2022年2月23日水曜日

2022 WASHINGTON NATIONALS TOP 20 PROSPECTS

2022 WASHINGTON NATIONALS

TOP 20 PROSPECTS

Keibert Ruiz


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.
キーバート・ルイーズ(C)/Keibert Ruiz:23歳
(3A)72G 284AB 21HR 30BB 33K .310/.377/.616/.993
(MLB)29G 88AB 3HR 6BB 9K .273/.333/.409/.742
◎コンタクト / 〇即戦力 C守備 / △パワー 肩 
昨夏、マックス・シャーザー&トレイ・ターナーを放出したトレードで見返りとしてLADから獲得したトッププロスペクト。巧みなバットコントロールでコンタクトを量産し、課題とされてきたパワー面も3A/MLBで自己最多の24本塁打を放つなど開花の兆し。守備ではブロッキング&フレーミングともに優秀で壁性能は高いが、肩が弱いためマイナー6年で盗塁阻止率24%、MLBの限られたサンプルでも14%にとどまっている。

2.
ケード・カバリ(RHP)/Cade Cavalli:23歳
(A+/2A/3A)3.36ERA 123.1IP BB/9=4.4 K/9=12.8 K/BB=2.92
◎速球 / 〇奪三振 変化球 / △コントロール
20年ドラフト1巡目。腕のコンディション不良により、ドラフトでは評価を落としたが、21年は24先発/123.1回を投げ抜き健康面の不安を払拭。マイナートップの157Kを奪うなど大ブレークを果たした。軽々と100マイルを叩きだす馬力が魅力で、決め球のパワーカーブも強烈。スライダー&チェンジアップも変化量が大きく空振りが取れる。2A昇格以降にBB/9が大幅に悪化しており、制球面に不安あり。
Cade Cavalli

3.ブレイディ・ハウス(SS)/Brady House:19歳 
(R)16G 59AB 4HR 7BB 13K .322/.394/.576/.970
◎パワー / 〇肩 / △素材型 SSとしては大きい
21年ドラフトの全体1位候補にも挙げられていた大器で、全体11位でWSHが指名に成功した。ダブルプラスのパワーが武器の攻撃型SSで、広角に長打が打てる。6-4/215と大柄でスピードも平均的なため、SSにとどまれるかは疑問。投手として96マイルを計測した強肩から3B転向の可能性も。MLB公式はマット・チャップマン(OAK)と比較。
Brady House

(R/A+)2.30ERA 47.0IP BB/9=2.3 K/9=13.4 K/BB=5.83
◯速球 3球種 奪三振 / △耐久性
20年ドラフト2巡目。1巡目級のポテンシャルの持ち主で、オーバースロットとなる契約金200万ドルで合意した。93-97マイルの速球にカーブ&チェンジアップもよく切れ、21年はマイナーでK/9=13.4、オフのAFLでも14.2をマークするなど奪三振能力の高さが光る。一方で大学時代から肘の状態に不安があり、昨季も肘痛で半休するなど耐久面が心配。
Cole Henry


(R/A/A+)7.68ERA 36.1IP BB/9=5.0 K/9=10.2 K/BB=2.05
◎速球 / ◯スライダー 体格 / △コントロール 耐久面
19年ドラフト1巡目。6-8/250の恵まれた体躯と凄まじいポテンシャルから元ナショナルズのルーカス・ジオリト(現Wソックス)と比較される。最速99マイルの速球とパワースライダーがプラスピッチで、カーブ&チェンジアップも平均以上のポテンシャルを秘める。しかし制球難と故障体質がネックで、リリーフ転向を余儀なくされる可能性もある。
Jackson Rutledge
(R/A)4.66ERA 48.1IP BB/9=3.9 K/9=9.7 K/BB=2.48
◯速球 体格 / △素材型
19年に契約金125万ドルで入団のベネズエラン。92-95マイルの速球を投げ込み、すでに再現性の高いフォームも身に付けている。投球センスにも秀でており、カーブ&チェンジアップを効果的に扱う。また6-4/180と理想的な体格をしており、3球種を角度をつけて投げ込むことができる。時間はかかるだろうが、傘下トップクラスの投手になり得る素材だ。

7.
ヤセル・アンチュナ(SS)/Yasel Antuna:22歳
(A+)106G 405AB 12HR 46BB 100K .227/.307/.385/.692
◯パワー 肩 / △守備 / ✖エラー 
16年に国際アマチュアFAではナショナルズ史上最高額となる契約金385万ドルでプロ入りしたドミニカン。荒削りながらパワーを秘めたスイッチヒッターで、バレル性の打球を量産する攻撃面のポテンシャルは極めて高い。21年は序盤はスランプに悩まされたが、7-8月は打率.315と適応しつつあった。スピードと肩は平均以上だが、昨季96試合で36失策/守備率.894ではSS失格と言わざるを得ない。
Yasel Antuna


8.
ホアン・アドン(RHP)/Joan Adon:23歳
(A+/2A/3A)4.97ERA 105.0IP BB/9=3.4 K/9=10.5 K/BB=3.05
◯速球 スライダー / △コントロール チェンジアップ
マイナーでの成績は今一つだったが、シーズン最終戦でMLBデビューを果たすと、ワイルドカード争いに燃えるBOS打線を相手に5.1回2失点9Kと好投。95マイル前後の4シームと縦に鋭く切れるスライダーのコンボで空振りを量産した。コマンドの向上が課題で、リリーフ向きとの見方が強い。

9.デイレン・ライル(OF)/Daylen Lile:19歳
(R)19G 64AB 0HR 15BB 20K .219/.363/.250/.613
◯コンタクト / △素材型 パワー 守備
21年ドラフト2巡目。21年ドラフトの高校生ではNo.1ピュアヒッターの1人との呼び声高く、コンパクトなスイングでフィールド全体にライナーを量産する。走守の能力は平均的で適性はLFと見られているため、パワーの成長がバリューを左右することにだるだろう。完成型はマイケル・ブラントリー(HOU)か。
 
10.アーマンド・クルーズ(SS)/Armando Cruz:18歳
(DSL)48G 177AB 1HR 16BB 27K .232/.292/.305/.597
◎守備 / △素材型 打撃
21年に球団記録タイとなる390万ドルで契約の原石。芸術的な守備が自慢で、未来のゴールドグラブ候補と評判。パワーレスでコンタクト重視の打撃も含めて将来像はホセ・イグレシアス(BAL)か。打撃の向上が課題。

11.ジェラルド・カリーロ(RHP)/Gerardo Carrillo:23歳
(2A)4.76ERA 96.1IP BB/9=4.7 K/9=10.1 K/BB=2.16
◎速球 / 〇スライダー / ✖コントロール
シャーザー&ターナーのトレードでLADから獲得した1人。最速100マイルの高速シンカーと90マイル前後のスラッターのコンビネーションは強烈。しかし最低レベルのノーコンがネックであり、ブルペン転向が現実的か。球威はクローザー級。

12.
ジェレミー・デラロサ(OF)/Jeremy De La Rosa:20歳
(A)87G 326AB 5HR 30BB 122K .209/.279/.316/.595 
◯5ツール / △素材型 21年スランプ
フアン・ソトに次ぐパワーバットとして注目の原石。素早いスイングスピードでフィールド全体にバレル性の打球を量産する。走守もズバ抜けてはないものの平均から平均以上と高評価。21年のブレークが期待されていたが、OPS.595と大不振に終わった。それでも9月は打率.315と来季に期待のもてるラストを飾った。

13.アルド・ラミレス(RHP)/Aldo Ramirez:21歳
(R/A)3.26ERA 38.2IP BB/9=2.8 K/9=8.1 K/BB=2.92
◯速球 3球種 コントロール / △素材型 肘の状態
昨夏カイル・シュワバーとのトレードでBOSから加入。年齢に比して完成度が高く、また球速も年々向上を辿っている。90マイル中盤の速球を高低に投げ分け、カーブ&チェンジアップの扱いにも優れている。またフォームも滑らかでコントロールも良い。WSH加入後は7.2回のプレーにとどまり、肘痛でシーズン終了となった。

14.
ロイスマー・キンターナ(OF)/Roismar Quintana:19歳
(R)7G 13AB 1HR 6BB 5K .308/.550/.692/1.242
◯パワー CF守備 / △素材型
19年に契約金82万ドルで入団のベネズエラン。運動能力に富んだフィジカル面と平均以上のパワーからマーセル・オズーナ(ブレーブス)を彷彿とさせる。両翼/DH向きのオズーナに対して、スピードのあるキンターナはCFに残れる可能性を残している。21年はRでプロデビューを飾り好スタートを切ったが、故障で7試合の出場に終わった。

15.T.J. ホワイト(OF)/T.J. White:18歳
(R)15G 53AB 4HR 5BB 14K .283/.356/.547/.903
◎パワー / △素材型 守備走塁
21年ドラフト5巡目の高卒スイッチヒッター。自慢のパワーは20-80スケールで70評価をつけるスカウトもいるほど。Rでの15試合で4本塁打を放つなどプロの世界でもパワーツールは発揮できている。一方でパワー以外の4ツールは平均以下と見られており、MLBに昇格するには打ちまくるしかない。

16.
ドリュー・ミラス(C)/Drew Millas:24歳 
(A+)86G 322AB 3HR 54BB 53K .264/.372/.348/.720
◯肩 C守備 アプローチ / △パワー
昨夏のトレードでOAKから移籍。守備力の高い捕手で、21年は盗塁阻止率36%&フレーミング数値プラスをマーク。打撃のポテンシャルは目立ったものではないが、四球率14.1%/三振率13.8%とゾーンコントロールが巧みで出塁率の計算は立つため、優秀なバックアップ捕手になり得る。

17.
ミッチェル・パーカー(LHP)/Mitchell Parker:22歳
(A/A+)4.87ERA 101.2IP BB/9=3.4 K/9=12.7 K/BB=3.79
◯奪三振 速球 カーブ / △チェンジアップ
20年ドラフト5巡目。垂直に近いオーバースローから4シームを高めに、カーブを低めに集めてK/9=12.7をマークした。4シームは90-93マイル程度だがホップ変化が大きく、高めで空振りが取れる。ゾーンに集めるコントロールは備わっており、連打を浴びないように細かいコマンドを磨いていければローテーション入りの可能性あり。

18.
ブランドン・ボイシアー(1B)/Branden Boissiere:22歳
(A)25G 85AB 1HR 10BB 25K .200/.299/.294/.593
◯打撃 1B守備 / △パワー スピード
21年ドラフト3巡目。二塁打を量産する完成度の高い打撃と平均以上の1B守備のパッケージ。ゴールドグラブ4度、通算2445安打の名選手マーク・グレイス(元CHC他)と比較されている。大学通算117試合で9本塁打止まりとパワー面に疑問。

19.
ドノバン・ケーシー(OF)/Donovan Casey:26歳
(2A/3A)123G 484AB 16HR 36BB 168K .269/.329/.430/.759
◯パワー スピード 守備 / △コンタクト 
シャーザー&ターナーのトレードでLADから獲得した1人。コンタクトは荒いが19年にマイナーで「20-20」を達成したパワー&スピードが武器で、外野守備もプラス。21年もリーグ平均よりも1歳上ながら2AでOPS.844とよく打った。三振率31.6%のヒットツールに不安があり、MLBレベルの投手に対応できるか。

20.
エバン・リー(LHP)/Evan Lee:25歳
(A+)4.32ERA 77.0IP BB/9=3.7 K/9=12.2 K/BB=3.25
◯奪三振 速球 カーブ / △コマンド 先発経験
大学では投打の二刀流で活躍。大学時代からずっとリリーフ起用だったが、21年は先発に転向すると1年間ローテーションを回した。高スピンの4シーム&カーブのコンボで空振りを量産し、カッター&チェンジアップも扱える。比較的球数もまとまっているが、ブルペンとしての昇格が現実的か。

Sleeper Prospects

(A+)3.69ERA 90.1IP BB/9=2.5 K/9=9.3 K/BB=3.72
◯コントロール / △球威 コマンド 被弾多い
昨夏にヤン・ゴームズ&ジョシュ・ハリソンの見返りとしてOAKから獲得したプロスペクトの1人。4球種をコントロール良く織り交ぜるバックエンドSPタイプ。与四球は少ないが細かいコマンドは持っていないため、甘く入った球を打ち込まれる傾向がある。WSH移籍後は8先発で防御率6.03・HR/9=2.1と振るわなかった。

(R/A)4.73ERA 13.1IP BB/9=2.7 K/9=10.8 K/BB=4.00
◯スライダー / △体格
21年ドラフト4巡目。アンダーサイズながらコントロールが良く、3球種を効果的に織り交ぜる。80マイル前半のスライダーがベストピッチで、90-93マイルのシンキングファストもよく沈む。先発としてはやや球威不足で、リリーフ転向で球速を数マイル伸ばせれば戦力になり得る。

(A+)5.20ERA 62.1IP BB/9=3.6 K/9=12.4 K/BB=3.44
◯速球 奪三振 / △コントロール リリーフ専門
5巡までに短縮された20年ドラフトでは漏れたが、ドラフト外でWSHと契約。95-99マイルの4シームとプラスのパワーカーブのコンビネーションは強烈で、パワーリリーバー適性を見せている。コントロールを改善し続けることができればMLB昇格の可能性が見えてくるだろう。

(R)45G 137AB 3HR 24BB 59K .204/.363/.314/.677
◯スピード / △素材型
19年にDSLでチームトップの5本塁打・長打率.448をマーク。21年はRで苦戦したが依然としてポテンシャル評は高い。プラスのスピードを備えたCFで、打撃はライナー中心の中距離ヒッター。プロ入り後に20ポンドの増量に成功するなどパワー面も向上の兆し。フリースインガーでコンスタントさを磨いていきたい。

(A)26G 101AB 0HR 10BB 17K .208/.283/.267/.551
◯スピード 守備 / △打撃 パワー
21年ドラフト7巡目。俊足が武器の外野手で、強豪フロリダ大でレギュラーとして活躍。大学では有望選手のジャド・ファビアンがいたためLFを守っていたが、CFとして十分なスピードど守備力を兼ね備えている。打撃はコンタクト重視でパワーレスだが、磨きをかければ第4の外野手適性あり。

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