2023年5月16日火曜日

2023 COLORADO ROCKIES TOP 20 PROSPECTS

2023 COLORADO ROCKIES

TOP 20 PROSPECTS

Ezequiel Tovar

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.
イゼキエル・トーバー(SS)/Ezequiel Tovar:21歳
(2A/3A)71G 14HR 27BB 66K .319/.927
(MLB)9G 1HR 2BB 9K .212/.590
◎SS守備 / △アプローチ
ゴールドグラブ級の守備力の持ち主で、打者としても平均以上の働きができる可能性がある。小柄で線は細いが、昨季は2AでwRC+153とズバ抜けたパフォーマンス。MLBデビューも果たした。一方で、フリースインガー傾向が顕著で、選球眼に不安がある。MLBでは少ない試合数ながらスイング率58.7%(MLB平均47.7%)、ボール球スイング率43.4%(MLB平均32.6%)と不安要素を露呈してしまった。選球眼を磨いてMLB投手に対応できるかどうかがポイントとなりそうだ。
Ezequiel Tovar


FV50

(A)106G 399AB 15HR 64BB 126K .301/.399/.501/.901
◯打撃 走力 伸びしろ  / △素材型 両翼向き
20年ドラフト全体9位指名の高卒選手。攻守のポテンシャルはカイル・タッカー(HOU)と比較され、長身細身の体格と素晴らしいスイングスピードから30ホーマー級の長打力を秘める。22年はA+でOPS.806も、2A昇格後は34試合でOPS.496と苦しんだ。長身ゆえスイングが長く、内角球の対応に課題があるとされている。昨季50盗塁を決めた俊足の持ち主だが、守備は平均的な評価で、タッカーと同様に両翼が適任と見られている。
Zac Veen


(A)115G 15HR 87BB 67K .292/.860
◎打撃 / △素材型 パワー 2B向き?
19年に契約金150万ドルで入団の原石。U-15のドミニカ共和国代表経験もあり、ツールだけでなく試合感覚にも優れている。特に打撃が年齢に比して磨かれており、バランスの良いコンパクトなスイングでライナー性の打球を打ち分け、選球眼も良い。SS守備では打球勘やポジショニングに冴えるが、ツール自体は傑出していないため、MLBレベルでは2B向きか。

4.
ドリュー・ロモ(C)/Drew Romo:21歳
(A+)102G 5HR 35BB 81K .254/.693
◎守備 / 〇肩 コンタクト / △パワー 
20年ドラフト全体35位指名。U-18で正捕手を務めた守備先行型の司令塔。ゴールドグラブ級のポテンシャルを秘めており、リーダーシップや野球IQも◎。課題の打撃も6月終了時点でOPS.798と健闘していたが、7月以降は人差し指の故障を押してDHで出場し、OPS.502と数字を落とした。健康な状態でどれだけ打てるかを見たい。昨季前半のペースで打てるなら、レギュラー捕手ポテンシャル。
Drew Romo


FV45

5.
ガブリエル・ヒューズ(RHP)/Gabriel Hughes:21歳
(A)0.00ERA 3.0IP BB/9=3.0 K/9=3.0
◯速球 / △コマンド
22年ドラフト全体10位指名。大学2年までは二刀流、3年のシーズンから投手に専念し、防御率3.21・K/9=12.7と好投。90マイル中盤のムービングファストと80マイル後半のスライダーを主体にカッター&チェンジアップも扱う。大学3年間でBB/9=3.8と制球は平均的。球威はローテーション半ばクラスなので、変化球やコマンドの精度を磨けるか。

6.
ベニー・モンゴメリー(OF)/Benny Montgomery:20歳
(R/A)62G 6HR 21BB 77K .310/.879
〇5ツール / △素材型 / ✖スイング
21年ドラフト全体8位指名の高卒選手。ガチャついた不格好なスイングと5ツールポテンシャルからハンター・ペンス(元SF他)と比較されている。ポテンシャルは素晴らしいが、スイングに改善点が多く、プロのレベルにどれだけ対応できるか。22年はAでwRC+132と好結果を残した一方で、三振率26.9%、ゴロ率51%とヒットツールに疑問がつきまとう。
Benny Montgomery

(R/A)26G 2HR 5BB 28K .307/.787
〇打撃 / △守備
22年ドラフト全体31位指名の大学生スラッガー。フラットなスイング軌道で広角にラインドライブを量産し、打球速度も優秀。フライをより打てるようになれば本塁打増も見えてくるだろう。守備では強肩も、フットワークの問題から外野向きとされる。3Bに残れるように守備力を改善することと長打力を伸ばしていくことがプロ入り後の課題。

(R/A)26G 3HR 21BB 20K .296/.909
◯パワー 運動能力 / △コンタクト
22年ドラフト38位指名。フィジカルに恵まれたパワーヒッター候補で、22年ドラフト組ではベストアスリートの1人と評判だった。コンタクト能力に課題がある点も含めて、将来的な完成像はハンター・レンフロー(LAA)か。
(A/A+)91G 14HR 31BB 56K .313/.869
◯打撃 / △素材型 守備 パワー / ✖アプローチ
ラインドライブを量産するフリースインガー。昨季はA、A+でいずれもOPS8割以上、マイナー4年で三振率14.0%とヒットツールに強み。しかし、フリースインガーである点に加えて、打球速度やバットスピードの数字が良くないこと、3B守備の評価も良くなく、外野転向のリスクがあることがマイナス材料。また、外野両翼としてはパワー不足に終わる可能性あり。

10.
ジェイデン・ヒル(RHP)/Jaden Hill:23歳
(R/A)3.06ERA 17.2IP BB/9=3.1 K/9=12.7
◯速球 チェンジアップ / △コンディション TJ手術明け
ドラフト1巡目候補だったが、ドラフト前にTJ手術を受けてスリップ。昨季は実戦復帰すると90マイル後半を計測するなど順調な回復をアピールした。健康時にはMAX99マイルの速球にプラスのチェンジアップ、平均以上のスライダーを投げ込んでいた。実力を発揮できればローテーションポテンシャルだ。
(R/A)2.98ERA 51.1IP BB/9=3.0 K/9=11.2
◯速球 カーブ 伸びしろ / △素材型 コントロール
元MLBリリーバー、ヨーキス・ぺレスの息子。21年1月に50万ドルで契約すると、21年はDSLで防御率1.30、22年もR/Aで防御率2.98と好投を続けている。90マイル前半の速球と70マイル台の大きく割れる縦カーブでゾーンの高低を攻める。6-3/153と細身の体格から球威向上が見込め、フィジカルを鍛えてどれだけ球威を伸ばせるかが評価向上のカギ。

〇回転量 スライダー / △素材型
22年ドラフト3巡目の高卒右腕。アップサイドを高く評価されており、スピンレートの優秀さが際立つ。中でもベストピッチであるスライダーは3000rpmに届くほど。速球もMAXで98マイルに達する。
(A)112G 21HR 39BB 114K .284/.848
◯パワー / △アプローチ 守備走塁 素材型
キューバ出身で、同じくキューバ出身の怪物打者であるヨーダン・アルバレス(HOU)と重なる雰囲気があるスラッガー候補。22年はマイナー4位の109打点を記録するなどパワーを見事に発揮してみせた。何でも振りに行くアプローチを修正していきたい。守備走塁の能力は平均以下で、打撃の出来がすべてを左右するだろう。

FV40

14.マイケル・トーリア(1B)/Michael Toglia:24歳
(2A/3A)114G 30HR 60BB 149K .249/.852
(MLB)31G 2HR 9BB 44K .216/.653
◯パワー 1B守備 / ✖コンタクト
19年ドラフト1巡目指名。パワー&選球眼を兼ね備えた両打ちスラッガーで、1B守備もゴールドグラブ級と評判。22年はマイナーで30本塁打を放ち、MLBデビューも経験した。しかし、三振率30.1%とコンタクト能力に欠陥を抱えており、適応に苦しみそうだ。

(A/A+/2A)135G 36HR 40BB 151K .295/.926
◎パワー / △コンタクト 守備
21年ドラフト4巡目ながら、昨季マイナー3位タイの36本塁打とブレーク。長打特化のアプローチで高打率は望めないが、ダブルプラスのパワーポテンシャル。大学時代の本職は捕手だが、すでにプロでは1Bがメインになりつつある。大学時代には外野の経験もあり、コナー・ジョー(PIT)のような強打のユーティリティーになれると理想。

(3A)55G 9HR 31BB 64K .276/.831
(MLB)28G 2HR 8BB 31K .244/.681
◯パワー 肩 / △コンタクト
長打力と出塁能力を兼ね備えたスラッガータイプ。また、Statcastでは限られたサンプルながら平均以上の走力&打球速度、それからMLBトップ級の強肩(外野送球100マイル)と資質を証明。課題のコンタクトを改善させてMLBに定着できるか。

17.ブレントン・ドイル(OF)/Brenton Doyle:25歳
(2A/3A)132G 26HR 28BB 171K .256/.773
◯5ツール / ✖コンタクト アプローチ
昨季マイナーで「20-20」をクリアしたパワー&スピードに加えて、21年にはマイナーのゴールドグラブを獲得するなど外野守備も優秀。ツールが光る一方で、昨季三振率31.2%とヒットツールは黄色信号。MLBでは低打率に苦しむ可能性が高く、バックアップ向きか。

18.
フリオ・カレラス(SS)/Julio Carreras:23歳
(A+/2A)129G 11HR 36BB 127K .281/.803
◯守備 肩 / △打撃 / ✖アプローチ
身体能力に支えられたアクロバティックな守備が最大の武器で、A+の監督が選ぶ「best defensive shortstop」にも選出された。打者としてはインパクト不足である点が指摘されるが、マイナートップの42二塁打を放つなどライナー重視のアプローチ。雑な打撃アプローチを改善できればMLB昇格が見えてくるだろう。

19.
ディラン・ホルヘ(SS)/Dyan Jorge:20歳
(DSL)53G 4HR 24BB 35K .320/.853
◯走力 / △素材型 パワー 
キューバから亡命し、昨年1月に契約金220万ドルで入団の原石。DSLでデビューするとOPS.853と早速結果を出した。走力と守備センスに秀でており、打撃はコンタクトヒッター。パワーを伸ばせればスケールの大きい選手になれるだろう。

20.マケード・ブラウン(RHP)/McCade Brown:22歳
(A)5.22ERA 89.2IP BB/9=2.3 K/9=11.8
◯体格 速球 / △コマンド
21年ドラフト3巡目。6フィート6の長身から高スピンの90マイル中盤4シームと大きく曲がる縦カーブを投じる大型右腕。大学通算でBB%=18.1%とコントロールに課題を抱えていたが、昨季は6.1%と飛躍的に改善を見せた。体格の良さも含めて上手く育てばイニングイーター適性あり。

Sleeper Prospects

(A)4.98ERA 103.0IP BB/9=2.9 K/9=8.7
◯コントロール 球種 / △球威
メキシコ出身。打者を圧倒する球威はないが、多彩な球種とコントロールの良さで勝負する技巧派。グラウンドボール率42%とけっしてフライボーラーではないが、HR/9=1.3と被弾癖あり。球威でカバーできない分、長打を浴びないように細かいコマンドを磨いていくことが求められる。

(R)1.69ERA 5.1IP BB/9=5.1 K/9=6.8
◯球種 / △実績
22年ドラフト13巡目。大学生ながら伸びしろを期待されている。92-93マイル、MAX95マイルの速球を主体にスライダー、カーブ、チェンジアップと4球種を織り交ぜることができる。6-2/215と体格も十分であり、球速を数マイル伸ばせれば面白い存在だ。

(R)8G 1HR 2BB 3K .320/1.094
◯守備 / ✖コンタクト
22年ドラフト4巡目。22年ドラフト組の大学生ではNo.1ディフェンダーとの呼び声高い守備職人で、俊足を生かした広大な守備範囲が魅力。打撃では恵まれたバットスピードの持ち主でパンチ力あり。しかし大学最終年に三振率26.0%を記録するなどコンタクト難が欠点。

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