2023年5月20日土曜日

2023 LOS ANGELES DODGERS TOP 20 PROSPECTS

2023 LOS ANGELES DODGERS

TOP 20 PROSPECTS

Diego Cartaya

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ディエゴ・カルタヤ(C)/Diego Cartaya:21歳
(A/A+)95G 22HR 63BB 119K .254/.892
◎パワー / 〇肩 / △捕球 / ✖走力
将来像をサルバドール・ペレス(KC)と比較されているトッププロスペクト捕手。30ホーマーが狙えるパワーポテンシャルを秘める。一方の守備面は、未来のゴールドグラブ候補と評されていたが、肥大化に伴い俊敏性の低下が指摘されており、昨季64試合で11捕逸を喫するなど捕球能力に課題がある。捕手としての育成にはまだ時間がかかりそうだ。
Diego Cartaya


FV55

2.
ボビー・ミラー(RHP)/Bobby Miller:24歳
(2A/3A)4.25ERA 112.1IP BB/9=3.0 K/9=11.6
◎速球 / ◯スライダー チェンジアップ 体格 / 
MAX100マイルの4シームと90マイル中盤の2シームを軸にキレの良いスライダー&チェンジアップでピッチトンネルを通す。昨季は112.1回を投げてスタミナ面を証明。うち91.0回をプレーした2AでFIP3.45を記録するなど実力もしっかりと発揮した。コントロールもマイナー2年でBB%=7.1%と安定しており、6-5/220の体格と合わせて先発としてのスペックはエース級。配球やメンタルアプローチを磨いてMLBでも実力を発揮できるか。
Bobby Miller


3.
ミゲル・バルガス(3B)/Miguel Vargas:23歳
(3A)113G 17HR 71BB 76K .304/.915
(MLB)18G 1HR 2BB 13K .170/.455
◎打撃 / 〇走力 / △守備
同じくキューバ出身のユリ・グリエル(MIA)と比較されるヒットマシーン。ゾーンを長く通すスイングを身に着けており、バレル性の打球を量産する打撃が強み。また走力不足が指摘されていたが、体を作り直し、プラスランナーに変貌。しかし、依然として守備評価は平均以下で、2Bや1B、LFも経験するなど将来的な守備位置は不透明。
Miguel Vargas


FV50

4.
ギャビン・ストーン(RHP)/Gavin Stone:24歳
(A+/2A/3A)1.48ERA 121.2IP BB/9=3.3 K/9=12.4
◎チェンジアップ / 〇速球 / △体格 
20年ドラフト5巡目ながら、昨季はマイナートップの防御率1.48とブレーク。FIPもマイナー3階級いずれも2点台と投球内容も良かった。90マイル中盤の速球とダブルプラスのスプリットチェンジのコンビネーション。身長6フィート1とアンダーサイズである点から先発適性を疑問視する声も、ケビン・ゴーズマンのような投手になることを期待。

5.ライアン・ペピオ(RHP)/Ryan Pepiot:25歳
(3A)2.56ERA 91.1IP BB/9=3.5 K/9=11.2
(MLB)3.47ERA 36.1IP BB/9=6.7 K/9=10.4
◎チェンジアップ / ◯速球 即戦力 / △コントロール
94-96マイルの速球と80グレイドのチェンジアップのコンボ。コントロールに課題を抱えていたが、昨季は3A、MLBいずれでも好投。上位クラスで結果を出した点は評価したい。とはいえ、現状では長いイニングを投げ切れる投球ではなく、デビン・ウィリアムズ(MIL)のようにリリーフに専念して開花するタイプか。

6.マイケル・ブッシュ(2B)/Michael Busch:25歳
(2A/3A)142G 32HR 74BB 167K .274/.881
◯打撃 パワー / ✖守備
マックス・マンシーと比べられるヒッティングプロスペクト。美しいスイングで広角に長打が打て、空振りはやや多いが辛抱強いアプローチで四球も多い。昨季は自己最多の32本塁打を放ち、70長打はマイナー全体3位だった。一方で3Aは打高だったこともあり、傑出度を示すwRC+は102と平均的だった。そのため、MLBレベルでどれだけの打撃成績を残せるかは未知数。加えて守備に課題があり、DHに回る可能性もあるほどであるため、どれだけ打てるかにかかっている。

7.ダルトン・ラッシング(C)/Dalton Rushing:22歳
(R/A)30G 8HR 22BB 22K .404/1.263
◯パワー / △守備 
22年ドラフト2巡目指名。大学2年までは後のドラフト全体1位指名ヘンリー・デービス(現PIT)がいたため控え捕手だったが、3年のシーズンでレギュラーになると、チーム最多の23本塁打を放つなどブレーク。MLBで中軸を担えるパワーを有し、プロでも素晴らしいパフォーマンスを見せた。捕手としての経験が少ない上に捕球能力に課題を抱える。守備の向上が課題。

(2A/3A)125G 31HR 70BB 152K .294/.978
(MLB)4G 1HR 2BB 7K .462/1.409
◯走力 肩 CF守備 / △コンタクト
フィジカル系のアスリートで、中でもプラスの走力&強肩に支えられたCF守備が高評価。打撃も昨季マイナーで自己最多の31本塁打を放つなど開花の兆し。大振りで三振率27.2%とコンタクト能力に不安を抱えるが、そこを改善できればレギュラーCFの道が見えてくるだろう。

9.
ニック・フラッソ(RHP)/Nick Frasso:24歳
(A/A+/2A)1.83ERA 54.0IP BB/9=2.8 K/9=12.7
◎速球 / ◯チェンジアップ / △耐久面
投げているボールのインパクトは傘下トップクラス。昨夏ミッチ・ホワイトを放出したトレードでTORから獲得した。ファンキーなフォームからMAX100マイルの速球を投じる。変化球の質が向上・安定してくれば先発投手として評価が上がるだろう。チェンジアップはアームサイドへの変化が大きく、プラスピッチになる可能性あり。

10.アンディ・パヘズ(OF)/Andy Pages:22歳
(2A)132G 26HR 62BB 140K .236/.805
◎肩 パワー / △走力 コンタクト 
キューバ出身で、強靭なフィジカルや運動能力の高さはヤシエル・プイグ(元LAD他)を連想させる。21年はA+でリーグトップの31本塁打を放つなどの大活躍でMVPを獲得した。22年はアベレージ面で苦戦。アッパー気味のスイング軌道は要改善だろう。ダブルプラスの強肩はRFに適任も、残念ながらプイグ同様に緩慢プレーが目立つ。

11.ニック・ナストリニ(RHP)/Nick Nastrini:23歳
(A+/2A)3.93ERA 116.2IP BB/9=4.2 K/9=13.0
◎速球 / ✖コントロール
21年ドラフト4巡目ながら、昨季は傘下トップの169Kとブレーク。90マイル中盤でライズ成分の強い4シームがマネーピッチで、スライダー&チェンジアップも空振りが取れるボール。コントロールの悪さを改善できればローテーションポテンシャル。

12.
エメット・シーハン(RHP)/Emmet Sheehan:23歳
(A+/2A)2.91ERA 68.0IP BB/9=4.1 K/9=14.0
◯速球 / ✖コントロール
21年ドラフト6巡目。低いリリースポイントから95-99マイルのライジングファストボールを高めに集めて空振りを量産するパワーピッチャー。不安定ながら80マイル前後のチェンジアップも速球との球速差が大きく有効なボール。先発に残るには、制球難を改善して先発適性を証明していく必要がある。

13.ヨシュア・デパウラ(OF)/Josue De Paula:18歳
(DSL)54G 5HR 32BB 31K .350/.970
◯パワー 肩 / △素材型 アプローチ 
22年1月に39万ドルで入団のパワーヒッター候補。DSLではwRC+161と早速結果を出した。パワーと打撃技術を両立しており、LF/DH向きの守備能力と合わせて理想の完成型はヨーダン・アルバレス(HOU)だろう。

14.リーバー・ライアン(RHP)/River Ryan:24歳
(A/A+)2.45ERA 47.2IP BB/9=4.0 K/9=13.2
◯速球 カッター / △先発経験 コントロール
大学では二刀流プレーヤー。DHとしてプロデビューし、21年はRで43打数/OPS.785をマークしている。昨季は投手としてプロデビューし、95-97マイルの4シームとプラスのカッター主体にパワフルな投球を披露。カーブ&チェンジアップも平均以上の評価を受ける。大学でもリリーフ起用が中心で、先発投手として実戦経験を積んでいく必要がある。

FV40

15.イェイナー・フェルナンデス(C/2B)/Yeiner Fernandez:20歳
(A)89G 10HR 46BB 55K .292/.813
〇コンタクト / △素材型 パワー
優れたハンドアイコーディネーションに支えられたヒットツールが高評価で、フィールド全体にバレル性の打球を量産できる。アプローチも磨かれている。元々は二塁手で、捕手としての守備力は発展途上ながら運動能力や肩の強さは十分。アプローチの良い打撃と内野もこなせるユーティリティー性はオースティン・バーンズと重なるものがある。

16.
ジョニー・デルーカ(OF)/Jonny DeLuca:24歳
(A+/2A)98G 25HR 45BB 73K .260/.888
◯パワー 走力 肩 / △対右投手 スイング
19年ドラフト25巡目と下位指名の出身だが、21年には「20-20」を達成、昨季も自己最多を更新する25本塁打と活躍を続けている。パワーとスピードのコンビネーションで、守備では外野3ポジションをこなせる。また、三振率16.6%とコンタクト能力も破綻していない。とはいえ、大振りで動きの多いスイングをしているため、MLBで高打率を残すには修正が必要だろう。

17.ロナン・コップ(LHP)/Ronan Kopp:20歳
(A/A+)2.74ERA 62.1IP BB/9=6.2 K/9=15.6
〇体格 速球 / △素材型 / ✖コントロール
6フィート7の長身を生かした長いリーチから96-98マイルの速球を投げ込む大型左腕。決め球には80マイル中盤のスライダーを扱う。ボールの威力は申し分ないが、コントロールが壊滅的なため、現実的にはリリーフとして昇格を目指すことになるだろう。

18.ヨービット・ビバス(2B)/Jorbit Vivas:22歳
(A+)128G 10HR 63BB 58K .269/.775
〇コンタクト / △パワー 守備
卓越したコンタクト能力を有しており、ルイス・アラエス(MIA)と比較される。小柄で全体的なパワーレスは拭えないが、スムーズなスイングで10本塁打とパンチ力も秘める。守備はMLBでSSを守れるレベルではなく、2Bが適任との見立て。レギュラー選手としてはパワーレスで、控えタイプとしては2B専門な守備力がネック。アラエスのような圧倒的な打撃成績が求められる。

(A)5.68ERA 44.1IP BB/9=9.1 K/9=13.6
◯速球 スライダー カーブ / △素材型 / ✖コントロール  
21年ドラフト1巡目の高卒左腕で、制球難を改善できればエースを狙えるポテンシャル。MAX98マイルの4シームにカーブ&スライダーもプラスピッチ候補。第4球種としてチェンジアップも扱う。プロデビューは44イニングで45四球を出す荒れっぷり。打者と勝負する段階に入れていない。
(A+)127G 15HR 45BB 119K .264/.784
◯パワー / △守備 アプローチ
22本塁打・OPS.929をマークした21年からはダウンイヤーとなった。バットスピードは傘下トップクラスだが、フリースインガーで選球眼に課題がある。また、守備も課題で、
将来的な守備位置が不透明。昨季はSSメインにプレーもMLBレベルでは2Bもしくは外野が適任と目されている。

Sleeper Prospects

◯変化球 体格 / △故障明け 実績
22年ドラフト16巡目。背中の怪我によりドラフトイヤーの22年は全休だった。健康であれば6フィート7の長身を生かしたオーバースローから80マイル後半の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げ下ろす。体格の良さと経験の少なさからアップサイドに期待したい。

(R/A)2.91ERA 21.2IP BB/9=2.1 K/9=10.8
〇速球 スライダー / △TJ手術明け 耐久面
TJ手術によりスリップしたが、21年ドラフト11巡目でLADが指名。昨季はTJから復帰すると、93-96マイルを叩き出すなど、術前よりも球威がアップしていた。速球とスライダーはMLBクラスのピッチになり得るポテンシャル。問題は健康にシーズンを過ごし、イニング量を増やしていくこと。

(A/A+)119G 17HR 90BB 128K .277/.889
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
21年ドラフト18巡目ながら17本塁打、傘下3位の90四球を選ぶなど頭角を現したフィジカル系パワーヒッター。豪快なパワーが武器だが、アッパースイングで高めが打てないため、上位レベルにどうやって対応するかがポイント。守備は平均的な走力&プラスの強肩からRF向き。

2023年5月19日金曜日

2023 SAN DIEGO PADRES TOP 20 PROSPECTS

2023 SAN DIEGO PADRES

TOP 20 PROSPECTS

Jackson Merrill

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ジャクソン・メリル(SS)/Jackson Merrill:20歳
(R/A)55G 6HR 20BB 44K .339/.906
〇打撃 / △素材型 
21年ドラフト1巡目の高卒選手。6-3/195と体格に恵まれでおり、パワーとヒットツールを両立した攻撃型SSとして期待されている。守備面ではSSにふさわしい資質を備えているが、チーム状況を考えると2Bや3Bにコンバートされる可能性が高い。現トッププロスペクトのガンナー・ヘンダーソン(BAL)が比較対象か。

FV50

2.
ディラン・レスコ(RHP)/Dylan Lesko:19歳
◯速球 チェンジアップ / △TJ手術明け 素材型 
22年ドラフト全体15位指名の高卒右腕。高校のジュニアシーズンで60回を投げて112K&防御率0.35と圧倒も、TJ手術によりスリップ。若き日のザック・グレインキーと比較されており、速球&チェンジアップがダブルプラスの評価を受ける。

3.
イーサン・サラス(C)/Ethan Salas:17歳
◯守備 / △素材型 パワー
23年1月に560万ドルの大型契約で入団した大器。スーパーキャッチャーになり得る逸材。アスレチックで、16歳離れした捕手守備は圧巻。中でもフレーミング能力はベテラン選手並だ。一方で打撃面はパワーヒッターというわけではなく、攻撃面でどれだけインパクトを生み出せるか。

4.サミュエル・ザバラ(OF)/Samuel Zavala:18歳
(R/A)43G 8HR 23BB 48K .272/.896
◯打撃 守備 / △走力 素材型
21年1月に契約金120万ドルで入団したベネズエラ出身の原石。スムーズなスイングでアプローチも磨かれており、ピュアヒッター適性あり。スピードは平均的ながら打球反応やルート取りが良く、チームはCFとして高く買っている。攻守揃ったオールラウンダーとして期待。

FV45

5.ロビー・スネリング(LHP)/Robby Snelling:19歳
〇体格 速球 カーブ / △素材型 チェンジアップ
22年ドラフト全体39位指名。6-3/210という高校生離れした強靭なフィジカルを備えたパワーレフティ。93-95マイルの速球と22年ドラフトNo.1カーブのコンビネーション。メカニクス&コントロールも安定している。プロの世界に慣れることとチェンジアップの向上が今後のテーマ。

6.アダム・メイザー(RHP)/Adam Mazur:22歳
◯スライダー 球種 / 
22年ドラフト2巡目。大学最初の2年間で防御率5.50だったが、3年のシーズンに防御率3.07と開花し、カンファレンスの最優秀投手にも選ばれた。プラスのスライダーを武器に5球種を扱うハイスペックさが光る。フィジカルに向上の余地があり、現在93-95マイルの速球はさらに伸びる?

7.ビクター・リザラガ(RHP)/Victor Lizarraga:19歳
(A)3.43ERA 94.1IP BB/9=3.2 K/9=9.1
◯伸びしろ チェンジアップ / △素材型 カーブ
21年1月に契約金100万ドルで入団したメキシコ出身プロスペクト。6-3/180と体格的な伸びしろが期待できる素材型で、現在90-94マイルの速球をどれだけ伸ばせるかに注目。変化球はチェンジアップがプラスピッチ候補で、対左の方が被OPSが優秀。対右打者をより抑えられるように平均以下のカーブの質も上げたいところ。

8.ハイロ・イリアルテ(RHP)/Jairo Iriarte:21歳
(A)5.12ERA 91.1IP BB/9=4.1 K/9=10.7
◯速球 チェンジアップ / △素材型 / ✖コントロール
アスレチックでハイポテンシャルな右腕。ヒョロヒョロ体型だが、全身の力を大きく使ったメカニクスでMAX97マイル。ライズ成分の強い4シームを高めに、キレの良いスライダー&チェンジアップを低めに集めて空振りを誘う。先発に残るにはコントロールを改善して、与四球を減らす必要があるだろう。

FV40

◯速球 コントロール / △TJ手術明け 実績
22年ドラフト3巡目。TJ手術によりスリップしたが、98マイルを叩き出す球威と大学2年時にK/BB=4.50をマークした制球力を兼備したポテンシャルはローテーション半ば級。しかし、TJ明けな上に大学通算37.2回のプレーにとどまっており、健康面が非常にリスキー。

10.
ギャレット・ホーキンス(RHP)/Garrett Hawkins:23歳
(A/A+)4.74ERA 93.0IP BB/9=2.9 K/9=11.6
◯速球 チェンジアップ / △スライダー
6-5/230の迫力ある体格から速球&チェンジアップのコンビネーションで空振りを量産するパワーアーム。速球は93-96マイルでライズ成分が強く、チェンジアップとの相性が良い。また、コントロールも安定している。スライダーの質向上が先発に残れるかを左右するだろう。

11.エギー・ロサリオ(IF)/Eguy Rosario:23歳
(3A)124G 22HR 59BB 109K .288/.876
◯肩 走力 / △パワー SS守備
ユーティリティー候補。身長5フィート9と小柄ながら、ラインドライブ中心のアプローチで昨季3Aで「20-20」をクリア。マイナー6年で20盗塁以上のシーズンが5度とスピードも平均以上。マイナーではSSを中心にプレーしているが、MLBでは2Bや3Bがフィットするとの見立て。

12.
ロスマン・バードゥーゴ(SS)/Rosman Verdugo:18歳
(R)52G 7HR 22BB 69K .252/.806
〇打撃 / △素材型 走力 コンタクト
スムーズなスイングから元パドレスプロスペクトのルイス・ウリアス(現MIL)と比較されている。Rで三振率35.4%とコンタクトツールが黄色信号だが、DSLをすっ飛ばしてRでwRC+116を記録した打撃ポテンシャルは非凡だ。守備面ではフットワーク不足から3Bが適性と見られている。
(A)71G 6HR 42BB 79K .256/.762
〇コンタクト / △素材型 パワー
アプローチの磨かれたスイッチヒッターで、本塁打を量産するタイプではないがライナーを量産し、ギャップを破る。走守の能力は平均的で、打撃もAでの半シーズンしかプレーがないなど実績不足。1年を通して結果を出すこと、パワーナンバーを伸ばすことが次の課題か。

FV40-

14.ジェイ・グルーム(LHP)/Jay Groome:24歳
(2A/3A)3.44ERA 144.0IP BB/9=4.0 K/9=8.8
◯即戦力 / △球威
エリック・ホズマーとのトレードで昨年加入。16年ドラフト全体12位指名、高校No.1サウスポーとしてプロ入りも、度重なる故障で伸び悩み。それでも昨季はマイナー7年目にして自己最高の144回を投げて防御率3.44と好投。速球平均92マイルとかつてのようなエースポテンシャルは見る影もないが、ローテーション下位の一員としてMLB昇格を目指す。

15.
ジェーコブ・マーシー(OF)/Jakob Marsee:22歳
(R/A)31G 2HR 30BB 25K .240/.839
〇コンタクト 守備 / ✖パワー
22年ドラフト6巡目。エネルギッシュなプレースタイルで、平均以上のCF守備とアプローチの良いコンタクトヒッティングが特長。プロでは四球率22.6%/三振率18.8%と優秀なゾーン管理を見せた。レギュラーとしては打撃のインパクト不足が否めない。

16.
ノエル・ベラ(LHP)/Noel Vela:24歳
(A+/2A)4.35ERA 109.2IP BB/9=5.5 K/9=10.3
〇速球 / ✖コントロール
コマンドに難があるが、マイナー5年でK/9=10.7と奪三振能力が光るサウスポー。91-95マイルの伸びのある速球は
高めで空振りが取れ、カーブ&チェンジアップも鋭く切れる。2Aでは防御率6.35・BB/9=7.9と苦戦しており、2Aの壁を破れるか。先発下位相当のポテンシャルも、コマンドが改善されなければリリーフ転向だろう。

17.
ジャクソン・ウルフ(LHP)/Jackson Wolf:24歳
(A+/2A)4.37ERA 129.2IP BB/9=3.5 K/9=9.9
〇変化球 / △対右打者 / ✖球速
21年ドラフト4巡目。ギクシャクしたサイドハンドから90マイル前後の速球、スライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。ボールのスピードは平凡だが、速球を高めに、変化球を低めに投げ分ける配球で打者の的を絞らせない。17被本塁打中16本を右打者に浴びており、右打者対策が急務。

18.コリー・ハウエル(OF)/Korry Howell:24歳
(2A)48G 6HR 25BB 52K .253/.876
◯走力 / △コンタクト
内外野こなすユーティリティー候補。ダブルプラスのスピードが最大の武器で、内外野いずれでも平均以上のディフェンダーになり得るポテンシャル。打撃もパワフルで、2AでwRC+124を記録するなどポテンシャルを潜めるが、アプローチが脆く、三振率28.3%と荒さを取り除いていく必要がある。

19.ネイサン・マルトレラ(1B)/Nathan Martorella:22歳
(R/A)28G 3HR 16BB 21K .322/.932
◯アプローチ パワー / ✖走力
22年ドラフト5巡目。ガッシリ体型のスラッガーで、パワーとゾーン管理能力を兼ね備える。ゴロ性の打球がやや多く(Rで52%、Aで47.5%)、フライ率を上げられるとよりパワーを発揮できるだろう。鈍足で守備位置は1Bに限定される。

20.イザイア・ロウ(RHP)/Isaiah Lowe:20歳
◯速球 / △体格 素材型
22年ドラフト11巡目。MAX97マイルの4シームと鋭く曲がるスイーパーのコンビネーション。全体的に投手として発展途上であり、磨かれる必要がある。また、身長6フィート1とアンダーサイズでリリーフ向きとの見方が強い。実戦で実力を証明していきたい。

Sleeper Prospects

コービー・ロビンソン(RHP)/Kobe Robinson:22歳
(A)3.57ERA 22.2IP BB/9=4.8 K/9=12.3
◯速球 / △素材型 実績 / ✖コントロール
21年ドラフト13巡目。MLBドラフトリーグで99マイルを計測するなどスカウトへのアピールに成功し、プロ入り。インステップ気味のクロスファイアーから90マイル中盤の速球&平均以上のスライダー。コントロールを改善することと、プロで長いイニングを経験することが課題。

(R)3.82ERA 30.2IP BB/9=3.8 K/9=12.0
◯伸びしろ / △素材型
ドミニカ共和国出身の原石右腕。6-3/175と身体的な伸びしろにあふれており、ハイポテンシャル。力強い速球と縦のスライダーのコンビネーション。昨季はRで7先発すると防御率3.82と頭角を現した。23年はAでフルシーズンデビュー。

(R)28G 0HR 14BB 26K .259/.700
◯走力 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
21年に契約したドミニカ共和国出身の原石。俊足が武器のアスリートタイプで、CF適性あり。打撃はパワーレスだがコンタクト能力が高い。昨季は故障での欠場もあったが、フルシーズンでどんな成績を残せるか。

2023年5月16日火曜日

2023 COLORADO ROCKIES TOP 20 PROSPECTS

2023 COLORADO ROCKIES

TOP 20 PROSPECTS

Ezequiel Tovar

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.
イゼキエル・トーバー(SS)/Ezequiel Tovar:21歳
(2A/3A)71G 14HR 27BB 66K .319/.927
(MLB)9G 1HR 2BB 9K .212/.590
◎SS守備 / △アプローチ
ゴールドグラブ級の守備力の持ち主で、打者としても平均以上の働きができる可能性がある。小柄で線は細いが、昨季は2AでwRC+153とズバ抜けたパフォーマンス。MLBデビューも果たした。一方で、フリースインガー傾向が顕著で、選球眼に不安がある。MLBでは少ない試合数ながらスイング率58.7%(MLB平均47.7%)、ボール球スイング率43.4%(MLB平均32.6%)と不安要素を露呈してしまった。選球眼を磨いてMLB投手に対応できるかどうかがポイントとなりそうだ。
Ezequiel Tovar


FV50

(A)106G 399AB 15HR 64BB 126K .301/.399/.501/.901
◯打撃 走力 伸びしろ  / △素材型 両翼向き
20年ドラフト全体9位指名の高卒選手。攻守のポテンシャルはカイル・タッカー(HOU)と比較され、長身細身の体格と素晴らしいスイングスピードから30ホーマー級の長打力を秘める。22年はA+でOPS.806も、2A昇格後は34試合でOPS.496と苦しんだ。長身ゆえスイングが長く、内角球の対応に課題があるとされている。昨季50盗塁を決めた俊足の持ち主だが、守備は平均的な評価で、タッカーと同様に両翼が適任と見られている。
Zac Veen


(A)115G 15HR 87BB 67K .292/.860
◎打撃 / △素材型 パワー 2B向き?
19年に契約金150万ドルで入団の原石。U-15のドミニカ共和国代表経験もあり、ツールだけでなく試合感覚にも優れている。特に打撃が年齢に比して磨かれており、バランスの良いコンパクトなスイングでライナー性の打球を打ち分け、選球眼も良い。SS守備では打球勘やポジショニングに冴えるが、ツール自体は傑出していないため、MLBレベルでは2B向きか。

4.
ドリュー・ロモ(C)/Drew Romo:21歳
(A+)102G 5HR 35BB 81K .254/.693
◎守備 / 〇肩 コンタクト / △パワー 
20年ドラフト全体35位指名。U-18で正捕手を務めた守備先行型の司令塔。ゴールドグラブ級のポテンシャルを秘めており、リーダーシップや野球IQも◎。課題の打撃も6月終了時点でOPS.798と健闘していたが、7月以降は人差し指の故障を押してDHで出場し、OPS.502と数字を落とした。健康な状態でどれだけ打てるかを見たい。昨季前半のペースで打てるなら、レギュラー捕手ポテンシャル。
Drew Romo


FV45

5.
ガブリエル・ヒューズ(RHP)/Gabriel Hughes:21歳
(A)0.00ERA 3.0IP BB/9=3.0 K/9=3.0
◯速球 / △コマンド
22年ドラフト全体10位指名。大学2年までは二刀流、3年のシーズンから投手に専念し、防御率3.21・K/9=12.7と好投。90マイル中盤のムービングファストと80マイル後半のスライダーを主体にカッター&チェンジアップも扱う。大学3年間でBB/9=3.8と制球は平均的。球威はローテーション半ばクラスなので、変化球やコマンドの精度を磨けるか。

6.
ベニー・モンゴメリー(OF)/Benny Montgomery:20歳
(R/A)62G 6HR 21BB 77K .310/.879
〇5ツール / △素材型 / ✖スイング
21年ドラフト全体8位指名の高卒選手。ガチャついた不格好なスイングと5ツールポテンシャルからハンター・ペンス(元SF他)と比較されている。ポテンシャルは素晴らしいが、スイングに改善点が多く、プロのレベルにどれだけ対応できるか。22年はAでwRC+132と好結果を残した一方で、三振率26.9%、ゴロ率51%とヒットツールに疑問がつきまとう。
Benny Montgomery

(R/A)26G 2HR 5BB 28K .307/.787
〇打撃 / △守備
22年ドラフト全体31位指名の大学生スラッガー。フラットなスイング軌道で広角にラインドライブを量産し、打球速度も優秀。フライをより打てるようになれば本塁打増も見えてくるだろう。守備では強肩も、フットワークの問題から外野向きとされる。3Bに残れるように守備力を改善することと長打力を伸ばしていくことがプロ入り後の課題。

(R/A)26G 3HR 21BB 20K .296/.909
◯パワー 運動能力 / △コンタクト
22年ドラフト38位指名。フィジカルに恵まれたパワーヒッター候補で、22年ドラフト組ではベストアスリートの1人と評判だった。コンタクト能力に課題がある点も含めて、将来的な完成像はハンター・レンフロー(LAA)か。
(A/A+)91G 14HR 31BB 56K .313/.869
◯打撃 / △素材型 守備 パワー / ✖アプローチ
ラインドライブを量産するフリースインガー。昨季はA、A+でいずれもOPS8割以上、マイナー4年で三振率14.0%とヒットツールに強み。しかし、フリースインガーである点に加えて、打球速度やバットスピードの数字が良くないこと、3B守備の評価も良くなく、外野転向のリスクがあることがマイナス材料。また、外野両翼としてはパワー不足に終わる可能性あり。

10.
ジェイデン・ヒル(RHP)/Jaden Hill:23歳
(R/A)3.06ERA 17.2IP BB/9=3.1 K/9=12.7
◯速球 チェンジアップ / △コンディション TJ手術明け
ドラフト1巡目候補だったが、ドラフト前にTJ手術を受けてスリップ。昨季は実戦復帰すると90マイル後半を計測するなど順調な回復をアピールした。健康時にはMAX99マイルの速球にプラスのチェンジアップ、平均以上のスライダーを投げ込んでいた。実力を発揮できればローテーションポテンシャルだ。
(R/A)2.98ERA 51.1IP BB/9=3.0 K/9=11.2
◯速球 カーブ 伸びしろ / △素材型 コントロール
元MLBリリーバー、ヨーキス・ぺレスの息子。21年1月に50万ドルで契約すると、21年はDSLで防御率1.30、22年もR/Aで防御率2.98と好投を続けている。90マイル前半の速球と70マイル台の大きく割れる縦カーブでゾーンの高低を攻める。6-3/153と細身の体格から球威向上が見込め、フィジカルを鍛えてどれだけ球威を伸ばせるかが評価向上のカギ。

〇回転量 スライダー / △素材型
22年ドラフト3巡目の高卒右腕。アップサイドを高く評価されており、スピンレートの優秀さが際立つ。中でもベストピッチであるスライダーは3000rpmに届くほど。速球もMAXで98マイルに達する。
(A)112G 21HR 39BB 114K .284/.848
◯パワー / △アプローチ 守備走塁 素材型
キューバ出身で、同じくキューバ出身の怪物打者であるヨーダン・アルバレス(HOU)と重なる雰囲気があるスラッガー候補。22年はマイナー4位の109打点を記録するなどパワーを見事に発揮してみせた。何でも振りに行くアプローチを修正していきたい。守備走塁の能力は平均以下で、打撃の出来がすべてを左右するだろう。

FV40

14.マイケル・トーリア(1B)/Michael Toglia:24歳
(2A/3A)114G 30HR 60BB 149K .249/.852
(MLB)31G 2HR 9BB 44K .216/.653
◯パワー 1B守備 / ✖コンタクト
19年ドラフト1巡目指名。パワー&選球眼を兼ね備えた両打ちスラッガーで、1B守備もゴールドグラブ級と評判。22年はマイナーで30本塁打を放ち、MLBデビューも経験した。しかし、三振率30.1%とコンタクト能力に欠陥を抱えており、適応に苦しみそうだ。

(A/A+/2A)135G 36HR 40BB 151K .295/.926
◎パワー / △コンタクト 守備
21年ドラフト4巡目ながら、昨季マイナー3位タイの36本塁打とブレーク。長打特化のアプローチで高打率は望めないが、ダブルプラスのパワーポテンシャル。大学時代の本職は捕手だが、すでにプロでは1Bがメインになりつつある。大学時代には外野の経験もあり、コナー・ジョー(PIT)のような強打のユーティリティーになれると理想。

(3A)55G 9HR 31BB 64K .276/.831
(MLB)28G 2HR 8BB 31K .244/.681
◯パワー 肩 / △コンタクト
長打力と出塁能力を兼ね備えたスラッガータイプ。また、Statcastでは限られたサンプルながら平均以上の走力&打球速度、それからMLBトップ級の強肩(外野送球100マイル)と資質を証明。課題のコンタクトを改善させてMLBに定着できるか。

17.ブレントン・ドイル(OF)/Brenton Doyle:25歳
(2A/3A)132G 26HR 28BB 171K .256/.773
◯5ツール / ✖コンタクト アプローチ
昨季マイナーで「20-20」をクリアしたパワー&スピードに加えて、21年にはマイナーのゴールドグラブを獲得するなど外野守備も優秀。ツールが光る一方で、昨季三振率31.2%とヒットツールは黄色信号。MLBでは低打率に苦しむ可能性が高く、バックアップ向きか。

18.
フリオ・カレラス(SS)/Julio Carreras:23歳
(A+/2A)129G 11HR 36BB 127K .281/.803
◯守備 肩 / △打撃 / ✖アプローチ
身体能力に支えられたアクロバティックな守備が最大の武器で、A+の監督が選ぶ「best defensive shortstop」にも選出された。打者としてはインパクト不足である点が指摘されるが、マイナートップの42二塁打を放つなどライナー重視のアプローチ。雑な打撃アプローチを改善できればMLB昇格が見えてくるだろう。

19.
ディラン・ホルヘ(SS)/Dyan Jorge:20歳
(DSL)53G 4HR 24BB 35K .320/.853
◯走力 / △素材型 パワー 
キューバから亡命し、昨年1月に契約金220万ドルで入団の原石。DSLでデビューするとOPS.853と早速結果を出した。走力と守備センスに秀でており、打撃はコンタクトヒッター。パワーを伸ばせればスケールの大きい選手になれるだろう。

20.マケード・ブラウン(RHP)/McCade Brown:22歳
(A)5.22ERA 89.2IP BB/9=2.3 K/9=11.8
◯体格 速球 / △コマンド
21年ドラフト3巡目。6フィート6の長身から高スピンの90マイル中盤4シームと大きく曲がる縦カーブを投じる大型右腕。大学通算でBB%=18.1%とコントロールに課題を抱えていたが、昨季は6.1%と飛躍的に改善を見せた。体格の良さも含めて上手く育てばイニングイーター適性あり。

Sleeper Prospects

(A)4.98ERA 103.0IP BB/9=2.9 K/9=8.7
◯コントロール 球種 / △球威
メキシコ出身。打者を圧倒する球威はないが、多彩な球種とコントロールの良さで勝負する技巧派。グラウンドボール率42%とけっしてフライボーラーではないが、HR/9=1.3と被弾癖あり。球威でカバーできない分、長打を浴びないように細かいコマンドを磨いていくことが求められる。

(R)1.69ERA 5.1IP BB/9=5.1 K/9=6.8
◯球種 / △実績
22年ドラフト13巡目。大学生ながら伸びしろを期待されている。92-93マイル、MAX95マイルの速球を主体にスライダー、カーブ、チェンジアップと4球種を織り交ぜることができる。6-2/215と体格も十分であり、球速を数マイル伸ばせれば面白い存在だ。

(R)8G 1HR 2BB 3K .320/1.094
◯守備 / ✖コンタクト
22年ドラフト4巡目。22年ドラフト組の大学生ではNo.1ディフェンダーとの呼び声高い守備職人で、俊足を生かした広大な守備範囲が魅力。打撃では恵まれたバットスピードの持ち主でパンチ力あり。しかし大学最終年に三振率26.0%を記録するなどコンタクト難が欠点。

2023年5月4日木曜日

2023 ARIZONA DIAMONDBACKS TOP 20 PROSPECTS

2023 ARIZONA DIAMONDBACKS

TOP 20 PROSPECTS

Corbin Carroll

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV65

1.
コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:22歳
(R/2A/3A)93G 24HR 67BB 107K .307/1.036
◎スピード / ◯打撃 CF守備 / △肩 
今季の新人王候補最有力のトッププロスペクト。ジャコビー・エルズベリー(元BOS他)やジョニー・デーモン(元NYY他)と比較されるリードオフCF。
フィールド全体にラインドライブを量産し、ダブルプラスのスピードを生かした守備走塁も優秀。22年はメジャー/マイナーで計28本塁打をマークするなどパワー面でも成長を見せた。
Corbin Carroll    


FV60

2.
ジョーダン・ラウラー(SS)/Jordan Lawlar:20歳
(R/A/A+/2A)100G 16HR 57BB 115K .303/.910
〇打撃 走力 肩 / △エラー多い 打球速度 
21年ドラフト全体6位指名の大型SS。攻守のポテンシャルをザンダー・ボガーツ(SD)と比較したい。打撃はMLBで中軸を打てるポテンシャルを秘めており、広角にバレル性の打球を量産できる。三振率25%とやや空振りが多い点と平均打球速度86マイルとパワー評の割に打球速度が今一つな点が気がかりか。また守備では走力&肩力がプラスも、87試合で29失策(守備率.912)とミスが多いため、SSからコンバートされる可能性もある。
Jordan Lawlar


FV55

3.ドリュー・ジョーンズ(OF)/Druw Jones:22歳
(2A/3A)106G 435AB 18HR 52BB 99K .313/.394/.559/.953
◎5ツール / △素材型 肩の手術明け
ゴールドグラブ10度の名選手、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天他)の息子。22年ドラフト全体2位指名。父譲りの傑出した5ツールポテンシャルを秘める大器。プロ入り後最初の練習で肩を痛め手術を受けることになったため、実戦デビューは23年までお預けとなった。


FV50

4.ブランドン・ファート(RHP)/Brandon Pfaadt:24歳
(2A/3A)3.83ERA 167.0IP BB/9=1.8 K/9=11.7
◯コマンド 完成度 / △決め球 被弾多い
絶対的な球種があるわけではないが、安定したコマンドを土台に総合力で勝負するトータルパッケージ。93-94マイルの高スピンの4シームをスポットに投げ分け、スライダー&チェンジアップと組み合わせて打者を翻ろうする。22年はマイナートップの218Kをマークも、HR/9=1.5、被ランチアングル19.3度とバレルコントロールが弱点。
Brandon Pfaadt


FV45

5.
ライン・ネルソン(RHP)/Ryne Nelson:25歳
(3A)5.43ERA 136.0IP BB/9=3.1 K/9=8.5
(MLB)1.47ERA 18.1IP BB/9=2.9 K/9=7.9
〇速球 コントロール / △変化球 速球多い
平均93マイルながらライズ成分の強い4シームが武器で、制球もまとまっている。変化球は3種を扱えるが、速球が全投球の6割を占めるなど、先発投手としてやっていくには変化球の質を磨き、速球偏重の投球スタイルから脱却する必要があるだろう。速球のスピードや変化球の質を考慮すると、エースというよりはローテーション下位タイプか。
(2A/3A)6.31ERA 132.2IP BB/9=3.1 K/9=9.0
(MLB)1.48ERA 24.1IP BB/9=2.6 K/9=8.9
◯速球 スライダー / △体格 第3球種
パワーアーム。MAX100マイルの4シームと93マイル前後のツーシームを軸に、ダブルプラスのスライダーで打者を仕留める。ボールの質はローテーション半ば級も、全投球の8割以上が速球とスライダーという2ピッチタイプであること、コマンドに課題があること、6-0/165と小柄であることからリリーフが適性か。

7.ランドン・シムズ(RHP)/Landon Sims:22歳
◯速球 スライダー / △TJ手術明け 先発経験
22年ドラフト全体34位指名。21年にミシシッピ州立大のクローザーとして防御率1.44と好投。22年は先発に転向し3先発で防御率1.15と好投していたが、TJ手術でシーズン終了となった。90マイル中盤の速球とスライダーのパワフルなコンビネーションで、コントロールも安定している。先発経験の乏しさとTJから復帰までの時間を考慮すると、リリーフに専念して早期昇格を目指す可能性も。
(A/A+/2A)126G 22HR 34BB 147K .306/.847
◎パワー / △素材型 アプローチ 走力 守備
ダブルプラスのパワーを秘めており、ミゲル・サノー(元MIN)と比べられる大砲候補。22年は19歳ながら22本塁打を放ち、A、A+いずれでもwRC+120以上をマークした。荒っぽいアプローチを磨いていくことがブレークの鍵を握るだろう。守備能力は高くなく、現在は3Bを守っているが、将来的には1B転向が目されている。
Deyvison De Los Santos

(R/2A/3A)98G 20HR 38BB 102K .301/.928
◎肩 / ◯パワー / △コンタクト
21年はA+でOPS.688と打撃成績はそれほどでもなく、元々はダブルプラスの強肩を生かした守備面を評価されていたが、昨季は打撃覚醒。88試合に出場した2AではwRC+135と素晴らしい成績を収めた。一方で三振率25.3%と空振りが多く、不動のレギュラーというよりもクリス・テイラー(LAD)のような低打率だがパンチ力のあるユーティリティープレーヤーが完成像か。
(A+/2A)4.79ERA 124.0IP BB/9=3.3 K/9=9.9
◯4球種 / △素材型 球速
バリー・ジト(元SF他)と比べられる19年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができるなど年齢に比して完成度も高い。しかし昨季の速球の平均球速は90-91マイルにとどまっており、MLBのスターターとしては球威不足が否めない。6-5/175の体格から球威向上が期待されているが、球威が向上しなければコルビー・アラード(ATL)のように伸び悩む可能性もあるだろう。
 

FV40

(2A/3A)133G 12HR 55BB 113K .312/.864
◎守備 / 〇コンタクト 即戦力 / △パワー 体格
デビッド・フレッチャー(LAA)の弟で、WBCではイタリア代表として侍ジャパンとも対峙した。走攻守に完成度が高く、最低でも第4、第5の外野手になれるだろう。打撃ではラインドライブを量産するコンタクト能力が武器で、3Aではゾーン内コンタクト率90.3%を記録。平均打球速度87.5マイルと小柄な体格に比してパンチ力もある。また外野守備も絶品で、Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPで+12.7を記録している。

12.
AJ ブコビッチ(3B/OF)/AJ Vukovich:21歳
(A+/2A)117G 17HR 19BB 118K .276/.757
◯パワー 走力 / △素材型 3B守備 / ✖アプローチ
20年ドラフト4巡目。ルイビル大への進学が内定していたため、オーバースロットとなる125万ドルでプロ入りを決めた。6-5/210の体格にバスケットボールでも活躍した運動能力を兼ね備えるスーパーアスリート。20歳にして17本塁打・36盗塁を記録したパワー&スピードは魅力も、四球率3.8%と極度のフリースインガーであるため、現状ではMLBに通用しないだろう。また、3B守備も不得意でLFや1B転向が既定路線だろう。攻守の不安要素を覆せるか。

(2A)4.37ERA 129.2IP BB/9=2.2 K/9=8.8
◯スライダー コントロール / △被安打多い
20年ドラフト全体33位指名。不安定ながら、好調時はインステップの角度あるオーバースローから90マイル中盤の速球と縦スライダーを投げ下ろす。22年はFIP4.98と投球内容はやや物足りない内容だったが、90球前後で6~7回を安定して消化するなどイニングイーター適性はアピールできた。現状はローテーション下位のイニングイーター、もしくは速球&スライダーに絞ってリリーフで輝くタイプだろう。

(A/A+)94G 9HR 27BB 109K .290/.796
◎走力 / ◯パワー / △素材型 / ✖アプローチ
昨季マイナー6位タイの67盗塁を決めた快足が武器のツール型CF。110マイル以上の打球を数回計測し、90thEV(上位10%の打球速度)は106マイルとパワーポテンシャルも秘める。しかし、
グラウンドボール率58%とアプローチに課題があり、打つべきボールを絞ってフライ性の打球を増やせるとよいだろう。理想の完成像はスターリング・マーテイ(NYM)か。

15.イバン・メレンデス(1B)/Ivan Melendez:23歳
R/A)29G 3HR 13BB 25K .206/.709
◯パワー / ✖走力
22年ドラフト2巡目。大学のシーズンでは国内最多の32本塁打を放ち、大学野球のMVPにあたるゴールデンスパイク賞を受賞した。プラスのパワーの持ち主だが、プロデビューでは不発だった。足は遅いが、1B守備は平均的との評価。

16.ユーミン・リン(LHP)/Yu-Min Lin:19歳
(R/A) 2.72ERA 56.1IP BB/9=3.5 K/9=14.5
◯変化球 コマンド 完成度 / ✖球速
台湾出身。現時点での速球は88-91マイル程度ながら、菊池雄星(TOR)似の滑らかなワインドアップから速球、スライダー、チェンジアップをコマンド良く投げ分ける。昨季は傘下トップのK%=40%、K-BB%=30%超えは22歳以下のマイナー選手では、トッププロスペクトのアンドリュー・ぺインター(PHI)ら4名だけだった。MLBの先発投手で速球の平均が90マイルを割っている選手はほとんどいないため、現時点では評価が険しいが、速球のスピードを伸ばせれば面白い存在だ。

17.
ホルヘ・バロサ(OF)/Jorge Barrosa:22歳
(A+/2A)120G 13HR 67BB 85K .279/.811
◯走力 守備 コンタクト / △パワー
ハイフロアーな第4の外野手タイプ。俊足を生かしたCF守備が最大の売りで、Baseball Prospectusの守備指標では送球面でのマイナス(-3.5点)があったが、守備範囲指標RDAでは+4.9を記録した。打撃はライナー中心のコンタクト力とゾーン管理に優れ、2Aで四球率12.7%/三振率15.7%・30二塁打を記録。パワーは平凡で、レギュラー選手としてはインパクト不足だろう。

18.ルーベン・サンタナ(3B)/Ruben Santana:18歳
(DSL)43G 1HR 25BB 33K .316/ .872
◯パワー 走力 肩 / △素材型
22年1月に契約金75万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。プラスのパワーを有するスラッガー候補で、DSLではwRC+142と早速好発進。やや空振りの多さは気になるが、四球率15.3%と年齢に比して我慢強さを備えている。走力もプラス評価で15盗塁をマーク。守備も3Bとして平均レベルまで向上できる見込みがあるとの見立て。

(DSL)50G 0HR 37BB 20K .333/.899
◯守備 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
22年1月に契約金24万ドルで入団と決してトップ級の評価を得ていたわけではなかったが、DSLでwRC+153とナイスパフォーマンス。プラスのSS守備が最大の武器で、攻守に完成度が高い。しかし、パワーレスなため打撃面でインパクトを残せるかが疑問。

20.
ディラン・レイ(RHP)/Dylan Ray:22歳
(R/A)6.59ERA 13.2IP BB/9=2.6 K/9=11.2
◯スライダー コントロール / △先発経験
22年ドラフト4巡目。大学ではリリーフもプロでは先発転向予定。90マイル前半の速球とプラスの縦スライダーを主体に、左打者にはチェンジアップを落とせる。先発経験はないが、6-3/230と先発向きの体格であり、コントロールも安定している。エース級の球威は無いが、先発転向が上手く行けばイニングイーター適性あり。

Sleeper Prospects

(R)3.00ERA 3.0IP BB/9=12.0 K/9=9.0
◯コマンド / △球威 体格
22年ドラフト13巡目。93-96マイルのシンカーと80マイル後半のカッターで攻め込むグラウンドボーラー。6-5/215と体格も良く、球速も向上の余地を残す。大学3年のシーズンは防御率3.71も、K/BB=1.57とコマンドや支配力には疑問があり、リリーフ向きか。

アンドリュー・ピンター(SS/2B)/Andrew Pintar:23歳
◯コンタクト 走力 / △肩 肩の手術明け
22年ドラフト5巡目。大学3年のシーズンは肩の手術等で振るわなかったが、2年時にはOPS.989と活躍。小柄ながらヒット&スピードツールに優れており、球団はA.J.ポロックのような選手像を期待。本職はSSだが、肩の弱さから2BやCFが適性との評価。

ティム・タワ(2B/OF)/Tim Tawa:24歳
(A+/2A)118G 13HR 56BB 93K .239/.700
◯走力 アプローチ / △年齢 パワー
21年ドラフト11巡目。大学4年でのプロ入りのため歳を食っているが、俊足を生かした好守と確実性の高い打撃が売り。昨季はA+では58試合/OPS.818も、2Aでは60試合/OPS.583と苦しんだ。年齢的にも今年2Aの壁を破れるかがポイントになりそうだ。

ドミニック・キャンゾーン(OF/1B)/Dominic Canzone:25歳
(R/2A/3A)106G 22HR 37BB 83K .300/.908
◯パワー / △守備走塁
コーリー・ディッカーソン(WSH)やデビッド・ペラルタ(LAD)のような強打のコーナー外野手タイプ。パワフルなアッパースイングで長打を量産する。昨季は3Aで平均打球速度89.2マイル、95マイル以上の打球割合39.1%と高水準をマーク。守備走塁は平均以下。