2025年1月12日日曜日

2025 BOSTON RED SOX TOP 15 PROSPECTS

2025 BOSTON RED SOX 

TOP 15 PROSPECTS

2025年 ボストン・レッドソックス プロスペクトランキング
Roman Anthony


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV65

1.ロマン・アンソニー(OF)/Roman Anthony:21歳
22年ドラフト2巡目(エドゥアルド・ロドリゲスの補償ピック)の高卒選手。20歳シーズンにして2A/3Aで打率.291/18本塁打/OPS.894をマークし、球界屈指のトッププロスペクトに成長した。ダブルプラスのパワー&CFにとどまりうる守備力(体の大きさや走力的には両翼がフィットか)を兼ね備える。3Aでは35試合という小サンプルながら上位10%打球速度108.4マイルをマークし、コンタクト率やチェイス率も平均以上だった。また、2Aの試合では打球速度116マイルのホームランを放ったが、昨季のMLBで打球速度116マイル以上の本塁打を放ったのは大谷、スタントン、ジャッジ、アルバレス、ゲレーロJr.、ヘズス・サンチェスの6人だけである。ゴロ48%と平均よりもゴロ打球が多く、パワーポテンシャルをより発揮できるように、ライナー/フライ率を高めていきたい。


FV60

2.マルセロ・メイヤー(SS)/Marcelo Mayer:22歳
21年ドラフト全体4位指名。コリー・シーガーの打撃力&ブランドン・クロフォードの守備力と評され、走力以外の4ツールがプラス評価。24年は2AでwRC+142と実力を発揮。115.2マイルの二塁打(昨季のMLBでMAX115.2マイルを超えたのは26人だけで球界上位4%相当)を放つなどパワーが伸びてきている一方で、ラインドライブ重視でゴロ率が高いこと、早打ちでフリースインガー傾向があることが懸念事項。パワーを実戦でより発揮できるようにアプローチを磨いていきたい。守備では爆発的なスピードがないものの、センスや打球反応の良さでカバーし、比較されるクロフォードやシーガーのようにSSに定着できるとの評価を得ている。



FV55

24年に最もブレイクを果たしたプロスペクト。23年ドラフト4巡目ながら、A+/2A/3Aで打率.330/20本塁打/OPS.997をマーク。大学時代はコンタクトヒッターだったが、プロ入り後にプルヒッティングを習得し、パワーが開眼した。statcastデータが得られる3Aでは、19試合という小サンプルながら上位10%打球速度105.3マイル/ゾーン内コンタクト率89.9%という平均以上の数字を残した。また、慎重アプローチで四球率14.3%と四球も選べる。打撃面に疑問が無い一方で、守備面の評価は割れている。2B/SS/CF/3Bで出場したが、平均以上のスピードを生かしきれておらず、最終的にはLFに落ち着くのではないかという見方も存在する。Baseball Prospectsの出す守備指標DRPは-3.2だった。
Kristian Campbell


FV50

23年に52.5万ドルで契約した原石。SSに留まれる高い守備力とプロ入り後に急成長した打撃力が魅力。24年はRでの51試合で打率.355/6本塁打/wRC+181とブレイクし、リーグMVPを獲得。A昇格後もwRC+111と結果を出した。コンタクトを犠牲にせず(三振率17.5%)にプルヒッティングを習得し、長打力を伸ばした(RでISO.229)。小柄で現時点でのパワーは平均以下だが、将来的に15~20本塁打を打てると評価するスカウトも存在する。


FV45

5.ヨエリン・セスペデス(SS)/Yoeilin Cespedes:19歳
23年に140万ドルという大型契約で入団した原石。身長5フィート8とアンダーサイズながら筋肉質な体格をしており、パワーとバットコントロールを兼ね備えた打撃力が武器。23年にDSLでwRC+145と素晴らしいデビューを飾ると、24年は故障で25試合の出場にとどまったものの、RでwRC+163と打ちまくった。469フィート(142.9m)のHRを放つなどパンチ力が飛び抜けている。また、高い引っ張り率とフライ率を両立している点も魅力。一方の守備面では、SSに定着できるか疑問視されており、将来的には2Bや3Bに移るとの見立て。同期入団の4位アリアスに打撃ポテンシャルでは勝り、守備力では劣るか。

先発で常時90マイル中盤、MAX100マイルを出せる出力の高さと安定してゾーンに集められるコントロールを兼ね備える。スウィーパー&縦スライダーも平均以上の可能性あり。24年はA+/2Aで奪三振率33.2%/与四球率7.3%と安定したK/BBを残した一方でHR/9=2.20と一発病がひどく、防御率は5.34に終わった。ゴロ率30.6%とフライボーラーで、球質やコマンド能力の未熟さが出たと考えられるが、とはいえ、HR/FB(フライに占めるホームランの割合で平均は10%程度)が20.6%と異様に高かったため、不運も要因として考えられる。HR/FBを10.5%で計算するxFIPは3.10と優秀だっため、来季のブレイクに期待。また、18先発で4イニングより投げたのは1度だけであり、先発としての耐久性も証明していく必要がある。

7.
ルイス・パラレス(RHP)/Luis Perales:22歳
オーバースローからMAX100マイルでホップ変化量大のライジングファストを投げ込み、空振りを量産する豪腕。カット系の高速スライダーと80マイル台半ばのスプリットも鋭く曲がり、A+では奪三振率39.7%と高い支配力を見せつけた。しかし9先発目の登板で右ひじを負傷。TJ手術を受けたため、来季は全休の見込みだ。アンダーサイズで耐久性を心配されていた中でのTJ手術となったので、今後リリーフに転向するリスクあり。故障がなければFV50で4or5位に入れていた逸材であり、26年シーズンでの再起に期待したい。

8.ミゲル・ブレイス(OF)/Miguel Bleis21歳
21年に契約金150万ドルで入団した原石。パワーと走力を両立した5ツール候補で、上手く育てばスケールの大きい選手になり得る。ロナルド・アクーニャや昨季新人王投票3位に入ったジャクソン・チョーリオのような選手への成長が期待されていたが、度重なる怪我(23年は肩の故障で31試合、24年も小さな怪我で欠場が多かった)により育成が遅れている。24年はAでwRC+123と結果を出したが、A+昇格後は70と対応に苦しんだ。ヒットツールに不安。


FV40

9.
ハンター・ドビンズ(RHP)/Hunter Dobbins:25歳
21年ドラフト8巡目とプロ入り時の評価は高くなかったが、マイナーで毎年安定した投球を見せ、ついに3Aまで登りつめた。24年は2A/3Aで25先発して防御率3.08/奪三振率22.9%/与四球率9.2%をマーク。打者を圧倒する球威やピンポイントのコマンドは持たないが、平均95マイルの4シーム、カッター、スウィーパー、スプリンカー(スプリットとシンカーの中間球)、カーブをバランスよく織り交ぜて打者の的を絞らせない。

昨季ブレイクを飾ったパワーヒッター候補。A/A+/2Aで計107試合に出場して打率.286/23本塁打/OPS.892をマーク。ゴロ率33.8%と安定してフライボールを打つことができる。現在はCFを中心に守っているが、平均的な走力&平均以上の肩力&ガッシリ体型から将来的にはRFが適任か。

11.マイキー・ロメロ(SS/2B)/Mikey Romero:21歳
22年ドラフト全体24位指名の高卒選手。滑らかで無駄のないスイングからラインドライブを量産するヒットツールが高評価。守備動作などは悪くないが、SSとしては守備範囲の狭さを指摘されており、MLBでは2B向きとの見立て。24年はA+で59試合に出場して打率.271/10本塁打/wRC+127をマークし、20歳シーズンにして2Aに到達してみせた。フリースインガー傾向が強く、特に2A昇格後は16試合で6本塁打を放った一方で、四球率2.7%/三振率33.8%とアプローチの脆さを露呈した。

アレックス・バーデューゴのトレードで獲得した右腕。大学ではリリーフ中心の起用だったが、プロでは先発として成功している。24年は3Aで23先発して防御率4.17をマーク。MLBでも4先発して防御率1.74(奪三振率が10%と少なすぎたの上振れとの見立て)と好投した。平均94マイルのカット系4シーム、縦スライダー、スウィーパー、スプリットのコンビネーション。マイナー3年で与四球率6.4%とコントロールは安定しているが、投球の8割以上が速球&スライダー系なため、リリーフ向きとの見方が強い。

13.ペイトン・トーリー(LHP)/Payton Tolle:22歳
24年ドラフト2巡目。速球のレンジは90-92マイルほどだが、平均7.4フィートというMLBトップクラスのエクステンション幅と低いリリースポイントを生かし、高めで多くの空振りを量産できる。速球が全投球の75%を占めているが、現代MLBでこれほど多く速球を投げている先発投手はいないため、変化球やコマンドを磨いていくことが求められるだろう。

14.
コネリー・アーリー(LHP)/Connelly Early:23歳
23年ドラフト5巡目の左腕。スラリとしたアスリート体型で、クロスファイアー気味のフォームから4シーム、スライダー、カーブ、カッター、チェンジのコンビネーション。現時点でのプラスピッチはチェンジアップのみ。24年はA+/2Aでの23先発で防御率3.99/奪三振率30.8%/与四球率8.7%をマークした。

15.フアン・バレラ(RHP)/Juan Valera:19歳
24年にR/Aで計18登板して防御率1.99と輝きを放った右腕。高回転の速球とスライダーを軸とした投球で、速球はMAX98マイルを誇る。チェンジアップの質向上と与四球率11.5%と不安定なコントロールをが磨いていくことが今後の課題。

Notable Prospects

速球は平均90マイルとパワーレスだが、グニャグニャ曲がる変化球と発達したコマンド能力が強みの技巧派右腕。シンカー、スウィーパー、チェンジアップが主要3球種で、どれも大きく曲がり、バットの芯を外すのに効果的だ。24年は20歳ながらA/A+で96.2回を投げて防御率3.17/奪三振率29.0%/与四球率3.1%と好投した。もう数マイル球速を伸ばせればローテーションポテンシャル。

24年度の国際アマチュアFAの投手の中では、4番目に高い契約金45万ドルでプロ入りした原石。シンカー、スライダー、チェンジアップとすでに質の高い3球種を操ることができる。現時点ではMAX93~94マイル程度でパワーレスだが、6-5/200という恵まれた体格から、将来的には90マイル中盤程度を投げられるだろうと予想されている。DSLでは5先発で計17イニングを投げて無失点&19K/2BBと完璧なプロデビューを飾った。

コンラッド・ケイソン(RHP/SS)/Conrad Cason:18歳
24年ドラフト8巡目の高卒選手。オーバースロットとなる契約金125万ドルで入団した。投打に才能を秘める二刀流プロスペクトで、現時点では投手としての評価が先行しているが、SSに定着し得る運動能力を有している。投手としてはMAX98マイル。STL新人のメイソン・ウィン(ウィンもドラフト時は投手としての方が評価されていた)のような成長を期待。

平均以上のパワーと捕手として平均レベルの守備力を兼ね備え、開花すればレギュラー捕手ポテンシャル。24年はAでの14試合でOPS1.063と打ちまくっていたが、走塁中に前十字靭帯を断裂し、シーズン終了の手術を受けた。
フルエフォートなフォームから平均94マイルの4シームと切れの良いカーブ&スライダー。24年はA+での15登板で66イニングを投げて防御率2.73/奪三振率30.8%とパワフルな内容も、先発としては速球の軌道やチェンジアップの質に問題あり。ローテーション級の球威の持ち主だが、リリーフの方がインパクトを残せるか。

ネザン・ザネテロ(SS)/Nazzan Zanetello:20歳
23年ドラフト2巡目の高卒選手。スロット額の2倍近くとなる300万ドルでプロ入りした大器。傑出したアスリートで、5ツールポテンシャルを秘める。唯一にして最大の欠点は未熟なヒットツールで、Aで78試合に出場して打率.156/三振率43.8%と歯が立たなかった。

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