2022年2月20日日曜日

2022 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2022 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Bryson Stott

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.ミック・エイブル(RHP)/Mick Abel:20歳
(A)4.43ERA 44.2IP BB/9=5.4 K/9=13.3 K/BB=2.44
◯速球 3球種 体格 / △素材型 スタミナ 肩の故障
20年ドラフト1巡目。MLB公式、Baseball Americaともにドラフト前のランキングでは高校生投手No.1評価だった。21年はプロデビューを飾ったが14先発で防御率4.43・BB/9=5.4と振るわなかった上に、肩の故障でラスト2か月を欠場した。それでも速球はStatcastで平均95.4/最速99.2マイル、平均スピンレート2488rmpとMLBトップクラスの数値を記録し、エースの片鱗は見せた。スライダー&チェンジアップもプラスピッチ候補。22年の飛躍に注目。
Mick Abel


2.
ブライソン・ストット(SS)/Bryson Stott:24歳
(A+/2A/3A)112G 418AB 16HR 65BB 108K .299/.390/.486/.876
◯コンタクト 肩 守備 / △プラスツール無し
19年ドラフト1巡目。目立ったツールはないが欠点も少ない完成度の高い内野手。特にヒットツールが1番評価されており、コンタクト&アプローチを両立している。守備面でもハードワークに取り組んでおり向上著しい。スターポテンシャルではないが、SSとして打撃&守備の両面でMLB平均~平均以上の働きが期待できる。
Bryson Stott
(R)0.00ERA 6.0IP BB/9=0.0 K/9=18.0
◎速球 / ◯奪三振 4球種 / △肩のコンディション
21年ドラフト1巡目の高卒右腕。6-7/215の規格外の体格から最速98マイルの速球を主体に平均~平均以上の変化球3種を織り交ぜる。また大柄ながら運動能力◎で、フォームの再現性&コントロールも安定している。体格的な伸びしろも十分に残っており、アップサイドは無限大。
Andrew Painter


4.
ヨハン・ロハス(OF)/Johan Rojas:21歳
(A/A+)96G 381AB 11HR 33BB 77K .263/.329/.417/.747
◯スピード CF守備 パワー /△コンタクト
運動能力が高く、スピードとCF守備の2つがプラスツール。しかしヒットツールが疑問視されており、パワーポテンシャルを発揮するためには辛抱強いアプローチを覚えていく必要がある。メジャー到達にはまだ時間がかかるだろうが、フィリーズ幹部はロハスのメークアップを買っている。21年は自己最多の11本塁打を放つなどパワーに開眼の兆し。

5.
ローガン・オホピー(C)/Logan O'Hoppe:22歳
(A+/2A/3A)104G 393AB 17HR 33BB 76K .270/.331/.458/.789
◯パワー 肩 守備 / △コンタクト 
打撃と守備の両面で評価されており、リーダー性も◎な司令塔候補。20-25ホーマー級のパワーを有し、20年のコロナ休止中に野球選手養成プログラムdrivelineで課題のコンタクト力UPに着手。21年は見事三振率を減らしつつ自己最多の17本塁打を放つなどブレークを飾った。捕手としての守備力もプラス評価で、Baseball Prospectusの出すフレーミング指標でもプラス数値を記録した。
Logan O'Hoppe

6.ハンス・クラウス(RHP)/Hans Crouse:23歳
(2A/3A)3.28ERA 85.0IP BB/9=3.6 K/9=10.4 K/BB=2.88
(MLB)5.14ERA 7.0IP BB/9=9.0 K/9=2.6 K/BB=0.29
◯速球 スライダー / △健康面 コントロール
昨夏にカイル・ギブソンと共にTEXから獲得した右腕。92-95マイルのシンキングファストと縦に鋭く落ちるスライダーのコンビネーションで、第3球種のチェンジアップもコロナ休止中に向上を辿った。19年に肘を故障したが、それ以前はMAX99マイルを計測しており、コンディションを整えて球威を取り戻すことができればローテーション半ば級のポテンシャル。

(A)30G 107AB 3HR 10BB 25K .215/.282/.374/.656
◯打撃 パワー / △守備走塁 
21年ドラフト2巡目。パワーと打撃技術を兼ね備えたスラッガー候補で、適応できればMLBで「.270・25-30本」が狙える。走守の能力は平均以下で、ポジションは外野両翼に限られるだろう。プロデビューでは不調だったが、打撃能力の高さから早期昇格もあり得る。

8.
マット・ビアリング(OF)/Matt Vierling:25歳
(2A/3A)79G 293AB 11HR 36BB 64K .277/.358/.444/.802
(MLB)34G 71AB 2HR 4BB 20K .324/.364/.479/.843
◯パワー スピード / △コンタクト
21年はMLBデビューすると77打席という限られたサンプルながらOPS.843と好成績をマークした。パンチ力があり、平均打球速度も91.5マイルとMLB上位20%に入る数値を記録した。コンタクト力を磨く必要はあるが、内野両コーナー&外野3ポジションをこなせる守備力からスーパーユーティリティになれる素質あり。

9.ルイス・ガルシア(SS)/Luis Garcia:21歳
(A/A+)103G 391AB 13HR 64BB 112K .243/.353/.414/.767
◯SS守備 肩 / △素材型 打撃
レギュラーSSに十分なポテンシャルを秘めるが、19年はAでOPS.516と打撃不振に苦しんだ。しかし20年のコロナ休止中にビルドアップに成功すると、21年はA/A+で13本塁打をマークするなど復調。依然として打撃面に課題は多いがSS守備は平均以上であり、ある程度打てれば守備型のレギュラーSSとして可能性あり。

10.フランシスコ・モラレス(RHP)/Francisco Morales:22歳
(2A/3A)6.28ERA 91.2IP BB/9=6.6 K/9=11.5 K/BB=1.75
◯奪三振 速球 スライダー / △チェンジアップ / ✖コントロール
速球&スライダーがプラスピッチであり、球威はエース級。しかし制球難が深刻で、第3球種のチェンジアップも不安定なため、先発投手としての適性には疑問あり。まだ22歳と若く、先発として試されるだろうが、デリン・ベタンセス(NYM)のようなキャリアを辿るか。
(R)22G 47AB 3HR 11BB 12K .255/.406/.468/.874
◯パワー / △素材型 スピード コンタクト
21年ドラフト3巡目の高卒選手。6フィート4の立派な体格の持ち主であり、現在は二塁打中心だが30本塁打級のパワーポテンシャルを期待されている。平均以下のスピードから守備はコーナー向きとされる。投手としても鳴らした強肩はRFに適任も、プロデビューではLF/1Bを守った。完成型はフレディ・フリーマン。

12.エリック・ミラー(LHP)/Erik Miller:24歳
(R/A/A+)1.42ERA 12.2IP BB/9=7.8 K/9=11.4 K/BB=1.45
◯3球種 奪三振 / △コントロール 耐久性
21年は肩のローテーターカフの痛みにより5登板に終わった。健康であれば93マイル前後の速球に高精度のスライダー&チェンジアップを織り交ぜる奪三振能力の高い先発左腕。コントロールと耐久面の問題を解消できればローテーション4番手級のポテンシャルも、将来的にはブルペン転向か。(A/A+)2.96ERA 24.1IP BB/9=5.2 K/9=15.9 K/BB=3.07
◎速球 / 〇3球種 奪三振 / △実績 / ✖コントロール
21年ドラフト5巡目。大学4シーズンで防御率4.84・BB/9=8.8と今一つだったが、プロでは好投を見せた。Aで平均95.8マイル/スピンレート2651rmpのシンキングファストを軸に、スピンレート2970rmpのスライダー、投球割合は少ないがプラスピッチ候補のチェンジアップのコンビネーション。制球難を改善できれば大化けする可能性あり。

14.
ヨスワー・ガルシア(OF)/Yhoswar Garcia:20歳
(A)18G 70AB 0HR 6BB 23K .229/.299/.271/.570
◯スピード / △素材型 
20年3月に契約金250万ドルで入団した原石。走攻守に高いポテンシャルを秘めており、中でも60ヤードを6.3秒で駆け抜けるスピードがベストツール。打撃は素早くコンパクトなスイングでハードコンタクトを量産し、CF守備も磨けば平均以上の可能性あり。21年は故障により18試合の出場に終わった。
(R/A)3.57ERA 75.2IP BB/9=3.4 K/9=11.2 K/BB=3.24
◯速球 カーブ 奪三振 / △素材型 コマンド 
フルシーズンデビューすると平均92.7マイルで高スピンの4シーム、カーブ、チェンジアップを効果的に織り交ぜて好投。6-3/180と体格も先発投手に適しており、コントロールも破綻していない。21年はデビューイヤーということもあり、5イニングより多く投げた試合はなかったため、先発投手としての耐久性を今後証明していく必要あり。
Cristian Hernandez


(A+/2A)95G 340AB 23HR 38BB 113K .250/.346/.488/.834
◯パワー / △スピード コンタクト
マイナー通算5シーズンで打率.232・三振率29.9%とヒットツールに懸念があるが、怪力が売りのパワーヒッター。21年は自己最多の23本塁打を放ち、オフには40人枠入りを果たした。守備はCF/RFを半々で守ったが、平均以下のスピードから将来的には両翼が適任との見立て。カイル・ブランクス(元SD他)のような強打の控え外野手が将来像か。
(R)4.50ERA 6.0IP BB/9=4.5 K/9=6.0 K/BB=1.33
◯3球種 体格 / △素材型 球速 コントロール
21年ドラフト4巡目の高卒右腕で、6-4/175の体格から伸びしろの大きさを高く評価されている。速球、カーブ、チェンジアップと3球種を効果的に織り交ぜることができる投球スキルは高校生離れしており、現在90マイル前後の速球をパワーアップできれば面白い。

18.ジャマリ・ベイラー(SS)/Jamari Baylor:21歳
(R/A)40G 145AB 5HR 19BB 60K .269/.373/.448/.821
◯スピード パワー 肩 /△コンタクト 素材型
19年ドラフト3巡目の高卒選手。パワー&スピードのコンビネーションは「20-20」も狙えるレベル。RではOPS1.021と好調だったが、A昇格後は15試合でOPS.486、三振率45%とヒットツールに黄色信号。守備では打球反応、肩の強さいずれも平均以上だが、動きや握り替えがやや鈍く、2Bや外野に回るリスクもある。

(A+/2A)4.25ERA 78.1IP BB/9=2.8 K/9=9.5 K/BB=3.46
◯速球 カーブ / △年齢
来季25歳と年を食っているのは難点だが、6-7/230の体格を含めて素材はMLBでも先発を張れるレベル。MAX97マイルの4シームを主体にカーブ&チェンジアップも精度が高く、コントロールも悪くない。リリーフに専念すれば22年中のMLB昇格もあり得る。

20.イーサン・リンドウ(LHP)/Ethan Lindow:23歳
(A+/2A)3.81ERA 85.0IP BB/9=2.3 K/9=8.7 K/BB=3.73
◎コマンド / △球威 被弾多い
4球種でストライクが取れるローテーション下位ポテンシャル。速球は最速でも92マイル止まりだが、コマンド&スピンレートが優秀。高めの速球とチェンジアップを自在に組み合わせて空振りが奪える。ブレーキングボールは磨いている段階だが、カーブとカッター気味のスライダーを扱うことができる。

Sleeper Prospects

(A+)4.97ERA 58.0IP BB/9=4.2 K/9=9.9 K/BB=2.37
〇速球 / △コントロール 耐久面 第3球種
94-96マイルの伸びのある4シームと80マイル台のキレのあるスライダーのコンビネーション。平均以下のカーブ&チェンジアップも時折交える。キャリアを通して肩の故障に悩まされており、耐久面の不安を克服する必要がある。

(A)4.35ERA 20.2IP BB/9=4.4 K/9=8.7 K/BB=2.00
〇速球 カーブ / △素材型 チェンジアップ コントロール TJ手術明け
18年に当時15歳ながら97マイルを計測した怪童。92-96マイルの4シームとAでスピンレート2775rmp、空振り率41%を記録したカーブのコンビネーション。投球比率8%にとどまったチェンジアップと全体的なコントロールの向上は今後の課題となるだろう。6月にTJ手術を受けており、22年中の復帰は微妙か。

ケンドール・シモンズ(2B/3B)/Kendall Simmons:22歳
(R/A)46G 147AB 6HR 16BB 41K .225/.329/.449/.778
◯パワー / △守備 コンタクト
空振りの多いプルヒッターでヒットツールに疑問も、ダブルプラス相当のパワーポテンシャルを秘める。Aでは平均打球速度87.8マイル、バレル率9.5%と優秀な数字を記録しており、課題のコンタクトを改善できれば攻撃型ユーティリティーとして面白いだろう。守備は発展途上で、フットワーク&ハンドリングはいずれも要改善。仮に改善されても平均以下止まりと見られている。

ハオイー・リー(2B)/Hao Yu Lee:19歳
(R)9G 22AB 1HR 3BB 5K .364/.440/.773/1.213
◯パワー / △素材型 
台湾出身。21年6月に契約するとRでの9試合でOPS1.213と打ちまくった。ガッシリ体型でプラスのパワーと辛抱強いアプローチを兼備したスラッガー候補。台湾のユースチームでもプレー経験豊富で、木製バットでの実績もある。アスレチックだが、高校時の故障を機にSSから2Bに転向した。

アレクシス・アズアヘ(IF)/Alexeis Azuaje:20歳
(R)19G 45AB 5HR 4BB 5K .400/.509/.867/1.376
◯コンタクト / △素材型
コンタクト力が高く、Rでは19試合という限られたサンプルながら打率.400・5本塁打・OPS1.376を記録。95マイル以上の打球を量産するなど打球速度も優秀で、体ができてくればさらなるパワー向上も見込める。スピーディで、内野3ポジションを堅実にプレー可能。

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