2021年1月2日土曜日

2021 CHICAGO CUBS TOP 20 PROSPECTS

2021 CHICAGO CUBS

TOP 20 PROSPECTS

Brennen Davis


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ブレネン・デービス(OF)/Brennen Davis:21歳
(A)50G 177AB 8HR 18BB 38K .305/.381/.525/.907
◯スピード パワー 肩 / △素材型
「30-30」も狙えるズバ抜けたポテンシャルを秘め、6-4/175の体格から伸びしろ抜群。平均を大きく上回るスピードがベストツールだが、外野守備は発展途上でルート取りや打球判断を磨いている段階。育成に時間はかかるだろうが、スケールの大きいCFになれる。20年は代替キャンプで年上選手を相手に実戦経験を積んだ。
Brennen Davis

2.
ブレイリン・マルケス(LHP)/Brailyn Marquez:22歳
(A/A+)3.13ERA 22GS 103.2IP BB/9=4.3 K/9=11.1 K/BB=2.56
(MLB)67.50ERA 0.2IP BB/9=40.5 K/9=13.5 K/BB=0.33
◎速球 / ◯奪三振 体格 / △チェンジアップ コマンド
急成長を遂げているファイアーボーラー。速球は常時90マイル後半、最速102マイルに達し、19年は102マイルを24度も計測した。スライダーもキレるが、右打者対策のためにチェンジアップを磨ていく必要がある。変化球とコマンドの精度を磨くことができればエースも狙える。20年はチェンジアップの向上に取り組み、メジャーデビューも経験。ア・リーグMVPホセ・アブレウ(Wソックス)からメジャー初Kをマークした。
Brailyn Marquez

3.ミゲル・アマヤ(C)/Miguel Amaya:22歳
(A+)99G 341AB 11HR 54BB 69K .235/.351/.402/.753
◯パワー アプローチ 肩 / △スピード 集中力
パナマ出身の大型捕手。6-2/230とすでに立派なフィジカルを備えており、18-19年には2年連続でフューチャーズゲームに出場している。20ホーマー級のパワーを有し、19年にA+で四球率13.8%をマークするなどゾーンコントロールも優秀。守備では雑なキャッチングが問題となっていたが、20年は代替キャンプで精神面や守備力の向上に取り組み、フレーミング&レシービングいずれも向上。プラスの強肩を武器に、19年は盗塁阻止率35%をマーク。

4.
エド・ハワード(SS)/Ed Howard:19歳
◯SS守備 肩 / △素材型 実戦経験  
20年ドラフト全体16位指名。20年ドラフト組ではNo.1の高校生SSと評判だった。攻守にオールラウンドで、特に守備面はすでに磨かれている。滑らかな動作でプラスのSSディフェンダーになれると評判。打撃は素早いスイングでライナーを量産し、パワーも15-18本相当との評価。パンデミックにより約2年間試合でのプレーが無いため、打撃の評価が難しいところ。

5.
アドベルト・アルゾロイ(RHP)/Adbert Alzolay:26歳
(A+/3A)4.80ERA 16GS 69.1IP BB/9=4.3 K/9=12.2 K/BB=2.85
(MLB)2.95ERA 21.1IP BB/9=5.5 K/9=12.2 K/BB=2.23
◯速球 スライダー 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? 
93-97マイルの速球と鋭いスライダーがプラスピッチ。メジャーではスライダーが全投球の役4割を占め、被打率.028・空振り率37.7%と抜群だった。第3球種のチェンジアップも全31球という少ないサンプルながら空振り率58.8%と左打者に対して効果的だった。力いっぱい投げ込むスタイルでコントロールを乱しやすく、改善されないとリリーフ転向になるかもしれない。

6.レジナルド・プレシアド(SS/Reginald Preciado:18歳
◯コンタクト 肩 体格 / △3B向き? 素材型
ダルビッシュ有とのトレードでパドレスから加入の1人。19年に130万ドルで契約のパナマ出身。U-15杯ではパナマ代表のSSとしてプレーの実力者。コンタクト力の高いスイッチヒッターで、6-4/185の体格からパワーも向上が見込める。SSとしてふさわしい肩の強さ、グラブさばき、機敏さを備えているが、体が成熟すると3BやOFに移ることになるかもしれない。
Reginald Preciado

7.
コール・ローダー(OF)/Cole Roederer:21歳
(A)108G 384AB 9HR 52BB 112K .224/.319/.365/.684
◯パワー スピード / △両翼向き 素材型 アプローチ 肩
アプローチを磨けば「.280・25本」も狙える打撃が武器。しかし19年は初のフルシーズンで長打狙いのアプローチでプルヒッター傾向が強すぎてコンタクト難に苦しんだ。スイング&打球速度は速いだけに雑なアプローチを改善し、フィールド全体を扱う打撃を覚えれば率も残せるだろう。スピードは平均以上だが、肩が弱いためCFから移るとなるとLFが適任と見られる。
(A-)2.31ERA 39.0IP 10GS BB/9=3.2 K/9=11.3 K/BB=3.50
◯速球 3球種 奪三振 伸びしろ コントロール / △素材型
下半身を有効に使えるようになったことで17年に89マイル止まりだった速球は最速97マイルにまで上昇。チェンジアップの扱いに長け、課題とされてきたブレーキングボールもナックルカーブを習得。3球種で平均以上の評価を得ている。20歳とまだ若い上に6-4/190と体格的な伸びしろも十分。ローテーション半ばポテンシャルだが、フルシーズンの経験がないため21年のパフォーマンスに注目。

9.チェース・ストランプ(2B)/Chase Strumpf:23歳
(R/A-/A)39G 135AB 3HR 23BB 42K 2SB .244/.374/.400/.774
◯コンタクト / △スピード 肩 故障多い
プロデビューではつまずいたが、攻守のポテンシャルはイアン・キンズラー(元レンジャース)と比べられる。コンパクトなスイングでライナーを打ち分け、四球も稼げる。チームは積極打法を身に着けて本塁打を増やしてほしいという意向。走守の能力は平均から平均以下で肩も強くないため、2Bに残れないとLFに回るリスクがある。
 
10.
イェイソン・サンタナ(SS)/Yeison Santana:20歳
(R)41G 162AB 3HR 23BB 38K .346/.429/.494/.923
◯コンタクト 肩 / △素材型 パワー
ダルビッシュ有とのトレードでパドレスから加入の1人。19年にRでリーグ4位の打率.346をマークし、昨夏はトレード依頼が頻繁に来たという。積極的なアプローチでハードコンタクトを量産し、守備でもエネルギッシュなプレーでSS及第点の守備範囲を見せている。少なくともユーティリティーを狙えるポテンシャルで、パワー&守備力の向上次第でレギュラーも狙える。

11.ライリー・トンプソン(RHP)/Riley Thompson:24歳
(A)3.06ERA 94.0IP BB/9=3.0 K/9=8.3 K/BB=2.81
◯速球 カーブ / △コマンド 耐久性
高校ではTJ手術、大学では肩の故障に悩まされたが、成長著しく開花の兆し。平均93マイルの速球と82-86マイルのカーブはいずれも平均以上のスピンレートを誇り、チェンジアップも19年に大きく向上を辿った。アマチュア時代には制球難に悩まされていたが、コントロールも進歩が見られる。すでに24歳ながらAまでの実績しかなく、1登板あたり4.4イニングと耐久性への評価は難しい。

12.
クリストファー・モレル(3B)/Christopher Morel:22歳
(A)73G 257AB 6HR 11BB 60K .284/.320/.467/.787
◯パワー スピード 肩 / ✖フリースインガー
6-0/140(現在はもっと身長が伸びているとも)とかなりのヒョロヒョロ体型だが、プラスのパワーポテンシャルを秘める。四球率4%とフリースインガーでアプローチを大幅に改善する必要があるが、バットスピードの速さは傘下トップクラス。元SSのアスリートで、スピード&肩の強さはプラス評価。
(R)53G 197AB 5HR 19BB 39K .305/.367/.447/.813
◯パワー 肩 / △素材型 スピード
17年に契約金120万ドルで入団のメキシコ出身選手。運動能力の高さと攻守のプレーぶりは年齢に比して発達している。打撃ではスイング動作に若干のガチャつきがあるものの、恵まれたパワーでバレル性の打球を量産できる。守備ではスムーズな動作とプラスの強肩で、SS適性は十分。
(A-)2.25ERA 12.0IP BB/9=10.5 K/9=14.3 K/BB=1.36
◎速球 / △コマンド チェンジアップ リリーフ向き? 
昨季平均96マイルを計測したフォーシーム&ツーシームのコンボが強烈な剛腕。変化球の安定感がイマイチだがスライダーは平均以上のボールになり得る。チェンジアップ&コマンドの精度が高くなく、体も大きくないためブルペンに回るリスクが高い。逆にそこさえ克服できれば先発ローテーション入りも見えてくる。

15.
オーウェン・ケイシー(OF)/Owen Caissie:18歳
◯パワー 肩 / △コンタクト 素材型 両翼向き
ダルビッシュ有とのトレードでパドレスから加入した1人。20年ドラフト全体45位指名の高卒カナディアン。6-4/190の大柄な体格に30ホーマー級のパワーポテンシャルを秘める。バットパスに難があり、コンタクト面を改善する必要がある。守備では平均レベルのスピードと肩の強さを兼ね備えており、RFに適任との見立て。

16.
イスマエル・メナ(OF)/Ismael Mena:18歳
◯スピード CF守備 / △パワー 素材型
ダルビッシュ有とのトレードでパドレスから加入した1人。19年に220万ドルで契約した。恵まれた体格と5ツールから、若き日のフランチー・コーデロ(KC)やグレゴリー・ポランコ(PIT)と比較されている。ダブルプラスのスピードが光るCFで、打撃は逆方向意識のコンタクトヒッター。

17.コリー・アボット(RHP)/Cory Abbott:25歳
(2A)3.01ERA 146.2IP BB/9=3.2 K/9=10.2 K/BB=3.19
◯奪三振 5球種 / △球威
打者を圧倒する球威はないが5球種をコントロールよく投げ分けるイニングイーター。90-93マイルの速球でコマンドよくコーナーを突き、カッター&スライダー&カーブで打者の左右を問わず三振を奪える。チェンジアップはまだ発展途上。

18.クリス・クラーク(RHP)/Chris Clarke:23歳
(A-)1.96ERA 23.0IP BB/9=1.6 K/9=10.2 K/BB=6.50
◎カーブ / ◯長身 / △チェンジアップ 先発経験
6フィート7の長身から繰り出されるハンマーカーブが強烈。速球は92-94マイルと支配的ではないが落差があり、スライダーも平均クラス。大学ではリリーフだったのでチェンジアップは発展途上で先発投手としてやっていくには磨いていく必要がある。

19.マイケル・マクアベニュー(RHP)/Michael McAvene:23歳
(A-)1.42ERA 12.2IP BB/9=2.8 K/9=14.2 K/BB=5.00
◎速球 / △チェンジアップ 先発経験
18位のクラークと同じく、大学ではクローザーだったがカブスは先発転向を目論んでいる。98-99マイルに達する速球とスライダーの威力は文句なしなので、チェンジアップを磨ければ先発としてやっていけるかもしれない。もしブルペンに戻れば支配的なリリーバーになれるだろう。

20.
イーサン・ハーン(C)/Ethan Hearn:20歳
(R)23G 80AB 2HR 13BB 36K .163/.286/.275/.561
◯パワー 肩 / △素材型 スピード / ✖コンタクト
MLB公式のドラフトランキングでは高校生捕手最高位の67位も、大学進学の可能性が高いことから11巡までスリップ。スティールに成功したが三振率36.7%とプロデビューは苦しんだ。パワーと肩がプラスツールで強肩強打が魅力。

Plus One Prospect
ラファエル・モレル(SS)/Rafael Morel:19歳
(DSL)60G 230AB 4HR 26BB 38K 23SB .283/.373/.448/.821
◯スピード 肩 コンタクト / △素材型 パワー CF向き?
リスト12位のクリストファーの弟。アスレチックさとコンタクト技術が魅力。スピードと肩の強さはいずれも平均を大きく上回るが、長い目で見ればCF転向が目されている。打撃では三振率14.2%・四球率9.7%と安定したアプローチで長打も稼げる。これからの成長に期待したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿