◯速球 カーブ コントロール / △コマンド
19年に2Aでリーグの最優秀防御率(3.21)に輝き、傘下の最優秀投手にも選ばれた。平均93マイル/最速97マイルの速球が武器で、縦に鋭く落ちるパワーカーブとのコンビネーションでバレル性の打球を許さない。チェンジアップも平均的で、コマンドは平均以下だが安定してストライクを取れるので、良ければ先発ローテーション4番手クラスになれる。

14.トレ・フレッチャー(OF)/Tre Fletcher:20歳
(R)43G 160AB 4HR 11BB 76K .244/.291/.375/.666
◯5ツール CF守備 / △素材型 / ✖コンタクト アプローチ
19年ドラフト2巡目。名門バンダービルド大学への推薦が決まっていたが、オーバースロットとなる契約金150万ドルを積まれて入団した。荒削りだが運動能力が飛び抜けており、完成すれば「20-20」&「CF守備平均以上」が狙える。三振率43.4%とアプローチが荒く、選球眼を磨く必要がある。

15.ジャスティン・ウィリアムズ(OF)/Justin Williams:25歳
(2A/3A)53G 159AB 8HR 20BB 47K .296/.372/.484/.856
(MLB)3G 5AB 0HR 1BB 2K .200/.333/.200/.533
◯パワー 肩 アプローチ / △両翼向き 健康面 スピード
18年夏にトミー・ファムとのトレードで獲得した左のパワーヒッター。カージナルス加入後にスイングの改造に取り組み、グラウンドボール率が18年の52.2%から41.7%に改善されるなど、フライボールレボリューションに成功。マイナー通算四球率13%と選球眼も良く、健康を維持できればブレークも見えてくる。

16.エドムンド・ソーサ(SS)/Edmundo Sosa:25歳
(MLB)8G 8AB 0HR 1BB 2K .250/.400/.250/.650
(3A)118G 453AB 17HR 17BB 96K .291/.335/.466/.801
◯SS守備 / △フリースインガー 盗塁 
平均以上のSS守備が最大の武器で、フリースインガーながら19年はマイナーでキャリアハイの17ホーマーを放つなどパワーもつけている。2Bや3Bも守れ、スーパーユーティリティーになれる。レギュラーを取るには出塁率を上げたいところ。足は速いがマイナー通算盗塁成功率61.7%と盗塁は下手。

17.
アルバロ・セイジャス(RHP)/Alvaro Seijas:22歳
(A/A+)2.81ERA 134.1IP BB/9=3.6 K/9=7.6 K/BB=2.11
◯速球 / △コントロール チェンジアップ
6-1/175と体は大きくないが、最速97マイルの勢いある速球が武器。第2球種のカーブはスラーブ気味で不安定だが磨けば平均レベルまで向上するだろう。第3球種として平均以下だがチェンジアップも扱うことができる。17-18年の2シーズンでBB/9=4.2とコントロールに課題があるが、昨季は3.6に改善させており、先発としての望みは消えていない。

18.イアン・ベッデル(RHP)/Ian Bedell:21歳
◯コントロール 3球種 / △先発経験
20年ドラフト4巡目。19年に大学でリリーフとして好投すると、その後先発として挑んだケープコッドリーグでは6先発で防御率0.59・K/BB=12.0と猛アピール。20年は4先発で防御率3.70ながらK/BB=8.75と高いコマンド能力を見せていた。90マイル前半の速球、スローカーブ、チェンジアップを巧みに織り交ぜ、的を絞らせない。

19.
アンドレ・パランテ(RHP)/Andre Pallante:22歳
(A-)2.78ERA 35.2IP BB/9=2.8 K/9=9.6 K/BB=3.45
◯4球種 コントロール / △チェンジアップ 
19年ドラフト4巡目。91-94マイルの動く速球と80マイル前半のスライダーを軸に、4球種を扱うストライクスロワー。左打者には平均的なカーブ、平均以下のチェンジアップも効果的に織り交ぜる。安定してストライクを取れるので、上手くいけば先発ローテーション4番手タイプに育つだろう。

20.
マルコム・ヌネス(3B)/Malcom Nunez:20歳
(R/A)58G 201AB 2HR 18BB 47K .229/.305/.318/.623
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード コンタクト
キューバ出身のパワーモンスター。18年にDSLで三冠王という衝撃のプロデビューを飾ったが、19年は不振。フリースインガーでアプローチ面の成熟が求められる。守備ではずんぐりな体型でフットワークも鈍く、3Bに残るには厳しいか。攻守に穴が大きく、体重管理にも注意が必要。

Plus One Prospect
フリオ・ロドリゲス(C)/Julio E.Rodriguez:24歳
(A/A+)85G 313AB 8HR 18BB 68K .268/.311/.393/.704
◯肩 C守備 / △打撃
守備力の高さを買われているキャッチャーで、中でも強肩とフットワークに支えられた盗塁抑止力が強み。おとなしい性格でリーダーシップやコミュニケーション面を磨いていく必要があるだろう。フリースインガーで打撃での貢献はあまり見込めず、バックアップ向き。

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