2024年5月13日月曜日

2024 SEATTLE MARINERS TOP 20 PROSPECTS

2024 SEATTLE MARINERS

TOP 20 PROSPECTS

Cole Young

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV50

1.コール・ヤング(SS)/Cole Young:20歳
22年ドラフト全体21位指名の高卒内野手。洗練された打撃能力が魅力で、打者としての完成像はダニエル・マーフィー(元WSH他)と比較されている。23年はAでwRC+128、A+で142と素晴らしい内容。現段階ではライナー中心だが、パワーも20本塁打レベルまで伸びる可能性あり。守備面の評価も堅実で高いが、長い目で見るとSSよりも2Bの方がフィットするとの見立てだ。SSでやっていけるぐらいに守備が成長すればJ.P.クロフォードやブライソン・ストットのような3-4WARプレーヤーに飛躍する可能性も。

2.
ハリー・フォード(C)/Harry Ford:21歳
21年ドラフト全体12位指名。傑出した運動能力の持ち主で、捕手ながら走力はプラス評価。他ポジションへの適性も見せており、ドラフト時は元名選手クレイグ・ビジオと比較する声もあった。打者としてもビジオのように優れたハンドアイコーディネーションと辛抱強いアプローチで広角にライナーを量産できる。23年はA+でwRC+135・四球率18.3%をマーク。捕手としての守備力は全体的に磨かれる必要があり、ドールトン・バーショー(TOR)のように外野手でブレイクするルートもあるだろう。
Harry Ford


23年ドラフト1巡目。ヒットツールが磨かれた攻撃型SS。ドラフト時17歳という若さにもかかわらず、R/AでOPS1.045・MLB平均以上となる上位10%の打球速度105マイルを記録するなど圧巻。守備は堅実だが、元々から平均以下の走力に加え、オフに20ポンド増量するなどすでに肥大化傾向にあり、将来的には3Bに回る可能性もあるだろう。24年の飛躍に期待。

4.ラザロ・モンテス(OF)/Lazaro Montes:19歳
キューバ出身。ヨーダン・アルバレス(HOU)を彷彿とさせる左のパワーヒッター候補。22年にDSLでOPS1.007の一方で三振率33%とコンタクト能力を疑問視されていたが、23年はR/Aで三振率を25.1%と大幅に改善させ、OPS1.001と周りを黙らせた。しかし依然としてコンタクト率は平均以下の水準で、また守備もアルバレス同様にDH専門になる可能性が高く、打ちまくるしかない。

フリオ・ロドリゲスの新人王獲得による指名権により、23年ドラフト全体29位で指名され、オーバースロットとなる契約金320万ドルでプロ入りとなった。「20-20」が狙える5ツールアスリートタイプであり、中でもスピードは70評価。辛抱強いアプローチを身に着けている一方で、スイングは荒く、打者として磨かれる必要があるとの評価。
23年度のMLB公式国際アマチュアリストで2位にランクインしていた大器で、契約金470万ドルでSEA入りを決めた。プラスのパワー&スピードを兼ね備えた大型スイッチヒッターで、守備も平均以上のSSディフェンダーになれる資質を有している。身体的な伸びしろも期待でき、今後の成長に注目だ。


FV45

大学4年間で防御率6.78、23年ドラフト12巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、SEA加入後に覚醒の兆し。プロではR/Aで15回/1失点/15K/2BBと好投。24年は5月11日現在、いきなり2Aに配属されて6先発/防御率1.57と好投している。大学時代に93-94マイル程度だった速球は今季96マイル前後にパワーアップ。鋭いスライダーで空振りを量産し、カーブ&カッターも有効に交える。

22年ドラフト2巡目。コンタクト能力は要改善も、パワーと選球眼を兼ね備えた生粋のスラッガータイプ。23年はA+で61試合/wRC+162、2Aで22試合/wRC+114をマーク。元々3Bだったが昨季より1Bに転向。走守で貢献を稼げるタイプではないため、打ち続けることが求められる。

9.マイケル・アロイヨ(2B)/Michael Arroyo:19歳
コンタクト能力の高さと2B向きの守備力からハウィ・ケンドリック(元WSH他)と比較されている。変化球に対して一拍の間を取って柔軟に対応できたり、ゾーン理解に長けていたりと打撃技術は10代離れしている。23年は18歳ながらAでwRC+118をマークした。まだ若く、これからの成長を見守りたい。

10.タイ・ピート(SS)/Tai Peete:18歳 
23年ドラフト全体30位指名。高校では二刀流で鳴らしていたが、ドラフト年に肘を故障。野手として才能が開花し、そのまま指名された。パワーとスピードを兼ね備えたアスリートタイプで、ヒットツール向上に課題がある。将来的な守備位置も不透明で、最終的には外野に回ると見るスカウトも。


FV40

20年ドラフト全体6位指名。プロ入り後にリリース位置を下げ、92-96マイルのライジングファストボールを高めに、ツーシームやスライダー、チェンジアップを低めに落とす投球スタイルに転身。実力はローテーション4-5番手クラスだが、耐久面が懸念されている。それでも昨季は自身初の100イニング超え(2Aで98回、MLBで12回)を達成した。完成度の高さ、一桁ピック、耐久面が心配というプロフィールはカル・クアントリル(CLE)と重なる。

ブレイクに期待の18歳メキシコ出身右腕。6-4/180の伸びしろ溢れる体格からMAX97マイルの4シームにスライダー、チェンジアップ、シンカーを織り交ぜる。昨季はDSLで防御率1.72・奪三振率30.7%と素晴らしいプロデビューを飾った。

13.
エイデン・スミス(OF)/Aidan Smith:19歳
23年ドラフト4巡目の高卒選手。オーバースロットとなる契約金で合意したハイシーリングな5ツール候補。6-3/190とフィジカルに恵まれており、プラスのパワーポテンシャルを秘める。選球眼&スイングの改善がこれからの課題。守備面は発達しており、ダブルプラスディフェンダーになり得るとの評価。肩も強く、体格の成熟次第ではRF転向の未来もあるだろう。

14.ジョナタン・クラセ(OF)/Jonatan Clase:22歳
5-8/150と小柄ながら20-80スケールで70評価の走力が武器。A+をwRC+203の猛打でわずか21試合で卒業。2AではwRC+94だったが、シーズン通して20本塁打・79盗塁を記録した。四球率13.8%と選べるが、ホームランバッターでもないのに三振率27.7%とコンタクト難な点が不安材料。上位打線に据えるには打撃貢献不足か。下位打線or第4の外野手が適任との評価。

15.ウォルター・フォード(RHP)/Walter Ford:19
22年ドラフト全体74位指名の高卒右腕。野手としても注目されていたアスリートで、抜群の運動能力を生かしたエクステンション大のメカニクスからホップ変化の大きいライジングファストを投げ込む。23年は故障続きで22.2回のプレーにとどまり、アマチュア時代にMAXで96-97マイルを計測していた速球も80マイル後半に落ちてしまった。それでも今春のブルペンセッションでは94マイルを計測するなど復活の兆しがあり、今季の飛躍に期待したい。

16.ベン・ウィリアムズ(3B)/Ben Williamson:23歳
23年ドラフト2巡目。アンダースロットとなる契約金60万ドルで入団した。プラスの3B守備と成熟したアプローチで左右へ打ち分けるミドルヒッティングが強み。大学通算156試合で19本塁打というパワーの平凡さがコーナープレーヤーとしてはネック。
身長5フィート6の小柄な体格と走力を生かしたユーティリティー性からトニー・ケンプ(元OAK他)と比較される。昨季は2A/3Aで23本塁打・55盗塁・OPS.902をマークした。打球速度は平均以下の水準で、MLBでは良くても10-15本塁打程度だろう。守備は2BとSSをほぼ半々で守ったが、フルで起用するなら2Bが適任との評価。

18.
テディ・マグロウ(RHP)/Teddy McGraw:22歳
23年ドラフト3巡目。高校時代にTJ手術、そして昨年3月に自身2度目のTJ手術を受けるなど健康面に不安を抱えるパワーピッチャー。故障前の大学2年時には1巡目候補にも挙がっていた。MAX98マイルのシンカーとプラスのスライダーのコンビネーション。健康面に加えて、大学2シーズンで与四球率13.9%とコマンドも不安定。

19.テイラー・ドラード(RHP)/Taylor Dollard:24歳
プラスピッチは無く球威は平凡だが、4球種をゾーンに集めるストライクスロワー。22年は2Aで144イニングを投げてマイナー7位の防御率2.25とブレークを飾った。しかし23年は肩の故障で3試合にとどまった。万全ならばローテーション5番手~ロングリリーフ向きのポテンシャルと見られている。コリン・マクヒュー(ATL)と比較される。

FV40-

20.ルイス・スイスベル(1B/3B)/Luis Suisbel:21歳 
パワーが武器のスイッチヒッター。昨季R/Aで12本塁打・OPS.951をマーク。A昇格後もwRC+132と上手く適応した。一方で三振率29.9%と三振数の多さが問題であり、また守備も不得意で1B専門になるリスクがある。1Bに見合うだけの打撃貢献を維持していく必要がある。

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