2024年1月2日火曜日

2024 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2024 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Paul Skenes

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV60

1.ポール・スキーンズ(RHP)/Paul Skenes:22歳
23年ドラフト全体1位指名で、ドラフト史上最高額となる契約金920万ドルで入団した。平均97.8/最速102マイルの速球とスライダーのコンボで打者を制圧する。大学では投球割合7%にとどまったチェンジアップをプロでは有効に活用したいところ。球界を代表するエースへの成長が期待されている。


FV50

20年ドラフト2巡目。外野手としても評価を得ていたアスリートで、ハイポテンシャル。23年は2A/3Aで25先発して防御率3.85、傘下トップタイの146Kをマークした。平均96.3マイル/2503rpmsの4シームとプラスのスライダーを軸に、カーブ、チェンジアップ、カッターと変化球も多彩。課題のコントロールを改善できれば大化けする可能性を秘めている。

高校では投打の二刀流に加えてアメフトでも活躍した生粋のアスリート。23年は投手としてのプレーに専念。4-5月は防御率6.62・与四球率16.3%と苦しんだが、6月以降は16先発で防御率3.62・与四球率7.5%と制球難を克服してみせた。常時97-98マイルを計測するホップ系4シームを軸に、スライダー&チェンジアップもプラスピッチ候補。荒削りだが、ポテンシャルは間違いない。
Bubba Chandler


4.タマー・ジョンソン(2B)/Termarr Johnson:20歳
22年ドラフト全体4位指名の高卒選手。20-80スケールで70評価のヒットツールの持ち主と評判だったが、プロ1年目はA/A+で打率.244・18本塁打・OPS.860・四球率21.9%/三振率26.0%と想定とは違うパワー寄りの打者になっていた。Aでのコンタクト率67%はMLBなら平均以下の数字であり、パワーとコンタクトのバランス調整が必要だろう。

5.アンソニー・ソロメト(LHP)/Anthony Solometo:21歳
21年ドラフト全体37位指名の高卒左腕。6フィート5のスラリとした長身と大きく腕を引くメカニクスからマディソン・バムガーナー(元ARI)と比較する声も。独特なメカニクスをしているが、年齢に比して完成度が高く、20歳ながらA/A+での24先発で防御率3.26・FIP3.46をマークした。特にラスト17先発は与四球率5.6%と制球力が光った。


FV45

6.トーマス・ハリントン(RHP)/Thomas Harrington:22歳
22年ドラフト全体36位指名。速球は平均93マイルながらコマンドに優れ、早期昇格が狙えるストライクスロワー。右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップが決め球で、どちらも横変化が大きく、平均以上の球種になり得る。23年はA/A+で26先発して防御率3.53・K-BB%=20%を記録した。

19年ドラフト1巡目。シンカー、スライダー、チェンジアップと多彩な球種でゴロを打たせるグラウンドボーラー。速球は平均93マイルで、エース候補というよりもローテーション下位ポテンシャルと評される。MLBでは平均以上となるグラウンドボール率52.4%を記録したが、50イニングで与四球率11%・HR/9=2.2とコマンドに苦しんだ。

22年ドラフト3巡目。二刀流としてドラフト指名も、23年は全試合野手としての出場だった。A/A+で打率.275・19本塁打・OPS.915・24盗塁とブレイク。四球率14.2%と選べてはいるが、三振率29.9%とコンタクトに弱点。持ち前のアスリート性&投手としてMAX100マイルの強肩を生かした3B守備も素晴らしく、Baseball Prospectusの総合守備指標DRPでは+13.9を叩き出した。理想の完成像はマット・チャップマン(前TOR)だろう。

18年ドラフト2巡目。高校ではアメフトのワイドレシーバーとしても活躍したアスリート右腕。23年はTJ手術から復帰するとA/A+/2Aで防御率2.39・K-BB%=24.4%と好投。常時95マイル出せる球威、平均以上の変化球、与四球率5.2%のコマンドはローテーション相当も、プロ6年で53イニングが最高の耐久面からブルペン起用が現実的か。

10.マイケル・バロウズ(RHP)/Michael Burrows:24歳
高アングルのオーバースローから縦変化の大きい真っスラ系のライジングファスト&スピンレート2900rpmに達するプラスのカーブを投げ下ろす。23年は2登板した後にTJ手術。24年の後半に復帰予定で、本格的なローテーション争いは25年以降か。プロ6年で94イニングが最多という耐久面からリリーフ転向の可能性も。


FV40

11.チャン・ツンチェ(SS/2B)/Tsung-Che Cheng:22歳
台湾出身。小柄でパワーは平均以下だが、走攻守オールラウンド。23年はA+/2AでOPS.808とブレイク(A+の本拠地が打者有利で稼いでいる点は差し引く必要はあるが)。SS守備も軽快かつ堅実で、MLBでもSSに残れる可能性あり。Baseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAは3年連続でプラスを記録している。

12.ザンダー・ミース(RHP)/Zander Mueth:19歳
23年ドラフト2巡目の高卒右腕。6フィート6の長身からダスティン・メイ(LAD)似のエクステンション大のフォームから、MAX97マイルのハードシンカー&変化量大のスイーパーのコンビネーション。チェンジアップもレパートリーとして扱える。コマンド&安定感を磨いていく必要がある。

13.ニック・ゴンザレス(2B)/Nick Gonzales:25歳
20年ドラフト全体7位指名。マイナー3年でOPS.888、23年も3Aで14本塁打・OPS.886をマークしている攻撃型二塁手候補。しかし、マイナー通算三振率27.4%、昨季3Aでゾーン内コンタクト率76.5%(MLB平均は85%)と空振りの多さがネック。MLBでは35試合で打率.209・三振率28.1%と適応に苦しんだ。2B守備は平均~平均以下の評価で、どれだけ打てるかにかかっている。

14.ロニー・ホワイト Jr.(OF)/Lonnie White Jr.:21歳
大学でアメフトと野球の二刀流を続けるのを蹴って21年ドラフト2巡目でプロ入り。コンタクトが未熟だが、パワー&スピードはプラスポテンシャル。23年はAでの44試合で8本塁打・wRC+140とブレイク。上位90%の打球速度105マイル&ボール球スイング率20%はMLB平均以上であり、課題のコンタクトも8月以降は19試合で三振率23.6%(wRC+163)と改善の兆し。

15.
シム・ジュンソク(RHP)/Jun-Seok Shim:20歳
韓国No.1高校生右腕で、23年1月に75万ドルで契約した。6-4/215の恵まれた体格からMAX99マイルを投げ込み、変化球はスライダー&カーブを扱う。コマンドなど全体的に磨かれる必要がある。Rでは8イニングで13Kを奪うなど順調なプロデビューを飾った。

16.マイケル・ケネディ(LHP)/Michael Kennedy:19歳
22年ドラフト4巡目の高卒左腕。ドラフト時点で17歳と若く、オーバースロットとなる契約金$1Mで入団した。速球は平均91マイルながら低リリースから伸び上がる軌道で、真横に大きく曲がるスイーパーとのコンビネーションで空振りを量産する。球速UPが求められる一方で、6-1/205とすでに仕上がった体格から伸びしろには疑問のスカウトも。

17.
ハンター・バーコ(LHP)/Hunter Barco:23歳
22年ドラフト2巡目。サイドハンドから平均91マイルのシンカーとチェンジアップのコンビネーション。スライダーは変化量大でプラスピッチ候補も、制球が不安定で決め球としての使用に限られている。完成度は高いが、球速の遅さからローテーション下位向きのポテンシャルと評される。

高校時に野球&アメフトで大学のコミットメントを得ていたアスリート。フリースインガーでアベレージ面は弱いが、パワー&スピードを武器に23年はA+で23本塁打・24盗塁をマーク。外野3ポジション+1Bをこなすユーティリティー性も併せ持ち、完成型はレーン・トーマス(WSH)か。


FV40-

19.シャーリン・ポランコ(OF)/Shalin Polanco:20歳
21年に235万ドルで入団した原石。ヒットツールは荒いが、パワー&スピードを両立したツール型で、守備もCF残留の可能性あり。Aでは70試合で12本塁打、MLB平均と同等の上位90%の打球速度103.5マイルと19歳にしてMLBレベルのゲームパワーを披露。一方で極度のフリースインガーであり、三振率28.7%・コンタクト率67%(MLB平均77%)はひどい内容。ゾーン内コンタクト率は80%(MLB平均85%)とそこまで悪くないので、選球眼を磨けば開眼できそうだ。

アプローチを磨けばパワー&スピードを両立した5ツールプレーヤーになれる可能性あり。23年はAで8本塁打・四球率13%・wRC+116をマーク。上位90%の打球速度104マイルはMLB平均以上、ゾーン内コンタクト率も85%と悪くない。一方で平均打球速度は83.2マイルとMLB平均を大きく下回っており、アプローチを磨いてウィークコンタクトを減らしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿