2023年11月23日木曜日

2024 NEW YORK METS TOP 20 PROSPECTS

2024  NEW YORK METS 

TOP 20 PROSPECTS

Jett Williams

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ジェット・ウィリアムズ(SS/OF)/Jett Williams:20歳
22年ドラフト全体14位指名の高卒野手。身長5フィート6と小柄ながらコンタクト&走力がプラス候補のリードオフポテンシャルで、ダスティン・ペドロイア(元BOS)と比較されている。23年はフルシーズン1年目ながらAでwRC+136、A+で176、マイナー全体2位の104四球を選ぶなど大活躍。Statcast搭載のAでは平均打球速度87.4マイルとパンチ力も披露した。守備はSS中心も、CFでも21試合に出場。俊足をより生かせる外野が天職か?

ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟。兄のような傑出したポテンシャルはないが、堅実な2Bレギュラーとして計算できるとの見立て。マイナーで3年連続40盗塁以上のプラスランナーであり、守備も2Bに回ればプラスを生み出せると評判。打撃は本塁打を量産するタイプではないが、確率良くコンタクトを生み出し2AでwRC+107と及第点をクリア。
Luisangel Acuna

22年ドラフト1巡目。走攻守揃ったオールラウンダーであり、レギュラーCFになり得るポテンシャルを有する。23年はA+/2Aで18本塁打・OPS.868をマーク。打撃ではアプローチが良く、出塁率の高さが強みだが、5-9/185と小柄ですでに完成された体格から将来的なパワーには懐疑的な声も多い。

昨季マイナーで80イニング以上投げた投手の中では4位の与四球率3.6%、1位の28.4K-BB%をマークするなどブレーク。平均94マイルのライジングファストを軸にスライダー&チェンジアップをコマンド良く投げ分ける。すでに24歳という年齢面が唯一のネックか。

ジャスティン・バーランダーとのトレードで昨夏に加入。パワーとアベレージを両立した好打者であり、高卒1年目ながらマイナーで24本塁打・OPS.854をマーク。しかし、トレードでNYM加入後は打率.188・三振率36%と苦戦してシーズンを終えている。走守の評価は平均以下なため、どれだけ打てるかにかかっている。

マイナーで3年連続20ホーマー以上というプラスのパワーが武器だが、フリースインガーでヒットツールを不安視されている。3A/MLBで平均打球速度91.0マイル、MLB初ヒットの打球速度117.3マイルは23年のメッツ打者トップとパワーツールはMLB屈指。守備はSSにふさわしい強肩の持ち主だが、MLBレベルでは2Bや3Bの方がフィットするとの評価。


FV45

7.コリン・ハウク(SS)/Colin Houck:19歳
23年ドラフト全体32位指名。MLB公式のドラフトリストでは12位にランクインしていたトップ級の高校生選手。アメフトのクオーターバックとしても鳴らした5ツール候補で、中でも強靭なパワーが武器。ガッシリとした体型で、将来は3Bや2Bへの転向が見込まれている。

8.マイク・バシル(RHP)/Mike Vasil:24歳
21年ドラフト8巡目。速球、カッター、カーブはいずれも高スピンで高い空振り率を記録しており、左打者にはチェンジアップも交えるなど4球種をコマンド良く扱えるハイスペックな右腕。23年は2Aで与四球率4.1%・奪三振率28.9%と素晴らしいコマンドを披露したが、3A昇格後はAI審判への適応にも苦しみ、与四球率11.7%と制球難に苦しんだ。

22年ドラフト2巡目。制球難だが、4シームとスライダーのコンボが強烈。22年にはStatcastが搭載されているAで、速球が平均95.9マイル/縦変化10.85インチ(MLB平均9.1)、スライダーが横変化4.97/縦変化2.76インチ(同平均3.1/1.1)を記録するなど凄まじいボールのポテンシャルを披露した。23年はA+/2Aで奪三振率31.4%と球威は申し分なく、制球を改善できればローテーション半ばポテンシャル。
Blade Tidwell


10.マルコ・バルガス(SS)/Marco Vargas:19歳
夏にデービッド・ロバートソンとのトレードでMIAから加入。スムーズなスイングでコンタクト能力とアプローチに優れる。23年は18歳にしてR/AでOPS.821、三振率15.2%に対して四球率21.2%とズバ抜けたゾーン管理を披露した。守備はSSを中心に2Bや3Bもプレー。守備能力は平均的で、将来的には2Bがフィットするとの見立て。

22年ドラフト6巡目。6-9/250の巨漢&大学ではリリーフもマイナーでは先発として成功している点から、タイラー・メジルと比較されている。23年はA+/2Aで21先発して防御率2.20マーク。シンカー&スライダーをゾーンに集める投球スタイルで、特にA+では20.2K-BB%と優れたコマンドを見せた。チェンジアップの向上が先発として成功するための鍵。

23年ドラフト2巡目。22年もNYMから3巡指名を受けたが、大学に残留。しかし23年シーズンは防御率4.66・与四球率10.3%と不調で評価を落としてドラフトを迎える形になった。最速101マイルの4シームに平均以上のスライダー&チェンジアップとハイポテンシャル。しかし4シームは質が悪く、打ち込まれがち。

FV40

13.ケビン・パラダ(C)/Kevin Parada:22歳
22年ドラフト全体11位指名の攻撃型捕手。A+では87試合でwRC+115と健闘したが、2A昇格後は14試合という少ないサンプルながらwRC+70・三振率38.3%と苦戦。アプローチの適応に苦しんでいる。また、捕手としての守備面もかなり怪しく、盗塁阻止率18%&マイナーワースト4位となる129盗塁を許し、フレーミングによる失点阻止も-12.3点と酷かった。1B転向のリスクを抱える。

14.アレックス・ラミレス(OF)/Alex Ramirez:21歳 
ダイナミックな5ツールCFで、中でもパワーツールが高評価。22年はAでwRC+129、A+で106と健闘し評価を上げたが、23年はA+でwRC+79と苦戦した。パワーポテンシャルは凄まじいが、ISO.096と長打が出なかったので、選球眼やアプローチ面を磨いていくことが開花のための鍵となるだろう。
デービッド・ロバートソンの見返りとして昨夏加入。来季20歳ながら、スムーズなスイング&ゾーン管理の優秀さが際立つ両打ち捕手。23年はR/Aで53試合に出場してOPS.875・三振率21.7%/四球率23%と素晴らしい内容。捕手としての守備力も平均以上になれる可能性を秘めている。

16.ドミニック・ハメル(RHP)/Dominic Hamel:25歳
21年ドラフト3巡目。昨季は2Aで100イニング以上投げた投手では2位となる奪三振率30.4%&FIP3.21をマーク。平均92.5マイルながらスピンレート2459rpm/縦変化10.66インチのライジングファストボールで空振りを量産する。第2球種のスライダーも2814rpmと高スピンで、チェンジアップやカーブも織り交ぜる。与四球率9.3%と与四球がやや多く、また来季25歳で初の3A挑戦という年齢も含めて、不動のローテーション投手というよりは、スイングマン~ミドルリリーフ向きだろう。

マーク・キャナの見返りとして昨夏加入。平均92.8マイルながら縦変化は驚異の11.11インチ(LADのアレックス・ベシアが11.14)というMLBトップクラスのライジングファストで空振りを量産する。2Aでは14先発で防御率3.33も、3Aでは12先発で防御率8.79と打ち込まれた。制球難&フライボーラー気質による被弾の多さがネック。16位のハメルと似たプロフィールで、ミドルリリーフ向きか?

22年ドラフト4巡目の高卒選手。6-2/205のガッシリとした体型の大型選手で、パワーとアベレージを両立した打撃面が最も評価されている。23年は高卒1年目ながらAでwRC+129と好デビュー。高校ではSSを守っていたアスリートではあるが、SSとしては大きすぎるためプロでは早速3Bに転向。しかし走力不足から最終的には1Bに回る可能性も。

二刀流プロスペクトで、23年ドラフト3巡目でプロ入り。打者としては大学3年間でOPS.957のパワーヒッターも、三振率34.7%のコンタクト難が深刻。投手としては平均94/最速98マイルの速球と最高でスピンレート2900rpmに達するスライダー&カーブが武器のパワーリリーバー。


FV40-

20.ニック・モラビト(OF)/Nick Morabito:21歳
荒削りだが、パワー&スピードを兼ね備えたダイナックな人材。特にスピードはダブルプラス評価。23年は高卒1年目ながらRでwRC+137、Aで123と平均以上のパフォーマンス。57試合で2本塁打止まりだったが、Aでは98打数というサンプル数ながら平均打球速度87.2マイルとMLB平均レベルの数字を残している。守備はCF中心に外野3ポジション&2Bもプレー。



2023年11月21日火曜日

2024 MIAMI MARLINS TOP 20 PROSPECTS

2024 MIAMI MARLINS 

TOP 20 PROSPECTS

Noble Meyer

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ノーブル・メイヤー(RHP)/Noble Meyer:19歳
23年ドラフト全体10位指名の高卒右腕で、エースポテンシャルと評判。6-5/185の伸びしろあふれる体格から93-95マイルのシンカーとプラスのカーブ主体。Aでは7イニングという限られたサンプルではあるが、カーブの平均スピンレートは2785pmsとMLBトップクラスの数値を記録した。多くの高卒投手が通る道だが、コントロールやチェンジアップの質向上が課題。

20年ドラフト全体3位指名。22年7月にTJ手術を受け、昨季は全休したが、24年は開幕から間に合う見込み。22年は23歳ながら3AでFIP3.47と好投。平均94-95マイルの真っスラ系4シームと20-80スケールで70評価のパワースライダーのコンボに加え、チェンジアップも向上中。球威と制球を兼ね備え、ローテーション半ばクラスの実力者だが、肘の故障歴&アンダーサイズな体格から耐久面が心配。
Max Meyer


23年ドラフト全体5位指名の高卒左腕。200万ドル近いオーバースロットとなる契約金410万ドルで入団を決めた。6-5/210と体格に恵まれたロマン派であり、フォームを固めて制球難を克服できるか。Aでは3.2回という限られたサンプルながら4シームは平均94.2マイル/スピンレート2512を記録。決め球カーブは横変化・縦変化いずれもMLB平均を上回った。

FV45

20年ドラフト2巡目。6フィート7の長身を生かした角度のある4シーム&縦カーブのコンビネーションで、奪三振能力とゴロアウトの多さが特徴。しかしドラフト後にTJ手術、昨季も肘の靭帯の修復手術で7登板にとどまるなど健康面にリスクを抱える。春季トレーニングには間に合う見込み。
Dax Fulton


俊足巧打のスーパーユーティリティー候補。パワーレスだが、マイナー5年で通算打率.312のコンタクト力とダブルプラスのスピードで勝負する。昨季は3Aで打率.351・wRC+130と打撃好調で、MLBでも30試合で打率.295をマーク。守備は二塁とセンターを中心に内外野プレー可能。

22年ドラフト3巡目の高卒投手。高校ではバスケットボールとの二刀流だったため、野球に専念した環境での伸びしろが期待されている。23年はフルシーズン1年目ながら23先発をこなすなど経験を積んだ。低いリリースポイントからシュートしながら伸び上がるランニングファストを中心に、鋭いカーブ&左打者の外にフェードするチェンジアップのコンビネーション。速球はAで平均94.1マイル/平均2531rpmを記録。

7.ビクトル・メサ Jr.(OF)/Victor Mesa:22歳
長くキューバ代表チームの監督を務めたビクトル・メサの息子。パワーとスピードを両立したCFで、23年は2Aで自己最多の18本塁打&16盗塁とブレーク。CF守備でも守備範囲指標RDAで+3.3と好調だった。大振りで三振率22.9%とコンタクト面に不安があり、不動のレギュラーというよりも、守備型CFもしくはプラトーン外野手が将来像か。

8.イディ・キャッぺ(2B)/Yiddi Cappe:21歳
21年1月に契約金350万ドルで入団したキューバ出身の大型SS。6フィート3の長身細身の体型は若き日のカルロス・コレア(MIN)を連想させる。四球率3.3%とフリースインガーでアプローチに難があり、A+ではOPS.558とスランプだった。打者不利な本拠地で26二塁打を放つなどパワーポテンシャルは潜めており、アプローチを磨けば開花の可能性あり。守備面ではすでにSSから2B中心にコンバート。将来は外野転向も危惧されている。

FV40

23年1月にミゲル・ロハスとのトレードでLADから加入。プラスのSSディフェンダーで、打者としてはアプローチの良い中距離タイプ。昨季は3AでwRC+89とレギュラーとしては打力不足であり、下位打線のSSレギュラーか内野のバックアップが適性か。

元々は17年にタイガースから投手としてドラフト指名も、21年に野手転向。昨季は27歳のシーズンにして2A/3AでOPS.896とブレークを果たし、MLBデビューも飾った。3A/MLBで平均打球速度90.3マイル/ハードヒット率47.3%のパワーに加え、スプリント速度&送球速度もMLB上位20パーセント以内とポテンシャルは凄まじい。
23年ドラフト2巡目。6-3/250の強靭な体格を備えたパワーヒッターで、Aでは34試合という少ないサンプルながらMAX打球速度112.7マイル/ハードヒット率44.0%を記録。運動能力は悪くないが、平均以下の走力から守備は外野両翼向き。大学では1Bや捕手の経験もある。

12.ファビアン・ロペス(SS)/Fabian Lopez:18歳
23年1月に$650Kで入団したドミニカ共和国出身の原石。スムーズかつレンジの広いプラスのSSディフェンダー候補で、打撃もDSLでOPS.732とまずまずのデビュー。フィジカル不足に加えて49試合で55三振とコンタクト面にも不安があり、打撃能力の向上が課題。

13.アンドレス・バロー(OF)/Andres Valor:18歳
23年1月に$520Kで入団したベネズエラ出身の原石。6-3/180と体格に恵まれており、CFに残り得る運動能力とパワーポテンシャルを兼備している。DSLでは17歳にしてMAX打球速度108マイルを計測するなどパワーポテンシャルを披露。コンタクトやアプローチを磨いていけば大化けする可能性あり。

14.ジェーコブ・ミラー(RHP)/Jacob Miller:20歳
22年ドラフト2巡目。垂直に近いオーバースローから投げ込まれる平均2300rpm超えのカーブ&スライダーが高評価。対左打者にはチェンジアップが空振り率43.4%と効果的で、対左の方が被OPSが良かった。高校時にMAX97マイルを計測した速球は平均91.8マイルと今一つだった。

15.ジョー・マック(C)/Joe Mack:21歳
21年ドラフト全体31位指名。プロではコンタクト面の適応に苦しんでいるが、パワー&プラスの強肩を評価されている。A+ではOPS.582も、投手有利な環境&20歳ということを考慮すればまだ救いはある。Baseball Prospectusによると、捕手守備ではフレーミングにより8.2点阻止しており、肩も強いため捕手に残れるとの見立て。

FV40-

16.エメット・オルソン(LHP)/Emmett Olson:22歳
23年ドラフト4巡目。91-94マイルのライジングファストと82-84マイルのスライダーのコンビネーション。強気の投球で打者の胸元を攻める。6-4/230の恵まれた体格はイニングイーターに適任だが、平均的な球威と第3球種の平凡さを考えるとリリーフが適任か。
22年ドラフト全体6位指名。大学屈指の強打者として鳴り物入りで入団も、プロ通算144試合でOPS.682と実力を発揮できていない。また、守備でも俊敏性の乏しさから将来は一塁転向が危惧されており、同じくMIA傘下出身という点も含めてコリン・モランを彷彿とさせる。

6-7/230という巨体のスラッガー候補。選球眼に優れたヒットマシーンで、大学ではBB>Kをマーク。一方で純粋なパワーは平均レベルであり、一塁専門の選手としてはパワーナンバーを供給できるかが評価を分けるだろう。

速球は平均89マイルとパワーレスだが、緩急とコントロールで勝負する技巧派。多彩な球種を投げ分けるが、中でもチェンジアップがプラスピッチ。MLBでプラスを生み出せるような選手になることは難しいだろうが、トミー・ミローン(元OAK他)のようなイニングイーターとして浮上できるか。

18年ドラフト2巡目。捕手守備の評価は傘下No.1。打撃力には乏しいが、オースティン・ヘッジス(元SD他)のような守備型捕手としてMLBでやっていける可能性あり。昨季は苦手な打撃でも2Aで23本塁打・OPS.773と自己最高の成績を残した。ちなみにヘッジスは通算打率.189ながら通算fWAR6.2。

2023年11月15日水曜日

2024 ATLANTA BRAVES TOP 20 PROSPECTS

2024 ATLANTA BRAVES 

TOP 20 PROSPECTS

AJ Smith-Shawver


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV55

1.AJ スミス=ショウバー(RHP)/AJ Smith-Shawver:21歳
昨季20勝をあげたスペンサー・ストライダーと重なる点が多いハイシーリングな右腕。ストライダーと同じく、速球とスライダーで打者を制圧するスタイルで、2球種ともダブルプラスの評価を得ている。対左にはチェンジアップも効果的に扱うことができ、あとはマイナー3年でBB/9=5.3のコマンド面を改善できるかがエースになれるかの鍵を握るだろう。
AJ Smith-Shawver


FV50

23年ドラフト全体24位指名。ダイナミックなフォームからMAX99マイルの4シームとプラスのスプリットチェンジで打者を圧倒するKマシーン。大学では昨季34.7K%、マイナーでも33.3%を記録。一方で、大学で12.7BB%、マイナーで13.0BB%と制球に不安がある。先発として大成できるかはコントロール改善が鍵を握る。

3.
JR リッチー(RHP)/JR Ritchie:21歳
22年ドラフト全体35位指名。TJ手術により4先発にとどまったが、Aで41.5K-BB%・FIP0.63と凄まじい投球を見せた。93-95マイルの速球を両コーナーに投げ分け、高スピンのスライダーで仕留める。対左にはチェンジアップも扱える。投球能力も高く、健康に復帰できればローテーション半ばポテンシャル。

22年ドラフト全体20位指名。球威と制球力を両立した投球能力と投打に加えてアメフトでも活躍した運動能力の高さを評価されている。90マイル前半で縦変化の大きい速球を武器に、29.6K%・21.2K-BB%と高数値を記録。しかし、6-1/190と身体的な伸びしろは小さく、また球速も現時点では90マイル前半程度なため、エースというよりはローテーション半ばタイプか。
Owen Murphy

FV45

5.
イグナシオ・アルバレス(SS)/Ignacio Alvarez:21歳
22年ドラフト5巡目。コンタクトとアプローチに優れたピュアヒッタータイプ。A+では四球率13.2%/三振率17.4%と優秀なゾーン管理を見せ、wRC+123をマーク。平均以下と評されるSS守備では、強肩を生かして守備範囲指標RDA+7.1と大健闘。7本塁打にとどまったパワー面の向上と3B転向が濃厚とされる守備力の向上が将来的なバリューを決めるだろう。
21年ドラフト2巡目。23年はTJ手術から復帰してA/A+で16先発/防御率2.49と上々のシーズンを送った。90マイル中盤の速球とスラーブ&カッターのコンボ。与四球率6.3%とコントロールも良いが、肘の故障歴に加え、23年も肩の違和感で2か月程度の離脱があるなど耐久面が心配であり、リリーフ転向が現実的だろう。

7.
ケイド・キラー(RHP)/Cade Kuehler:22歳
23年ドラフト全体70位指名。MAX98マイルのライジングファストボールが武器のパワーピッチャーで、4シームの平均縦変化量20インチは、昨季新人で8勝をあげたブライス・ミラー(SEA)に匹敵するレベル。変化球も切れるが、全力投球のフォームから、リリーフ転向のリスクを指摘されている。
22年ドラフト3巡目。ポテンシャルは抜きん出ていないが、パワーとゾーン管理に優れ、wRC+132を記録した打撃力とフレーミングで大きくプラスを叩き出す守備力を併せ持つ。一方で空振りの多さと肩の弱さが弱点。不動のレギュラーというよりも、第2の捕手にフィットする?
23年ドラフト2巡目。大学のシーズンでは防御率5.80と苦戦したが、大学2年で有資格者ということもあり優遇される形で指名を受けた。シンカーとスライダーでゴロを打たせるイニングイータータイプで、上手く育てば昨季12勝をあげて球宴にも選ばれたブライス・エルダーのように化けるか?

傘下ではボーン・グリッソムに次ぐwRC+133を記録するなど打撃能力は傘下屈指。パワーと選球眼を兼ね備えている。一方で、3Bの守備では守備指標DRPで-8.3を叩き出すなど1BやDHに回る可能性が高く、攻守トータルでプラスを生み出せるかは微妙。また、階級に対して高齢であり、打撃成績も差し引いて考える必要がある。

11.ギャレット・バウマン(RHP)/Garrett Baumann:19歳
23年ドラフト4巡目の高卒投手。6-8/245の恵まれた体格の持ち主でアップサイドに期待。MAX97マイルの速球に落差大のチェンジアップのコンビネーション。荒さを取り除いていく必要がある。


FV40

12.デリアス・バインズ(RHP)/Darius Vines:26歳
抜群のコントロールとプラスからダブルプラスのチェンジアップで打者を翻ろうする技巧派。昨季は3Aで34.1回/防御率2.36、MLBでも20.1回/防御率3.98と健闘したが、速球の平均が90マイルを割るなどさすがにパワー不足すぎる。スポットスターターor良くても先発5番手止まりと見るのが現実的だろう。

13.ルイス・グアニパ(OF)/Luis Guanipa:18歳
23年1月に契約金$2.5Mで入団の逸材。プラスのパワー、ダブルプラスのスピードを兼ね備えるポテンシャルの塊も、DSLでは打率.238とヒットツールへの不安を示した。プロ2年目に成長を見せられるか。

14.
ディラン・ダッド(LHP)/Dylan Dodd:26歳
落差抜群のチェンジアップがベストピッチで、90-93マイルの伸びのある4シームとの組み合わせで打者を惑わす。エースポテンシャルではないが、昨季すでにMLBで7先発を任されるなど即戦力であり、少なくともローテーションのデプスとして出番は与えられるだろう。

15.
セビン・サバヨス(3B)/Sabin Ceballos:21歳
23年ドラフト3巡目。パワーとアプローチを兼備した打撃力を買われている。強肩の持ち主でもあり、ローリングス社による大学のゴールドグラブ賞に選ばれている一方で、走力不足なため将来は1B転向の可能性もあると指摘されている。

16.ジャンカルロス・ララ(RHP)/Jhancarlos Lara:21歳
6フィート3の長身からMAX98マイルの4シームに80マイル後半のスライダー&チェンジアップのコンビネーション。Aでのラスト3先発は17回無失点26Kと圧巻だった。与四球率12.2%とコントロールに難あり。


FV40-

23年ドラフト6巡目ながら、A/A+で25.4K-BB%と好投。92マイルの速球とキレの良いスライダーを軸に、4球種でストライクを稼げる。フルシーズンで昨季のような投球ができるか。上手く化ければローテーション下位orロングリリーフ相当のポテンシャル。


18.マリオ・バイエズ(SS)/Mario Baez:17歳
23年に契約金$240Kで入団の原石。身長5フィート8と小柄ながらエネルギッシュなプレースタイルで、ダブルプラスの走力がベストツール。体格に比した豪快なフルスイングでDSLでは16歳ながらOPS.815をマークした。守備は将来的には2Bや3B向きとの見立て。

19.アラン・ワイナンズ(RHP)/Allan Winans:28歳
速球は平均90.0マイルとパワーレスだが、プラスのチェンジアップを得意とする技巧派右腕。昨季は3Aで126.1回を投げて防御率2.85/xFIP4.16をマーク。MLBでは6先発で防御率5.29も、打球管理やK/BBの値は良かったため、xERA4.36/xFIP3.97と指標的には悪くなかった。28歳と伸びしろは見込めないが、スイングマンorデプスとして出番はありそうだ。

「20-20」が狙えるパワー&スピードの持ち主だが、故障の多さとコンタクト能力の低さが弱点。昨季は2Aで94試合の出場にとどまり、wRC+95・三振率29.7%と悪いところが出たシーズンになってしまった。実力を発揮できれば対右投手のプラトーン格になれる可能性あり。