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2021年1月10日日曜日

2021 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2021 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Ke'Bryan Hayes


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合
的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes:24歳
(3A)110G 427AB 10HR 43BB 90K 12SB .265/.336/.415/.751
(MLB)24G 85AB  5HR 9BB 20K .376/.442/.682/1.124
◎3B守備 / ◯打撃 肩 スピード 即戦力 
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。20年はメジャーデビューするとわずか24試合の出場でfWAR=1.7(162試合換算なら11.4というMVP級の数字)をマーク。昨年まではライナー中心の中距離打者だったが、フライ性の打球を増やそうと心掛けたことで打球速度&角度が上がり、長打力UPに繋がった。さすがに20年の打撃は出来過ぎだろうが、3Bでゴールドグラブ複数回を狙える鉄壁の守備と「.280・15本」レベルの打撃を兼ね備え、出塁率、走塁面ともに優秀なので、平均以上のレギュラーとしてプレーできるだろう。
Ke'Bryan Hayes

2.オニール・クルーズ(SS)/Oneil Cruz:22歳
(R/A+/2A)73G 265AB 8HR 24BB 74K 11SB .298/.356/.475/.832
◎パワー 肩 / △SSとしては大きすぎる 懲役5年?
身長6フィート7と規格外の体格に規格外のツールを備えたSS。大柄な体格からSSとしては厳しいとの声もある一方でプラスのスピードとダブルプラスの肩から広い守備範囲を示しており、SSに残れる可能性は0ではない。転向するなら3BやRFがフィットするだろう。打撃では「20-80スケール」で80評価のパワーポテンシャルを秘めている。また19年は2A昇格後に四球率(5.5→11%)、フライ率(29.2→38.1%)ともに上昇させるなど成長著しい。20年は3人を死亡させる自動車事故(飲酒運転だったとの報道も)を起こし、有罪となれば5年以下の懲役になると見られている。21年以降のプレー状況は不透明だが、オフのドミニカウィンターリーグには出場していた。
Oneil Cruz

3.ニック・ゴンザレス(SS)/Nick Gonzales:22歳
◎打撃 / △パワー 2B向き
20年ドラフト全体7位指名。身長5フィート10とアンダーサイズだが、「20-80スケール」で70評価のヒットツールが自慢。ニューメキシコ州立大では19-20年に計71試合で打率.435・28本と圧倒的な成績を残しているが、超打者有利の環境のため、パワー面含めた全体的な打撃評価には疑問の声も多い。守備は20年に入り、2BからSSに転向したが、長い目で見れば2B向きとの見立て。
Nick Gonzales

4.
クイン・プリースター(RHP)/Quinn Priester:20歳
(R/A-)3.19ERA 36.2IP BB/9=3.4 K/9=10.1 K/BB=2.93
◯速球 カーブ 伸びしろ / △素材型 野球経験
19年ドラフト1巡目。高校ではアメフトとの二刀流で、クオーターバックとして州大会を優勝している実力者。高校のチームにはピッチングコーチがおらず、投球はYoutubeで独学。しかしすでに最速97マイルに到達しており、プロ入り後野球に専念した環境でどれだけ伸びるのか楽しみだ。ツーシーム、カーブも覚えており、パイレーツ好みの投手に育つだろう。20年は代替キャンプに召集されると、短いイニングでの投球ながら速球平均97マイル/MAX99マイルを計測する投球を見せた。

5.
リオバー・ペゲーロ(SS)/Liover Peguero:20歳
(R/A-)60G 227AB 5HR 20BB 51K 11SB .326/.382/.485/.866
◯スピード コンタクト SS守備 / △パワー
ズバ抜けた運動能力の持ち主でプラスのスピードがベストツール。19年オフにスターリング・マーテとのトレードでDバックスから移ってきた。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクトが武器で、二塁打・三塁打も多いため体格がつけば本塁打も増えてくるだろう。守備でも昨季大きく向上をたどり、長くSSでプレーできるかもしれない。すでに契約後から30ポンドの増量に成功している。20年は代替キャンプで過ごした。

6.
ハドソン・ヘッド(OF)/Hudson Head:20歳
(R)32G 120AB 1HR 15BB 29K .283/.383/.417/.800
◯パワー スピード / △素材型
今オフにジョー・マスグローブを放出した三角トレードのメインパッケージ。19年ドラフト3巡目。5ツールポテンシャルを秘めており、上手く育てば「20-20」も狙える。長身でスイングも少しガチャガチャしているが、バットスピードの速さはすでに傘下No.1とも。外野守備ではCFとして申し分ないツールの持ち主もルート取りに不安。打撃のアプローチと外野守備のルート取りを磨いていく必要がある。20年は代替キャンプに召集されたがハムストリングを負傷し不発。
(A)3.33ERA 132.1IP BB/9=2.4 K/9=7.7 K/BB=3.14
◯速球 3球種 コントロール / △素材型 体格
今オフにジェームソン・タイオンのトレードパッケージとしてヤンキースから獲得。滑らかで運動能力溢れるフォームから93-97マイルの速球を投げ込む。カーブ&チェンジアップはどちらもプラスピッチになり得る精度の高いボールで、コントロールも落ち着いている。メジャーレベルの3球種を揃え、コントロールも安定しているためローテーション3-4番手クラスのポテンシャルを秘めている。

(A+)121G 457AB 9HR 57BB 116K 23SB .265/.347/.381/.728
◯スピード CF守備 / △パワー
ドラフト時にはアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)と比べられたオールラウンダー。プロ2年でOPS.720ともう一つだが、19年はシーズンを通してスイングの修正に取り組んだおかげでコンタクトが安定するようになり、8月はOPS.906をマークした。プラスのスピードを生かしたCF守備も平均以上の評価を得ている。走守は良いので、メジャーでレギュラーを張れる水準まで打撃を伸ばせるかがカギだろう。

9.コディ・ボルトン(RHP)/Cody Bolton:23歳
(A+/2A)3.28ERA 101.2IP BB/9=2.7 K/9=9.0 K/BB=3.40
◯速球 体格 / △緩急
高速系のボールを4つ持っているハードボーラー。平均94マイル、最速97マイルのフォーシームが最大の武器で高めに集めて空振りが量産できる。90マイル前半のツーシームとカッターをペアで投げ分け、平均程度のチェンジアップもフォーシームと相性良く投げ分けている。緩い球種がない分リリーフ向きかもしれないが、先発としてのアップサイドも高い。20年は代替キャンプで過ごした。

10.
ターナ・トーマス(RHP)/Tahnaj Thomas:22歳
(R)3.17ERA 48.1IP BB/9=2.6 K/9=11.0 K/BB=4.21
◎速球 / 〇伸びしろ / △コマンド 素材型 / ✖チェンジアップ
アップサイドの塊。常時95-99マイル、最速101マイルの速球と平均以上のスライダーで打者を支配する。細かいコマンドがなく、チェンジアップもめったに投げないため、先発よりもリリーフ向きだろう。しかし、19年だけで球速を数マイル伸ばしコントロールも改善させたメークアップとまだ21歳という年齢から今後の成長に期待したいところ。

11.
ブレナン・マローン(RHP)/Brennan Malone:20歳
(R/A-)4.50ERA 8.0IP BB/9=5.6 K/9=9.0 K/BB=1.60
◯速球 スライダー 体格 / △素材型 第3球種 コマンド
19年オフにペゲーロと共にDバックスから加入。ガッシリとした強靱な体躯から最速96マイルの速球とパワフルなスライダーを投げ込む。カーブとチェンジアップは不安定だが磨けば平均レベルまで伸びるとの見立て。コントロールはけっして良い方ではないが、癖のないフォームから平均程度までの向上が見込まれている。

12.
エディ・イーン(RHP)/Eddy Yean:20歳
(R/A-)3.50ERA 46.1IP BB/9=3.3 K/9=8.4 K/BB=2.53
◯速球 伸びしろ / △素材型 
今オフにジョシュ・ベルとのトレードで加入。17年に契約時は180ポンドもすでに230ポンドまでビルドアップ。まだまだ伸びしろの期待できるパワフルな右腕で、速球はすでにMAX97マイルに到達。スライダーはぬるくなりがちな部分もあるが、磨いていけば平均以上のボールになる見込みがあり、チェンジアップも平均的なポテンシャルを秘める。アップサイドに期待。

◯速球 グラウンドボーラー / △耐久性 変化球
19年ドラフト全体31位指名。92-94マイルのシンカーが武器のグラウンドボーラーで、エースというよりはイニングイーター寄り。スライダー&カッターが平均以上になる可能性がある球種だが、カーブ&チェンジアップは発展途上。19年のケープコッドリーグではBB/9=1.2、20年のシーズンはBB/9=2.8とコントロールは安定している。故障がちな点と決め球不足な点がネック。

14.ジファン・ベ(SS)/Ji-Hwan Bae:21歳
(A)86G 328AB 0HR 43BB 77K 31SB .323/.403/.430/.833
◎スピード / ◯コンタクト / △2B向き? 肩 / ✖パワー
18年3月に契約金120万ドルで入団の韓国人選手。100mを10秒6で駆け抜ける俊足とコンタクトに徹した打撃スタイルからイチローと比べる声も。ただ四球率11.3%とイチローよりも辛抱強いアプローチを示している。守備では肩が平均的なためにSSよりも2B向きとみるスカウトが多い。

15.
ミゲル・ヤフーレ(RHP)/Miguel Yajure:23歳
(A+/2A)2.14ERA 138.2IP BB/9=1.9 K/9=8.6 K/BB=4.43
(MLB)1.29ERA 7.0IP BB/9=6.4 K/9=10.3 K/BB=1.60
◯4球種 コマンド / △耐久性
今オフにジェームソン・タイオンのトレードパッケージとしてヤンキースから獲得。肘の手術から復帰して19年はブレークイヤーを送った。平均92マイルの速球、チェンジアップ、カーブ、カッターと多彩な球種で左右を苦にせず抑え込む。力で捻じ伏せるタイプではないが、低めに集めてゴロアウトを稼ぐ。抜群の制球力と多彩な球種を生かした見逃し三振の多さも特徴。20年はメジャーデビューして制球に苦しんだが、3登板で7回1失点と好投。

(2A)123G 447AB 6HR 42BB 104K 36SB .277/.352/.398/.750
(MLB)6G 16AB 0HR 0BB 6K .188/.188/.188/.375
◯スピード パワー /
パワーとスピードを兼ね備えたCFで、スターリング・マーテの後釜として注目。マイナーで2年続けて30盗塁以上のスピードからプラスとまではいかないかもしれないが、CFも平均程度こなせるだろう。打撃では100マイル超えのゴロ/ライナーを量産するなどパワーポテンシャルは秘めている。19年は投手有利のリーグに泣いたが、高いフライボール率から環境が変われば本塁打も飛躍的に伸びる可能性がある。20年はメジャーデビューを経験。

17.
サミー・シアニ(OF)/Sammy Siani:20歳
(R)39G 133AB 0HR 26BB 41K 5SB .241/.372/.308/.680
◯スピード 打撃 / △LF向き? パワー 素材型
19年ドラフト全体37位指名。滑らかなスイングで左右にライナーを弾き返す中距離タイプで、パワーの向上が課題。辛抱強いアプローチも兼ね備え、Rでは四球率15.9%とよく選べていた一方で、三振率24.9%と空振りの多さが目立った。守備ではCFにふさわしい平均以上のスピードを持っているが、プロデビューでは適性を見極めるために外野3ポジションを守った。LF向きとも言われており、攻守にレベルアップが求められる。

18.
ジャレッド・ジョーンズ(RHP)/Jared Jones:19歳
◯速球 運動能力 伸びしろ / △素材型 コントロール
20年ドラフト2巡目。外野手としても評価を得ていたアスリートで、場合によってはマイケル・ロレンゼン(レッズ)のような二刀流も狙えるだろう。最速で96-97マイルに達する速球と80マイル前半の鋭いスライダーはパワフル。ポテンシャルは素晴らしいがコントロールが悪く、ハイリスクハイリターン。

(A-/A)2.73ERA 56.0IP BB/9=3.1 K/9=12.2 K/BB=4.00
◯カーブ 奪三振 コントロール / △球威
今オフにジョー・マスグローブを放出した三角トレードでパドレスから獲得した1人。速球は90マイル前半と球威はそこまでではないが、スポットに投げ分けるコマンドとカーブ&チェンジアップを器用に投げ分ける投球スキルの高さが持ち味。中でも60マイル台で落差大のカーブがベストピッチ。もう少し球速が付いたらローテーション下位を狙える。

20.
キャナン・スミス(OF)/Canaan Smith:22歳
 (A) 124G 449AB 11HR 74BB 108K 16SB .307/.405/.465/.871
◯打撃 アプローチ / △スピード 両翼向き
今オフにジェームソン・タイオンのトレードパッケージとしてヤンキースから獲得。ヒッティングプロスペクト。パワーとコンタクト能力を兼ね備え、四球率14.0%とアプローチも非常に優秀。16盗塁をしているもののどっしりした体格でスピードの評価はあまり高くなく、守備はコーナー向きとの見立て。どれだけ打てるかが評価を決める。

(DSL/R)31G 102AB 2HR 15BB 18K .294/.411/.510/.921
◯アプローチ / △パワー 素材型
今オフにジョー・マスグローブを放出した三角トレードでメッツから獲得。スムーズなスイングで、アプローチ良くコンタクトを量産するスイッチヒッター。マイナー通算66試合で四球率16.1%/三振率20.3%と素晴らしい打撃技術を披露しており、パワーがつけば面白いだろう。守備では捕手として及第点の資質を有しており、外野コーナーや一塁も経験するなどユーティリティー性も見込める。

(A-)5.77ERA 53.0IP BB/9=3.7 K/9=6.6 K/BB=1.77
◯速球 体格 運動能力 伸びしろ / △素材型 変化球
18年ドラフト2巡目で、パイレーツ好みの長身高卒右腕。19年は残念なシーズンとなったが、フットボールで痛めた左肩を手術するなどコンディションが万全でなかったこと、A-は年上のカレッジ出身選手が主にプレーするリーグであったことを考慮すれば救いはある。最速95マイルの速球は伸びしろが見込める。コントロールを失う場面もあるが、運動能力の高さから改善に期待したい。

23.ウィル・クロウ(RHP)/Wil Crowe:26歳
(2A/3A)4.70ERA 149.1IP BB/9=2.9 K/9=7.8 K/BB=2.71
(MLB)11.88ERA 8.1IP BB/9=8.6 K/9=8.6 K/BB=1.00
◯スタミナ 体格 / △変化球 球威 年齢
6-2/240のガッシリした体格からジョー・ブラントン(前ナショナルズ)のようなワークホースとして期待される右腕。20年はメジャーデビューしたがコマンドに苦しみ、残念な投球内容だった。92-94マイルの速球、スライダー、チェンジアップを投げ分ける。絶対的な武器があるわけではなく、即戦力ではあるもののポテンシャルはローテーション4~5番手止まりだろう。

(A/A+)131G 477AB 35HR 68BB 168K .254/.351/.558/.908
◎パワー / ×コンタクト 守備走塁 対左
19年にマイナー全体4位となる35本塁打を放った飛ばし屋。三振率30.2%とコンタクトは脆いが、四球率12.2%とアプローチは辛抱強い。しかし見極めようとしすぎるあまり甘い球も見逃す癖があるのでチームはアプローチを見直すように働きかけている。守備走塁は平均以下なうえ、左投手に対しては三振率が40%近いためプラトーン止まりになるリスクがある。

(DSL)45G 181AB  8HR 32BB 57K .315/.429/.552/.981
〇打撃 スピード 肩 / △素材型
今オフにジェームソン・タイオンのトレードパッケージとしてヤンキースから獲得。19年にDSLで打率.315、リーグ8位のOPS.981、チームトップの8本塁打をマークした。コンパクトなスイングで鋭い打球を量産し、見極めも及第点。走守もプラス評価でアップサイドは大きい。数年後の開花に期待。

(A+)3.79ERA 109.1IP BB/9=2.5 K/9=6.4 K/BB=2.60
◯速球 体格 / △変化球 耐久性
最速97マイルの速球を武器にゾーン内で空振りが奪える。一方で変化球に課題があり、19年はK/9の悪化が見られた。しかし次第に3球種を効果的に扱えるようになり、シーズン最終10先発では防御率2.95と上向きだった。18年に肩の違和感を訴えるなど耐久性に不安があり、19年も100イニングを超えたところでシャットダウンとなった。健康にフルシーズンを送れるかがポイントだ。

27.アーロン・ショートリッジ(RHP)/Aaron Shortridge:24歳
(A+)3.25ERA 135.2IP BB/9=1.7 K/9=6.9 K/BB=4.16
◯コマンド / △球威 チェンジアップ
大学2年までリリーフも3年で先発に転向し開花し18年ドラフト4巡目でプロ入り。19年は防御率とWHIPでリーグ5位の成績を残すなど順調なスタートを切っている。球威は支配的でないが90マイル前半の速球を狙ったところにコマンドでき、変化球を織り交ぜる投球術にも優れている。19年はスライダー&カーブの向上に重点を充てていたため、チェンジアップの割合が少なかった。チェンジアップの向上が先発として大成するための課題だろう。

Plus One Prospect
アレクサンダー・モヒカ(3B)/Alexander Mojica:18歳
(DSL)55G 218AB 8HR 37BB 34K .351/.468/.580/1.048
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード 
DSLではOPS1.048に加えて四球>三振のアプローチと素晴らしいパフォーマンス。パワーとアベレージを両立しており、100マイル超えの打球を量産していた。一方でガッシリした体格で動きが鈍く、強肩ではあるが将来は1B転向が目されている。ポテンシャルは傘下でも屈指で、実績がついてくればトッププロスペクト入りできる。

2020年4月22日水曜日

2020 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2020 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Oneil Cruz(SS)
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ミッチ・ケラー(RHP)/Mitch Keller
(MLB)7.13ERA 11GS 48.0IP BB/9=3.0 K/9=12.2 K/BB=4.06
(3A)3.56ERA 19GS 103.2IP BB/9=3.0 K/9=10.7 K/BB=3.51
◎速球 / ◯カーブ 体格 / △コマンド チェンジアップ 
長身から最速99マイルの速球を投げ下ろすエース候補。自慢の速球はメジャーで速球平均95.5マイルを計測もコマンドが甘く被打率.461と打ち込まれてしまった。一方で第2球種の縦カーブは被打率.138、昨季習得した平均87.7マイルのスラッターは空振り率26.8%と効果的だった。チェンジアップは投球の3.7%にとどまるなど有効に使えていない。今後は速球のコマンドとチェンジアップの向上が求められる。

2.オニール・クルーズ(SS)/Oneil Cruz
(R/A+/2A)73G 265AB 8HR 24BB 74K 11SB .298/.356/.475/.832
◎パワー 肩 / △3B向き? SSとしては大きすぎる
身長6フィート7と規格外の体格に規格外のツールを備えたSS。大柄な体格からSSとしては厳しいとの声もある一方でプラスのスピードとダブルプラスの肩から広い守備範囲を示しており、SSに残れる可能性は0ではない。転向するなら3BやRFがフィットするだろう。打撃では「20-80スケール」で80評価のパワーポテンシャルを秘めている。また2A昇格後に四球率(5.5→11%)、フライ率(29.2→38.1%)ともに上昇させるなど成長著しい。

3.ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes
(3A)110G 427AB 10HR 43BB 90K 12SB .265/.336/.415/.751
◎3B守備 / ◯コンタクト 肩 スピード / △パワー
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。3Bでゴールドグラブ複数回を狙える鉄壁の守備と「.280・15本」レベルの打撃を兼ね備える。3Bとしてはパワーが物足りないが、恵まれたヒットツールに支えられた高出塁率と3年連続二桁盗塁の足でカバー。主軸になれるかは微妙だが、WAR2~3の平均以上のレギュラーとして期待できるだろう。

4.リオバー・ペゲーロ(SS)/Liover Peguero
(R/A-)60G 227AB 5HR 20BB 51K 11SB .326/.382/.485/.866
◯スピード コンタクト SS守備 / △パワー
ズバ抜けた運動能力の持ち主でプラスのスピードがベストツール。オフにスターリング・マーテとのトレードでDバックスから移ってきた。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクトが武器で、二塁打・三塁打も多いため体格がつけば本塁打も増えてくるだろう。守備でも昨季大きく向上をたどり、長くSSでプレーできるかもしれない。すでに契約後から30ポンドの増量に成功している。

5.トラビス・スワゲーティ(OF)/Travis Swaggerty
(A+)121G 457AB 9HR 57BB 116K 23SB .265/.347/.381/.728
◯打撃 スピード CF守備 / △パワー
ドラフト時にはアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)と比べられたオールラウンダー。プロ2年でOPS.720ともう一つだが、昨季はシーズンを通してスイングの修正に取り組んだおかげでコンタクトが安定するようになり、8月はOPS.906をマークした。プラスのスピードを生かしたCF守備も平均以上の評価を得ている。

6.クイン・プリースター(RHP)/Quin Priester
(R/A-)3.19ERA 8GS 36.2IP BB/9=3.4 K/9=10.1 K/BB=2.93
◯速球 伸びしろ / △素材型
19年ドラフト1巡目。高校ではアメフトとの二刀流で、クオーターバックとして州大会を優勝している実力者。高校のチームにはピッチングコーチがおらず、投球はYoutubeで独学。しかしすでに最速97マイルに到達しており、プロ入り後野球に専念した環境でどれだけ伸びるのか楽しみだ。ツーシーム、カーブも覚えており、パイレーツ好みの投手に育つだろう。

7.コディ・ボルトン(RHP)/Cody Bolton
(A+/2A)3.28ERA 21GS 101.2IP BB/9=2.7 K/9=9.0 K/BB=3.40
◯速球 体格 / △緩急
高速系のボールを4つ持っているハードボーラー。平均94マイル、最速97マイルのフォーシームが最大の武器で高めに集めて空振りが量産できる。90マイル前半のツーシームとカッターをペアで投げ分け、平均程度のチェンジアップもフォーシームと相性良く投げ分けている。緩い球種がない分リリーフ向きかもしれないが、先発としてのアップサイドも高い。

8.ジャレッド・オリバ(OF)/Jared Oliva
(2A)123G 447AB 6HR 42BB 104K 36SB .277/.352/.398/.750
◯スピード パワー /
パワーとスピードを兼ね備えたCFで、スターリング・マーテの後釜として注目。マイナーで2年続けて30盗塁以上のスピードからプラスとまではいかないかもしれないが、CFも平均程度こなせるだろう。打撃では100マイル超えのゴロ/ライナーを量産するなどパワーポテンシャルは秘めている。昨季は投手有利のリーグに泣いたが、高いフライボール率から環境が変われば本塁打も飛躍的に伸びる可能性がある。

9.ターナ・トーマス(RHP)/Tahnaj Thomas
(R)3.17ERA 12GS 48.1IP BB/9=2.6 K/9=11.0 K/BB=4.21
◎速球 / △コマンド 素材型 リリーフ向き? / ✖チェンジアップ
アップサイドの塊。常時95-99マイル、最速101マイルの速球と平均以上のスライダーで打者を支配する。細かいコマンドがなく、チェンジアップもめったに投げないため、先発よりもリリーフ向きだろう。しかし、昨年だけで球速を数マイル伸ばしコントロールも改善させたメークアップとまだ20歳という年齢から今後の成長に期待したいところ。

10.ブレナン・マローン(RHP)/Brennan Malone
(R/A-)4.50ERA 8.0IP BB/9=5.6 K/9=9.0 K/BB=1.60
◯速球 スライダー 体格 / △素材型 第3球種 コマンド
オフにペゲーロと共にDバックスから加入。ガッシリとした強靱な体躯から最速96マイルの速球とパワフルなスライダーを投げ込む。カーブとチェンジアップは不安定だが磨けば平均レベルまで伸びるとの見立て。コントロールはけっして良い方ではないが、癖のないフォームから平均程度までの向上が見込まれている。

11.ジファン・ベ(SS)/Ji-Hwan Bae
(A)86G 328AB 0HR 43BB 77K 31SB .323/.403/.430/.833
◎スピード / ◯コンタクト / △2B向き? 肩 / ✖パワー
18年3月に契約金120万ドルで入団の韓国人選手。100mを10秒6で駆け抜ける俊足とコンタクトに徹した打撃スタイルからイチローと比べる声も。ただ四球率%とイチローよりも辛抱強いアプローチを示している。守備では肩が平均的なためにSSよりも2B向きとみるスカウトが多い。

12.サミー・シアニ(OF)/Sammy Siani
(R)39G 133AB 0HR 26BB 41K 5SB .241/.372/.308/.680
◯スピード 打撃 / △LF向き? パワー 素材型
昨年のドラフト全体37位指名。滑らかなスイングで左右にライナーを弾き返す中距離タイプで、パワーの向上が課題。辛抱強いアプローチも兼ね備え、Rでは四球率15.9%とよく選べていた一方で、三振率24.9%と空振りの多さが目立った。守備ではCFにふさわしい平均以上のスピードを持っているが、プロデビューでは適性を見極めるために外野3ポジションを守った。LF向きとも言われており、攻守にレベルアップが求められる。

13.スティーブン・ジェニングス(RHP)/Steven Jennings
(A)4.71ERA 27GS 130.0IP BB/9=2.7 K/9=8.0 K/BB=2.95
◯4球種 コマンド 運動能力 / △素材型 球速
高校ではアメフトとの二刀流で鳴らした運動能力の持ち主で、コントロールよく4球種を投げ分ける投球スタイルからマイク・リーク(Dバックス)と比べられている。速球は平均89マイルと遅いがスピンレートが高くポップフライが稼げる。スライダーが第2球種だが、カーブとチェンジアップも効果的に投げ分けることができる。線がまだ細く、球速を伸ばせるかが先発残留の鍵となるだろう。

14.ブラクストン・アシュクラフト(RHP)/Braxton Ashcraft
(A-)5.77ERA 11GS 53.0IP BB/9=3.7 K/9=6.6 K/BB=1.77
◯速球 体格 / △素材型 変化球
18年ドラフト2巡目で、パイレーツ好みの長身高卒右腕。昨季は残念なシーズンとなったが、フットボールで痛めた左肩を手術するなどコンディションが万全でなかったこと、A-は年上のカレッジ出身選手が主にプレーするリーグであったことを考慮すれば救いはある。最速95マイルの速球は伸びしろが見込める。コントロールを失う場面もあるが、運動能力の高さから改善に期待したい。

15.メーソン・マーティン(1B)/Mason Martin
(A/A+)131G 477AB 35HR 68BB 168K 8SB .254/.351/.558/.908
◎パワー / ×コンタクト 守備走塁 対左
昨季マイナー全体4位となる35本塁打を放った飛ばし屋。三振率30.2%とコンタクトは脆いが、四球率12.2%とアプローチは辛抱強い。しかし見極めようとしすぎるあまり甘い球も見逃す癖があるのでチームはアプローチを見直すように働きかけている。守備走塁は平均以下なうえ、左投手に対しては三振率が40%近いためプラトーン止まりになるリスクがある。

16.トラビス・マクグレガー(RHP)/Travis MacGregor
※18年(R/A)3.18ERA 17GS 70.2IP BB/9=2.8 K/9=10.2 K/BB=3.64
◯速球 運動能力 / △素材型 TJ手術明け
TJ手術のため昨季は全休。最速で96-97マイルをたたき出す速球が最大の武器。加えて18年にはジョン・ハンラハン(元パイレーツ)ピッチングコーチとシンプルなフォームの習得に取り組み、コントロールも改善させていた。術前は三振の多くを速球で奪っていたが、リハビリ期間にスライダー&チェンジアップを磨いたとの報告があり、術後健康ならブレークに期待がかかる。

17.マックス・クラニック(RHP)/Max Kranick
(A+)3.79ERA 20GS 109.1IP BB/9=2.5 K/9=6.4 K/BB=2.60
◯速球 体格 / △変化球 耐久性
最速97マイルの速球を武器にゾーン内で空振りが奪える。一方で変化球に課題があり、昨季はK/9の悪化が見られた。しかし昨季は次第に3球種を効果的に扱えるようになり、シーズン最終10先発では防御率2.95と上向きだった。18年に肩の違和感を訴えるなど耐久性に不安があり、昨季も100イニングを超えたところでシャットダウンとなった。健康にフルシーズンを送れるかがポイントだ。

18.アーロン・ショートリッジ(RHP)/Aaron Shortridge
(A+)3.25ERA 24GS 135.2IP BB/9=1.7 K/9=6.9 K/BB=4.16
◯コマンド / △球威 チェンジアップ
大学2年までリリーフも3年で先発に転向し開花し18年ドラフト4巡目でプロ入り。昨季は防御率とWHIPでリーグ5位の成績を残すなど順調なスタートを切っている。球威は支配的でないが90マイル前半の速球を狙ったところにコマンドでき、変化球を織り交ぜる投球術にも優れている。昨季はスライダー&カーブの向上に重点を充てていたため、チェンジアップの割合が少なかった。今季はチェンジアップの向上を課題に挙げている。

19.ジャレッド・トリオロ(3B)/Jared Triolo
(A-)60G 234AB 2HR 27BB 49K 3SB .239/.314/.389/.703
◯コンタクト / △パワー
カレッジ出身で少なくともユーティリティ程度の働きが見込める。アプローチよくコンタクトを多く生み出す打撃スタイル。一見不発と思われたプロデビューもリーグ平均との比較を表すwRC+は110(100が平均)と平均以上で、投手有利なリーグを抜け出した時の飛躍が期待される。守備はSSでも出場するなど複数ポジションを守れるが、最終的には3Bに落ち着くだろう。

20.アレクサンダー・モヒカ(3B)/Alexander Mojica
(DSL)55G 218AB 8HR 37BB 34K .351/.468/.580/1.048
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード 
DSLではOPS1.048に加えて四球>三振のアプローチと素晴らしいパフォーマンス。パワーとアベレージを両立しており、100マイル超えの打球を量産していた。一方でガッシリした体格で動きが鈍く、強肩ではあるが将来は1B転向が目されている。

Plus One Prospect
J.T.ブルベイカー(RHP)/J.T. Brubaker
(A-/3A)2.28ERA 6GS 27.2IP BB/9=2.6 K/9=7.8 K/BB=3.00
◯速球 グラウンドボーラー / △チェンジアップ 耐久性 リリーフ向き
長身から最速99マイルのシンカーと88マイルのスライダーを投げ下ろすグラウンドボーラー。昨季は前腕の痛みでシーズンのほとんどをILで過ごしたが、3A復帰4登板でK/BB=5.00・グラウンドボール率56.9%とナイスパフォーマンス。左打者を苦にしており、先発に残るには平均以下のチェンジアップを磨いていく必要がある。

2019年3月2日土曜日

2019 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2019 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Mitch Keller(RHP)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ミッチ・ケラー(RHP)/Mitch Keller
◯速球 カーブ コマンド 体格 / 
G.コール、J.タイオンに次ぐ次期エース候補。長身から90マイル中盤の沈む速球とパワーカーブを低めに投げ下ろすパイレーツ好みの投球スタイル。18年はA+/2A/3Aで25先発して防御率3.48・K/9=8.5・BB/9=3.5をマーク。

2.ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes
◯打撃 肩 スピード 3B守備 / △パワー
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。プロ入り後に脂肪を落とし筋肉を増やす肉体改造に成功。運動能力が向上し、3B守備はゴールドグラブ候補と評されるほど。打撃はライナーを量産し、2AでOPS.819・7ホーマーをマーク。

3.オニール・クルーズ(SS)/Oneil Cruz
◯パワー 肩 / △コンタクト  
6-6/175と体格に恵まれており、ズバ抜けたパワーポテンシャルを秘める。Aでは打率.286・14本塁打・OPS.831と才能の片鱗を披露した。長打力を安定して発揮できるようにアプローチを磨く必要がある。守備は大柄な体格に比して動け、SSでもプレー可能との評価も、将来的には3BやRFに転向することが予想される。

4.コール・タッカー(SS)/Cole Tucker
◯スピード SS守備 / △パワー
運動能力抜群の遊撃手。守備範囲と肩の強さを兼ね備え、平均以上のSSディフェンダーとの評判。打者としては今のところギャップヒッター止まりだが、平均以上のスピードを生かして33長打・35盗塁をマーク。18年は2Aで1年間プレー。前半は苦しんだが、7月以降はOPS.772・四球率12.1%と上向きで、AFLではOPS.899をマーク。

5.トラビス・スワゲーティ(OF)/Travis Swaggerty
◯打撃 スピード CF守備 / △パワー
18年ドラフト全体10位指名のカレッジ選手。A.ベニンテンディ(レッドソックス)と比較されるオールラウンドプレーヤーで、大学米国代表でも活躍。A-/Aでは打率.239・OPS.705と低調なデビューも、長く1番センターを務められるとの見立てだ。

6.キャルビン・ミッチェル(OF)/Calvin Mitchell
◯アプローチ 打撃 / △守備走塁 
19歳離れした滑らかなスイングはM.ブラントリー(インディアンス)を彷彿とさせる。18年はAで打率.280・10本塁打・OPS.771をマーク。アプローチよく広角にライナーを量産し、パワーも向上が見込まれる。しかし守備走塁は平均以下の評価で、昇格するには打ち続けるしかない。

7.ケビン・クレイマー(2B)/Kevin Kramer
◯打撃 / △肩 アプローチ
元々は巧打の二塁手だったが、フライボール革命を取り入れて別人に変貌。18年は3Aで打率.315と高打率を維持しながらキャリアハイとなる15本塁打・35二塁打をマーク。9月にメジャーデビューを果たした(37打席/20三振と不安を露呈)。2B守備は平均以下で打ち続けるしかない。

8.ケビン・ニューマン(SS)/Kevin Newman
◯コンタクト 即戦力 / ×パワー
即戦力で堅実なSSレギュラーになれるだろうが、インパクトを残せるかは微妙なところ。ヒットツールは20-80スケールで60評価もパワーレスが致命的。18年は3Aで打率.300・2本塁打・30二塁打をマークしたが、メジャーでは97打席でOPS.478に終わった。

9.ブライアン・レイノルズ(OF)/Bryan Reynolds
◯打撃 スピード / △両翼向き? 肩  
走攻守に磨かれており、マイナー屈指のソリッドプレーヤーとの評判。理想の4番手外野手になれるだろう。コンパクトなスイングで両打席からヒットを量産し、2Aで打率.302・7本塁打・OPS.819をマーク。守備もCFとしてプレー可能なライン。

10.ジェーソン・マーティン(OF)/Jason Martin
◯スピード 打撃 / △LF向き?
走攻守のバランスがよく、少なくとも第四の外野手にはなってくれそうな選手。マイナーではグングンと長打力を伸ばし、昨季A+・2Aで打率.278・18本塁打・OPS.819をマーク。守備は外野3ポジションをこなすが、昨季はLFがメインだった。弱肩がネック。

11.ジャレッド・オリバ(OF)/Jared Oliva
◯スピード /
18年はA+で打率.275・9本塁打・33盗塁・OPS.778をマーク。傘下ではB.レイノルズ、J.マーティンに次ぐ「最低でも第四の外野手」タイプ。平均以上のスピードと二桁ホーマーレベルのパワー、CFとして及第点の守備力を併せ持つ。

12.ブラクストン・アシュクラフト(RHP)/Braxton Ashcraft
◯速球 体格 / ×素材型
18年ドラフト2巡目の高卒選手。6-5/195の長身から角度ある速球を投げ下ろす。変化球やコマンドは発展途上だが、上手く育てば傘下1位のM.ケラーのようになれなエース候補になれるだろう。Rでは5先発で防御率4.58のデビュー。

13.J.T.ブルベイカー(RHP)/J.T. Brubaker
◯速球 / △伸びしろ
長身から92-96マイルのシンカーと88マイルのスライダーを投げ下ろすグラウンドボーラー。18年は2A/3Aで28先発して防御率2.81をマーク。すでに25歳を迎えており、伸びしろはもうないがローテーション下位として計算が立つ。昨季ローテーションに定着したT.ウィリアムズに球速を足したような投手になるだろう。

14.ルイス・エスコバー(RHP)/Luis Escobar
◯速球 / ×コマンド
常時93-95マイル、最速97マイルの速球と鋭いカーブに加え、18年はチェンジアップが向上した。A+/2Aでは23先発で防御率4.14をマークも、BB/9=4.1とコマンドに苦しんでいる。制球難にのせいか17年にAで11.5をマークK/9は、18年は2Aで6.3まで悪化。

15.スティーブン・ジェニングス(RHP)/Steven Jennings
◯4球種 コマンド 運動能力 / ×素材型
17年のドラフト2巡目高校生。アメリカンフットボールとの二刀流で鳴らしていたが、一昨年秋にACLを断裂し投手に専念。滑らかなフォームから4球種を平均以上のコマンドで投げ分け、M.リーク(マリナーズ)とも比較される。速球は89-92マイルだが、野球経験の浅さから伸びしろを残し、アップサイド大。

16.クレイ・ホームズ(RHP)/Clay Holmes
◯速球 グラウンドボーラー / ×コマンド
コマンドは悪いが、6-5/225の体格から90マイル後半のシンカーを投げ下ろすグラウンドボーラー。18年は3Aで16先発して防御率3.40・K/9=9.4・GB%=60.0%をマーク。メジャーではBB/9=7.9と制球に苦しんだ。カッター&チェンジアップも切れるだけにボール先行の投球を脱却できればローテーションに残れるはずだ。

17.ロロ・サンチェス(OF)/LoLo Sanchez
◯スピード 肩 CF守備 / △パワー / ×素材型
15年に海外FAで入団。スピードに優れ、CF守備も平均以上の評価。パワーに乏しいが、19歳とまだ若く向上の可能性を秘めている。18年はAで打率.243・4本塁打・30盗塁・OPS.650をマークした。

18.トラビス・マクグレガー(RHP)/Travis MacGregor
◯速球 運動能力 / ×素材型
16年ドラフト2巡目。傘下に数多く在籍するポテンシャルを重視された体の大きい高卒右腕。長身から96-97マイルに達する速球を投げ下ろし、ゴロアウトも多い。18年はR/Aで17先発して防御率3.18・K/9=10.2・BB/9=2.8と好投したが、TJ手術により19年シーズンは全休予定。TJがなければトップ10前後に入れる予定だった。

19.マックス・クラニック(RHP)/Max Kranick
◯速球 コマンド 体格 / △素材型 リリーフ向き? チェンジアップ
16年ドラフト11巡目の高卒右腕が着実に成長を辿っている。6-3/175と体格に恵まれており、最速96マイルの速球はさらなる球速UPが見込める。18年はAで16先発して防御率3.81・K/BB=4.28をマークするなどコマンドも発達している。

20.コディ・ボルトン(RHP)/Cody Bolton
◯速球 体格 / ×素材型
17年ドラフト6巡目の高卒右腕だが、18年はAで9先発して防御率3.65・K/9=9.1・BB/9=1.4をマーク。6-3/185と恵まれた体格でポテンシャル評も高い。90-95マイルの速球は威力抜群だが、変化球は発展途上。昇格まで時間はかかるが、数年後の期待。

Plus One Prospect
ホゼ・マルドナード(RHP)/Jose Maldonado
◯速球 / ×素材型
ドミニカ出身の20歳右腕。迫力あるフォームから力強い速球とスライダーのコンビネーション。DSLでは13.2回を投げて防御率3.29・K/9=11.2・BB/9=4.6をマークした。まだ実績に乏しく評価は難しいが、スリーパーとして注目したい。

2018年1月22日月曜日

2018 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2018 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Mitch Keller(RHP)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ミッチ・ケラー(RHP)/Mitch Keller
◯速球 カーブ コマンド 体格 / 
ドラフト時は素材型との見立ても、マイナー屈指の右腕に成長しつつある。常時90マイル中盤、最速99マイルの速球は強烈で、コマンドも発達している。カーブは縦に大きく割れる。チェンジアップは平均的なボールだが、向上の余地を残す。昨季A-・A+・2Aで23先発して防御率3.03・K/9=9.0・BB/9=2.5。

2.オースティン・メドウズ(OF)/Austin Meadows
 ◯打撃 スピード 守備 即戦力 / △肩 耐久性
マイナー屈指のオールラウンダーとして好評も、故障が多く、メジャーデビューを果たせていない。健康であればパワーとアベレージを両立した打撃と平均以上のCF守備を披露する。昨季3AでOPS.670と調子が上がらなかった。2年続けて出場数が90試合未満。

3.シェーン・バズ(RHP)/Shane Baz
◯速球 スライダー 球種 / 
昨年のドラフト全体12位指名。抜群の球威に加え、高校生離れした器用さも備えたエース候補。最速98マイルのストレート&80マイル後半のカッターを主体に三振の山を築き、チェンジアップもまずまず。運動能力にも富んでいるため、スタミナ・コマンドも優秀。


4.コリン・モラン(3B/1B)/Colin Moran
◯打撃 アプローチ 即戦力 / △パワー 3B守備  
今オフにG.コールとのトレードでアストロズから移籍。昨季フライボールレボリューションを取り入れ、「率は残すが、非力なコーナープレーヤー」たるイメージを払拭。3Aで18本塁打・OPS.901をマーク。しかも三振率16.3%はここ4年でベストの数字。3B守備は上手いとは言えず、1B転向もあり得る。

5.ブライアン・レイノルズ(OF)/Bryan Reynolds
◯打撃 / △両翼向き? 肩  
今オフにA.マッカチェンとのトレードで獲得。ドラフトから2年でマイナー屈指のソリッドプレーヤーとして評価を上げている。昨季はA+で打率.312・10本塁打・OPS.826をマーク。課題とされていた守備も安定感が増し、CFに残れる可能性を示した。


6.ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes
◯打撃 肩 スピード 3B守備 / △パワー
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。昨季108試合で2本塁打とパワーは未発達だが、20歳にしてゾーン理解に長けた打撃を身に着けている。また、脂肪を落とし筋肉を増やす肉体改造に成功。守備走塁の機敏さが増し、自己最多の27盗塁を決めた。

7.コール・タッカー(SS)/Cole Tucker
 ◯スピード SS守備 / △パワー
運動能力抜群の遊撃手。選手生命も危ぶまれた肩の故障から完全復活し、A+・2Aで打率.275・6本塁打・OPS.766・47盗塁をマーク。パワー向上が課題だが、6-3/185の体格から伸びしろは十分で、二塁打19本・三塁打11本とギャップパワーはすでに付けている。守備範囲と肩を兼ね備えたSS守備は平均以上の評価。

8.ルイス・エスコバー(RHP)/Luis Escobar
◯速球 / △チェンジアップ / ✖コマンド
17歳で契約時よりも45ポンドの増加に成功。常時93-95マイル、最速97マイルの速球と鋭いカーブを武器に昨季リーグ最多の168三振(K/9=11.5)を奪った。一方でリーグワースト2位の60四球(BB/9=4.1)を与えるなど安定感に欠ける。チェンジアップも発展途上と不安を残す。

9.ニック・キンガム(RHP)/Nick Kingham
 ◯速球 3球種 コマンド / ✖耐久性 
昨季はTJ手術からの復活が望まれていたが、足首の故障により出遅れた。6-6の長身から92マイル前後の速球&カーブ&チェンジアップを投げ下ろす。マイナー通算BB/9=2.4とコマンドは良好で、健康ならば先発ローテーション4~5番手級。昨季は3Aで19先発して防御率4.13・K/9=7.4・BB/9=2.3。

10.ジョーダン・ルプロウ(OF)/Jordan Luplow
◯アプローチ 打撃 / △守備走塁 
辛抱強いアプローチを備えた完成度の高い打者。昨季は2A・3Aで打率.302・23本塁打・OPS.907と素晴らしいパフォーマンス。MLBでも27試合に出場した。ポジションはLFで、守備走塁での貢献は見込めないため、メジャーに定着するには打ち続けるしかない。将来像はR.レイバーン(ナショナルズ)のような打てる4番手外野手か。
11.テイラー・ハーン(LHP)/Taylor Hearn
◯速球 / △コマンド リリーフ向き? スライダー
ナショナルズからトレードで加入した経歴を含め、現パイレーツクローザーのF.リベロと共通点が多い。荒削りだが最速99マイルの速球はパワフルで、第2球種のチェンジアップは打者の左右を問わず仕留めることができる。A+では防御率4.12・K/9=11.0をマーク。

12.ロロ・サンチェス(OF)/LoLo Sanchez
◯コンタクト スピード 肩 CF守備 / △パワー / ✖素材型
15年に海外FAで入団。昨季米国デビューし、バットコントロール&選球眼を武器に、RでOPS.776・21BB/19Kをマーク。平均を大きく上回るスピードは積極的な走塁と平均以上のCF守備を支えている。数年後が楽しみな原石だ。

13.ケビン・クレイマー(2B)/Kevin Kramer
◯打撃 / △肩 パワー
N.ウォーカー(現メッツ)の再来と評される攻撃型二塁手。昨季は故障により57試合の出場にとどまったが、2AでOPS.880をマーク。ウォーカーになるにはパワーが足りないが、フライボールレボリューションを取り入れようとスイングを改善している。守備は決して上手くないが、2Bとして及第点レベル。

14.ケビン・ニューマン(SS)/Kevin Newman
◯コンタクト 即戦力 / ✖パワー
攻守に磨かれていて、J.マーサーがトレードされたら即メジャーでレギュラー起用されるであろう存在。16年にはマイナーで打率.320をマークしたが、昨季は2A・3Aで打率.267・4本塁打・OPS.675と目立たない成績。堅実なSSレギュラーになれるだろうが、どれだけインパクトを残せるかは疑問。

15.スティーブン・ジェニングス(RHP)/Steven Jennings
◯速球 運動能力 / ✖素材型
昨年のドラフト2巡目高校生。アメリカンフットボールとの二刀流で鳴らしていたが、一昨年秋にACLを断裂し投手に専念。昨春グングンと成長を見せ、評価が急上昇した。野球経験の浅さから伸びしろを残し、アップサイド大。速球は最速95マイル。

16.ウィル・クレイグ(1B/3B)/Will Craig
◯打撃 アプローチ / ✖守備走塁
技術と選球眼を兼ね備えた打撃能力の高さと守備走塁能力の低さからB.バトラー(元ロイヤルズ他)と比較されている。バトラー同様に1B/DHタイプの選手としてはパワーが物足りないのがネック。昨季はA+で123試合に出場して打率.271・6本塁打・OPS.744をマーク。106K/62BBとアプローチは優秀。

17.ジェーソン・マーティン(OF)/Jason Martin
◯スピード 打撃 / △LF向き?
G.コールのトレードでアストロズから加入。走攻守のバランスがよく、少なくとも4番手外野手にはなってくれそうな選手。マイナーではグングンと長打力を伸ばし、昨季A+・2Aで打率.278・18本塁打・OPS.819をマーク。守備は外野3ポジションをこなすが、昨季はLFがメインだった。弱肩がネック。

18.コナー・ウセルトン(OF)/Conner Uselton
◯パワー スピード 肩 / ✖コンタクト 素材型
身体能力抜群の高校生外野手。パワー&スピード&肩が傑出しており、素材型ではあるがアップサイドは大きい。打撃のメカニクスを磨き、弱点のコンタクトツールを改善したい。高校ではCFを守っていたが、抜群の強肩と大柄な体格からRF向きかもしれない。

19.ダリオ・アグラザル(RHP)/Dario Agrazal
◯速球 グラウンドボーラー コマンド / △変化球
父はパナマ野球の投手及びコーチとしてよく知られた人物。87-93マイルのシンカーを低めに集めてゴロを打たせる投球が持ち味。昨季はA+で13先発して防御率2.91・ゴロ率55.0%と好投。K/BB=6.30とコマンドが非常に安定していた。カーブ&チェンジアップは武器になるボールではなく、決め球の乏しさがネック。

20.ニック・バーディ(RHP)/Nick Burdi
◎速球 / ◯奪三振 体格 / ✖コマンド TJ手術明け
ルール5ドラフト経由のトレードで今オフ加入。最速100マイルを超す速球は非常に威力があり、昨季3Aでも14試合で防御率0.53と支配的な内容。しかし、その後肘の痛みを訴え、TJ手術を受けることに。今季は怪我からの復帰が望まれる。健康であればクローザーポテンシャルの持ち主。

21.カイル・クリック(RHP)/Kyle Crick
◯速球 / ✖コマンド 
A.マッカチェンとのトレードで加入。元ジャイアンツのトッププロスペクトだったが、制球難に苦しんでいた。ところが昨季ブルペンに回ってブレーク。3Aで防御率2.76と結果を出すと、MLBでも30登板で防御率3.06をマーク。最速100マイルの伸びのある速球でゴリ押しする投球スタイル。

Plus One Prospect
ブライス・ブレンツ(OF)/Bryce Brentz
◯パワー / ✖年齢 伸びしろ

金銭トレードで今年2月にレッドソックスから加入。昨季28歳にして3Aで打率.271・31本塁打・OPS.863と遅咲きのブレーク。アジア市場も注目の選手だったが、40人枠入りも果たし、今季はメジャー定着を目指す。守備範囲は限られているが、強肩の持ち主で、守備は外野の両翼をこなす。