2021年2月11日木曜日

2021 LOS ANGELES DODGERS TOP 20 PROSPECTS

2021 LOS ANGELES DODGERS

TOP 20 PROSPECTS

Josiah Gray


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ジョシア・グレイ(RHP)/Josiah Gray:23歳
(A/A+/2A)2.28ERA 130.0IP BB/9=2.1 K/9=10.2 K/BB=4.74
◯速球 スライダー スタミナ コマンド 奪三振 / △体格
小柄だがアスレチックで、完成型はソニー・グレイ(レッズ)。92-97マイルの速球でズバズバとゾーンを突く。速球はシュート方向に伸びあがるような軌道で、コマンド&スタミナにも優れるため、多くの空振りが奪える。スライダー、チェンジアップでピッチトンネルを通し、カーブで目線を変えることもできる。チェンジアップの質を向上できればローテーション半ばポテンシャル。
Josiah Gray

(MLB)3.09ERA 23.1IP BB/9=1.2 K/9=5.0 K/BB=4.33
(R/2A/3A)1.92ERA 61.0IP BB/9=3.4 K/9=9.0 K/BB=2.65
◎速球 / △チェンジアップ リリーフ向き? 耐久性
前田健太とのトレードでツインズから加入すると、20年はブルペンでの一角として活躍。メジャー全体2位となる平均99.3マイルを計測したシンカーが武器の剛腕。平均89.1マイルのスライダーも平均以上の横変化を誇るなど優秀なボールで、メジャー通算33イニングでBB/9=1.4と制球もまとまっている。しかし、チェンジアップの質の低さと耐久性の不安(マイナー4年でキャリアハイ102イニング)から先発としては見切られる形でツインズから放出された。先発に挑戦するのか、このままリリーフで行くのか動向に注目だ。

3.キーバート・ルイーズ(C)/Keibert Ruiz:22歳
(2A/3A)85G 314AB 6HR 30BB 22K .261/.331/.347/.679
(MLB)2G 8AB 1HR 0BB 3K .250/.250/.625/.875
◯コンタクト C守備 / △パワー 肩 
攻守にオールラウンドでマイナー屈指のキャッチングプロスペクト。卓越したコンタクト技術を有し「3割・15本」クラスのポテンシャルを秘めるが、2年続けて2Aで不本意なシーズンを送っている。フライの平均飛距離がリーグ平均の下位10%とパワーを発揮できておらず、一方でフライボールの割合は平均的。ヒットツールを生かすためにフライを抑え、よりライナー中心のアプローチに変える必要があるだろう。守備ではブロッキング、フレーミングともに優秀だが、肩が弱くマイナー通算盗塁阻止率23%とスローイングに課題。20年はメジャーデビューし、初打席で初ホームランをマーク。

4.
コディ・ホージー(3B)/Kody Hoese:23歳
(R/A)41G 147AB 5HR 18BB 25K .299/.380/.483/.863
◯打撃 パワー / △スピード
19年ドラフト全体25位指名。カレッジ屈指のスラッガーで、大学では19年に国内2位の長打率.779・5位の23本塁打をマーク。パワーとアプローチを兼ね備えており、失投を待って逃さず広角に長打を量産する打撃スキルはメジャーでも20~25ホーマーが見込める。スピードは平均以下だが3B守備は及第点。20年は代替キャンプでプレー。

5.ディエゴ・カルタヤ(C)/Diego Cartaya:19歳
(DSL/R)49G 185AB 4HR 16BB 42K .281/.343/.432/.775
◯C守備 肩 コンタクト / △スピード パワー 素材型
18年に250万ドルで契約したベネズエラ人。攻守に高い評価を得ており、同じくベネズエラ出身のサルバドール・ペレス(ロイヤルズ)のようなオールスター捕手に育つことが期待されている。打撃はフィールド全体にライナーを量産することに徹しているが、素早いスイングスピードからフライボールの割合を増やせば15-20本塁打も可能との見立て。守備では俊敏で平均以上のレシーバーになれるとの見立て。肩の強さもプラス評価。

6.ボビー・ミラー(RHP)/Bobby Miller:22歳
◯速球 スライダー 奪三振 / △コマンド
20年ドラフト1巡目のカレッジ投手。常時95マイル前後のシンキングファストと80マイル中盤のプラス評価のスライダーを主体に、チェンジアップも向上中。課題のコントロールもフォーム修正が功を奏し、改善気味だった。プロ入り後の代替キャンプ、教育リーグでも好パフォーマンスを見せており、21年の飛躍に期待。
Bobby Miller


7.マイケル・ブッシュ(2B)/Michael Busch:23歳
(R)10G 24AB 0HR 7BB 5K .125/.371/.125/.496
◯打撃 パワー / △スピード / ✖肩 守備
19年ドラフト全体31位指名。美しいスイングで広角に長打が打て、バランスの取れたアプローチで四球も多い。パワーとアベレージを両立した平均以上の打者になれるとの見立て。一方で守備面が課題。大学では主に1B/LFとしてプレーしていが、ドジャースは2Bとして育成予定。ダルビッシュ有とのトレードでレンジャースへ移ったウィリー・カルフーン(19年に21本塁打・LFでDRS-13)が比較対象か。

8.
ライアン・ペピオット(RHP)/Ryan Pepiot:23歳
(R/A)1.93ERA 23.1IP BB/9=5.0 K/9=12.0 K/BB=2.38
◎チェンジアップ / ◯速球 奪三振 / ✖コントロール
20年のサマーキャンプで大きく評価を上げた右腕。コディ・ベリンジャーらから三振を奪うなど2回無失点3Kの好投を見せた。93-95マイルの速球とダブルプラスのチェンジアップでゾーンを攻める。大学3年間でBB/9=4.8、プロデビューでも5.0とコントロールに課題があり、シーズン通してコントロールを維持できるかがポイントとなるだろう。
(A/A+)124G 466AB 7HR 81BB 98K .260/.369/.391/.760
◯コンタクト アプローチ SS守備 / △パワー
バットコントロールと選球眼に優れ、19年はAでリーグ2位の74四球、7位のOPS.775をマークした。パワーは目立たないが、成熟したアプローチとバレル理解の深さから長打狙いに転じれば12‐15本塁打も狙えるはず。純粋なスピードは平均的だが、野球IQや技術面が発達しており、守備走塁では持っているスピード以上に機敏に動ける。送球も強く正確でSSとして及第点、最低でも平均以上になれるとの見立て。

10.
クレイトン・ビーター(RHP)/Clayton Beeter:22歳
◯速球 カーブ 奪三振 / △耐久性 コマンド リリーフ向き?
20年ドラフト2巡目。最速98マイルの速球とプラスのカーブのコンビネーションは強烈。20年は大学で4先発して防御率2.14・K/9=14.1・BB/9=1.7とブレークしかけていた。改善傾向とはいえ、チェンジアップ&コントロールの悪さからブルペン転向のリスクを抱える。また17年にTJ手術を受けるなど耐久面にも不安がある。
Clayton Beeter


11.ザック・マッキンストリー(UTL)/Zach McKinstry:26歳
(MLB)4G 7AB 0HR 0BB 3K .286/.286/.429/.714
(2A/3A)121G 430AB 19HR 43BB 92K .300/.366/.516/.882
〇守備 コンタクト / △パワー
16年ドラフト33巡目のアンダードッグだが、20年はメジャーデビューを経験。攻守にソツのないスーパーユーティリティ候補で、キケ・ヘルナンデスの後釜として期待されている。打撃は元々コンタクトヒッターもスイング改造でパワー向上。平均以上のスピード&肩の強さを生かして二塁を中心に内外野どこでも守れる。


12.
シェルドン・ノイジー(3B)/Sheldon Neuse:26歳
(3A)126G 498AB 27HR 56BB 132K .317/.389/.550/.939
(MLB)25G 56AB 0HR 4BB 19K .250/.295/.304/.599
◯パワー 肩 / △スピード エラー多い
今オフにアダム・コラレックとのトレードでアスレチックスから加入。19年はキャリアハイの27ホーマーとブレーク。バレルゾーンに打球を量産することができるが、選球眼に難あり。ガッシリ体型の割には動け、二塁や遊撃もこなす。マックス・マンシー(ドジャース)のような強打のユーティリティーになれるか、それともレナト・ヌネス(タイガース)のようなパワー専門のDHになるか。20年はメジャーでのプレー無し。

13.
デビン・マン(2B/3B)/Devin Mann:24歳
(A+)98G 367AB 19HR 45BB 93K .278/.358/.496/.854
◯パワー / △スピード 3B向き?
プロ入り後に長打狙いのアプローチに変更してブレーク。19年はA+でリーグ7位タイの19本塁打、同4位の長打率.496をマークした。四球率は12.9%→10.6%にやや落ちたが、それでもまだ高い水準を維持しており、長打力と出塁力を両立した打者になり得る。スピードは平均以下だが肩の強さとフットワークは2Bとして及第点。それでも長い目で見れば3B向きか。デビッド・フリース(元ドジャース)と比べられる。

14.ミゲル・バルガス(3B)/Miguel Vargas:21歳
(A/A+)124G 491AB 7HR 55BB 83K .308/.380/.440/.820
◯打撃 / △スピード 3B守備
19年はAでリーグ2位の打率.325、A/A+では傘下トップとなる計38二塁打をマーク。インサイドアウトのスイングを身に着けており、フィールド全体にライナーを打ち分ける。今はめったに引っ張ることをしないが、技術とアプローチを修正していく中で本塁打増も狙えるだろう。守備ではスピード、運動能力ともに欠如しており、1B向きとみるスカウトが多い。打撃は素晴らしいだけに守備位置を見つけることができるか。

15.ルイス・ロドリゲス(OF)/Luis Rodriguez:18歳
◯5ツール / △素材型 RF向き? 
19年に266万ドルで入団の大器。5ツールポテンシャルの持ち主で、中でもバッティングが高評価。プロ入り後に増量に成功しパワー面で大きく向上。一方で積極的で引っ張り傾向の強いアプローチから適応に苦しむ可能性あり。守備は平均的なスピードと平均以上の肩の強さからからコーナー向きか。


16.
ランドン・ナック(RHP)/Landon Knack:23歳
◎コマンド / ◯速球 4球種 
20年ドラフト2巡目。大学4年生で市場価値は高くなかったが、20年は4先発で防御率1.08、全米一部リーグトップの51K&K/BB=51.0と素晴らしいパフォーマンス。コントロールの良さが強み。元々90マイル前後だった速球が常時93-95マイル、MAX98マイルにまで上昇したことがブレークの要因。

17.アンディ・パゲス(OF)/Andy Pages:20歳
(R)63G 235AB 19HR 26BB 79K .298/.398/.651/1.049
◎肩 パワー / △RF向き? 素材型 / ✖コンタクト 
キューバ出身で、強靭なフィジカルや運動能力の高さはヤシエル・プイグ(元レッズ)を連想させる。19年はRでリーグ2位の19本塁打・長打率.651とブレーク。しかし一方で極度のプルヒッター&三振率28%とコンタクト面に不安。体格に反して動け、CFに残れる守備力を示しているが、ダブルプラスの肩の強さはRFにフィットするはず。残念ながらプイグ同様に走守に緩慢プレーが見られ、集中力不足が目立つ。

18.
オマー・エステべス(2B)/Omar Estevez:23歳
(R/2A)90G 319AB 6HR 33BB 78K .292/.353/.429/.782
◯打撃 / △守備走塁 パワー
滑らかなスイングから広角に打ち分けるヒットマシーン。元々はプルヒッターだったが、18年後半から打撃トリルに取り組み、センターを中心に外野の間を破る打撃を習得した。本塁打を量産するパワーは見込めないが、二塁打マシーンとして開花しつつある。守備、スピードはいずれも平均以下で、打撃力を磨いていくしかない。

19.DJ ピータース(OF)/DJ Peters:25歳
(2A/3A)125G 457AB 23HR 61BB 168K .249/.358/.453/.811
◎パワー / 〇肩 アプローチ / ×コンタクト
見た目もフォロースルーもそっくりなことからジェーソン・ワース(元ナショナルズ)と比較されている右の長距離砲。20-80スケールで80評価のパワーが武器で、18年には2Aでリーグトップの29本塁打をマークしている。四球率11.3%(19年)と見極めはOKもゾーン内の空振りが目立ち、マイナー通算三振率36%とコンタクトに課題。

20.
ミッチェル・ホワイト(RHP)/Mitchell White:26歳
(3A)5.09ERA 93.2IP BB/9=3.0 K/9=10.1 K/BB=3.39
(MLB)0.00ERA 3.0IP BB/9=3.0 K/9=6.0 K/BB=2.00
◯速球 スライダー カーブ 奪三振 / △チェンジアップ 耐久性 
調子のばらつきが大きいが、92-97マイルの速球、80マイル後半のスラッター、縦に大きく割れるカーブのコンビネーションはスケール大。しかし投球フォームが不安定で、コマンドの維持と故障の多さを不安視する声がある。また、対左被OPS.921と左打者を苦にしており、チェンジアップの向上も必須。課題は多いが、天井はローテーション3番手相当。20年は代替キャンプで好調を維持しメジャーデビューも経験。

21.エドウィン・ウセタ(RHP)/Edwin Uceta:24歳
(A+/2A)2.77ERA 123.1IP BB/9=3.6 K/9=10.3 K/BB=2.88
◯チェンジアップ コマンド 3球種 奪三振 / △フライボーラー 体格  
支配的ではないが、90-94マイルの速球とプラスのチェンジアップでピッチトンネルを通す投球が巧みで、19年は傘下2位となる防御率2.77・141Kとブレーク。70マイル台のカーブも向上をたどり、チェンジアップと同程度の奪三振数を奪うなど効果的だった。フライボーラーで被本塁打の多さが課題だったが、低めに集めるコマンドの向上もあり、HR/9は1.2→0.8に改善された。小柄な体格からブルペン向きと見る声も多いが、先発ローテーション4-5番手相当のポテンシャルはある。

Plus One Prospect
ジミー・ルイス(RHP)/Jimmy Lewis:20歳
◯体格 伸びしろ / △素材型
19年ドラフト2巡目補完指名。肩の違和感のため、ドラフト後の19年はプレー無しも、20年は教育リーグで復帰し好投を見せた。6フィート6の長身から90-93マイル、MAX95マイルの角度ある速球に、カーブ&チェンジアップも磨けば平均以上と評判。シンプルなフォームで再現性も高く、体格も伸びしろを残しているため、今後の成長に期待がもてる。

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