2026 NEW YORK METS
TOP 15 PROSPECTS
2026年 ニューヨーク・メッツ プロスペクトランキング
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は26年6月30日見込みのもの。
FV60
1.ノーラン・マクリーン(RHP)/Nolan McLean:24歳大学時代のニックネームは「カウボーイ・オオタニ」。24年6月まで二刀流として育成されていた。25年は投手に専念すると、才能を伸ばし、球界No.1クラスのピッチングプロスペクトに成長。MLBデビューを果たし、8先発で防御率2.08/奪三振率30.3%/与四球率8.5%と好投した。球界トップクラスの球質と変化量を誇るスイーパー&シンカーを軸に、カーブ、4シーム、カッター、チェンジアップも平均以上の球質。持ち前のアスリート性で課題の制球難を克服してみせた。
Nolan McLean continues to impress in the bigs.
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) September 26, 2025
MLB's No. 36 prospect racks up a MLB career-best 11 K's -- the highest total by a @Mets pitcher this year -- over 5 1/3 innings. pic.twitter.com/USo4qyfbx2
FV55
24年ドラフト1巡目。コンタクト能力に恵まれた左の中距離打者で、MLB公式はニック・マーケイケス(元BAL)と比較。フルシーズン1年目となった25年は、A+/2Aで打率.308/12本塁打/wRC+174とブレイク。3Aまで到達した。四球率14.2%/三振率17.5%と磨かれたアプローチで広角に長短打を量産する。MLBでCFが務まるだけの守備力を有し、もしコーナーに回れば平均以下との評価。
A towering home run for Carson Benge 💣 pic.twitter.com/yBKHpsamov
— SNY Mets (@SNY_Mets) September 21, 2025
22年ドラフト全体14位指名の高卒野手。身長5フィート6と小柄ながら並外れた出塁能力の高さとプラスの走力が魅力のリードオフポテンシャルで、SS/2B/CFをプレーできるユーティリティー性も強み。25年は2Aでの96試合でwRC+156をマークし、3A昇格。3Aでは34試合で7本塁打を放った一方で、コンタクト面で苦戦した。
Jett Williams
2025年に最も「バズった」投手の1人。ティム・リンスカム(元SF他)と比較する声多数。小柄ながらオーバースローから驚異的なホップ量を誇る4シームで空振りを量産する。25年は速球が平均92マイルから94マイルに上昇。課題とされていた変化球もチェンジアップの開発に成功。速球とチェンジアップでゾーンの上下を揺さぶる投球を確立してブレイクを飾った。マイナーでは防御率1.43/奪三振率40.5%と無双したが、MLBでは5先発で防御率7.71と苦戦。第3球種&コントロールの改善が次の課題。
22年ドラフト4巡目の高卒選手。パワーとアベレージを両立したスラッガーになり得る。25年はA+/2Aで122試合に出場して打率.282/17本塁打/wRC+157とブレイク。傘下有数の打球速度を記録し、コンタクト率も悪くない。。守備面では三塁手にふさわしい強肩を有し、Baseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+4.1の高数値を記録した。
23年ドラフト2巡目。最速101マイルの豪速球を軸にアグレッシブにゾーンを攻めるスロワータイプ。変化球はスライダー&チェンジアップがプラスピッチ候補で、カッターとカーブもレパートリーに扱う。しかし速球の質に課題(スピン量、ホップ変化量いずれも平均以下)があり、球威の割に奪三振率は控えめで、最終的にはシンカー中心のゴロピッチャーにシフトしそうだ。25年は3Aで25先発してFIP4.18/53.2GB%と安定した投球を披露し、MLBでも4先発した。
FV45
25年MLB公式国際アマチュアFAランキングで第3位につけていた逸材で、25年1月に契約金500万ドルで入団した。フアン・ソト似のパワフルなスイングで、DSLでは55試合で9本塁打/OPS.949をマーク。走力や肩力ツールは突出していないが、SSとしてプレー可能なレベルとの評価。
Shortstop Elian Peña showed why he received the largest bonus for any Latin American prospect this year.
— Baseball America (@BaseballAmerica) September 18, 2025
In the DSL he hit 292/.421/.528 in 228 plate appearances with 36 walks and nine home run.
His success makes the Mets a team with a strong international class. pic.twitter.com/UDtAVrg7Ly
25年ドラフト全体38位指名。大学2年までは投手兼1B/RFの二刀流として活躍も、肘の故障により、3年シーズンから二塁手に完全転向。25年はコンタクト&スイング判断が大きく向上し、打者としてより洗練された。二塁守備も短期間で急成長。攻守に未知数な部分は多いが、野手に本格専念したばかりであり、運動能力の高さや昨季1年間での急成長を考えると、これからの伸びしろが楽しみである。
コンタクト&スピードに優れるリードオフタイプで、CF守備も平均以上。25年はA/A+/2Aで計124試合に出場して打率.315/3本塁打/wRC+147/70盗塁を記録した。本塁打を打つタイプではないが、転がして安打を稼ぐタイプでもない。GB%を40.3%に抑え、しっかりとライナー性の打球を量産している。2Aでは28試合ながらwRC+133と良く打った。なお、20歳のシーズンに2AでwRC+100を超えた選手は大方MLBに定着しており、130前後の選手は多くがMLBで活躍している。
低打率ながら長打力と四球奪取能力に優れた左のスラッガー候補。25年は2AでwRC+148、3Aで102、計29本塁打/四球率14.7%を記録するなど順調に成長中。90th EV107.4マイルはすでに球界屈指で、打球角度も理想的。また、3Aでゾーンコンタクト率88%を記録するなど課題とされていたコンタクト能力に進歩が見られた。
23年ドラフト6巡目。プロ入り後に急成長を遂げ、25年は2Aで135.2回を投げて防御率2.92/奪三振率26.4%/与四球率7.6%と好投。大きく外にフェードするダブルプラスのスプリットが絶品。25年は速球の平均球速が2マイル上昇して94マイルに。スライダー&カーブの開発にも成功し、スプリット頼りの投球を脱却した。
24年ドラフト2巡目。90マイル中盤のライジングファストとブレーキの利いたゾーン外へワイプアウトするスライダーの2球種で空振りを量産する左腕。大学では故障がち&制球難で今一つブレイクできずにいたが、プロ1年目の25年はA+/2Aで117.2回を投げて防御率3.06/奪三振率28.7%/与四球率8.5%と耐久面も制球面も好調だった。
FV40
24年ドラフト7巡目。プロ入り後に変化球の高速化&変化量UPに成功し、大学時代よりも奪三振率が向上。リリース高5フィート3という低いリリースポイントから平均95マイルのライジングファストに変化量大のスライダー&チェンジアップでトンネルを外す。A/A+/2Aで121.1回を投げて防御率2.60/奪三振率28.5%/与四球率11.6%をマーク。大学時代から一貫して悪い与四球率を改善できるか。
24年ドラフト4巡目。身長6フィート5の長身選手で、パワーポテンシャルあり。25年はA+で打率.222/7本塁打/wRC+113とまずまずの成績だったが、打球速度・空振り率・チェイス率はいずれも平均より優秀だったため、来季の本格ブレイクに期待したいところ。
攻撃型捕手。プルサイドへのパワーが魅力で、25年はA+/2Aで打率.233/16本塁打/wRC+140をマーク。一方で三振率29.3%と空振りの多さが弱点。オフのAFLでは15試合の出場ながら90th EV109.1マイルという球界トップクラスの打球速度を計測した。守備では捕手以外にも1B/LFで出場中。捕手に残るには73試合で11失策/11捕逸の捕球能力を改善する必要があるだろう。
Notable Prospects
ピーター・クーサウ(RHP)/Peter Kussow:19歳
25年ドラフト4巡目の高卒右腕。オーバースロットの契約金で進学を諦め入団した。寒冷地出身で実戦経験は浅いが、6フィート5の長身からMAX97マイル。長身のおかげで大きなエクステンション幅と低いリリースポイントを両立。数年後の開花に期待したい。
ランディ・グズマン(1B)/Randy Guzman:21歳
ロナルド・グズマン(元TEX)の弟。DSLで2年間パッとしないシーズンを送った後、25年はR/Aで75試合に出場して打率.302/10本塁打/wRC+147と覚醒。驚異的なバットスピードの持ち主で、Aでは90th EV108.8マイルを計測した。超フリースインガーでボール球スイング率41%とスイング判断に難あり。トレイ・スナイダー(SS)/Trey Snyder:20歳
24年ドラフト5巡目の高卒選手。24年ドラフト組で最も運動能力の高い選手の1人とされ、2巡目相当となる契約金132万ドルで契約した。SS/3Bに定着しうる平均以上の守備力とコンタクト重視の打撃のパッケージ。パワーレスがネックで、25年はAでwRC+85と力負け。ザック・ソーントン(LHP)/Zach Thornton:24歳
23年ドラフト5巡目指名。速球は平均90マイルだが、球種のコンビネーションと卓越したコマンド能力で好成績を維持している。25年はA+/2Aで72.2回を投げて防御率1.98/奪三振率28.5%/与四球率4.0%をマークした。ローテーション5番手ポテンシャル。
ライアン・ランバート(RHP)/Ryan Lambert:23歳
リリーフプロスペクト。平均96.8マイル/縦変化量20インチの強烈な4シームを武器に奪三振を量産。第2球種としてスライダーを交える。25年はA+/2Aで46試合に登板して防御率1.62/奪三振率39.5%/与四球率13.2%をマークした。

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