2022年12月17日土曜日

2023 TORONTO BLUE JAYS TOP 20 PROSPECTS

2023 TORONTO BLUE JAYS

TOP 20 PROSPECTS

Ricky Tiedemann

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.リッキー・ティエディマン(LHP)/Ricky Tiedemann:20歳
(A/A+/2A)2.17ERA 78.2IP BB/9=3.3 K/9=13.4
◎速球 / 〇変化球 体格 / △素材型
21年ドラフト3巡目。22年はプロ1年目にして2Aまで到達するなど一躍ブレーク。速球、スライダー、チェンジアップがすでにプラス評価で、コントロールも破綻していない。6-4/220と体格も恵まれており、エースポテンシャル。
Ricky Tiedemann


FV50

2.ヨスバー・ズレータ(RHP)/Yosver Zulueta:25歳
(A/A+/2A/3A)3.72ERA 55.2IP BB/9=5.2 K/9=13.6
◯速球 スライダー / △耐久性 コントロール 実績 
キューバから亡命し19年に入団も、TJ手術により22年が実質的なプロデビューとなった。すると最速100マイルの4シームとワイプアウトするプラスのスライダーのコンボで支配的なパフォーマンス。イニング制限により途中からリリーフに回ったが、コントロールを改善できればローテーション半ばクラスのポテンシャル。
Yosver Zulueta


FV45

3.ブランドン・バリエラ(LHP)/Brandon Barriera:19歳
◯速球 スライダー / △素材型
22年ドラフト1巡目の高卒左腕。球威と投球能力を両立しており、高いアップサイドを期待されている。92-95マイルの速球は最速で98-99マイルに届き、スライダーもプラスピッチ候補。加えてカーブ&チェンジアップもレパートリーとして扱え、4球種いずれもストライクが取れる。

(A+/2A/3A)124G 26HR 48BB 131K .308/.933
◯パワー 肩 / △コンタクト 
昨年のスリーパー枠から出世。パワーは平均以上もコンタクトに課題があったが、22年はマイナー3階級で3割以上のアベレージを記録するなど課題を克服してブレーク。とはいえ、ヒットツールは平均以下で、「.230・20本」が将来像か。守備は強肩だが、SSよりも3B/2B向きとの見立て。強打のユーティリティー候補として注目したい。

(2A)118G 30HR 40BB 140K .203/.732
◎パワー / ◯肩 / △走力 守備 / ✖アプローチ
エイドリアン・ベルトレ(元TEX)と比べられる強打の内野手。22年は自己最多の30本塁打を放った一方で、打率.203&出塁率.286とアベレージ面で苦戦。極度のフリースインガー&プルヒッターであり、アプローチを改善しないとMLBの投手には対応できないだろう。守備は平均以下の走力から3B転向が目されており、LFやDHに回るリスクも。
Orelvis Martinez


6.タッカー・トーマン(SS/3B)/Tucker Toman:19歳
(R)
11G 0HR 7BB 12K .290/.760
◯打撃 / △走力 肩 素材型 2B向き?
22年ドラフト2巡目。高校生随一のピュアヒッターと評判で、成熟したアプローチでバレル性の打球を量産する。スイッチヒッターである点もポイントが高い。一方で走守の能力は平均~平均以下程度であり、将来像は攻撃型二塁手か。

7.ケード・ドーティ(2B)/Cade Doughty:22歳
(A)26G 6HR 10BB 29K .272/.865
◯打撃 / △守備
22年ドラフト2巡目。コンタクト力が高く、20ポンドの増量を経てパワーも平均レベルまで向上するなど打撃面を高く評価されている。Aでも26試合で6本塁打を放つなど結果を出した。守備力は平均以下~平均程度であり、二塁のレギュラーもしくはユーティリティー向きと見られている。

8.
ダーヤン・サントス(RHP)/Dahian Santos:20歳
(A/A+)4.50ERA 86.0IP BB/9=4.6 K/9=14.9
◎スライダー / △コマンド チェンジアップ
平均スピンレート2600超のスライダーを武器に空振りを量産。スライダーはどの登板でも60%前後の空振り率を記録し、91-93マイルの速球も平均スピンレート2400前後と強力。コマンドやチェンジアップの精度など、投手として全体的に磨かれれば一気に飛躍できるだろう。

(2A/3A)3.76ERA 88.2IP BB/9=3.8 K/9=10.2
◯速球 / △スタミナ リリーフ向き?
21年ドラフト6巡目ながらすでに3Aに到達。プロ入り後に先発に転向し、2-4イニングでの起用ながら支配的なパフォーマンスを披露した。94-96マイルのライジングファストを高めに集めて空振りを奪う。マルチイニングリリーバーが最も力を発揮できるとの評価も、変化球やスタミナを改善できれば将来先発としての可能性も。
Hayden Juenger


10.
アダム・マッコ(LHP)/Adam Macko:22歳
(A+)3.99ERA 38.1IP BB/9=4.7 K/9=14.1
〇変化球 / △体格 コントロール 健康面
テオスカー・ヘルナイズとのトレードでSEAから加入。スロバキア出身で、Youtubeでジャスティン・バーランダーやデビッド・プライスの動画を観て独学でピッチングを学んでいたが、12歳の時に家族でカナダへ移住。そこでカナダ屈指の強豪ボクスホール高へ進学したことでスカウトの目に留まりドラフト指名を受けた。MAX98マイルの速球にキレの良いスライダー&カーブ。制球&健康面の不安を払拭できるか。

FV40

11.セム・ロバース(RHP)/Sem Robberse:21歳
(A+/2A)3.23ERA 111.1IP BB/9=2.7 K/9=7.8
◯投球術 完成度 / △体格 奪三振
オランダの次世代エースとして注目の右腕。91-94マイルのツーシーム&曲がりの大きいスラーブ系のスライダーのコンビネーションでゾーンの左右を揺さぶる。時折トンネルを外すカーブでカウントを取れるなど完成度が高い。6-1/160と細身で、フィジカルを鍛えて球速を数マイルを伸ばせれば面白い存在だ。
(R/A/A+)96G 14HR 32BB 64K .293/.832
◯打撃 / △走力 両翼専門
ヒッティングプロスペクト。パワーとアベレージを両立しており、22年はAでwRC+135、A+で141と傑出した打撃成績を収めた。一方で両翼専門の守備力から、選手としてのバリューには疑問がある。疑問を払拭できるぐらい、打ちまくるしかない。

13.
ジョシュ・カセビッチ(SS)/Josh Kasevich :22歳
(A)25G 0HR 11BB 9K .262/.681
◯コンタクト 守備 肩 / △パワー 
22年ドラフト2巡目。パワーの評価は平均以下だが、コンタクト&ゾーンコントロールに長けた打撃と堅実なSS守備が強み。22年は大学で24BB/16K、Aでも11BB/9KとBB>kのアプローチを見せた。

(2A/3A)114G 12HR 73BB 95K .275/.843
◯打撃 アプローチ / △パワー 守備走塁
ヒッティングプロスペクト。華麗なスイングでラインドライブを量産し、BB>Kをマークするなどゾーンコントロールも優れている。打撃の実力は申し分ないが、ゲレーロJrがいるチーム状況では出番がなさそうなのが勿体ないところ。LFも練習中だが、いずれにせよもう少し本塁打数が欲しい。

15.
ダサン・ブラウン(OF)/Dasan Brown:21歳
(R/A/A+)84G 6HR 33BB 102K .283/.803
◎走力 / 〇CF守備 / △打撃 素材型
マイナー見渡してもトップクラスのアスリート。20-80スケールで80評価の走力が最大の武器で、CF守備もマイナー随一との評判。22年は課題の打撃が磨かれてOPS.803をマーク。三振率28.3%と依然としてコンタクト面に不安があるが、走守は良いのでMLBで平均程度の打者になれればレギュラーCFになれる可能性あり。

16.
レオナルド・ヒメネス(SS)/Leonardo Jimenez:22歳
(A+)69G 6HR 27BB 58K .230/.725
◯コンタクト / △パワー
22年開幕前の時点ではマイナー通算154試合で1本塁打と非力だったが、22年はフライボール率が向上し、自己最多の6本塁打をマーク。一方で最大の長所であった打率&出塁率を大きく落とした。丁度良いアプローチを見つけられればブレークが見えてくるだろう。
守備では派手さはないが、打球勘やポジショ二ングに冴え、ルーティンプレーを堅実にこなす。

17.オット・ロペス(2B/OF)/Otto Lopez:24歳
(A/3A)96G 3HR 43BB 65K .283/.759
(MLB)8G 0HR 1BB 1K .667/1.367
◯コンタクト 走力 即戦力 / ✖パワー
マイナー5年で打率.305をマークのコンタクトヒッター。ゴロ性の打球割合が50%以上で長打力は期待できず、レギュラーよりもユーティリティー向きだろう。
ウィット・メリーフィールド(TOR)やトミー・エドマン(STL)のような内外野守れるユーティリティーが理想型。

FV40-

(R/A/A+)113G 14HR 73BB 151K .263/.803
◯パワー 肩 / △走力 / ✖コンタクト
昨夏のトレードでミッチ・ホワイトと共にLADから加入。パワーと辛抱強いアプローチを兼ね備えた打撃力が強みだが、マイナー通算三振率29.8%のコンタクト面がネック。22年はLAD傘下ではOPS.832だったが、TOR傘下加入後はOPS.631と数字を落とした。平均以下の走力から守備範囲に欠けるため、SSよりも3B向き。

19.タナー・モリス(IF)/Tanner Morris:25歳
(2A/3A)74G 5HR 55BB 55K .258/.752
◯コンタクト アプローチ / △パワー 走力
19年ドラフト5巡目。コンタクト能力の高さと内野全ポジションをこなす守備力からユーティリティー適性を見せている。22年は55BB/55K(17.6%)と隙の無いアプローチを見せた。レギュラー選手としては長打力が物足りず、打撃の強化が求められる。

20.デービス・シュナイダー(2B/OF)/Davis Schneider:24歳
(A+/2A/3A)113G 16HR 65BB 116K .253/.823
◯パワー / △守備
22年はスラッガーらしいアプローチがハマってブレーク。50%以上のフライボール率を記録するなどフライボール特化のアプローチに転身したことで、キャリアハイとなる16本塁打・22二塁打をマークした。四球率も14.3%と高水準だった。一方で守備位置が不透明で、22年は2BとLFをおよそ半分ずつ守った。

Sleeper Prospects


デボンテ・ブラウン(OF)/Devonte Brown:23歳
(A)27G 2HR 24BB 21K .308/.925
◯パワー / △年齢
22年ドラフト外で契約すると、AではOPS.925と活躍。大学ここ2シーズンで28本塁打を放ったパワーと運動能力を生かしたCF守備が強み。プレーした階級に対して年齢が上だったので、実際の実力は来季試されるだろう。

ジミー・ロビンズ(LHP)/Jimmy Robbins:25歳
(A/A+/2A)2.59ERA 76.1IP BB/9=3.8 K/9=11.6
◯スライダー / △年齢
19年ドラフト20巡目ながら防御率2.59・K/9=11.6とブレーク。速球派90-92マイル程度だが、大きく横滑りするスライダーが武器。投球割合は少ないが、右打者の外角低めへのチェンジアップもアクション良し。来季25歳と年を食っているが、リリーフなら早期昇格が狙える。

ザック・ブリットン(OF/C)/Zach Britton:24歳
(A+/2A)76G 10HR 53BB 87K .238/.826
◯アプローチ / △C守備 肩
20年ドラフト5巡目。ゾーンコントロールに優れたラインドライブヒッターで、マイナー2年で四球率15.7%をマーク。オフに参加したAFLでは打率.404・OPS1.057と猛アピールを見せた。本職は捕手だが、プロ2年で盗塁阻止率8%と守備難で、外野コーナーが適任だろう。




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