2020年12月19日土曜日

2021 CLEVELAND INDIANS TOP 20 PROSPECTS

 

2021 CLEVELAND INDIANS

TOP 20 PROSPECTS

Triston McKenzie


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。


1.
トリストン・マッケンジー(RHP)/Triston McKenzie:23歳
(MLB)3.24ERA 33.1IP BB/9=2.4 K/9=11.3 K/BB=4.67
◯速球 カーブ 奪三振 コマンド 即戦力 / △耐久性
6-5/165と超痩せ型の体格ながら力あるボールを投げ込み、18年は2Aで防御率2.68をマーク。19年は背中の痛みで全休したが、20年はメジャーで好投。21年シーズンのブレークが期待されている。平均92.8マイルの4シームはエクステンション抜群で、メジャーでも被打率.194・空振り率23.7%と質の高さを証明。最も信頼できる変化球のカーブに加え、スライダー&チェンジアップも向上を辿った。実力は申し分ないが、耐久面だけが心配。(A+/2A)126G 430AB 15HR 96BB 148K 7SB .272/.409/.442/.851
◯打撃 アプローチ 肩 / △スピード 3B守備
華麗なスイングでフィールド全体に打ち分け、2年続けて傘下最多の四球数(18年89個・19年96個)を選ぶなどアプローチも辛抱強い。強肩の持ち主だが、グラブ捌きやフットワークは要改善で三塁のポジションに残れるかは評価が分かれている。外野や一塁に回る可能性もある。
Nolan Jones
(2A)117G 432AB 9HR 24BB 102K 28SB .250/.309/.387/.695
(MLB)49G 118AB 3HR 7BB 28K 8SB .263/.333/.398/.732
◯スピード SS守備 即戦力 / △パワー
今オフにフランシスコ・リンドーアらとのトレードでメッツから加入。20年にメジャーデビューすると、新人王投票7位に食い込む活躍。走攻守に磨かれたプレーぶりを披露した。一番の長所である守備ではStatcastを用いた新指標OAAで内野手全体10位となる+5をマーク。打撃ではパワーこそ平均以下だが、アプローチ良くライナーを量産し、出塁したらダブルプラスのスピードを生かして次の塁を果敢に狙う。安定した守備力と確実性の高い打撃から、ローリスクでレギュラーが務まるだろう。
(A/A+)123G 493AB 3HR 26BB 53K 19SB .306/.368/.410/.778
◎コンタクト / △2B向き? / ×パワー
ヒットツールが傑出しており、コンパクトなスイングからライナー性の打球を量産する二塁打マシーン。マイケル・ヤング(元レンジャース)やマルコ・スクータロ(元ジャイアンツ)のような選手になり得る。守備はハンドリング、ポジショニング共に向上をしているがSSとしてはやや物足りず、2Bの方が向いてそうだ。2Aでは62試合で0本塁打。2B向きの守備力を考慮すると、パワーナンバーが欲しいところ。パワーが伸びてから評価したい。(A-/A)2.55ERA 60.0IP BB/9=4.5 K/9=10.7 K/BB=2.37
◯速球 体格 / △耐久性
18年ドラフト1巡目。肩の故障によりドラフトでは評価を落としたが、万全ならエースポテンシャル。球威、変化球、制球力、体格、どれも恵まれており、ゲリット・コール(ヤンキース)の再来との呼び声高い。好調時には95マイル前後の速球と大きなカーブをコマンドよくスポットに投げ込む。大柄な体格ゆえフォームの再現性を高めていくことが課題。

(A+)120G 477AB 17HR 25BB 128K 8SB .302/.339/.470/.809
◎肩 / ◯SS守備 パワー / △素材型 フリースインガー スピード
16年に契約金190万ドルで入団の大器。マイク・クレビンジャーとのトレードで20年に加入した。スピードは平均以下ながらダブルプラスの強肩を生かしたSS守備はスカウトからプラスのSSディフェンダーになれると大絶賛されている。守備面で傘下内のSSプロスペクトにリードしている一方で、打撃面には不安要素あり。パンチ力は魅力だが、フリーススインガーで
三振率25%とアプローチを磨く必要がある。
Gabriel Arias

7.タナー・バーンズ(RHP)/Tanner Burns:22歳
◯速球 カーブ 即戦力 / △体格 耐久性
20年ドラフト全体36位指名のカレッジ右腕。アンダーサイズながら速球とカーブのパワフルなコンビネーションが魅力で、ソニー・グレイ(レッズ)と比較されている。コントロールも安定しており、第3球種のチェンジアップの精度もまずまずなため、ハイフロアーと言えるだろう。一方でアンダーサイズな上に肩の故障歴があることから、先発投手としての耐久性を疑われている。

8.
ジョージ・バレラ(OF)/George Valera:20歳
(A-/A)52G 214AB 8HR 31BB 61K .217/.336/.411/.748
◯パワー / △両翼向き? 素材型 コンタクト
17年に契約金130万ドルで入団の大器。若くして傑出した打撃技術と両翼向きの守備力からフアン・ソト(ナショナルズ)と比較されている。ロビンソン・カノー(メッツ)にそっくりな華麗なスイングでバックスピンの利いた打球を広角に打ち分けるが、マイナーでは三振の多さが目立った。19年はA-ではOPS.802とよく打ったが、A昇格後に成績を落とした。比較されるソトはマイナー1年目から結果を出していただけに、21年は浮上してほしい。
George Valera

(R/A-)3.80ERA 23.2IP BB/9=3.8 K/9=12.9 K/BB=3.40
◎速球 / △素材型 チェンジアップ コントロール フォーム
19年ドラフト1巡目の高卒右腕。ドラフトクラスで最もアップサイドの高い1人と評されていた。抜群の運動能力の持ち主で、速球は96-99マイルを計測。スライダー&カーブを主に扱い、チェンジアップを磨いていけば4球種揃ったスターターになり得る。戸郷翔征(読売)のような
長い腕の動きからコントロール&耐久性が心配。荒削りだがインディアンスの投手育成能力に期待したい。

10.
ボー・ネイラー(C)/Bo Naylor:21歳
(A)107G 453AB 11HR 43BB 104K .243/.313/.421/.734
◯打撃 運動能力 肩 / △素材型 C守備経験不足
18年ドラフト1巡目の高卒捕手。兄ジョシュは118㎏の巨漢スラッガーだが、弟のボーはヒットツールと運動能力の高さが最も評価されている。平均以上のスピード&強肩の持ち主で、19年は盗塁阻止率37%をマーク。フレーミングも高評価。アマチュア時代には三塁手で、捕手経験はまだ浅い。これから成熟していってほしい。

11.ブライアン・ロキオ(SS)/Brayan Rocchio:20歳
(A-)69G 268AB 5HR 20BB 40K 14SB .250/.310/.373/.683
◯コンタクト スピード メークアップ SS守備 / △素材型 パワー
18年には17歳ながらRでリーグ3位の打率.343をマークしたヒットセンス抜群のスイッチヒッター。19年は成績を落としたがスムーズなスイングから打撃面の評価は依然として高い。スピードツールも平均以上。遊撃守備でも平均以上の守備範囲を示しており、最低でも二遊間にとどまれるとの見立て。フィジカル面は傑出していないが、「プロフェッサー」のニックネームの持ち主で野球IQの高さが光る。
(A/A+)2.26ERA 22GS 111.2IP BB/9=2.7 K/9=11.6 K/BB=4.24
◯チェンジアップ 体格 メークアップ / △球威
20年にマイク・クレビンジャーとのトレードで獲得した1人。速球は88-91マイル、最速でも94マイルだが、チェンジアップの精度が素晴らしくピッチトンネルを通して打者を欺く。カーブはスピンが利いており磨けば平均的なボールになる。6-4/220の恵まれた体格に加え、自らを高めようとするメークアップも優秀で伸びしろは大きい。現段階では球威が物足りないが、トンネルを通す技術は非凡であり、シェーン・ビーバーのように球速が伸ばせれば面白い投手だ。
(R/A-)38G 135AB 8HR 28BB 29K 4SB .281/.402/.570/.973
◯パワー 打撃 スピード / △素材型 肩 
2B向きで守備のポテンシャルは目立たないが、「3割・20本・10盗塁」が期待できる攻撃型二塁手。チームの主軸であるホセ・ラミレスと比較する声が多数。コンタクト&アプローチを兼ね備えたヒットツールはプラス評価で、仮に外野に回っても見劣りしないポテンシャルだ。

(R)3.38ERA 8.0IP BB/9=1.1 K/9=13.5 K/BB=12.00
◯速球 カーブ コントロール 奪三振 / △素材型
今オフにフランシスコ・リンドーアらとのトレードでメッツから加入。19年ドラフト2巡目ながらオーバースロットとなる215万ドルで契約合意。平均94マイルの速球と縦カーブの2球種がプラスピッチで、テンポよくゾーンを攻める。チェンジアップを有効に使えるように経験を積んでいきたい。体格的な伸びしろも豊富。20年は教育リーグで実戦経験を積んだ。

15.
ローガン・アレン(LHP)/Logan Allen:24歳
(3A)5.85ERA 80.0IP BB/9=3.8 K/9=9.1 K/BB=2.38
(MLB)3.38ERA 10.2IP BB/9=5.9 K/9=5.9 K/BB=1.00
◯4球種 即戦力 / 
19年にトレバー・バウアーの絡んだ三角トレードで加入。ドラフト時からジョン・レスター(前カブス)と比較されている総合力の高い先発左腕で、90マイル前半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップをバランスよく織り交ぜる。中でもチェンジアップがベストピッチ。20年はリリーフとしてメジャーでプレーし、速球は平均94マイルを計測もコマンドに苦しんだ。

(R/2A/3A)2.67ERA 30.1IP BB/9=5.0 K/9=22.0 K/BB=4.35
(MLB)2.67ERA 27.0IP BB/9=5.3 K/9=17.7 K/BB=3.31
◎奪三振 / ◯速球 カーブ / ✖コントロール
20年に新人王投票6位にランクインするなどブレーク。4イニング以上投げた投手ではトップのK/9=17.7と驚異の奪三振率をマークした。27試合に登板して防御率2.67ながらバレル%やxERAなどの期待指標ではメジャー上位3%以内にランクイン。平均95.5マイルの高スピン4シームを高めに、「Filthy(紛らわしい)」と形容される縦カーブを低めに投げ込み、三振の山を築く。

(2A)130G 507AB 13HR 46BB 86K 5SB .290/.355/.430/.785
◯コンタクト スピード / △パワー 肩 SS守備 
マイク・クレビンジャーのトレードで獲得した1人。辛抱強いアプローチで左右に確率よくライナーを打ち分ける二塁打マシーン。19年は2Aでリーグトップとなる147安打を放った。スイングはコンパクトだが長打を狙えば12-15本塁打も狙えると評判。平均以上のスピードの持ち主でハンドリングも堅実だが、肩の弱さから将来は2B転向か。打撃の完成度とまずまずの守備力から早期昇格が見込め、仮にレギュラーになれなくても長くユーティリティとして重宝されるだろう。

18.エマニュエル・クラセ(RHP)/Emmanuel Clase:23歳
(A+/2A)2.82ERA 44.2IP BB/9=1.8 K/9=10.1 K/BB=5.56
(MLB)2.31ERA 23.1IP BB/9=2.3 K/9=8.1 K/BB=3.50
◎球威 / ×薬物使用
オフにコリー・クルーバーとのトレードでレンジャースから加入。平均99マイルのカッターと90マイルのスライダーを武器にメジャーでも好投した剛腕。コントロールも安定しており、クローザーポテンシャル。20年はメジャーで起用される見込みだったが、5月に禁止薬物の使用が発覚し、80試合の出場停止処分を受けた。

19.
アイザイア・グリーン(OF)/Isaiah Greene:19歳
◯スピード 打撃 / △パワー 素材型
今オフにフランシスコ・リンドーアらとのトレードでメッツから加入。20年ドラフト2巡目。ドラフト前の不調で評価を落としたが、U-18でプレーしていた実力の持ち主。パワー以外の4ツールが平均以上で、中でもスピードがベストツール。また、スムーズなスイングはギャレット・アンダーソン(元エンゼルス)やマイケル・ブラントリー(前アストロズ)と比較される。

20.ダニエル・ジョンソン(OF)/Daniel Johnson:25歳
(2A/3A)123G 483AB 19HR 50BB 118K 12SB .290/.361/.507/.868
◎肩 / ◯スピード パワー / △コンタクト
コンタクト以外の4ツールがプラス評価のアスリート。課題とされてきたヒットツールも19年はキャリアハイの四球率9.1%をマークするなど磨かれつつある。俊足だが12盗塁/10盗塁死と走塁技術を磨く必要がある。守備ではCFに相応しいツールを有しているが、ダブルプラスの強肩からRFが最もフィットするだろう。21年は第四の外野手の座を狙う。

21.ガブリエル・ロドリゲス(SS)/Gabriel Rodriguez:19歳
(DSL/R)56G 208AB 3HR 19BB 49K .231/.321/.361/.682
◯ツール / △素材型
18年に契約金210万ドルで入団のベネズエラ出身SS。オールラウンドなツールを有しており、レギュラーSSに相応しいポテンシャルを秘めている。打撃練習では素晴らしいパワーを披露しており、ゲームパワーを伸ばせるかが課題。守備は長くSSに残れるとの見立て。


22.ウィル・ベンソン(OF)/Will Benson:23歳
(A/A+)123G 434AB 22HR 68BB 151K 27SB .230/.331/.454/.785
◯パワー スピード 肩 / △素材型 / ✖コンタクト
ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)とも比較されるフィジカルモンスターで、ポテンシャルは傘下No.1。コンタクトが未熟で、19年はAで62試合/18HR/OPS.974と打ちまくった後、A+で61試合/4HR/OPS.594と苦しんだ。守備では肩が強くRF向き。20年は米独立でプレーし、24試合で打率.143・2本塁打・OPS.610。投高のリーグであることを差し引いても、ひどい内容だった。

23.カルロス・バルガス(RHP)/Carlos Vargas:21歳
(A-)4.52ERA 77.2IP BB/9=2.8 K/9=8.2 K/BB=2.96
◯速球 スライダー / △素材型 コントロール チェンジアップ
躍動感のある力んだフォームからMAX100マイルの速球&ハードスライダーのコンビネーションは威力抜群。A-までの経験しかないが40人枠入りを果たすなどチームからの期待は高い。チェンジアップの精度とコントロールを磨いていく必要があり、もし改善されなければブルペンに回るだろう。

Plus One Prospect
エリー・モーガン(RHP)/Elijah Morgan:25歳
(A+/2A/3A)3.39ERA 140.2IP BB/9=2.6 K/9=9.3 K/BB=3.65
◯チェンジアップ 奪三振 / △球威 体格
速球は最速でも92マイル止まりだが、「D.ダフィー(ロイヤルズ)のgif画像を何度も見て研究した」というサークルチェンジを武器に三振の山を築く。球威不足な上に体格も先発投手としては小柄な点は気掛かり。2年続けて140イニング以上を消化するなどスタミナ面の不安は払拭しつつある。40人枠入りを果たしており、メジャーデビューも射程圏内。

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