2024年12月8日日曜日

2024 PITTSBURGH PIRATES TOP 15 PROSPECTS

2025 PITTSBURGH PIRATES

TOP 15 PROSPECTS

Bubba Chandler

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。


FV55

1.ババ・チャンドラー(RHP)/Bubba Chandler:22歳
高校では投打の二刀流に加えてアメフト、バスケ、ゴルフでも活躍した生粋のアスリート。二刀流として指名されたが、23年から投手としてのプレーに専念。24年はさらなる成長を遂げ、2A/3Aで119.2回を投げて防御率3.08/奪三振率30.9%/与四球率8.6%をマーク。球界屈指の投手プロスペクトになった。常時97-98マイルを計測するホップ系4シームを軸に、スライダー&チェンジアップもプラスピッチ候補。コントロールに課題があったが、持ち前の運動能力でフォームを固め改善に成功してみせた。スキーンズ、ジョーンズに次ぐ先発三本柱への成長に期待。
Bubba Chandler


FV50

2.コナー・グリフィン(SS/OF)/Konnor Griffin:19歳
24年ドラフト全体9位指名。高校生No.1評価を得ていた5ツールポテンシャルで、上手く育てば「30-30」も狙える逸材。ダブルプラスのスピード、投手としてMAX96マイルの強肩など運動能力には疑う余地がない一方で、コンタクト能力を疑問視されている。守備はSSとCFを兼任しているが、将来的には身体能力をより生かせるCFにフィットするだろうと評価されている。まずはプロレベルの投手に対応できることを証明したい。

3.タマー・ジョンソン(2B/SS)/Termarr Johnson:21歳
22年ドラフト全体4位指名の高卒選手。20-80スケールで70評価のヒットツールの持ち主と評判だったが、プロではパワー寄りの打者に転身。24年なA+で打率.238/出塁率.372/13本塁打/wRC+123をマーク。今のアプローチだとパワーのためにコンタクトを犠牲にしており、パワーとコンタクトのバランス調整が必要だろう。守備では平均以下の肩力から将来的には2Bがフィットすると予想されているが、24年はSSでも39試合に出場して経験を積んだ。


FV45

4.トーマス・ハリントン(RHP)/Thomas Harrington:23歳
22年ドラフト全体36位指名。速球は平均92~93マイルだがコマンドに優れる。24年は右肩のローテーターカフの痛みで出遅れたが、2A/3Aでの20先発で計114.1回を消化し、防御率2.68/奪三振率24.9%/与四球率4.0%をマークした。ランニングファストを四隅にコマンドし、右打者にはスウィーパー、左打者にはスプリットチェンジを第2球種として扱う。支配力は並だが、安定したコントロールと質の高い変化球を武器にローテーション下位にフィットするだろう。
Thomas Harrington


18年ドラフト2巡目。高校ではアメフトのワイドレシーバーとしても活躍したアスリート右腕。24年は2A/3Aでの16登板で計73回を投げて防御率2.84/奪三振率25.8%/与四球率4.0%をマーク。平均95マイルで平均的な軌道の4シーム、平均88マイルの高速スライダー、大きく曲がるカーブがレパートリーの中心。ローテーション級の実力を備えるが、プロ7年で昨季の73イニングが最高という故障体質からハンター・ハービーやクレイ・ホームズのようにブルペン転向が現実的だろう。

6.ニック・ヨーク(2B)/Nick Yorke:23歳
20年ドラフト1巡目指名。卓越したコンタクト能力でフィールド全体にラインドライブを量産するヒットツールを高く評価されている。24年は3Aでの78試合で打率.333/8本塁打/wRC+143と素晴らしいパフォーマンスでMLBデビューも経験。変化球の見極めに磨きがかかり、四球率12.2%/三振率18.9%はいずれも昨季より良化。上位10%打球速度もMLB平均を越す105マイルとパワーもあり、プルヒッティングを覚えれば20本塁打も狙えるだろう。走守の評価は平均以下で、外野両翼も守り始めた。

7.リーバイ・スターリング(RHP)/Levi Sterling:18歳
24年ドラフト全体37位指名。高校では投打の二刀流としても有望視されていたアスリート。現時点での球速は90マイル前半止まりだが、6-5/200の体格、運動能力の高さ、滑らかでバランスの取れた投球フォームからアップサイドを買われている。すでに優れているコントロールもさらなる向上が見込める。数年後の開花に期待。

8.ハンター・バーコ(LHP)/Hunter Barco:24歳
22年ドラフト2巡目。サイドハンド気味の低スリークォーターから93マイルのシンカー、変化量大のスライダー、スピンを殺したスプリットチェンジのコンビネーション。TJ手術からの本格復帰シーズンとなった24年はA+で18登板して防御率3.27/奪三振率30.4%/与四球率8.7%と好投。しかし2Aで2登板した後、左脚のストレス反応で7月末にシーズン終了となった。完成度は高いが、球速の遅さからローテーション下位向きのポテンシャルと評される。25年は健康面の不安を払しょくしたい。

9.ワイアット・サンフォード(SS)/Wyatt Sanford:19歳
テキサス A&M 大学への進学が内定していたが、契約金250万ドルでプロ入り。24年ドラフトクラスの高校生でNo.1のSSディフェンダーと評され、プラス評価を受ける。加えて走力もプラス評価。一方で打撃面には疑問が多く、特にパワーレスがネック。


FV40

大学では度重なる肘痛により大成できなかったが、プロ入り後に急成長。24年はAで18試合に登板して防御率4.06/ⅹFIP3.98をマーク。速球は平均95マイルまで伸び、スライダー&カーブ&カッター&チェンジアップはどれも空振り率40%超え。どの変化球も上質だ。与四球率12.2%のコントロールをはじめとして全体的に未洗練だが、このまま成長を続ければローテーション級に育つ可能性あり。

22年ドラフト3巡目。大学では二刀流プレーヤーとして活躍したアスリート。打撃はコンタクトに欠点があるがパワーと選球眼に強みあり。24年はA+で77試合に出場して打率.238/18本塁打/wRC+135をマーク。ゴロ率25%とボールを空中に集める技術が高い。守備では持ち前のアスリート性&投手としてMAX100マイルの強肩を生かしたプレーが魅力。23年にBaseball Prospectusの総合守備指標DRPで+13.9を叩き出した3Bが天職も、24年はSSメインに2Bでもプレー経験を積んだ。カイル・ファーマーやジオ・アーシェラのようなユーティリティーとしてチームは見ている?

12.ザンダー・ミース(RHP)/Zander Mueth:20歳
23年ドラフト2巡目の高卒右腕。6フィート6の長身投手で、ダスティン・メイ(LAD)似のエクステンション大のフォームから、MAX97マイルのハードシンカー&変化量大のスイーパーのコンビネーション。左打者にはチェンジアップでも空振りが取れる。ボールの質は非凡だがファンキーなデリバリーでコントロールに苦労している。R/Aでは与四球率15.1%&15死球。

22年1月に125万ドルでMILと契約すると、23年夏のトレードでカルロス・サンタナの見返りとしてPITへ移ってきた。引っ張りフライを量産する打撃能力とパンチ力を兼ね備え、24年はRでリーグトップタイの10本塁打(wRC+139)とブレイク。Aではフリースインガーなアプローチがネックとなり、打率.237/6.5%/30.1%とコンタクト面で苦戦したが、28試合で6本塁打を放ち、wRC+は116をマークした。statcastのあるAでのデータに着目すると上位10%打球速度は101.5マイルと年齢を考えれば優秀で、引っ張りフライ率はMLB平均の倍以上となる14.9%だった。走守の評価はあまり高くなく、現在はSS/3Bをほぼ半々で守っているが、将来的にはスピードが落ちて3Bに専念することになるだろうと予想されている。

14.アンソニー・ソロメト(LHP)/Anthony Solometo:22歳
21年ドラフト全体37位指名の高卒左腕。6フィート5のスラリとした長身と大きく腕を引くメカニクスはマディソン・バムガーナー(元SF)を彷彿とさせる。23年はA+で12先発/防御率2.30と好投。24年は21歳シーズンにして2Aで開幕。しかし速球の球速が80マイル台に低下するなどコンディション不良に悩まされ、58.2回を投げて防御率5.37/奪三振率17.1%/与四球率13.0%と振るわず。万全なら90マイル前半の速球と平均以上のスライダーに平均的なチェンジアップ。来季の再起に期待。

15.
ヨーダニー・デロスサントス(SS)/Yordany De Los Santos:20歳
22年に120万ドルでプロ入りした原石。強靭な体格、身体能力、攻守の能力、野球IQと才能は申し分ないが、2年連続Rで無双→Aで苦戦とブレイクしきれていない。24年はRでの57試合でwRC+146をマーク。広角にライナー性の打球を打ち分けるコンタクト力と素早いバットスピードを兼ね備える。何でも振りに行くアプローチが要改善。Aでの25試合という小サンプルながらチェイス率は42%(MLB平均23%)とかなり酷かった。守備は強肩とセンスの良さでSSに定着できるだけの能力を有するが、ガッシリ体型でやや機敏さに欠けるため、3Bの方がフィットするか。


Notable Prospects

MLBで6シーズンプレーしたエリザー・アルフォンゾの息子。辛抱強いアプローチと打球速度の速さが魅力の攻撃型捕手。24年はAでの86試合で打率.253・8本塁打・wRC+115をマーク。上位10%打球速度107.1マイルはMLBでもプラス水準だが、ゴロ率49%&平均ランチアングル9度という低弾道のためパワーを生かしきれていない。また、四球率12.7%は優秀だが、スイング率が39%(MLB平均47%)に対してチェイス率はMLB平均とほぼ同じ21%となっている。選球眼が良いというよりもただ振らないだけと見ることもできるため、制球力の上がる上位投手にどう対応するか。捕手としては盗塁阻止率32%を記録したスローイングとどの投手とも連携が取れるコミュニケーション力(野球一家に育ったことによりバイリンガル)が強み。66試合で6失策&13捕逸を喫した捕球力の向上が課題。

史上3人目となる米球界入りを果たしたウガンダ出身右腕。23年1月の契約時に93マイルだった速球は、6月にはMAX101マイルに到達。23年はDSLで16.2回無失点の完璧デビュー、24年もRで22回/28K/自責2と素晴らしい投球を続けている。伸びのある4シームに、スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球も3種扱える。現時点ではリリーフ専門だが、可能性は無限大だ。
23年ドラフト4巡目。大学では制球難でリリーフ中心だったが、プロ1年目となった24年はA/A+で23先発して防御率1.99/奪三振率29.7%と先発として成功。平均93マイルの4シームにゴロ率の高いシンカー、Aで空振り率50%以上を記録したスライダー&チェンジアップとレパートリーは先発相応。平均以下のコントロールを改善し続けることができれば先発に定着できる可能性が見えてくるだろう。

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