2020年4月22日水曜日

2020 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2020 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Oneil Cruz(SS)
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ミッチ・ケラー(RHP)/Mitch Keller
(MLB)7.13ERA 11GS 48.0IP BB/9=3.0 K/9=12.2 K/BB=4.06
(3A)3.56ERA 19GS 103.2IP BB/9=3.0 K/9=10.7 K/BB=3.51
◎速球 / ◯カーブ 体格 / △コマンド チェンジアップ 
長身から最速99マイルの速球を投げ下ろすエース候補。自慢の速球はメジャーで速球平均95.5マイルを計測もコマンドが甘く被打率.461と打ち込まれてしまった。一方で第2球種の縦カーブは被打率.138、昨季習得した平均87.7マイルのスラッターは空振り率26.8%と効果的だった。チェンジアップは投球の3.7%にとどまるなど有効に使えていない。今後は速球のコマンドとチェンジアップの向上が求められる。

2.オニール・クルーズ(SS)/Oneil Cruz
(R/A+/2A)73G 265AB 8HR 24BB 74K 11SB .298/.356/.475/.832
◎パワー 肩 / △3B向き? SSとしては大きすぎる
身長6フィート7と規格外の体格に規格外のツールを備えたSS。大柄な体格からSSとしては厳しいとの声もある一方でプラスのスピードとダブルプラスの肩から広い守備範囲を示しており、SSに残れる可能性は0ではない。転向するなら3BやRFがフィットするだろう。打撃では「20-80スケール」で80評価のパワーポテンシャルを秘めている。また2A昇格後に四球率(5.5→11%)、フライ率(29.2→38.1%)ともに上昇させるなど成長著しい。

3.ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes
(3A)110G 427AB 10HR 43BB 90K 12SB .265/.336/.415/.751
◎3B守備 / ◯コンタクト 肩 スピード / △パワー
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。3Bでゴールドグラブ複数回を狙える鉄壁の守備と「.280・15本」レベルの打撃を兼ね備える。3Bとしてはパワーが物足りないが、恵まれたヒットツールに支えられた高出塁率と3年連続二桁盗塁の足でカバー。主軸になれるかは微妙だが、WAR2~3の平均以上のレギュラーとして期待できるだろう。

4.リオバー・ペゲーロ(SS)/Liover Peguero
(R/A-)60G 227AB 5HR 20BB 51K 11SB .326/.382/.485/.866
◯スピード コンタクト SS守備 / △パワー
ズバ抜けた運動能力の持ち主でプラスのスピードがベストツール。オフにスターリング・マーテとのトレードでDバックスから移ってきた。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクトが武器で、二塁打・三塁打も多いため体格がつけば本塁打も増えてくるだろう。守備でも昨季大きく向上をたどり、長くSSでプレーできるかもしれない。すでに契約後から30ポンドの増量に成功している。

5.トラビス・スワゲーティ(OF)/Travis Swaggerty
(A+)121G 457AB 9HR 57BB 116K 23SB .265/.347/.381/.728
◯打撃 スピード CF守備 / △パワー
ドラフト時にはアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)と比べられたオールラウンダー。プロ2年でOPS.720ともう一つだが、昨季はシーズンを通してスイングの修正に取り組んだおかげでコンタクトが安定するようになり、8月はOPS.906をマークした。プラスのスピードを生かしたCF守備も平均以上の評価を得ている。

6.クイン・プリースター(RHP)/Quin Priester
(R/A-)3.19ERA 8GS 36.2IP BB/9=3.4 K/9=10.1 K/BB=2.93
◯速球 伸びしろ / △素材型
19年ドラフト1巡目。高校ではアメフトとの二刀流で、クオーターバックとして州大会を優勝している実力者。高校のチームにはピッチングコーチがおらず、投球はYoutubeで独学。しかしすでに最速97マイルに到達しており、プロ入り後野球に専念した環境でどれだけ伸びるのか楽しみだ。ツーシーム、カーブも覚えており、パイレーツ好みの投手に育つだろう。

7.コディ・ボルトン(RHP)/Cody Bolton
(A+/2A)3.28ERA 21GS 101.2IP BB/9=2.7 K/9=9.0 K/BB=3.40
◯速球 体格 / △緩急
高速系のボールを4つ持っているハードボーラー。平均94マイル、最速97マイルのフォーシームが最大の武器で高めに集めて空振りが量産できる。90マイル前半のツーシームとカッターをペアで投げ分け、平均程度のチェンジアップもフォーシームと相性良く投げ分けている。緩い球種がない分リリーフ向きかもしれないが、先発としてのアップサイドも高い。

8.ジャレッド・オリバ(OF)/Jared Oliva
(2A)123G 447AB 6HR 42BB 104K 36SB .277/.352/.398/.750
◯スピード パワー /
パワーとスピードを兼ね備えたCFで、スターリング・マーテの後釜として注目。マイナーで2年続けて30盗塁以上のスピードからプラスとまではいかないかもしれないが、CFも平均程度こなせるだろう。打撃では100マイル超えのゴロ/ライナーを量産するなどパワーポテンシャルは秘めている。昨季は投手有利のリーグに泣いたが、高いフライボール率から環境が変われば本塁打も飛躍的に伸びる可能性がある。

9.ターナ・トーマス(RHP)/Tahnaj Thomas
(R)3.17ERA 12GS 48.1IP BB/9=2.6 K/9=11.0 K/BB=4.21
◎速球 / △コマンド 素材型 リリーフ向き? / ✖チェンジアップ
アップサイドの塊。常時95-99マイル、最速101マイルの速球と平均以上のスライダーで打者を支配する。細かいコマンドがなく、チェンジアップもめったに投げないため、先発よりもリリーフ向きだろう。しかし、昨年だけで球速を数マイル伸ばしコントロールも改善させたメークアップとまだ20歳という年齢から今後の成長に期待したいところ。

10.ブレナン・マローン(RHP)/Brennan Malone
(R/A-)4.50ERA 8.0IP BB/9=5.6 K/9=9.0 K/BB=1.60
◯速球 スライダー 体格 / △素材型 第3球種 コマンド
オフにペゲーロと共にDバックスから加入。ガッシリとした強靱な体躯から最速96マイルの速球とパワフルなスライダーを投げ込む。カーブとチェンジアップは不安定だが磨けば平均レベルまで伸びるとの見立て。コントロールはけっして良い方ではないが、癖のないフォームから平均程度までの向上が見込まれている。

11.ジファン・ベ(SS)/Ji-Hwan Bae
(A)86G 328AB 0HR 43BB 77K 31SB .323/.403/.430/.833
◎スピード / ◯コンタクト / △2B向き? 肩 / ✖パワー
18年3月に契約金120万ドルで入団の韓国人選手。100mを10秒6で駆け抜ける俊足とコンタクトに徹した打撃スタイルからイチローと比べる声も。ただ四球率%とイチローよりも辛抱強いアプローチを示している。守備では肩が平均的なためにSSよりも2B向きとみるスカウトが多い。

12.サミー・シアニ(OF)/Sammy Siani
(R)39G 133AB 0HR 26BB 41K 5SB .241/.372/.308/.680
◯スピード 打撃 / △LF向き? パワー 素材型
昨年のドラフト全体37位指名。滑らかなスイングで左右にライナーを弾き返す中距離タイプで、パワーの向上が課題。辛抱強いアプローチも兼ね備え、Rでは四球率15.9%とよく選べていた一方で、三振率24.9%と空振りの多さが目立った。守備ではCFにふさわしい平均以上のスピードを持っているが、プロデビューでは適性を見極めるために外野3ポジションを守った。LF向きとも言われており、攻守にレベルアップが求められる。

13.スティーブン・ジェニングス(RHP)/Steven Jennings
(A)4.71ERA 27GS 130.0IP BB/9=2.7 K/9=8.0 K/BB=2.95
◯4球種 コマンド 運動能力 / △素材型 球速
高校ではアメフトとの二刀流で鳴らした運動能力の持ち主で、コントロールよく4球種を投げ分ける投球スタイルからマイク・リーク(Dバックス)と比べられている。速球は平均89マイルと遅いがスピンレートが高くポップフライが稼げる。スライダーが第2球種だが、カーブとチェンジアップも効果的に投げ分けることができる。線がまだ細く、球速を伸ばせるかが先発残留の鍵となるだろう。

14.ブラクストン・アシュクラフト(RHP)/Braxton Ashcraft
(A-)5.77ERA 11GS 53.0IP BB/9=3.7 K/9=6.6 K/BB=1.77
◯速球 体格 / △素材型 変化球
18年ドラフト2巡目で、パイレーツ好みの長身高卒右腕。昨季は残念なシーズンとなったが、フットボールで痛めた左肩を手術するなどコンディションが万全でなかったこと、A-は年上のカレッジ出身選手が主にプレーするリーグであったことを考慮すれば救いはある。最速95マイルの速球は伸びしろが見込める。コントロールを失う場面もあるが、運動能力の高さから改善に期待したい。

15.メーソン・マーティン(1B)/Mason Martin
(A/A+)131G 477AB 35HR 68BB 168K 8SB .254/.351/.558/.908
◎パワー / ×コンタクト 守備走塁 対左
昨季マイナー全体4位となる35本塁打を放った飛ばし屋。三振率30.2%とコンタクトは脆いが、四球率12.2%とアプローチは辛抱強い。しかし見極めようとしすぎるあまり甘い球も見逃す癖があるのでチームはアプローチを見直すように働きかけている。守備走塁は平均以下なうえ、左投手に対しては三振率が40%近いためプラトーン止まりになるリスクがある。

16.トラビス・マクグレガー(RHP)/Travis MacGregor
※18年(R/A)3.18ERA 17GS 70.2IP BB/9=2.8 K/9=10.2 K/BB=3.64
◯速球 運動能力 / △素材型 TJ手術明け
TJ手術のため昨季は全休。最速で96-97マイルをたたき出す速球が最大の武器。加えて18年にはジョン・ハンラハン(元パイレーツ)ピッチングコーチとシンプルなフォームの習得に取り組み、コントロールも改善させていた。術前は三振の多くを速球で奪っていたが、リハビリ期間にスライダー&チェンジアップを磨いたとの報告があり、術後健康ならブレークに期待がかかる。

17.マックス・クラニック(RHP)/Max Kranick
(A+)3.79ERA 20GS 109.1IP BB/9=2.5 K/9=6.4 K/BB=2.60
◯速球 体格 / △変化球 耐久性
最速97マイルの速球を武器にゾーン内で空振りが奪える。一方で変化球に課題があり、昨季はK/9の悪化が見られた。しかし昨季は次第に3球種を効果的に扱えるようになり、シーズン最終10先発では防御率2.95と上向きだった。18年に肩の違和感を訴えるなど耐久性に不安があり、昨季も100イニングを超えたところでシャットダウンとなった。健康にフルシーズンを送れるかがポイントだ。

18.アーロン・ショートリッジ(RHP)/Aaron Shortridge
(A+)3.25ERA 24GS 135.2IP BB/9=1.7 K/9=6.9 K/BB=4.16
◯コマンド / △球威 チェンジアップ
大学2年までリリーフも3年で先発に転向し開花し18年ドラフト4巡目でプロ入り。昨季は防御率とWHIPでリーグ5位の成績を残すなど順調なスタートを切っている。球威は支配的でないが90マイル前半の速球を狙ったところにコマンドでき、変化球を織り交ぜる投球術にも優れている。昨季はスライダー&カーブの向上に重点を充てていたため、チェンジアップの割合が少なかった。今季はチェンジアップの向上を課題に挙げている。

19.ジャレッド・トリオロ(3B)/Jared Triolo
(A-)60G 234AB 2HR 27BB 49K 3SB .239/.314/.389/.703
◯コンタクト / △パワー
カレッジ出身で少なくともユーティリティ程度の働きが見込める。アプローチよくコンタクトを多く生み出す打撃スタイル。一見不発と思われたプロデビューもリーグ平均との比較を表すwRC+は110(100が平均)と平均以上で、投手有利なリーグを抜け出した時の飛躍が期待される。守備はSSでも出場するなど複数ポジションを守れるが、最終的には3Bに落ち着くだろう。

20.アレクサンダー・モヒカ(3B)/Alexander Mojica
(DSL)55G 218AB 8HR 37BB 34K .351/.468/.580/1.048
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード 
DSLではOPS1.048に加えて四球>三振のアプローチと素晴らしいパフォーマンス。パワーとアベレージを両立しており、100マイル超えの打球を量産していた。一方でガッシリした体格で動きが鈍く、強肩ではあるが将来は1B転向が目されている。

Plus One Prospect
J.T.ブルベイカー(RHP)/J.T. Brubaker
(A-/3A)2.28ERA 6GS 27.2IP BB/9=2.6 K/9=7.8 K/BB=3.00
◯速球 グラウンドボーラー / △チェンジアップ 耐久性 リリーフ向き
長身から最速99マイルのシンカーと88マイルのスライダーを投げ下ろすグラウンドボーラー。昨季は前腕の痛みでシーズンのほとんどをILで過ごしたが、3A復帰4登板でK/BB=5.00・グラウンドボール率56.9%とナイスパフォーマンス。左打者を苦にしており、先発に残るには平均以下のチェンジアップを磨いていく必要がある。

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