2020年12月1日火曜日

2021 BALTIMORE ORIOLES TOP 20 PROSPECTS

2021 BALTIMORE ORIOLES 

TOP 20 PROSPECTS

Adley Rutschman

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.アドリー・ラッチマン(C)/Adley Rutschman:23歳
(R/A-/A)37G 130AB 4HR 20BB 27K .254/.351/.423/.774
◎打撃 / ◯パワー アプローチ 肩 守備 / △スピード
19年ドラフト全体1位指名。メジャーで中軸を打てるだけの打力を有したスイッチヒッター捕手。捕手守備の評価も高い。プロデビューではOPS.774と突出したものではなかったが、ジョー・マウアー(元ツインズ)やバスター・ポージー(ジャイアンツ)クラスの選手への成長が期待されている。今夏の代替キャンプではダブルプラスのパワーを発揮し、好パフォーマンスとの報告。
Adley Rutschman

2.グレイソン・ロドリゲス(RHP)/Grayson Rodriguez:21歳
(A)2.68ERA 94.0IP BB/9=3.4 K/9=12.4  K/BB=3.58
◯球威 コマンド 4球種 体格 伸びしろ / △素材型
18年ドラフトの全体11位指名の高卒投手で、プロ入り後に急成長を遂げている。長身から投げ下ろされるMAX98マイルの速球は威力抜群で、スライダー、カーブ、チェンジアップはいずれも平均以上の球種になれるとの見立て。4球種全てをコマンドする制球力も身につけており、エースポテンシャル。夏の代替キャンプでは年上の選手相手に投球プランを学ぶことができた。
Grayson Rodriguez


 (AAA) 127G 520AB 25HR 24BB 130K .312/.344/.527/.871
(MLB)35G 126AB 5HR 11BB 30K .333/.386/.492/.878
◯打撃 パワー / △スピード / ✖守備
19年に3AでリーグMVPを獲得。打撃は即メジャーとの評判通り、メジャーでも少ないサンプルながら素晴らしい打撃成績を収めた。マイナーでは四球率4.3%とフリースインガーのアプローチが目立っていたが、メジャーでは四球率7.9%と平均程度の水準に落ち着いた。守備面ではLF/1Bメインとなってしまったが、20年の打撃水準を維持できるなら問題ないだろう。マイク・モース(元ジャイアンツ他)がキャリアの比較対象となりそうだ。

4.DLホール(LHP)/DL Hall:22歳
(A+)3.46ERA 80.2IP BB/9=6.0 K/9=12.9 K/BB=2.15
◯奪三振 球威 3球種 / △素材型 コントロール
制球に苦しむ場面が目立つが、ボール単体の威力は圧倒的。躍動感あるクロスファイアーから放たれる93-96マイルの速球、カーブ、チェンジアップはどれも決め球として空振りが取れる。コントロールさえ改善できればローテーション半ばクラス。19年は斜筋の故障でシーズンを終えてしまったが、20年は代替キャンプで健康な回復ぶりを見せた。

◎パワー / ◯肩 / △コンタクト スピード 両翼向き
20年ドラフト全体2位指名の大学生スラッガー。レッグキックの大きいアッパースイングで空振りは多いが、ダブルプラスのパワーは疑う声無し。大学でのシーズンは16試合で打ち切りも打率.448・6本塁打と好調で、三振率も21.6%→11.5%に改善傾向だった。平均以下のスピードとプラスの強肩から守備はコーナー向き。
Heston Kjerstad

(A+/2A/3A)3.72ERA 113.2IP BB/9=2.9 K/9=9.7 K/BB=3.30
(MLB)4.82ERA 18.2IP BB/9=5.8 K/9=10.6 K/BB=1.83
◯カーブ 奪三振 / △チェンジアップ
18年にはマイナートップの178Kを奪うなどブレーク。20年はメジャーデビューして4先発。最終登板で炎上してしまったが、その前の3登板はいずれも1失点&イニング以上の奪三振と抜群の内容だった。平均92.8マイルの4シームとプラスのカーブのコンビネーションにカッターを交える配球でメジャーでも奪三振能力を維持。投球割合2.6%に終わったチェンジアップの質向上が課題となる。

(AA) 76G 286AB 11HR 32BB 67K .262/.335/.472/.807
◯パワー 肩 / △故障多い 盗塁技術
15年にキューバから契約金$15.5Mでドジャース入りの大器。18年にマニー・マチャド(現パドレス)とのトレードで移籍してきた。若き日のアンドリュー・マッカチェン(フィリーズ)とよく比較される5ツールプレーヤーだが、故障がちで0盗塁に終わったスピードツールの劣化が心配。強肩で守備はCF/RF向き。代替キャンプでは健康な姿を披露した。

(R) 29G 108AB 1HR 11BB 28K .259/.331/.370/.701
◯打撃 パワー 肩 / △素材型 3B向き?
19年ドラフト2巡目の高卒選手。コリー・シーガー(ドジャース)と比較される攻撃型で、パワーとアベレージを兼ね備えている。6-3/195の大柄な体格と平均以上の強肩はSSにふさわしい水準と評されているが、長い目で見ると3B向きか?数年後の開花に期待したい。

9.マイケル・バウマン(RHP)/Michael Baumann:25歳
(A+/2A)2.98ERA 124.0IP BB/9=3.3 K/9=10.3 K/BB=3.16
◯速球 / △コントロール
6-4/225の恵まれた体格からMAX99マイルの速球と88-89マイルのカッターを投げ込むポテンシャルは注目。平凡なコントロールと第3球種の不安定さがネックだが、そこを磨けばローテーション半ばクラス。改善されなくてもリリーフとして潰しが効くだろう。20年の代替トレーニングでは肘の痛みにより8月にシャットダウン。

(3A)4.73ERA 112.1IP BB/9=4.9 K/9=10.5 K/BB=2.15
(MLB)4.56ERA 25.2IP BB/9=3.5 K/9=12.3 K/BB=3.50
◯奪三振 幻惑系 / △球威
速球のスピードは平均91.4マイルと平凡だが、”インビジ”ファストボールの異名を誇り、空振り率28%とメジャーリーガーを翻ろう。優秀なスピンレート&縦変化を示し、リリースの見にくいフォームも相まって体感速度が速い。チェンジアップ、カーブも空振りが取れるボールで先発ローテーション下位ポテンシャル。

11.テリン・バブラ(SS)/Terrin Vavra:24歳
(A)102G 374AB 10HR 62BB 62K 18SB .318/.409/.489/.899
◯アプローチ / △パワー 2B向き?
20年にM.ギブンズとのトレードでロッキーズから加入。父ジョーはタイガースの打撃コーチで、幼いころからメジャーリーガーに囲まれた環境に身を置いていた。アプローチの磨かれた打撃が武器で、19年にAでリーグMVPに輝くなどブレークした。ライナー中心のアプローチだが、19年のランチアングルは14度(MLBだとロナルド・アクーニャやフレディ・フリーマンと同水準)と角度をつける技術も備えており、筋力がつけば本塁打増が期待できる。守備面ではSSとしては平均的なため、2Bがフィットすると見るスカウトが多い。

12.ケビン・スミス(LHP)/Kevin Smith:24歳
(A+/2A)3.15ERA 117.0IP BB/9=3.0 K/9=10.0 K/BB=3.33
◯3球種 コントロール / △球威
20年のデッドラインにミゲル・カストロとのトレードでメッツから移籍。速球は90マイル前半止まりと球威は平凡だが3球種を効果的に織り交ぜるバックエンドSP向きの左腕。長身を生かしたアングルとリリースの見にくいフォームで打者を惑わす。右打者を苦にしており、チェンジアップの精度が先発として通用するかを左右するだろう。

 (A) 122G 463AB 5HR 45BB 117K .298/.385/.395/.780
◯コンタクト スピード SS守備 / ×パワー
非力がネックも、それ以外の4ツールは平均以上とハイフロアーなプロスペクト。19年は20歳ながらAでフルシーズンプレーし、OPS.780と健闘した点は評価したい。また走塁面では33盗塁とベストツールであるスピードも発揮した。遊撃守備も日々成長しており、レギュラーポテンシャルを示している。

◯パワー / △コンタクト 3B向き?
20年ドラフト全体30位指名。フリースインガーかつプルヒッターで、ヒットツールに不安を抱えているが、20ホーマーレベルのパワー&プラスのスピードを兼ね備えている。18年のカレッジワールドシリーズでは1試合7打点のタイ記録をマークするなど爆発力がある。身長6フィート3とSSとしては体が大きいため、将来的には3Bに回る可能性がある。

(2A)130G 466AB 13HR 65BB 90K 6SB .251/.345/.399/.744
◯打撃 / △1B向き? 肩 スピード 耐久性
20年にマイケル・ギブンズとのトレードでロッキーズから加入。父フィルはメジャーで14年間プレーした元大リーガー。辛抱強いアプローチとハードコンタクトを量産するバレル技術が高評価。しかし19年はラインドライブ性の打球割合が減少し、苦しいシーズンとなった。それでもキャリアハイとなる四球率12.1%を選んだこと、8月は月間OPS.972と好調だったことから来季のブレークもあり得る。本職は3Bだが、スピード不足から1Bメインに転向。ユーティリティ性を高めるために外野の経験も積んだ。

16.ザック・ロウザー(LHP)/Zac Lowther:25歳
(2A)2.55ERA 148.0IP BB/9=3.8 K/9=9.4 K/BB=2.44
◯3球種 奪三振 幻惑系 / ×球速
10位のエイキンと同タイプで、ボールのキレやタイミングの取りにくさでカバーする幻惑左腕。速球のスピードは87-91マイルとエイキンと比較すると数マイル落ちる。先発ローテーション下位ポテンシャルだが、19年は2Aで26先発して防御率2.55・K/9=9.4と好投。元々コントロールは良い方だったが、四隅を突こうとする意識が強くBB/9=3.8と四球の多さが目立った。

17.ドリュー・ロム(LHP)/Drew Rom:21歳
(A)2.93ERA 95.1IP BB/9=3.1 K/9=11.5 K/BB=3.70
◯変化球 奪三振 / ×球速
19年はAで95.1回を投げて防御率2.93・K/9=11.5と好投。速球は86-91マイル止まりだが、ブレーキの利いた縦カーブとスプリットチェンジが冴えわたる。21歳という年齢を加味すればもう少し上の順位でも良いだろうが、前半戦(防御率1.23)から後半戦(防御率4.91)にかけて大きく成績を落としている点を考慮しやや抑えめの評価にした。

18.アンソニー・サービデオ(SS)/Anthony Servideo:22歳
◯スピード 守備 肩 / ×パワー
20年ドラフト3巡目指名。小柄で大学2年間で4本塁打止まりだった男が20年は59打席/5本塁打とパワー面で覚醒の兆し。元々守備力は今ドラフトの大学生屈指と評判で、プラスのスピードと平均以上の強肩を兼ね備える。20年にゴールドグラブ受賞のセーザー・ヘルナンデス(前インディアンス)と比較したい。

(2A)130G 482AB 5HR 50BB 109K .234/.308/.324/.631
(MLB)3G 7AB 0HR 0BB 2K .429/.429/.429/.857
◯スピード アプローチ / △パワー 2B守備
今オフにアレックス・コブとのトレードでエンゼルスから加入。フットボール一家に育ったサラブレッドで、父と兄はNFL選手。コンタクト&アプローチに長けたラインドライブヒッターも、19年はISO.088と長打不足に悩まされた。二塁守備も19失策を喫するなど課題があり、良くても平均程度との見立て。四球率9.3%/三振率12.2%のアプローチは立派なだけに長打力を磨ければムーキー・ベッツ(ドジャース)のようなブレークもありえる。

20.ハドソン・ハスキン(OF)/Hudson Haskin:22歳
◯パワー スピード CF守備 / △打撃フォーム
20年ドラフト2巡目指名。ストライドの大きい打撃フォームで20ホーマー相当のポテンシャルを持っている。しかしぎこちない打撃フォームと大振りなスイングからプロのレベルに適応できるかを懸念されている。プラスのスピードの持ち主でCF守備もOK。ぎこちない打撃フォームと5ツールポテンシャルからハンター・ペンス(元ジャイアンツ)と比較するスカウトも。

(AA) 135G 488AB 9HR 59BB 121K .232/.321/.365/.686
◯アプローチ スピード CF守備 / △パワー 
辛抱強いアプローチでライナーを量産するヒットツールが高評価で、18年はA+で打率.377をマーク。AFLでもリーグ2位のOPS1.064をマークした。しかし19年は2Aで振るわず。それでも41本の長打を放ち、四球率10.4%と選べている点を評価したい。25盗塁を決めたスピードも平均以上でセンターに残れるとの見立て。

Plus One Prospect
(2A)2.95ERA 137.1IP BB/9=1.6 K/9=6.9 K/BB=4.38
◎コマンド / ✖球威
オーストラリア出身。速球は80マイル後半止まりで球威はないが、マイナー4年でBB/9=1.4のコマンドが持ち味。変化の大きいカーブと打者の手元で沈むチェンジアップを巧みに織り交ぜる。プロスペクトの山場である2Aを乗り切ったが、3A,MLBでも実力が通用するか注目だ。

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