2026 PHILADELPHIA PHILLIES
TOP 15 PROSPECTS
2026年 フィラデルフィア・フィリーズ プロスペクトランキング
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| Aidan Miller |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は26年6月30日見込みのもの。
FV55
23年ドラフト全体27位指名の高卒選手。U-12、15、18でUSA代表を務めた実力者であり、強肩強打が魅力の大型内野手。打撃は引っ張りフライを量産する長打力と辛抱強いアプローチに支えられた出塁能力を両立し、2Aでの108試合でwRC+134/四球率14.9%/13本塁打をマーク。ドラフト時に将来は3B転向と評されていた守備面でも成長著しく、大方のスカウトがMLBでもSSに残れるとの見方に変わっている。走塁面では、スピードは平均的だが走塁センスに長けており、59盗塁を決めた。
Aidan Miller
22年に「ベースボールアメリカ」のマイナー最優秀投手に輝いた大器。しかしTJ手術などで23&24年シーズンを全休。25年は復帰したが、A/3Aで26先発して防御率5.26/奪三振率23.7%/与四球率9.0%と平凡なパフォーマンスに終わった。速球は平均96.6マイルと術前と同じ水準を維持したが、IVB(縦変化量)が17.9から16.3インチに退化。4シームの空振り率17%は平均以下の水準だった。一方で変化球はリハビリを経て磨きがかかった。スライダー、カッター、カーブ、チェンジアップいずれもstuff数値は平均以上。TJ復帰2年目となる来季に速球の質と全体的なコマンド能力を取り戻せるか。
Andrew Painter
FV50
球宴4度の名選手カール・クロフォードの息子であり、父と同じくスピード&コンタクトに優れるリードオフタイプ。マイナーではここ3シーズン続けて打率3割以上をクリアしており、25年は3Aで打率.334/7本塁打/wRC+135と良く打った。最速打球速度&ハードヒット率は平均以上と潜在的なパワーはあるが、59.4GB%&平均LA2.6度というゴロの多さから長打力を発揮できていない。また、CF守備はルート取りが悪く、Baseball Prospectusの守備指標は3年連続マイナス数値。LF転向のリスクがある。LFとしては長打力が、CFとしては守備力が不足している。
FV45
4.ゲイジ・ウッド(RHP)/Gage Wood:22歳
25年ドラフト1巡目のカレッジ右腕。球威を疑う余地はないが、大学2年までリリーフ起用&先発転向した3年シーズンに肩の負傷で欠場しており、先発としての耐久力を疑問視されている。平均96マイルでフラット軌道の4シームと変化量大のパワーカーブのコンボ。プロ入り後はスライダーやチェンジアップの開発に着手した。
守備走塁の能力は平凡だが、打撃の完成度が高い攻撃型二塁手。好球必打の積極アプローチとスムーズなスイングでハードコンタクトを量産。25年はA/A+で115試合に出場して打率.274/15本塁打/wRC+124をマーク。20歳シーズンで2Aまで昇格を果たした。statcast搭載のAでは90th EV104.7マイル/ゾーンコンタクト率87.4%といずれも平均以上の数値を記録した。
5-for-5 with a homer, 3 runs, and 2 RBI?
— Phillies Player Development (@PhilsPlayerDev) May 19, 2025
Have yourself a day, Aroon Escobar 🙌 pic.twitter.com/7EMj53a6ZM
24年ドラフト全体27位指名。若き日のアレク・トーマスと比べられるオールラウンド候補。20-80スケールで70評価のスピード、シンプルなスイングでラインドライブを量産する巧打、CFにとどまれる守備力を兼備する1番CFポテンシャル。25年はAでwRC+110。小柄&すでに仕上がった体格からパワーの伸びしろには疑問の声も。
FV40
22年ドラフト3巡目。6-3/225の恵まれた体格にパワーポテンシャルを備える。25年は3AでMLBトップクラスとなる90th EV108.6マイル/MAX EV116.4マイルを計測するなどパワーポテンシャルは申し分ないが、ゴロ打球の多さとコンタクト率の低さからポテンシャルを発揮しきれていない。走力は平均を大きく下回り、守備は外野両翼に限られる。
25年ドラフト2巡目。平均92マイルながら最速で97-98マイルに達するシンカーと18インチ以上横滑りするスイーパーのコンビネーションで空振りを誘う。低アングルから投じられるため、フラット軌道で打者の目線を惑わす。大学2年→3年シーズンで与四球率を15.2%から9.0%まで改善させて評価を上げた。リリーフ向きのプロフィールだが、先発として名を上げられるか。ちなみに父はMLBで5年間プレーの元メジャーリーガー。
9.マシュー・フィッシャー(RHP)/Matthew Fisher:20歳
25年ドラフト7巡目の高卒右腕。ドラフト7巡目史上最高額となる契約金125万ドルで入団した。アメフトのクオーターバックとして州の最高選手にも選ばれた二刀流で、運動能力の高さとボールの回転数の多さからアップサイドに期待。フラット軌道の4シームと大きく曲がるスライダーで空振りを稼ぐ。
‘25 RHP Matthew Fisher (@matthewfisher06) checks in at #3@MemorialTigerBB standout⭐️
— Prep Baseball Indiana (@PrepBaseballIN) November 29, 2024
No. 1 player in our updated rankings, @IndianaBase recruit#MLBDraft https://t.co/pQdEsz0ziL pic.twitter.com/tuiyVt8HVt
コントロールの改善が上手く行けば、先発に留まれるだけの資質を備えている。身長6フィート1とアンダーサイズだが、低リリースから繰り出されるライジングファストボールを武器に空振りを量産する。スライダー&チェンジアップも空振りが取れるアウトピッチだ。24年はA+/2Aで防御率3.59/奪三振率37.1%と好投も、25年は6月にTJ手術。26年も大半を欠場する見込み。理想の完成像はクリスチャン・ハビアー(HOU)。
25年1月に19歳の年齢で契約と遅咲きながら掘り出し物の可能性あり。R/Aでは計55回を投げてFIP3.36と優秀な投球内容だった。平均93マイルのシンカーと球速差&変化量に恵まれたチェンジアップでゴロを打たせる投球が持ち味。80マイル後半のカッターで横の揺さぶりも可能。26年はフルシーズンでの飛躍に期待。
24年ドラフト2巡目の高校生。パワー&スピードに恵まれたフィジカルモンスターで、オーバースロットとなる契約金250万ドルでプロ入りした。ベストツールのスピードは20-80スケールで70評価。25年はAでの19試合で打率.203/三振率30%と全く打てず、R級に降格した。しかし、Aでは小サンプルながら90th EV105.4マイルというMLB平均以上の打球速度を記録しており、来季の復調に期待したい。
制球難のハードボーラー。23-24年は2年連続で「100イニング&防御率2点台」をクリアしたが、25年は肩の負傷離脱があり、55.1回で防御率3.90/与四球率12.8%と不調だった。オフにはレイズからDFAされ、トレードでフィリーズに移ってきた。平均96マイルの速球と88マイルのカッターが投球の約9割を占め、制球難が改善されないとブルペン転向を余儀なくされるだろう。
25年ドラフト4巡目。大学ではスイングマン起用ながらドラフトイヤーに防御率2.08、K/BB=7.38と好投。平均92マイルながら縦変化量20インチ超のホップ系4シームで空振りを量産する。全投球の約7割が速球である。先発として大成するには変化球の質を磨き、速球頼りの投球を脱却したい。
Notable Prospects
キートン・アンソニー(1B)/Keaton Anthony:25歳
一塁手としてはパワーが不足しているが、コンタクト能力に優れる右打者。25年は2A/3Aで計82試合に出場して打率.323/6本塁打/wRC+138をマーク。24年にはマイナーリーグのゴールドグラブを獲得するなど一塁守備も優秀。
アンダーソン・アローホ(C/1B)/Anderson Araujo:18歳
打撃先行型の原石捕手。25年はDSLで45試合に出場して打率.289/7本塁打/wRC+136をマーク。パワーが武器だが、スイングに穴があり、要修正。守備でもすでに捕手と一塁がほぼ半々と磨かれる必要がある。
23年ドラフト3巡目のハワイ出身高卒プロスペクト。磨かれたアプローチで引っ張りフライを量産し、24年はAで17本塁打/wRC+123と好結果を出した。ところが25年はA+でwRC+77/三振率31%と悲惨な内容。空振りが激増してしまった。適応してバウンスバックできるか。
カーソン・デマーティニ(3B/SS)/Carson DeMartini:23歳
24年ドラフト4巡目。コンタクトは荒いが、パワー重視の打撃スタイルを売りとしており、25年はA+での53試合で8本塁打/wRC+162をマーク。しかし打ちまくっていたA+時代ですらコンタクト率は66%止まりで、2A昇格後は66試合でwRC+68と全く歯が立たなかった。フィリーズ幹部はデマーティニの守備力を評価しており、3BをメインにSSでも育成されている。
ゲイブ・クレイグ(RHP)/Gabe Craig:24歳
25年ドラフト5巡目のリリーフ右腕。平均94マイルの4シームと大きく曲がるスライダーのコンビネーション。スライダーはプラス~ダブルプラス相当の球質を誇る。早期昇格が見込め、勝ちパターンに食い込む可能性あり。

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