2024 NEW YORK METS
TOP 20 PROSPECTS
Jett Williams |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV50
1.ジェット・ウィリアムズ(SS/OF)/Jett Williams:20歳22年ドラフト全体14位指名の高卒野手。身長5フィート6と小柄ながらコンタクト&走力がプラス候補のリードオフポテンシャルで、ダスティン・ペドロイア(元BOS)と比較されている。23年はフルシーズン1年目ながらAでwRC+136、A+で176、マイナー全体2位の104四球を選ぶなど大活躍。Statcast搭載のAでは平均打球速度87.4マイルとパンチ力も披露した。守備はSS中心も、CFでも21試合に出場。俊足をより生かせる外野が天職か?
ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟。兄のような傑出したポテンシャルはないが、堅実な2Bレギュラーとして計算できるとの見立て。マイナーで3年連続40盗塁以上のプラスランナーであり、守備も2Bに回ればプラスを生み出せると評判。打撃は本塁打を量産するタイプではないが、確率良くコンタクトを生み出し2AでwRC+107と及第点をクリア。
Luisangel Acuna
22年ドラフト1巡目。走攻守揃ったオールラウンダーであり、レギュラーCFになり得るポテンシャルを有する。23年はA+/2Aで18本塁打・OPS.868をマーク。打撃ではアプローチが良く、出塁率の高さが強みだが、5-9/185と小柄ですでに完成された体格から将来的なパワーには懐疑的な声も多い。
昨季マイナーで80イニング以上投げた投手の中では4位の与四球率3.6%、1位の28.4K-BB%をマークするなどブレーク。平均94マイルのライジングファストを軸にスライダー&チェンジアップをコマンド良く投げ分ける。すでに24歳という年齢面が唯一のネックか。
ジャスティン・バーランダーとのトレードで昨夏に加入。パワーとアベレージを両立した好打者であり、高卒1年目ながらマイナーで24本塁打・OPS.854をマーク。しかし、トレードでNYM加入後は打率.188・三振率36%と苦戦してシーズンを終えている。走守の評価は平均以下なため、どれだけ打てるかにかかっている。
マイナーで3年連続20ホーマー以上というプラスのパワーが武器だが、フリースインガーでヒットツールを不安視されている。3A/MLBで平均打球速度91.0マイル、MLB初ヒットの打球速度117.3マイルは23年のメッツ打者トップとパワーツールはMLB屈指。守備はSSにふさわしい強肩の持ち主だが、MLBレベルでは2Bや3Bの方がフィットするとの評価。
FV45
23年ドラフト全体32位指名。MLB公式のドラフトリストでは12位にランクインしていたトップ級の高校生選手。アメフトのクオーターバックとしても鳴らした5ツール候補で、中でも強靭なパワーが武器。ガッシリとした体型で、将来は3Bや2Bへの転向が見込まれている。
21年ドラフト8巡目。速球、カッター、カーブはいずれも高スピンで高い空振り率を記録しており、左打者にはチェンジアップも交えるなど4球種をコマンド良く扱えるハイスペックな右腕。23年は2Aで与四球率4.1%・奪三振率28.9%と素晴らしいコマンドを披露したが、3A昇格後はAI審判への適応にも苦しみ、与四球率11.7%と制球難に苦しんだ。
22年ドラフト2巡目。制球難だが、4シームとスライダーのコンボが強烈。22年にはStatcastが搭載されているAで、速球が平均95.9マイル/縦変化10.85インチ(MLB平均9.1)、スライダーが横変化4.97/縦変化2.76インチ(同平均3.1/1.1)を記録するなど凄まじいボールのポテンシャルを披露した。23年はA+/2Aで奪三振率31.4%と球威は申し分なく、制球を改善できればローテーション半ばポテンシャル。
Blade Tidwell
夏にデービッド・ロバートソンとのトレードでMIAから加入。スムーズなスイングでコンタクト能力とアプローチに優れる。23年は18歳にしてR/AでOPS.821、三振率15.2%に対して四球率21.2%とズバ抜けたゾーン管理を披露した。守備はSSを中心に2Bや3Bもプレー。守備能力は平均的で、将来的には2Bがフィットするとの見立て。
23年ドラフト2巡目。22年もNYMから3巡指名を受けたが、大学に残留。しかし23年シーズンは防御率4.66・与四球率10.3%と不調で評価を落としてドラフトを迎える形になった。最速101マイルの4シームに平均以上のスライダー&チェンジアップとハイポテンシャル。しかし4シームは質が悪く、打ち込まれがち。
FV40
22年ドラフト全体11位指名の攻撃型捕手。A+では87試合でwRC+115と健闘したが、2A昇格後は14試合という少ないサンプルながらwRC+70・三振率38.3%と苦戦。アプローチの適応に苦しんでいる。また、捕手としての守備面もかなり怪しく、盗塁阻止率18%&マイナーワースト4位となる129盗塁を許し、フレーミングによる失点阻止も-12.3点と酷かった。1B転向のリスクを抱える。
デービッド・ロバートソンの見返りとして昨夏加入。来季20歳ながら、スムーズなスイング&ゾーン管理の優秀さが際立つ両打ち捕手。23年はR/Aで53試合に出場してOPS.875・三振率21.7%/四球率23%と素晴らしい内容。捕手としての守備力も平均以上になれる可能性を秘めている。
21年ドラフト3巡目。昨季は2Aで100イニング以上投げた投手では2位となる奪三振率30.4%&FIP3.21をマーク。平均92.5マイルながらスピンレート2459rpm/縦変化10.66インチのライジングファストボールで空振りを量産する。第2球種のスライダーも2814rpmと高スピンで、チェンジアップやカーブも織り交ぜる。与四球率9.3%と与四球がやや多く、また来季25歳で初の3A挑戦という年齢も含めて、不動のローテーション投手というよりは、スイングマン~ミドルリリーフ向きだろう。
マーク・キャナの見返りとして昨夏加入。平均92.8マイルながら縦変化は驚異の11.11インチ(LADのアレックス・ベシアが11.14)というMLBトップクラスのライジングファストで空振りを量産する。2Aでは14先発で防御率3.33も、3Aでは12先発で防御率8.79と打ち込まれた。制球難&フライボーラー気質による被弾の多さがネック。16位のハメルと似たプロフィールで、ミドルリリーフ向きか?
22年ドラフト4巡目の高卒選手。6-2/205のガッシリとした体型の大型選手で、パワーとアベレージを両立した打撃面が最も評価されている。23年は高卒1年目ながらAでwRC+129と好デビュー。高校ではSSを守っていたアスリートではあるが、SSとしては大きすぎるためプロでは早速3Bに転向。しかし走力不足から最終的には1Bに回る可能性も。
二刀流プロスペクトで、23年ドラフト3巡目でプロ入り。打者としては大学3年間でOPS.957のパワーヒッターも、三振率34.7%のコンタクト難が深刻。投手としては平均94/最速98マイルの速球と最高でスピンレート2900rpmに達するスライダー&カーブが武器のパワーリリーバー。
FV40-
荒削りだが、パワー&スピードを兼ね備えたダイナックな人材。特にスピードはダブルプラス評価。23年は高卒1年目ながらRでwRC+137、Aで123と平均以上のパフォーマンス。57試合で2本塁打止まりだったが、Aでは98打数というサンプル数ながら平均打球速度87.2マイルとMLB平均レベルの数字を残している。守備はCF中心に外野3ポジション&2Bもプレー。