2023年4月8日土曜日

2023 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2023 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Endy Rodriguez

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.エンディ・ロドリゲス(C/2B)/Endy Rodriguez:23歳
(A+/2A/3A)125G 25HR 60BB 101K .323/.996
◯打撃 パワー / △C守備
ジョー・マスグローブを放出した三角トレードでNYMから獲得したプロスペクト。パワー、ヒットツール、ゾーンコントロールを兼ね備えた攻撃型両打ち捕手で、22年はマイナー3階級で打率.323・25本塁打・OPS.996と大ブレーク。捕手としての守備力は発展途上ながらも成長を見せており、盗塁阻止率は前年の17%から31%に改善。二塁や外野でも出場している。
Endy Rodriguez


FV50

(R/A/A+/2A)59G 10HR 21BB 51K .264/.852
◯打撃 パワー 肩 / △走力 守備
21年ドラフト全体1位指名。パワーと打撃技術を兼ね備えた攻撃型捕手で、大学では50試合で打率.370・15本塁打・OPS1.146と圧倒的な成績を残し、ゾーンコントロールにも隙がない。22年は手首の故障で59試合の出場にとどまるなど健康面に不安を露呈。守備ではダブルプラスの強肩は申し分ないが捕球力に課題があり、三塁や外野に転向の可能性もある。
Henry Davis


3.タマー・ジョンソン(SS/2B)/Termarr Johnson:19歳
(R)23G 1HR 16BB 21K .222/.731
◎打撃 / 〇パワー /△2B向き 素材型
22年ドラフト全体4位指名の高卒選手。身長5フィート7と小柄ながら、傑出した打撃能力の持ち主で、ヒットツールの評価はダブルプラス、パワーもプラス評価。数々のショーケースで上位投手相手にも快音を鳴らした実績もある。SSとしてドラフトも、将来的には2B転向との見立て。

FV45

(R/A)46G 4HR 20BB 41K .196/.713
2.61ERA 41.1IP BB/9=6.1 K/9=13.1
◯二刀流 運動能力 / △素材型
21年ドラフト3巡目の高卒選手。高校では投打の二刀流に加えてアメフトでも活躍した生粋のアスリート。投手としては平均94-96マイルの4シームが空振り率40%を記録し、スライダー&チェンジアップもプラスピッチ候補。野手としては両打ちでパワーがあり、DHとして31試合に出場した。投打に荒削りながらポテンシャルは間違いなく、野球に専念した環境でどれだけ力を伸ばせるかに注目。
Bubba Chandler


(2A/3A)4.56ERA 124.1IP BB/9=2.8 K/9=10.0
(MLB)4.50ERA 16.0IP BB/9=5.6 K/9=9.6
◎速球 / 〇スライダー / △チェンジアップ コマンド
荒削りながら球威はMLB随一。MLBデビューすると、4先発という限られたサンプルながら4シームは平均98.4マイル、スライダーは空振り率47%をマーク。コマンドやチェンジアップの扱いなど、全体的に磨かれる必要がある。

6.ニック・ゴンザレス(2B)/Nick Gonzales:24歳
(2A)71G 7HR 43BB 90K .263/.812
〇打撃 / △三振多い 守備
20年ドラフト全体7位指名。身長5フィート10とアンダーサイズだが、「20-80スケール」で70評価のヒットツールが自慢。プロ入り後は想定よりも空振りの多さが目立ち、パワー面を
含めた全体的な打撃評価には疑問の声も多い。それでも6月以降は打率.287・OPS.917・wRC+150、課題の三振率も22.7%に改善するなど2Aのレベルに適応。2B守備は平均~平均以下の評価。
Nick Gonzales


7.リオバー・ペグエロ(SS)/Liover Peguero:22歳
(2A)121G 10HR 29BB 111K .259/.692
(MLB)1G 0HR 1BB 2K .333/.833
◯コンタクト 走力 守備範囲 / △アプローチ エラー多い
ズバ抜けた運動能力の持ち主で走攻守にオールラウンド。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクト力が武器だが、22年は年上投手を相手にアプローチを崩して苦戦。四球率5.6%は懸念事項だ。28盗塁を決めた俊足に支えられた守備範囲は◎で、安定感を磨けば長くSSでプレーできるかもしれない。22年は23失策&Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAで-4.5。
Liover Peguero


8.マイケル・バロウズ(RHP)/Michael Burrows:23歳
(2A/3A)4.01ERA 94.1IP BB/9=3.0 K/9=10.6
◯速球 カーブ / △チェンジアップ コマンド 耐久性 
常時94-95マイルを計測する縦変化の大きいライジングファスト&スピンレート2900rpmのプラスのカーブ主体の投球スタイル。平均以下のチェンジアップ&コマンドからリリーフで輝くタイプか。21年は肩の故障で2か月離脱、22年も肩の痛みで1度IL入り。球数80球以内で降板する起用方針で、基本的に4イニングほどしか投げておらず、耐久面は未証明。

(A/A+/2A/3A)3.29ERA 90.1IP BB/9=3.0 K/9=8.9
◯カーブ 体格 グラウンドボーラー / △素材型
19年ドラフト1巡目。ジェームソン・タイオン、ゲリット・コールに次ぐ生え抜き高卒エース候補として期待されているが、2人ほどの球威は無く、ローテーション3-4番手相当のポテンシャルと評される。4シーム、ツーシーム、プラスのカーブにカッター、チェンジアップと多彩な球種を織り交ぜ、2Aでグラウンドボール率51%を記録した。

10.トーマス・ハリントン(RHP)/Thomas Harrington:22歳
◯コマンド 変化球 / △速球
22年ドラフト全体36位指名。球威はズバ抜けていないがコマンドに優れ、早期昇格が狙えるストライクスロワー。右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップが決め球で、どちらも平均以上の球種になり得る。6-2/185の体格はビルドアップの余地を残しており、90マイル前半の速球はこれから伸びしろあり。

(A+)4.62ERA 122.2IP BB/9=3.7 K/9=10.4
◯速球 変化球 運動能力 / △素材型 コントロール
20年ドラフト2巡目。外野手としても評価を得ていたアスリートで、ハイポテンシャル。平均95.4マイルでスピンレート2500rmp超の4シームを軸に、スピンレート2600rmp超えのスライダー&カーブを交える。チェンジアップを含めて変化球3種はいずれもキレ良し。課題のコントロールを改善できれば大化けする可能性を秘めている。

12.アンソニー・ソロメト(LHP)/Anthony Solometo:20歳
(A)2.64ERA 47.2IP BB/9=3.6 K/9=9.6
◯コマンド スライダー / △素材型 球速
21年ドラフト全体37位指名の高卒左腕。サウスポーながら最速96マイルを誇るポテンシャルと大きく腕を引くメカニクスからマディソン・バムガーナー(元SF)と比較する声も。一般的な高卒投手よりもコマンドに優れており、完成度の高さが強み。癖の強いフォームを修正していきたい。22年の速球のレンジは91-92マイル程度にとどまった。

13.ハンター・バーコ(LHP)/Hunter Barco:22歳
(A+/3A)3.96ERA 52.1IP BB/9=3.8 K/9=11.4 K/BB=3.00
◯スライダー / △TJ手術明け
22年ドラフト2巡目。サイドハンドから92マイルの速球&スライダーのコンビネーションで、22年は大学での9先発で防御率2.50・K/9=12.3・BB/9=2.0をマーク。
1巡目指名も狙える活躍を見せていたが、5月にTJ手術を受けてスリップした。エース級の球威は無いが、健康に復帰できれば先発として早期昇格も狙えるタイプ。

FV40

14.マルコム・ヌネス(1B/3B)/Malcom Nunez:22歳
(2A/3A)119G 23HR 69BB 103K .262/.833
◯パワー / ✖守備 走力
キューバ出身のパワーモンスター。ホセ・キンターナとのトレードで昨夏STLから移籍してきた。22年はキャリアハイの23本塁打を放つなどブレーク。しかし、
ずんぐりな体型ですでに1Bメインになっており、守備での貢献が見込めないため、選手としてのバリューには疑問符。

15.
ジファン・ベ(2B/OF)/Ji Hwan Bae:23歳
(3A)108G 8HR 48BB 80K .289/792
(MLB)10G 0HR 2BB 6K .333/.830
◎走力 / 〇コンタクト / ✖パワー
韓国出身のスピードスター。コンタクトに徹した打撃スタイルで、塁に出れば果敢に盗塁を仕掛ける。22年はMLB/マイナーで自己最多の33盗塁。マイナー通じて四球率10.4%・出塁率.373とこの手のタイプにしてはよく選べる。守備は二遊間を中心に外野も守れ、ユーティリティー向き。

16.カイル・ニコラス(RHP)/Kyle Nicolas:24歳
(2A)3.97ERA 90.2IP BB/9=4.7 K/9=10.0
◯速球 / △コントロール チェンジアップ
MAX98マイルのライジングファストボールを高めに、キレの良いスライダーを低めに投げ込み、多くの空振りを奪うパワーピッチャー。コントロール&チェンジアップに課題があり、リリーフ向きとの声が多い。

17.
マイケル・ケネディ(LHP)/Michael Kennedy:18歳
◯コントロール / △球速 素材型
22年ドラフト4巡目の高卒左腕。ドラフト時点で17歳と若く、オーバースロットとなる契約金$1Mで入団した。コンパクトで再現性の高いフォームからコントロールの評価が高い。MAX92マイルの速球、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。一方で体格的な伸びしろの少なさから球速UPに期待できないと見るスカウトも。

18.ダリエル・ロペス(3B/SS)/Dariel Lopez:21歳
(A+)102G 19HR 21BB 107K .286/.805
〇パワー / △素材型 走力 守備
荒っぽいがパワーポテンシャルは魅力。22年は四球率5.0%とフリースインガーぶりは黄色信号だったが、キャリアハイの19本塁打をマーク。入団時はSSも俊敏性が低く、現在は内野を転々としており、最終的に1Bに回るリスクもある。

(A/A+/2A/3A)81G 24HR 33BB 93K .280/.956
〇パワー 走力 肩 / △年齢 / ✖コンタクト
5ツールタレント。スイング軌道の修正に取り組み、課題のコンタクト力が向上。三振率を21年の31.2%から28.6%に改善させ、キャリアハイとなる24本塁打・21盗塁をマークした。守備でも走力と強肩を生かしてCF中心にプレー中。

20.ジャレッド・トリオロ(3B)/ Jared Triolo:25歳
(2A)112G 9HR 63BB 87K .282/.795
〇コンタクト 3B守備 / △パワー 年齢
SSとしてもOKレベルのアスレチックさを備える守備型三塁手で、昨季はBaseball Prospectusの守備範囲指標RDAで+5.1をマーク。昨季はリーグの監督たちが選ぶ「best defensive third baseman」に選ばれた。打ってはコンタクト&ゾーンコントロール力が武器で、四球率12.7%/三振率17.6%・wRC+121をマーク。3A経験がないのに今季25歳という年齢面がネックだが、コンタクト&守備の良さからフロアは高く、ユーティリティー向きだろう。

Sleeper Prospects

ツンチェ・チャン(SS)/Tsung-Che Cheng:21歳
(A)104G 6HR 63BB 95K .270/.795
◯コンタクト 走力 守備 / ✖パワー
台湾出身。22年はリーグのオールスターチームに選出されるなど台頭。打撃ではスムーズなスイングでコンタクトを生み出し、四球率13.8%/三振率20.7%とアプローチも良い。SS守備も軽快かつ堅実。守備率.972、Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAで+3.2を記録した。

ハンレン・チャン(RHP)/Hung-Leng Chang:21歳
(R)4.76ERA 22.2IP BB/9=3.2 K/9=10.7
◯球種 / △素材型
台湾出身。22年1月に契約金60万ドルで入団した。最速94マイルの速球を主体にスライダー、カーブ、チェンジアップ、スプリット、カッターと多彩なレパートリー。コントロールも安定している。6-3/150と細身の体型から伸びしろも見込める。

(A/A+)4.11ERA 114.0IP BB/9=3.7 K/9=9.2
◯速球 / △コマンド
21年ドラフト10巡目。与四球が多くコマンドに課題はあるが、平均レベルの3球種を扱える点で先発としての見込みはある。93-95マイルの4シームを軸に、カーブ&チェンジアップはいずれもアクション良し。A+昇格後はBB/9が3.1から4.1に悪化。

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