2025 HOUSTON ASTROS
TOP 15 PROSPECTS
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Cam Smith |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。
FV50
24年ドラフト全体14位指名。カイル・タッカーの見返りの1人としてCHCから加入した。パワーと身体能力を兼ね備えた右の大砲。コンタクト難を克服してドラフトイヤーにOPS1.142とブレイク。プロでも32試合でOPS1.004と打ちまくった。大柄ながら運動能力が高く、肩の強さもプラス水準だが、フットワークの鈍さから3B守備は平均以下の評価。外野の方が活躍できるとの見方もある。
Cam Smith
22年ドラフト2巡目。パワーとスピードを兼ね備えたダイナミックなCF候補。一方で動きの多い打撃フォームと荒っぽいアプローチから上位レベルへの対応力に疑問を持たれている。24年は2AでwRC+108、3Aで78と今一つ浮上できなかったが、上位10%打球速度106マイルはプラス水準で、ゾーン内コンタクト率82.8%も平均的で悪くない。またホームとアウェイでの成績差も大きかった(ホームOPS.629/アウェイOPS.834)。守備はCFを中心に外野3ポジションどこでもフィットするとの見立てだ。
FV45
3.ブライス・マシューズ(SS)/Brice Matthews:24歳
23年ドラフト1巡目指名。大学のシーズンではカンファレンス史上2人目となる「20-20」を達成するなどパワー&スピードが魅力なダイナミックなアスリート。コンタクト能力が弱点。24年はR/A+/2Aでの67試合で出塁率.405/15本塁打/wRC+163とブレイク。3Aまで昇格した。コンタクト率67%/三振率30%と空振りの多さは相変わらずだが、慎重アプローチで四球を稼げ、またコンタクトの質は良い(バレル性のハードヒットが多く、wOBAcon等が優秀)ため、低打率であってもMLBで活躍できる要素あり。SS/3Bの守備では、守備範囲は十分だが送球に難があるとされており、2BやCFにコンバートされる可能性もあるだろう。
Brice Matthews. LACED.
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) February 22, 2025
The @astros' 2023 first-rounder sends a 110.7 mph RBI double off the center-field wall. pic.twitter.com/Dmd3BD8APR
Brice Matthews
強肩強打の司令塔候補。大学では打っては17本塁打/OPS1.185、守っては大学No.1捕手に送られるバスター・ポージー賞を受賞。24年ドラフト全体28位指名でHOUに入団した。15HR程度のパワーを備える一方で、積極アプローチで見極めが甘く、プロではOPS.502/三振率29%と苦戦した。守備力は申し分ないだけに、あとは打てるかどうかが未来を左右するだろう。
MAX98マイルのライジングファストが強烈で、大きく伸び上がる軌道で打者の空振りを量産する。平均以下のリリース高5フィート6という低リリースからホップ変化量20インチ超えの4シームを投げ込む。奪三振率の高さは強みだが、マイナーで4年でBB/9=6.1と制球難が課題。制球を改善できればHOU傘下出身のクリスチャン・ハビアーのようになれる可能性はあるが、現時点ではリリーフ転向が現実的だろう。
23年にマイナートップタイの35本塁打を放った長打力とSS中心に内外野6ポジションをこなす守備力からスーパーユーティリティーになり得る。24年は三振率を前年の30.2%から19.8%に改善させるなどコンタクト&スイング判断が大きく改善され、3AでwRC+123をマークした。4年連続20盗塁以上と走塁でも貢献できる。
24年ドラフト3巡目。ドラフトイヤーに5先発で防御率2.13、K/9=13.3と好投し、1巡目候補だったが、TJ手術によりスリップ。25年シーズンの大半を欠場する見込み。MAX97マイルで平均ホップ変化量19-20インチに届くライジングファストボールを有し、スライダー&チェンジアップも平均以上のクオリティ。コントロールも良い。スペックはローテーション中軸クラス。
23年11月に契約金わずか1万ドルで契約すると、24年シーズンに急成長。DSL/R/Aで計53.2回を投げて防御率1.51/奪三振率38.9%と衝撃的なプロデビューを飾った。契約後に5マイル球速を伸ばし、速球はMAX99マイルに到達。変化球やコントロールは改善が必要であり、まだ5フィート10というアンダーサイズな体格も不安視されている。
23年ドラフト6巡目。24年はフルシーズン1年目にして、A/A+/2Aで96回を投げて防御率3.47/奪三振率30.9%/与四球率9.2%/FIP3.50をマーク。速球は平均92-93マイル程度だが、低リリースからのフラットアプローチで空振りを量産する。スライダー&チェンジアップも横に大きく曲がり、空振りが取れる。A+、2Aでは被弾が増えており、上位打者にどう対応するか。
25年のブレイクに期待の苦労人。高校の野球チームのメンバーに入れず。大学からの誘いもなかったため、短大の野球部にトライアウトを受けて入部。そこからカンファレンスの最優秀投手に成長し、19年ドラフト11巡目でプロ入り。20年をコロナ休止、21年をTJ手術で棒に振るも、24年は3Aで148回を投げて防御率3.70/FIP4.37と好投。MAX98マイルの4シームにプロ入り後に覚えたスウィーパー&カッター、平均以上のチェンジアップ、平均以下のカーブをコントロールよく織り交ぜる。
Ryan Gusto was lights out in his first outing of the spring, striking out 3 batters in 2.0 hitless innings. pic.twitter.com/BneL8RV0xj
— Astros Player Development (@AstrosPlayerDev) February 23, 2025
Ryan Gusto
24年ドラフト7巡目ながらプロ入り後に評価を上げ、オフには他球団からトレード依頼が殺到した。小柄ながらCF相応の運動能力と高い打撃スキルを有し、Aでの20試合で上位10%打球速度105マイルを計測するなどパンチ力も秘める。低弾道を改善すれば長打スタッツも増えるだろう。
22年に契約金130万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。30ホーマー級のパワーを秘めたコーナーOFで、ホルヘ・ソレアーやマーセル・オズーナが理想の完成型だろう。24年はA+で20本塁打/wRC+117をマークし、20歳シーズンにして2Aに到達。フリースインガーなアプローチとコンタクト能力の改善が課題。
大学ではリリーフ中心、22年ドラフト7巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、マイナーでは先発として育成され、順調に成長している。平均92.5マイルとパワーレスで、絶対的な変化球も持たないが、5球種をバランスよく投げ分けるバックエンドSPタイプ。24年は超打高の3Aで124回を投げて防御率3.71/FIP4.47と健闘した。
23年ドラフト14巡目。下位指名の出身ながら、24年はA/A+で計120回を投げて防御率3.89/奪三振率30.1%/与四球率9.6%/FIP3.46と好投。93-95マイルで伸びのある4シームと質の高いチェンジアップのコンビネーション。ブレーキングボール系の開発が今後の課題か。
Notable Prospects
コルトン・ゴードン(LHP)/Colton Gordon:26歳
21年ドラフト8巡目。24年は3Aで24先発して防御率3.94/FIP4.31をマーク。速球平均は90マイルながら、低リリースを生かしたライジング軌道で空振りを奪え、変化球3種でタイミングも外せる。優秀なコントロールと2年連続120イニング以上の耐久力からローテーション5番手のイニングイーター候補。
ホゼ・フルーリー(RHP)/Jose Fleury:23歳
ザック・コール(OF)/Zach Cole:24歳
ダイナミックなアスリートで、シーリングはHOU傘下No.1とも。走力・肩・守備はいずれも20-80スケールで60-70評価を受ける。パワーもプラスポテンシャルだが、24年は2Aでの70試合で三振率38%とコンタクト能力が壊滅的。最低限打てればホセ・シリやジェーク・マリスニックのような下位打線CF~控え外野手になれるだろう。
パワーとスピードを両立し、「20-20」が狙えるCF。24年はA/A+で計107試合に出場して7本塁打/wRC+116/20盗塁をマーク。ゴロ率37.5%とバレル感覚は良く、荒っぽいアプローチを改善できれば長打も増えるはず。
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