2023年1月3日火曜日

2023 KANSAS CITY ROYALS TOP 20 PROSPECTS

2023 KANSAS CITY ROYALS

TOP 20 PROSPECTS

Gavin Cross

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ギャビン・クロース(OF)/Gavin Cross:22歳
(R/A)29G 8HR 24BB 33K .312/1.070
〇打撃 パワー / △両翼向き? コンタクト
22年ドラフト全体9位指名。大学屈指の強打者で、21年には大学USA代表としてチームトップの打率.455・4本塁打をマーク。パワーとゾーン理解を兼ね備える。R/AではOPS1.070をマークした一方で、三振率25%と空振りの多さを懸念されている。走力&肩は平均~平均以上の評価で、現在はCFを守っているが、6-3/210の体格も考慮すると、最終的にはRFが適任か。
Gavin Cross

(A+/2A)108G 21HR 60BB 105K .326/.965
◯パワー 打撃 肩 / △両翼向き
20年ドラフト3巡目。ドラフト時に20-80スケールで60~65評価をつけるスカウトもいたほどのパワーポテンシャルを22年は発揮した。リーグ内での傑出度を表すwRC+はA+で165、2Aでも146を記録した。走力と肩の強さもメジャー平均レベルで、RF適性あり。ミッチ・ハニガー(SF)と比較したい。
Tyler Gentry

FV45

3.
ケイデン・ウォラス(3B)/Cayden Wallace:21歳
(R/A)30G 2HR 15BB 23K .293/.844
◎肩 / ◯パワー 
22年ドラフト2巡目。パワーとコンタクト能力を兼備しており、大学屈指のパワーヒッターと評判だった。守備ではダブルプラスの強肩の持ち主で、走力も平均から平均以上と機敏さも問題なく、3Bにとどまれるとの見立て。

4.
ベン・クドルナ(RHP)/Ben Kudrna:20歳
(A)3.48ERA 72.1IP BB/9=4.0 K/9=7.6
〇速球 / △素材型 スタミナ
21年ドラフト2巡目。スロット額の倍近い契約金300万ドルで入団した。92-95マイルの速球にスライダー、チェンジアップのコンビネーション。6月までは防御率1.96だったが、7月以降はスタミナ不足から防御率4.20と失速。それでもシーズン通してチェンジアップの質改善に成功するなど収穫のある1年だった。滑らかで再現性の高いフォームから将来的なコントロールの評価は悪くない。

5.フランク・モジカト(LHP)/Frank Mozzicato:20歳
(A)4.30ERA 69.0IP BB/9=6.7 K/9=11.6
◎カーブ / △素材型 コントロール
21年ドラフト全体7位指名。89-92マイルのホップ変化の大きい4シーム&21年ドラフト組No.1と評される絶品カーブのコンビネーション。22年はK/9=11.6、グラウンドボール率53.8%とポジティブな面もあったが、BB/9=6.7とコントロールに苦しんだ。それでも8月以降は6先発で防御率2.81・BB/9=5.3と改善の兆しを見せていた。
(3A)83G 13HR 37BB 101K .269 /.805
(MLB)32G 5HR 12BB 40K .240/.803
◎CF守備 / 〇走力 肩 / ✖アプローチ コンタクト
昨夏にドラフト指名権とのトレードでATLから加入。19年に20歳にしてプレミア12のアメリカ代表入りを果たした元トッププロスペクトも、以降不調で評価ダウン。それでも昨季のKC加入後は31試合/OPS.940と復調し、MLBでも限られた試合数でよく打った。CF守備はゴールドグラブ級なだけに、アプローチを磨いてMLBでも打てることを証明できれば現正CFのマイケル・テイラーのようにレギュラーCFとして計算が立つだろう。

7.
マイケル・ガルシア(SS)/Maikel Garcia:23歳
(2A/3A)118G 11HR 58BB 102K .285/.786
◯走力 肩 SS守備 / ✖パワー
アルシデス・エスコバー(元KC)の親戚で、選手としてのタイプも似ている。アクロバティックで華麗なSS守備はプラス評価で、ここ2年で74盗塁を決めた走力もセールスポイント。22年は課題の打撃で大きく成長し、マイナーで自己最多の34二塁打・11本塁打を記録し、MLBデビューも経験した。しかし、依然として線が細く、パワー向上が課題だろう。守備の良さからハイフロアーであり、打撃を向上できればレギュラー獲得の可能性もある。
(2A/3A)128G 17HR 55BB 98K .254/.736
◯走力 守備 コンタクト 野球IQ / △パワー
アプローチの良いコンタクトヒッターで、22年は自己最多の24二塁打・17本塁打をマーク。一方で3A昇格後は四球率、三振率ともに悪化し、OPS.639と苦戦した。守備では本職のSSから離れ、CF/3Bを中心に内外野5ポジションでプレー。29盗塁を決めた俊足と合わせてKC傘下出身のウィット・メリーフィールド(現TOR)のようなスーパーユーティリティとして期待したい。
(A)113G 11HR 83BB 103K .227/.745
〇打撃 アプローチ 肩 / △守備 素材型
21年ドラフト3巡目指名。21年ドラフトの高校生の中ではトップクラスの捕手で、No.1のピュアヒッターとの呼び声が高い一方で、捕手に残れるかどうか守備面を疑問視されている。22年は前半戦こそ苦しんだが、7月1日以降は打率.286・OPS.868・wRC+148と適応を見せた。運動能力&肩は及第点だが、レシービング&ブロッキングは発展途上で磨かれる必要がある。

10.
ベック・ウェイ(RHP)/Beck Way:23歳
(A+)3.75ERA 108.0IP BB/9=3.6 K/9=10.6
◯速球 スライダー / △コマンド
昨夏にアンドリュー・ベニンテンディとのトレードでNYYから加入。常時93-96マイル、MAX99マイルの速球とワイプアウトする切れの良いスライダーのコンビネーション。チェンジアップは不安定ながら落差が大きく平均レベルの評価。コマンド難がネックだったが、21年のBB/9=5.4から改善に成功している。
Beck Way


FV40

(A+)88G 14HR 41BB 97K .268/.815
◎走力 / 〇肩 / △コンタクト
21年ドラフト全体66位指名。ダブルプラスの走力が武器のリードオフタイプで、5フィート9という小柄な体格に反してパンチ力も秘める。四球率10.5%は及第点だが変化球の見極めに課題があり、三振率24.9%と空振りの多さは改善したい。俊足に加えて、SSや3Bにも十分な肩の強さを有しており、複数ポジション守れるスーパーユーティリティになり得る。

12.
アンヘル・セルパ(LHP)/Angel Zerpa:23歳
(2A/3A)4.02ERA 71.2IP BB/9=3.1 K/9=8.7
(MLB)1.64ERA 11.0IP BB/9=2.5 K/9=2.5
◯3球種 コントロール 即戦力 / △体格
サイドハンドからキレの良い94-96マイルの4シーム、変化量の大きいスライダー&チェンジアップのコンビネーション。またマイナー5年でBB/9=2.5とコントロールも安定している。ローテーション4-5番手もしくはリリーフ向きのポテンシャル評。

13.ルカ・トレッシュ(C)/Luca Tresh:23歳
(A+/2A)104G 19HR 54BB 110K .269/.828
◯パワー 肩 / △捕手経験 / ✖走力
21年ドラフト17巡目ながら、22年は傘下3位タイの19本塁打を放つなどパワフルなパフォーマンス。大学の一つ上の先輩にドラ1選手のパトリック・ベイリー(現SF)がいたため、捕手としての出場経験が少ないが、22年は守備面も大きく成長。すでに捕手守備はKCマイナーでNo.1評価を得ている。投手陣とのコミュニケーション能力やリーダーシップが買われている。

14.リザンドロ・ロドリゲス(2B)/Lizandro Rodriguez:20歳
(R/A)43G 6HR 17BB 27K .306/.909
◯打撃 / △2B向き パワー
21年はDSLでOPS1.013、22年も米国デビューでOPS.909と好成績を残した。両打席でのアプローチが磨かれているスイッチヒッターで、スムーズなスイングでライナー性の打球を左右に打ち分ける。守備は2B専門で、本塁打を量産できるタイプでもないので、打ち続けることが求められる。
(A+/2A)3.77ERA 119.1IP BB/9=3.1 K/9=9.1
◯スライダー コントロール / △球速
昨夏にトレードでATLから加入。21年ドラフト12巡目という下位指名の出身だが、A+で15先発して防御率2.36・K/9=10.1とブレーク。ジョニー・クエト(元CIN他)のような変則的なフォームから91マイルの速球&平均以上のスライダー。球威向上と被OPS.870と苦しめられた左打者対策が課題。

(R/A)10.61ERA 28.0IP BB/9=13.5 K/9=11.3
◯球威 / ✖コントロール
20年ドラフト全体4位指名。長身から繰り出される92-97マイルの速球とスライダーのコンボは強烈だが、プロでは制球難に苦しめられている。2AでK/9=11.3・被打率.130とボールの威力は間違いなくエース級だが、ストライクが入らなければどうにもならない。制球難を克服できるか。
Asa Lacy

FV40-

17.
タッカー・ブラッドリー(OF)/Tucker Bradley:25歳
(2A)110G 12HR 55BB 84K .293/.837
◯打撃 肩 / △パワー 両翼向き
20年にドラフト外で入団。プラスツールはないが、スムーズなスイングからラインドライブを量産するヒットツールは要注目。また19盗塁を決めるなど足も使える。
コーナープレーヤーとしてはパワー不足が否めないが、上手く育てば第4の外野手~対右のプラトーン要員程度のポテンシャルはある。

(R)3G 0HR 0BB 4K .273/.545
◯体格 パワー 肩 / △素材型
22年ドラフト20巡目。進学の可能性が高いためスリップしたが、3-4巡目相当の契約金でプロ入りした。6フィート6の長身アスリートで、投手としても注目されていたが、KCマイナーでは野手として育成される予定。パワーは申し分ないが、大振りで遠回りなスイング軌道を修正する必要があるだろう。

(A/A+)5.98ERA 105.1IP BB/9=2.6 K/9=9.9
◯速球 スライダー / △チェンジアップ
6-5/220の大型右腕。平均93マイル超で高スピンの4シームを軸にスピンレート2600rpm超で切れの良いスライダーで仕留める。第3球種のカーブもスピンレート2700rpm超で空振りが取れる。AではK/9=11.5と支配的だったが、A+では防御率9.84・K/9=6.2と苦戦。チェンジアップを全く使わないため、少ない球種で勝負できるリリーフ向きか?

20.ノア・キャメロン(LHP)/Noah Cameron:23歳
(R/A/A+)3.56ERA 65.2IP BB/9=2.2 K/9=13.6
◯チェンジアップ コントロール / △球威 健康面
21年ドラフト7巡目。速球は91-93マイル程度だが、コマンド&チェンジアップの扱いに長け、K/9=13.6をマークするなど多くの空振りを奪った。ローテーション下位のイニングイータータイプだが、肩・肘の故障歴があり、健康面の心配を払拭していく必要がある。

Plus One Prospect

(R)0.00ERA 1.0IP BB/9=0.0 K/9=9.0
◯速球 カーブ / ✖コントロール
22年ドラフト7巡目。MAX98マイルで高スピンの4シームとスピンレート3000rpmに届くカーブのコンビネーション。大学3年間でBB/9=6.2とコントロールが悪く、スカウトからはリリーフ向きと見られている。6-4/220と体格は先発向き。

ブレノン・マクネア(3B/SS)/Brennon McNair:20歳
(R)42G 6HR 17BB 50K .231/.752
◯肩 メークアップ / △素材型
21年ドラフト11巡目指名ながらオーバースロットとなる契約金でプロ入りした高卒選手。ツールとメークアップを兼ね備えており、中でも平均以上の強肩と素晴らしい俊敏性に支えられた内野守備が高評価。打撃では未洗練ながらRで6本塁打を放つなど潜在能力がある。学生としても優秀で、高校では生徒会長を務め、首席で卒業した。

(A+)116G 4HR 55BB 125K .224/.653
◎走力 盗塁技術 / ✖打撃
第2のテレンス・ゴア(毎年代走の切り札としてポストシーズン球団を渡り歩く)になり得る韋駄天候補。22年は60盗塁(0失敗)、プロ通算でも143盗塁(3失敗)と圧倒的な走塁能力を見せている。マイナー通算OPS.680はゴアの.608を上回る。

(2A/3A)122G 16HR 65BB 128K .256.764
◯走力 守備 / △パワー 
走攻守オールラウンドな第4,第5の外野手タイプ。平均以上の走力を生かした外野守備はカバー範囲も広く、CFを中心に外野3ポジションをこなせる。打撃はアプローチの良い中距離バッター。22年は自己最多の16本塁打・23盗塁を記録した。

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