2022年1月30日日曜日

2022 SEATTLE MARINERS TOP 20 PROSPECTS

2022 SEATTLE MARINERS

TOP 20 PROSPECTS

Julio Rodriguez

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.
フリオ・ロドリゲス(OF)/Julio Rodriguez:21歳
(A+/2A)74G 291AB 13HR 43BB 66K .347/.441/.560/1.001
◎パワー 打撃 / 〇肩 / △RF向き
ダイナミックな5ツール候補で、完成型はアーロン・ジャッジやブライス・ハーパーのようなMVP級のRFか。ダブルプラスのパワーで広角に長打を量産し、マイナー通算打率.331とコンタクト能力も兼備。走者としても平均以上で21年は21盗塁を決めた。マイナーではCFとRFを中心に出場しているが、肩の強さや体格的にもRFが適任だろう。
Julio Rodriguez
(A/A+)107G 444AB 17HR 60BB 117K .273/.366/.460/.825
◎パワー / 〇スピード 肩 / △素材型 エラー多い 
18年に契約150万ドルで入団のドミニカン。スムーズなスイングからダブルプラスのパワーを生み出し、Aではリーグ3位タイの17本塁打とポテンシャルを発揮。走塁でも24盗塁を決めるなど足も使えるが、体格の成熟次第ではスピードは失われる可能性あり。守備範囲と肩の強さは問題ないが、送球エラーの多さと体格面の問題からSSに残れるかどうかは評価が分かれる。ハンリー・ラミレスやフェルナンド・タティスJrが完成型。
Noelvi Marte

(A+/2A)2.53ERA 67.2IP BB/9=2.0 K/9=10.6 K/BB=5.33
◎コントロール / ◯速球 変化球
19年ドラフト1巡目のコントロールアーティスト。20-80スケールで80評価のコントロールが最大の武器だったが、プロ入り後に91-94マイルだった速球が95-99マイルにパワーアップ。変化球も多彩であり、投手としての評価を大きく上げた。肩痛で離脱もあったが、健康ならエースを狙える逸材だ。

(A+/2A)2.62ERA 44.2IP BB/9=3.4 K/9=8.7 K/BB=2.53
◯速球 4球種 / △耐久面
20年ドラフト全体6位指名。19年に広背筋を痛めて評価を落としたが、健康なら全米1位も狙えた逸材。プロ入り後にリリース位置を下げ、94-98マイルのライジングファストボールを高めに、93-96マイルのツーシームや平均以上のスライダー&チェンジアップを低めに落とす投球スタイルに転身。21年も肩の痛みで離脱しており、耐久面が懸念される。完成度の高さ、一桁ピック、耐久面への心配というプロフィールはカル・クアントリル(CLE)と重なる。

5.ハリー・フォード(C)/Harry Ford:19歳
(R)19G 55AB 3HR 9BB 14K .291/.400/.582/.982
◯コンタクト スピード アプローチ / △素材型 C守備
21年ドラフト全体12位指名。傑出した運動能力の持ち主で、捕手ながらスピードはプラス評価。他ポジションへの適性も見せており、クレイグ・ビジオと比較される。打者としてもビジオのように優れたハンドアイコーディネーションと辛抱強いアプローチで広角にライナーを量産する。RではOPS.982と早速結果を出した。捕手としては全体的に磨かれる必要あり。
Harry Ford

(A+/2A)2.31ERA 97.1IP BB/9=4.4 K/9=13.1 K/BB=2.96
◎速球 スライダー / △コントロール
20年にテイラー・ウィリアムズのトレードの後日指名選手としてSDから移ると、21年はマイナー全体9位となるK/9=13.1をマークするなどブレーク。93-97マイルのライジングファストと80マイル中盤のスライダーのコンビネーションは強烈の一言。ボールの威力だけならエース級だが、力んで投げるフォームと平均以下のコントロールから先発かリリーフかで評価が割れている。
Matt Brash


(DSL)54G 188AB 7HR 21BB 35K .287/.371/.521/.892
◯パワー 肩 / △素材型 RF向き?
第2のフリオ・ロドリゲスとして期待。身長5フィート11と体格面はフリオに劣るが、十分に筋肉質であり運動能力も◎。プラスのパワーが最大の武器で、21年はDSLでリーグトップの26長打を放った。また三振率15.8%とコンタクトにも欠点がない。スピードは平均をやや上回り、打球判断も良いのでCF適性あり。しかし将来的にはRFに移ることになるか。
Gabriel Gonzalez

8.コナー・フィリップス(RHP)/Connor Phillips:21歳
(A/A+)4.62ERA 76.0IP BB/9=5.4 K/9=13.1 K/BB=2.41
◯速球 カーブ 奪三振 / △素材型 コントロール
20年ドラフト2巡目指名の高校生投手。すでに96-98マイルを計測している伸びのあるランニングファストと切れ味鋭いスラーブのコンボ。6-2/190と体格的な伸びしろを残しており、さらなる球威アップが見込める。力んで投げるメカニクスからコントロールに課題があり、チェンジアップも未発達。先発として育成するには時間がかかりそうだ。
(A+/2A)3.31ERA 81.2IP BB/9=4.1 K/9=9.5 K/BB=2.32
◯速球 3球種 / △コントロール 耐久性
19年ドラフト3巡目。ドラフト後にTJ手術を受けたが球速アップに成功し、21年は15先発で7勝をあげるなど好デビューを飾った。94-98マイルの速球に80マイル後半のハードスライダー、平均以上のチェンジアップを織り交ぜる
。BB/9=4.1と与四球が多く、コントロールを改善していくことが求められる。

10.
アダム・マッコ(LHP)/Adam Macko:21歳
(A)4.59ERA 33.1IP BB/9=5.7 K/9=15.1 K/BB=2.67
◎カーブ / 〇奪三振 / △体格 コントロール 耐久性
スロバキア出身で、Youtubeでジャスティン・バーランダーやデビッド・プライスの動画を観て独学でピッチングを学んでいたが、12歳の時に家族でカナダへ移住。そこでカナダ屈指の強豪ボクスホール高へ進学したことでスカウトの目に留まりドラフト指名を受けた。高校時に80マイル後半だった速球は、昨季MAX98マイルに到達。カーブも鋭く切れる。経験を積み、コントロールを改善していけばローテーション半ばクラスの投手になり得る。

(R)21G 71AB 2HR 10BB 26K .211/.337/.324/.661
◯SS守備 運動能力 / △素材型 パワー
21年ドラフト2巡目。ドラフト時点で17歳と若く、契約金165万ドルでプロ入りした。運動能力に恵まれており、走攻守とオールラウンド。打撃はコンタクトに長けたスイッチヒッターで、パワーは発展途上だがRでは2本塁打を放つなど伸びしろあり。守備では滑らかな動作&平均以上の強肩からMLBでもSSに残れる資質を示している。

12.
アルベルト・ロドリゲス(OF)/Alberto Rodriguez:21歳
(A/A+)100G 394AB 10HR 53BB 102K .289/.379/.470/.849  
◯打撃 肩 / △両翼向き 
20年にタイワン・ウォーカーとのトレードでTORから移籍。選手としてのイメージはフアン・ソトに近い。華麗なスイングでハードヒットを量産し、リーグ4位の31二塁打。四球率11.5%と選球眼にも優れている。21年は序盤こそ苦しんだが6月以降はAでOPS.914と完全に適応。守備はコーナーとしては及第点で、RFメインに出場し12補殺。強肩が光る。

13.
ザック・デローシュ(OF)/Zach DeLoach:23歳
(A/A+)107G 434AB 14HR 60BB 121K .277/.373/.468/.841
◯コンタクト アプローチ / △パワー 両翼向き 
20年ドラフト2巡目。20年シーズンはパンデミックで打ち切りになってしまったが、18試合で打率.421、全米1部リーグで11位となるOPS1.336と絶好調だった。走攻守のバランスが良い4番手外野手タイプで、将来像は元マリナーズのセス・スミスのようなイメージだろう。パワーを伸ばせるかがレギュラーになれるかどうかを左右するだろう。

14.ミルカー・ぺレス(3B)/Milkar Perez:20歳
(R/A)51G 172AB 0HR 43BB 42K .308/.455/.378/.832
◯打撃 / △3B守備 フォーム
パワーポテンシャルを秘めており、マイナー2年で四球率16.0%/三振率19.4%とコンタクト&アプローチも磨かれている。21年はR/Aで打率.308・12二塁打とラインドライブを量産した一方で、慌ただしいフォームがネックとなったのか0本塁打に終わった。3B守備は発展途上ながらプラスの強肩を有する。

15.
サム・カールソン(RHP)/Sam Carlson:23歳
(A)4.77ERA 100.0IP BB/9=4.0 K/9=10.1 K/BB=2.55
◯速球 3球種 / △素材型 耐久性 コントロール
TJ手術のリハビリにより2017年以来の公式戦マウンドとなったが、19先発で傘下4位の100イニングを投げ切るなど健康なシーズンを送った。BB/9=4.0と制球に苦しむシーンが目立ち、全体的な投球内容は良くなかったが、93-97マイルの速球&平均以上のスライダー&プラスのチェンジアップを織り交ぜるポテンシャルは非凡。先発としてMLBに昇格するにはまだ経験を積む必要があるだろう。

16.
マイケル・モラレス(RHP)/Michael Morales:19歳
(A+/2A/3A)18.00ERA 1.0IP BB/9=9.0 K/9=9.0 K/BB=1.00
〇カーブ コントロール / △球威ダウン 素材型
21年ドラフト3巡目。20年夏に92-95マイルを計測していた速球は昨春88-90マイルにパワーダウン。それでもマリナーズが3巡目で強気に指名。スロット額の2倍以上となる契約金150万ドルで入団した。SEAスカウト部長のスコット・ハンターはウォーカー・ビューラー(LAD)と比較しており、球速UPに定評のあるSEA傘下で球威を取り戻せるか注目だ。

17.
ブライス・ミラー(RHP)/Bryce Miller:23歳
(A)4.82ERA 9.1IP BB/9=1.9 K/9=14.5 K/BB=7.50
◎速球 / ◯奪三振 / △変化球 コントロール
低いリリースポイントからMAX98マイルのライジングファストボールをゾーンの高めに投げ込む。この速球と平均的なスライダーの2球種主体のピッチングスタイルで、リリーフ向きとの評価。先発に残るにはスライダーの強度アップとチェンジアップの習得が求められる。しかし、リリーフに専念すれば早期昇格が狙えるだろう。

18.
ジョナサン・クラセ(OF)/Jonatan Clase:20歳
(R)14G 49AB 2HR 6BB 15K .245/.333/.388/.721
◯スピード / △素材型 / ✖パワー 体格
契約金$35Kと格安での契約だったが、19年はDSLでOPS.878と好デビュー。5-8/150と小柄でパワーはないが、20-80スケールで70評価のスピードを武器にエネルギッシュさが光る。21年は14試合の出場にとどまったが、16盗塁(0失敗)と走塁は素晴らしかった。CF守備では守備範囲こそ広いがルート取りが拙く、危なっかしい場面が目立つ。攻守に磨かれる必要がある。

19.イザイア・キャンベル(RHP)/Isaiah Campbell:24歳 
(A+)2.33ERA 19.1IP BB/9=2.8 K/9=9.3 K/BB=3.33
◯速球 4球種 / △耐久性 肘の状態 
19年ドラ2ながら肘の痛みで休養していたため、21年が初のプロシーズンとなった。しかし19.1イニングの投球にとどまり、その後また肘のクリーンアップ手術を受けた。長身から92-95マイルの速球を主体に4球種を扱うスペックの高さが光る。スラッターとスプリットは速球との相性が抜群で、カウント球としても決め球としても効果的に使える。健康に過ごせるかがポイントとなる。

20.アンドレス・ムノス(RHP)/Andres Munoz:23歳
(MLB)0.00ERA 0.2IP BB/9=27.0 K/9=13.5 K/BB=0.50
(R/3A)4.91ERA 3.2IP BB/9=2.5 K/9=17.2 K/BB=7.00
◎速球 / ◯奪三振 / △TJ手術明け コマンド
オースティン・ノラのトレード相手の一人として加入したクローザー候補。常時99-100マイル、最速103マイルの速球はノビがあり、高めに集めて空振りが奪える。平均的なスライダーを磨くことができればもっと三振数を増やせるだろう。規格外のスピードボールの代償か、肘の違和感を訴えて20年3月にTJ手術を受けた。22年は終盤に復帰してMLB/マイナーで5登板。22年は本格復帰に期待。

Plus One Prospect
デビン・スウィート(RHP)/Devin Sweet:25歳
(2A)4.74ERA 79.2IP BB/9=3.3 K/9=10.5 K/BB=3.21
〇チェンジアップ / △スライダー
ピッチトンネルを絶妙に通す技術に長けた技巧派右腕。86-88マイルだった速球は19年に91-94マイルに上昇。支配力が向上した。この速球と落差に優れたチェンジアップをコマンドよく投げ分ける投球が持ち味。スライダーを磨ければ先発としての可能性を上げることができるはずだ。21年は先発で13試合、リリーフで12試合に登板した。

テイラー・ドラード(RHP)/Taylor Dollard:23歳
(A/A+)5.14ERA 105.0IP BB/9=2.1 K/9=11.4 K/BB=5.54
〇4球種 コントロール / △球威
20年ドラフト5巡目。プラスピッチは無く球威は平凡だが、4球種をゾーンにあつめるストライクスロワー。90-92マイルのシュート方向に伸びるランニングファストと大きく横滑りするスライダーがアウトピッチ。与四球は少ないが被打率.276とゾーンの甘い部分に集まる傾向がある。

ウィリアム・フレミング(RHP)/William Fleming:23歳
(R/A)3.27ERA 22.0IP BB/9=1.6 K/9=11.0 K/BB=6.75
〇速球 体格 / △変化球
21年ドラフト11巡目。6フィート6の長身から93-96マイル、MAX99マイルの動く速球を投げ込むパワーピッチャー。第2球種のスライダーも切れるが、カーブ&チェンジアップは要改善。SEA傘下では先発で2試合、リリーフで7試合に登板した。

ジミー・ジョイス(RHP)/Jimmy Joyce:23歳
(R/A+)3.22ERA 22.1IP BB/9=2.8 K/9=12.5 K/BB=4.43
〇カーブ 奪三振 / △実績 球威
21年ドラフト16巡目。大学4年のシーズンで防御率3.70・K/BB=4.24をマークするとSEA傘下加入後も22.1回/35Kと支配力を見せた。90マイル前半のシンカーと大きく曲がるカーブでゾーンの内外を揺さぶる。

(A/A+/3A)106G 422AB 26HR 61BB 132K .275/.368/.566/.935
◯パワー スピード / △年齢
19年ドラフト20巡目の出身ながら、21年はマイナーで26本塁打&24盗塁と「20-20」を達成。とはいえA,A+ではリーグ平均よりも年齢が上だった点は考慮が必要だろう。それでもパワー、ゾーンコントロール力、スピード、外野3ポジションを守れる守備力は第4の外野手にフィットするだろう。


2022年1月29日土曜日

2022 OAKLAND ATHLETICS TOP 20 PROSPECTS

2022 OAKLAND ATHLETICS

TOP 20 PROSPECTS

Nick Allen


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。


1.
タイラー・ソダーストロム(C/1B)/Tyler Soderstrom:20歳
◎打撃 / 〇パワー / △C守備 素材型
20年ドラフト1巡目指名。パワーとアベレージを両立した打撃のポテンシャルは20年ドラフトの高校生では屈指と評判で、1年目からAでOPS.957と年上選手相手に結果を出した。年齢に比して発達した打撃面と対照的に、捕手としての守備力はかなり怪しく、外野や一塁転向が濃厚との見立て。ウィル・マイヤーズ(パドレス)のような将来を辿るか。1Bでも9試合に出場した。
Tyler Soderstrom

(2A/3A)97G 340AB 22HR 39BB 103K .256/.339/.494/.833
◎肩 / ◯C守備 パワー / △スピード フレーミング
19年ドラフト1巡目。マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。攻守の将来像はショーン・マーフィー(OAK)か。20-80スケールで70評価の強肩を武器に21年はマイナーで盗塁阻止率42%をマーク。一方でBaseball Prospectusの出すフレーミング指標では-13.8を叩き出すなどフレーミングは要改善。完成型はマーフィーのように「.250・20本で守備プラスの捕手」だろう。
Shea Langeliers


(3A)89G 321AB 11HR 30BB 97K .265/.330/.414/.744
(MLB)22G 63AB 1HR 2BB 25K .111/.152/.206/.358
◎CF守備 / ◯スピード 肩 / △打撃 アプローチ 
マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。傑出した運動能力の持ち主で、俊足と強肩を生かしたCF守備はマイナーNo.1の呼び声高い。21年は開幕ロースター入りも、ハムストリングの故障と打撃不振によりMLBでの出場は22試合にとどまった。アプローチに課題があり、打撃の出来が将来を左右するだろう。フロアーはフアン・ラガレス(元NYM他)のような下位打線レギュラー、シーリングはバイロン・バクストン(MIN)のようなオールスターCFだろう。
Cristian Pache


4.J.T. ギン(RHP)/J.T. Ginn:23歳
(A/A+)3.03ERA 92.0IP BB/9=2.2 K/9=7.9 K/BB=3.68
◯グラウンドボーラー スライダー コントロール / △チェンジアップ
クリス・バシットのトレードでNYMから獲得したプロスペクト。ドラフトイヤーの20年にTJ手術を受けて2巡目にスリップも、昨季は18先発して防御率3.03、マイナーで90イニング以上投げた投手の中では全体2位となるグラウンドボール率62%と好投を見せた。投球の60%以上を占める90マイル前半のシンカーが武器で、縦スライダーはカウント球にも決め球にも使える。チェンジアップを磨きつつ、耐久面の不安を解消できればイニングイーターに適任だ。

◯速球 コマンド 3球種 / △TJ手術明け
マット・チャップマンとのトレードでTORから獲得したプロスペクトの1人。21年ドラフト1巡目指名。大学では20,21年と好投を続けていたが、ドラフト前の5月にTJ手術。92-95マイルの速球を両コーナーにコマンドし、スライダー&チェンジアップでバランスを崩す。大学3年間でBB/9=2.0のコントロールと6-4/220のガッシリ体型からワークホースに適任。順調なら来季中盤にプロデビューを飾るか?
(R)11G 31AB 0HR 3BB 12K .129/.206/.129/.335
◯攻守オールラウンド / △素材型
21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。高い運動能力に支えられたエネルギッシュなプレーが持ち味で、5ツール全てが20-80スケールで55評価を得ている。20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残れるだけの守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(ATL)と比較するスカウトも。

7.
ニック・アレン(SS)/Nick Allen:23歳
(2A/3A)89G 340AB 6HR 29BB 76K .288/.346/.403/.749
◎SS守備 / 〇スピード コンタクト / ✖パワー 
素晴らしい守備能力を示し、フルシーズンで出場できればSSでゴールドグラブも狙える。5-8/166と小柄でパワーレスながら、課題の打撃も着実に成長しており、21年は自己最多の6本塁打をマーク。東京五輪でもアメリカ代表の正SSとして攻守に活躍を見せた。とはいえMLBで二桁本塁打を狙えるパワーはなく、選手としての上限には限りがあるだろう。若き日のホゼ・イグレシアスやアデイニー・エチャバリアのようなシーズンWAR1.5~3程度のキャリアを辿るか。
Nick Allen

(A)2.76ERA 16.1IP BB/9=2.2 K/9=18.7 K/BB=8.50
◎速球 / 〇奪三振 / △コントロール 変化球
マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。6フィート6の長身からMAX102マイルの速球を投げ下ろす大型右腕。第2球種は不安定ながらスライダー&カーブはアウトピッチになり得る。大学通算BB/9=4.5とコントロールに課題があり、先発に残れるかどうかが争点になりそうだ。

9.
ザック・ゲロフ(3B)/Zack Gelof:22歳
(R/A/3A)36G 138AB 7HR 20BB 38K .333/.422/.565/.988
◯パワー / △3B守備
21年ドラフト2巡目で完成型はオースティン・ライリー(ATL)。平均以上のパワーが武器のスラッガーで、四球も三振も多いアプローチ。Aでの32試合で7本塁打・OPS.942と好成績を残し、3A昇格を果たすなどチームからの期待も大きい。運動能力は平均以上だが、3Bに残れるように守備力を磨く必要がある。デビュー時のライリーのように外野コーナーに回る可能性も。

10.ケビン・スミス(SS/3B)/Kevin Smith:25歳
(3A)94G 355AB 21HR 46BB 97K .285/.370/.561/.931
(MLB)18G 32AB 1HR 3BB 11K .094/.194/.188/.382
◯パワー 野球IQ 守備 / △コンタクト
マット・チャップマンとのトレードでTORから獲得したプロスペクトの1人。19年は三振率34%を喫するなどコンタクトに悩まされ大スランプだったが、21年は再び復活。三振率も24%に改善させた。MLBでは打率.094と当たらなかったが、「20本塁打・15盗塁」程度のポテンシャルはある。ビシェットがいるため、MLBでは本職のSSでなく3Bを守ったが、そこでUZR+1.1をマーク。春季トレーニングはレギュラー3B候補として迎えそうだ。

(3A)4.91ERA 77.0IP BB/9=1.3 K/9=7.9 K/BB=6.18
(MLB)3.60ERA 15.0IP BB/9=2.4 K/9=4.8 K/BB=2.00
◎コマンド / ◯3球種 / ✖故障体質
極度の故障体質だが、マイナー5年でK/BB=8.22と投球能力の高さは本物。健康にシーズンを送ることができればOAKでローテーションの一角を担うだけの実力はある。92-95マイルの速球と80マイル後半のチェンジアップ&スライダーをコマンドよく投げ分ける。特に決め球のチェンジアップは横変化が大きく、左打者の外に大きく逃げていく有効なボール。21年も肘痛で離脱し、プロ6年で100イニング以上を投げられたシーズンは無し。
Daulton Jefferies


(A/A+)105G 434AB 4HR 40BB 77K .330/.392/.445/.837
◯コンタクト / △パワー 
ショーン・マナエアとのトレードで今オフに獲得したプロスペクト。コンタクト能力が高く、19歳にしてAで打率.343をマーク。A+昇格も果たした。コンタクト能力が高い一方で何でも振りに行く傾向があり、アプローチを見直す必要あり。レギュラーとしてはパワー、守備力が物足りず、ユーティリティー向きか。

13.ペドロ・ピネダ(OF)/Pedro Pineda:18歳
(DSL/R)33G 97AB 1HR 18BB 41K .237/.368/.361/.728
◯パワー 肩 / △素材型 コンタクト
21年1月に契約金250万ドルで入団した大器。ダイナミックな5ツールを備え、特にパワーと肩の強さがプラス評価。打撃では強烈なスイングに加え、Rで四球率16.8%を記録するなど選球眼も兼ね備える。現在はCFとしてプレーしているが、体格の成熟次第ではコーナーに回る可能性もある。

14.A.J.パク(LHP)/A.J. Puk:27歳
(3A)6.10ERA 48.2IP BB/9=3.5 K/9=10.7 K/BB=3.05
(MLB)6.08ERA 13.1IP BB/9=4.1 K/9=10.8 K/BB=2.67
◯速球 スライダー 奪三振 / △コマンド / ✖故障体質
長身から93-99マイルの速球と80マイル後半の切れ味鋭いスライダーを投げ込む大型左腕。ランディ・ジョンソンのように先発として期待したいところだが球種の少なさやコマンド、故障の多さを考慮するとジョシュ・ヘイダー(ブルワーズ)やアンドリュー・ミラー(カージナルス)のようにリリーフが適任か。

15.コリン・プルース(RHP)/Colin Peluse:24歳
(A+/2A)3.39ERA 101.0IP BB/9=2.3 K/9=9.7 K/BB=4.19
◯速球 コントロール / △チェンジアップ
19年ドラフト9巡目ながらプロ入り後に球威が向上。20年のコロナ休止中に教育リーグで98マイルを計測すると、21年も常時94-95マイルを計測。この力強い速球を積極的にゾーンに投げ込み空振りを奪う。第2球種のスライダーも向上を辿り、アウトピッチとして確立した。平均以下のチェンジアップを磨けるかが先発かリリーフかを左右しそうだ。

(A)88G 347AB 16HR 37BB 95K .219/.306/.412/.718
◯スピード CF守備 / △コンタクト
パワー以外の4ツールが平均以上のリードオフポテンシャル。21年は低打率に悩まされたが、バレル性の打球を多く生み出し16本塁打。四球率9.4%と見極めも良かった。ラインドライブ率が13%(MLB平均は21%)とかなり低かったので、もう少しライナー意識の打撃を心がければ打率が安定するだろう。守備は外野3ポジションをこなせ、CF適性あり。

(A)2.91ERA 99.0IP BB/9=2.6 K/9=11.5 K/BB=4.38
◯速球 奪三振 / △変化球 
マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。19年ドラフト16巡目の高卒右腕。21年は20先発で防御率2.91・K/9=11.5と素晴らしい投球を見せた。低いリリースポイントから高めに93-96マイルのライジングファストボールを投げ込む。スライダー&チェンジアップの精度を磨いていけるかが先発に残るための鍵。

18.ホルヘ・フアン(RHP)/Jorge Juan:23歳
(A/A+)5.40ERA 26.2IP BB/9=4.4 K/9=13.5 K/BB=3.08
◯速球 カーブ 奪三振 体格 / △コマンド チェンジアップ
6フィート8の巨体から95-99マイルの速球と80マイル中盤のパワーカーブのコンボ。Aでは21イニングでBB/9=3.0と課題のコントロールにも改善が見られた。第3球種のチェンジアップが90マイル前後と速球との差別化ができておらず要改善。チェンジアップ&コマンドを磨いていけばスケールの大きい先発投手になれるだろう。ダメでもパワーリリーバーとしての適性あり。

(A+)4.50ERA 12.0IP BB/9=3.0 K/9=9.0 K/BB=3.00
◯速球 3球種 / △コマンド 健康面
20年ドラフト2巡目。6フィート4の長身から93-96マイルのシンキングファストを投げ下ろす。スライダー&チェンジアップも平均的であり、3球種揃っているという点では先発適性〇。一方でマックスで力んで投げるため、大学通算BB/9=4.3と制球難でブルペン転向のリスクあり。21年は肘の違和感により5試合の登板に終わった。(A+)90G 333AB 13HR 25BB 58K .288/.337/.484/.821
◯打撃 / △守備走塁
天性のコンタクト能力でハードコンタクトを量産するヒッティングプロスペクト。21年はリーグ平均よりも2歳以上若いにもかかわらず、OPS.821・三振率15.9%と適応してみせた。一方でスピードに欠け、フットワークの鈍さから3Bとしての守備力には疑問。1BやDHとしてはパワー不足感が否めない。

21.デンゼル・クラーク(OF)/Denzel Clarke:22歳
(R)7G 19AB 1HR 3BB 6K .316/.409/.579/.988
◯パワー スピード / △コンタクト 
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがダブルプラスのパワーポテンシャルを秘める。さらにスピードもプラス評価で走塁でも貢献できる。守備ではCFを守れるだけの守備範囲を示しているが、大柄な体格からコーナーが適任と見るスカウトも。RではCFで3試合、LFで3試合に出場した。

(2A)119G 448AB 7HR 62BB 155K .212/.307/.313/.620
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
19年ドラフト1巡目。20ホーマーも狙える強打のスイッチヒッターで、プラスの肩を備えた遊撃守備もOK。唯一にして最大の欠点はヒットツール。大学3年間で一度も3割を打ったことがなく、21年も三振率30.1%と空振りが多い。SS守備もプラスというわけではなく、3B/2Bが適任とされており、打撃でプラスが生み出せないと厳しいだろう。
完成型はジェド・ラウリー(元メッツ)か。

23.ロベルト・プアソン(SS)/Robert Puason:19歳
(A)91G 302AB 3HR 24BB 139K .215/.282/.291/.574
◯スピード 肩 / △コンタクト エラー多い 素材型
19年に510万ドルの大型契約で入団した原石。プラスのスピードに代表されるツールの宝庫だが、21年はAで打っては三振率41.2%、守っては29失策と攻守に荒さを露呈した。全体的に磨かれる必要がある。とはいえ18歳とリーグ平均よりも3歳若かった点は考慮し、来季に期待したい。(A/A+)102G 385AB 19HR 59BB 146K .273/.367/.504/.871
◯パワー スピード / △コンタクト 素材型
21年にマイナーで19本塁打・29盗塁をマークしたパワー&スピードは要注目。特にベストツールであるパワーは20-80スケールで70評価。スイングが大振りで三振率33%とコンタクトに課題があるが、A+に昇格したラスト14試合を打率.340で締めくくるなど来季のさらなるブレークに期待が持てる。CFでも12試合に出場するなど守備力も悪くないが、長い目で見れば1Bが適任か。

25.メイソン・ミラー(RHP)/Mason Miller:23歳
(R)1.50ERA 6.0IP BB/9=4.5 K/9=13.5 K/BB=3.00
◯速球 スライダー / △チェンジアップ コントロール
21年ドラフト3巡目。ややクセの強い複雑なフォームをしているが、平均95マイル/最速99マイルの速球とプラスのスライダーのコンビネーションで空振りを量産する。第3球種としてチェンジアップを交える。試合終盤になっても球威を落とさないスタミナ面は先発に適任も、複雑なフォームと2球種に頼った投球スタイルはリリーフ向きか。先発としての能力を証明していく必要がある。

26.ブレント・ハニーウェル(RHP)/Brent Honeywell:27歳
(3A)3.97ERA 81.2IP BB/9=2.6 K/9=7.4 K/BB=2.79
(MLB)8.31ERA 4.1IP BB/9=6.2 K/9=8.3 K/BB=1.33
◯スクリュー 即戦力 / ✖故障体質
度重なる故障により丸々3シーズン登板がなかったが、21年はカムバックを果たし、MLBデビューも経験した。3Aでは速球の平均が92マイルにとどまったが、自慢のスクリューは空振り率44%をマーク。右打者にはスライダー&カーブも扱う。MLBでは少ないサンプルながら速球平均93.8マイルを計測。来季の完全復活に期待したい。

27.ザック・ローグ(LHP)/Zach Logue:26歳
(2A/3A)3.67ERA 125.0IP BB/9=1.9 K/9=10.4 K/BB=5.33
◯スライダー / △球威 年齢
遅咲きながらマイナーで12勝をあげる好投を見せた。身長6フィート0と上背はないが、低めのスリークォーターから90マイル前半の速球&切れの良いスライダーのコンビネーション。プラスピッチがあるわけでなく、上限は限られているため、将来的には左のリリーフが適任だろう。

28.グラント・ホールマン(RHP)/Grant Holman:22歳
(A)4.20ERA 15.0IP BB/9=2.4 K/9=9.0 K/BB=3.75
◯速球 4球種 / △コントロール
21年ドラフト6巡目。大学では20年まで1Bとの二刀流でプレーしていた選手で、6-6/250の恵まれた体格も含めてハイポテンシャル。MAX97マイルの速球、スライダー、スプリット、カーブと4球種を織り交ぜることができる。下位指名ながらローテーション級のアップサイドあり。

29. エイドリアン・マルティネス(RHP)/Adrian Martinez:25歳
(2A/3A)3.38ERA 125.0IP BB/9=3.0 K/9=8.8 K/BB=2.98
◯チェンジアップ / △スライダー
ショーン・マナエアとのトレードでリスト12位のアンハレスと共にSDから移籍してきたプロスペクト。プラスのチェンジアップが武器で、落差・球速差ともに抜群。一方で90マイル前半程度であり、第3球種のスライダーも要改善なことからリリーフ向きとの見方が強い。


30.
ジュニア・ぺレス(OF)/Junior Perez:20歳
(A)95G 329AB 8HR 51BB 145K .207/.317/.359/.676
◯パワー / △両翼向き? コンタクト 素材型
20年11月にホルヘ・マテオのトレード相手としてパドレスから獲得。パワーが武器のヒッティングプロスペクトで、AではISO.152と長打力はアピールできた。一方で三振率37.6%とコンタクト面がかなり深刻で、磨かれる必要がある。守備は外野3ポジションを守れるが、長い目でみるとコーナー向きとの見立て。

Sleeper Prospects

ジャック・キューシング(RHP)/Jack Cushing:25歳
(A/A+/2A)3.22ERA 111.2IP BB/9=2.2 K/9=8.9 K/BB=4.11
◯コントロール / △球威
OAK傘下No.1のコントロールを武器にマイナー3クラスで計7勝をマーク。A,A+ではいずれも7先発して防御率2点台と好投を見せた。速球は90マイル前半止まりだが、スポットに投げ分けることができる。2Aでは5先発で5敗・防御率4.68と振るわなかったので、来季の巻き返しに期待したい。

ブレイディ・バッソ(LHP)/Brady Basso:24歳
(A+)4.71ERA 21.0IP BB/9=3.0 K/9=11.1 K/BB=3.71
◯速球 奪三振 / △TJ手術明け コントロール
コントロールに課題があるため大学ではリリーフだったが、プロ入り後に制球が向上を辿り、21年は4先発(7登板)でK/9=11.1をマークするなどブレークしかけていた。しかし7月にTJ手術を受け、22年中に復帰できるかは微妙。平均94マイルの速球がプラスピッチで、カーブ&カッターも平均以上のボールになる可能性を秘める。

アダム・オラー(RHP)/Adam Oller:27歳
(2A/3A)3.45ERA 120.0IP BB/9=3.5 K/9=10.4 K/BB=2.94
◯奪三振 スタミナ / △年齢
16年ドラフト20巡目の出身ながら、昨季は傘下最多の120イニングを消化するなどワークホースぶりを発揮。92-94マイルのライジングファストに80マイル台のスライダー&チェンジアップ、ブレーキの利いたカーブで打者を翻ろうする。来季27歳の年齢面がネック。

ジョナ・ブライド(3B/1B)/Jonah Bride:26歳
(2A)78G 264AB 9HR 57BB 57K .265/.407/.424/.831
〇アプローチ / △守備 スピード パワー
21年秋よりキャッチャー転向に挑戦。コンバートが上手くいけばオースティン・ノラ(SD)のようなユーティリティー捕手になれるかもしれない。打撃はコーナータイプとしては長打力不足だが、2Aで四球率17.2%/三振率17.2%とアプローチが優秀。

(A+/2A/3A)119G 446AB 7HR 53BB 103K .271/.372/.388/.760
◯コンタクト スピード / △パワー
俊足を武器に傘下トップの52盗塁をマーク。打撃ではコンタクト&選球眼に優れており、25二塁打&四球率10.1%をマークし、2A昇格後は打率.320と大きく数字を上げた。守備は二遊間を中心に内外野をこなす。

(2A)109G 385AB 31HR 52BB 168K .210/.307/.486/.793
◎パワー / ✖コンタクト
元々は14年に契約金300万ドルでNYY入りしたトッププロスペクトだったが、今オフにFAとなりマイナー契約でOAKに入団した。コンタクトに致命的な欠陥を抱えるが、自慢のパワーはMLBでも通用するレベル。21年は打率.210・三振率37.9%と弱点は相変わらずだったが、自己最多の31本塁打。元々は3Bが本職だったが、近年は1Bでの出場がほとんど。
Dermis Garcia

2022年1月22日土曜日

2022 LOS ANGELES ANGELS TOP 20 PROSPECTS

2022 LOS ANGELES ANGELS

TOP 20 PROSPECTS

Reid Detmers


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。


1.
リード・デトマーズ(LHP)/Reid Detmers:22歳
(2A/3A)3.19ERA 62.0IP BB/9=2.8 K/9=15.7 K/BB=5.68
(MLB)7.40ERA 20.2IP BB/9=4.8 K/9=8.3 K/BB=1.73
◎カーブ / ◯コントロール スライダー 即戦力 / △チェンジアップ
20年ドラフト全体10位指名のカレッジ左腕。完成度の高さから即戦力だと評されていたが、ドラフトから一年でしっかりとデビューを果たした。大学時は90マイル前半の速球&20年ドラフティーNo.1カーブをコマンドよく投げ分けるタイプだったが、プロでは速球が93-97マイルに上昇し、80マイル後半のスライダーも習得。このまま球威を伸ばせればローテーション2-3番手級、現実的にはローテーション3-4番手級の働きが期待される。

Reid Detmers

(R/A/A+)47G 172AB 4HR 30BB 64K .267/.388/.459/.848
◯打撃 スピード / △SS守備 パワー 三振多い 素材型
19年ドラフト2巡目の高卒選手。将来像は攻撃型二塁手と目され、天性のヒットツールでギャップを破る。また、上手く育てば12-15本塁打程度も狙えるスイングスピードと筋力を兼ね備える。一方のSS守備では、29試合で12失策を喫するなど黄色信号。肩の強さも不足しているため2B向きだろう。
Kyren Paris


3.ジョーディン・アダムス(OF)/Jordyn Adams:22歳
(A+)71G 277AB 5HR 28BB 116K .217/.290/.311/.600
◎スピード / 〇CF守備 / △素材型 打撃
18年ドラフト全体17位。高校ではフットボールとの二刀流で鳴らし、自慢のスピードは20-80スケールで80評価。CF守備も◎。21年は春季トレーニングでホームランを放つなど打撃のポテンシャルも秘めるが、大振りでスイング軌道に問題があり、シーズンでは打率.217・三振率37.8%とコンタクト面に苦しんだ。打撃を改善できるかがカギ。

4.ジェレミア・ジャクソン(SS)/Jeremiah Jackson:22歳
(R/A)51G 188AB 10HR 25BB 72K .277/.358/.548/.906
◯パワー / △素材型 コンタクト SS守備
19年にパイオニアリーグ(R)のシーズン記録となる23本塁打をマークした長打力は文句無し。Aで三振率33.1%のコンタクト面とSSを36試合守って14失策の守備面が弱点。平均以上のスピード&守備範囲から2BやCFの適性があると見るスカウトも。ジョナサン・スコープのような攻撃型二塁手が理想型だが、現実的には「SSを守れるほどの守備力がないフレディ・ギャルビス」と考えると微妙か。打撃で順応したうえで、守備力も磨いていく必要があるだろう。

5.
アロル・ベラ(SS/2B)/Arol Vera:19歳
(R/A)57G 227AB 0HR 18BB 59K .304/.370/.401/.771
◯打撃 肩 体格 / △素材型 スピード アプローチ
19年に契約金200万ドルで入団した原石。スムーズなスイングでギャップを破り、21年はR/Aで打率.304・16二塁打をマーク。0本塁打に終わったが6-3/215と身体的な伸びしろが見込め、将来は15-20本塁打程度も可能か。強肩で守備動作&ハンドリングも滑らかだが足はあまり速くなく、SSに長くとどまるには一歩目の打球反応を磨く必要がある。長い目で見ると2B/3B向きだろう。
Arol Vera


6.
サム・バックマン(RHP)/Sam Bachman:22歳
(A+)3.77ERA 14.1IP BB/9=2.5 K/9=9.4 K/BB=3.75
◎速球 スライダー / △スタミナ リリーフ向き?
21年ドラフト全体9位指名。リリーフ転向のリスクは高いが、即戦力が期待できるカレッジ右腕。MAX101マイルの沈む速球と80マイル後半の縦スライダーはいずれも20-80スケールで70のプラスピッチ。しかし、2球種に頼った投球スタイルと平均的なコントロール、また大学で平均投球イニングが5イニング未満の耐久面から先発適性には疑問。クローザー向き?
Sam Bachman

(A+)4.50 12.0IP BB/9=3.8 K/9=15.0 K/BB=4.00
◯速球 奪三振 / △リリーフ向き?
21年ドラフト2巡目。6フィート6の長身を生かした垂直に近いオーバースローから常時94マイル前後の伸びのあるフォーシーム、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げ下ろす。アウトピッチはスライダーで、先発に残るには平均以下のカーブ&チェンジアップを磨いていきたい。先発に残れなくても左のパワーリリーバーとして戦力にはなれるだろう。

8.デンザー・グズマン(SS)/Denzer Guzman:18歳
(DSL)44G 141AB 3HR 20BB 24K .213/.311/.362/.673
〇打撃 肩 / △スピード 素材型 
21年1月に契約金200万ドルで入団の原石。年齢に比して発達しており、昨年の国際アマチュアFAでは屈指のピュアヒッターと評判。成熟したアプローチでゾーン理解も良く、ハードコンタクトを生み出す。守備ではSSに残れるだけの資質を持っているが、平均以下のスピードから3B向きか。精神面も成熟しており、メークアップも高評価。

(A+/2A/3A)124G 483AB 30HR 47BB 137K .290/.362/.561/.923
◯パワー 肩 / △コンタクト プルヒッター
昨オフにルール5ドラフトのマイナーフェイズでTEXから移ってくると、マイナー3階級で計30本塁打を放つなどブレーク。思い切りの良い豪快なスイングで長打を量産する。一方でややドアスイング気味で、極度のプルヒッターであり、MLBクラスの投手の内角速球を捌いたり外角の変化球を見極められたりできるかがポイントとなりそうだ。アスレチックで肩も強く、3B/SS向きの守備力を備える。
(R/A)54G 199AB 5HR 29BB 84K .206/.323/.367/.690
◯パワー / △コンタクト 両翼向き 素材型
18年に契約金100万ドルで入団の原石。上手く育てば30ホーマーも狙えるパワーポテンシャルを秘めており、米国デビューとなった21年はRでの35試合で打率.276・5本塁打・OPS.908をマーク。その後はAで打率.083と苦戦したが、18歳のシーズンということを考慮すれば大きな問題ではないだろう。守備は現在CFを守っているが、将来は両翼向きとの見立て。アプローチの荒さを取り除いてポテンシャルを開花させることができるか。

11.
エドガー・クエロ(C)/Edgar Quero:19歳
(R/A)39G 121AB 5HR 28BB 44K .240/.405/.463/.868
◯打撃 守備 / △素材型
21年に契約金20万ドルで入団の原石。U-15キューバ代表としてプレーした経験のある攻守にバランスの取れた捕手。21年は早速米国デビューを果たすとRでの29試合でOPS.945をマークした。打撃はやや空振りが多いものの、成熟したアプローチとスムーズなスイングが魅力のスイッチヒッター。守備面も高評価。

(R)43G 143AB 5HR 28BB 49K .175/.326/.343/.668
◯打撃 / △素材型 スピード 2B向き? 
19年に契約金110万ドルで入団の原石。華麗なスイングでアプローチ良くライナーを量産するスイッチヒッター。Rでは打率.175と苦戦したが、ヒットセンスは非凡だ。守備でも平均以上のハンドリング&打球反応を見せており、2Bに回れば平均以下のスピードによる守備範囲不足を解消できるだろう。攻撃型二塁手が将来像か。

(A)6.91ERA 83.1IP BB/9=3.8 K/9=7.9 K/BB=2.09
◯速球 カーブ 体格 / △素材型
19年ドラフト3巡目の高卒選手。6-6/220と規格外の体格を有しており、最速97マイルの速球&平均以上のハンマーカーブのコンビネーション。21年はA-消滅により、年上選手の揃うAでデビューを飾ったが、18先発で防御率6.91・被打率.297と打ち込まれた。とはいえ体格と球威は先発投手にふさわしい資質であり、今後の成熟に期待。

14.ダショウン・ノウルズ(OF)/D’Shawn Knowles:21歳
(A)84G 361AB 5HR 25BB 114K .227/.280/.355/.635
◯スピード 肩 CF守備 / △コンタクト パワー 素材型
バハマ出身。プラスのスピード&平均以上のCF守備のパッケージでリードオフ向き。Aでは31盗塁(1失敗)&Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAで+2.0と長所を発揮した。一方の打撃では三振率29.0%を喫するなどコンタクト面で苦戦。レギュラークラスの選手になるには、打撃の安定感を高めていく必要があるだろう。

15.
ランドン・マルソー(RHP)/Landon Marceaux:22歳
(R)14.73ERA 3.2IP BB/9=0.0 K/9=14.7
◯コマンド 4球種 / △球威 
21年ドラフト3巡目。速球は90-92マイル程度だが、4球種をコマンドよく投げ分ける投球能力の高い右腕。力感のない滑らかなフォームでストライクゾーンの四隅にボールを集めることができる。ローテーション下位向きのポテンシャル。

16.
デービス・ダニエル(RHP)/Davis Daniel:25歳
(A+/2A/3A)3.92ERA 114.2IP BB/9=2.7 K/9=12.1 K/BB=4.53
◯速球 奪三振 / △チェンジアップ
90-93マイルのライジングファストボールを武器に21年はK/9=12.1をマーク。デビューイヤーにして3Aまで到達した。平均以上のスライダー、平均的なカーブも織り交ぜる。チェンジアップはめったに使わないが感覚は悪くない。
(R)0.00ERA 8.0IP BB/9=2.3 K/9=9.0 K/BB=4.00
◯速球 奪三振 / △素材型 メカニクス
21年ドラフト12巡目の高卒左腕。ドラフトで大学生投手を乱獲したことにより浮かせた資金をつぎ込んで契約金125万ドルでスティールに成功した。6-0/190と身体的な伸びしろはあまり見込めないが完成度が高い。サイドハンドから90-94マイルの伸び上がる速球に平均以上のカーブで空振りを量産する。一方で大きく腕を引くメカニクスを不安視するスカウトも。

18.ライアン・スミス(LHP)/Ryan Smith:24歳
(A/A+/2A/3A)4.24ERA 129.1IP BB/9=2.3 K/9=10.6 K/BB=4.64
〇速球 奪三振 4球種 / △体格 伸びしろ
5フィート11の低身長を生かした低いリリースポイントから92-94マイルの速球を高めに集めて空振りを量産する。第2球種のスライダーは横に大きく動き、これも空振りが奪える。また、カーブ&チェンジアップでカウントを稼ぐことも可能。伸びしろはあまり残っていないが、ドラフト18巡目であることを考えればリリーフの一角にでも育ってくれれば万々歳だろう。
(2A)102G 400AB 16HR 30BB 119K .258/.313/.445/.758
〇パワー 守備 / △スピード 両翼向き
キューバ出身。プラスツールはないが攻守にバランスよく、中でも優れたバットコントロールに支えられた打撃能力が魅力。21年は自己最多の16本塁打・23二塁打と長打を量産した。スピードは平均から平均以下程度だが、ルート取りがクリーンでCFもこなせるほどの守備力を持っている。第4の外野手にフィットするだろう。

(2A)2.81ERA 93.0IP BB/9=2.6 K/9=9.4 K/BB=3.59
(MLB)3.86ERA 16.1IP BB/9=1.1 K/9=5.5 K/BB=5.00
◯スライダー コントロール / △コマンド
アンドリュー・ヒーニーとのトレードで昨夏NYYから加入するとMLBデビューして4試合に先発を任された。平均92.5マイル/スピンレート2357rmpの4シームを軸に、右打者にはスライダー、左打者にはカーブを交える。スライダーは被打率.150・Run Value-3と効果的だった一方で、それ以外の球種はコマンドも甘く打ち込まれた。真ん中周辺に集まらないようにコマンドを改善したい。

Plus One Prospect

(R/2A)10.13ERA 5.1IP BB/9=1.7 K/9=11.8 K/BB=7.00
◯球速 3球種 / △速球の質 スタミナ リリーフ向き?
21年ドラフト11巡目。96-98マイルに届く速球にキレの良いスライダー&スプリットのコンビネーション。速球はスピードこそ優秀だが、ムーブメントが小さく痛打されやすい。変化球を上手く織り交ぜていくことがカギとなるだろう。また、スタミナ面に課題を抱えており、パワーリリーバーとしてやっていくのが適任か。

(A)0.00ERA 3.1IP BB/9=2.7 K/9=16.2 K/BB=6.00
◯パワー 速球 / △素材型 / ✖コンタクト
19年ドラフト4巡目の高卒二刀流プレーヤー。昨季MLBで29本塁打を放ったジャレッド・ウォルシュと比較されるポテンシャル。現段階では空振りが目立つが、30ホーマー相当のパワーポテンシャルを秘めており、投げてもMAX95マイルを誇る。21年は野手としての出番はなく、投手としてデビュー戦で3.1回/6K無失点と好投も、故障によりこの1登板だけに終わった。

(2A/3A)125G 491AB 17HR 52BB 77K .336/.408/.493/.901
◯コンタクト アプローチ / △守備
18年にドラフト外で入団。ドラフト指名から漏れ、各球団にプレー動画を送っていたところ、ルーキーリーグの内野手を探していたLAAが獲得。すると昨季は2A/3Aで打率.336・17本塁打・OPS.901と素晴らしいブレークイヤーを送った。コンタクト能力が高く、アプローチも成熟している。守備は2Bとしては守備範囲が、3Bとしては肩の強さが不足しており、ユーティリティー向きか。

(A)54G 200AB 14HR 20BB 104K .240/.317/.530/.847
◎パワー / △守備走塁 / ✖コンタクト
19年にルール5ドラフトのマイナーフェイズでCINから移籍。爆発的なパワーを秘めており、21年はAで自己最多の14本塁打、傘下トップのバレル率をマークした。しかし、三振率46.4%と深刻なコンタクト難を抱えており、現状はロマン砲止まりか。
Edwin Yon


(A/A+/3A)83G 305AB 1HR 54BB 71K .305/.412/.354/.766
◯スピード / ✖パワー
小柄でパワーレスながらスピーディなユーティリティープレーヤー。自慢の俊足を武器に31盗塁を決め、守備でも2Bを中心に内外野を幅広くこなした。打撃は長打は期待できないが、コンタクトが得意で四球率14.9%と出塁能力も高い。エミリオ・ボニファシオ(MIA他)が将来像か。

2022年1月17日月曜日

2022 HOUSTON ASTROS TOP 20 PROSPECTS

2022 HOUSTON ASTROS

TOP 20 PROSPECTS

Jeremy Pena


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.
ジェレミー・ペーニャ(SS)/Jeremy Pena:24歳
(R/3A)37G 145AB 10HR 8BB 41K .297/.363/.579/.942
◯SS守備 肩 / △パワー 打撃
守備力が極めて高く、仮に打率.230程度でもアデイニー・エチャバリア(元マーリンズなど)のようなレギュラー遊撃手になれるだろう。課題の打撃面でも筋力UPに成功し、21年は3Aでの30試合で16長打(うち10本塁打)とパワーをつけている。打撃の出来がMLBでレギュラーを獲れるかどうかを左右することになるが、メークアップ評も高く、これからの成長に期待したい。
Jeremy Pena

(2A/3A)4.04ERA 100.1IP BB/9=4.5 K/9=11.8 K/BB=2.62
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド 
ホップ型のMAX99マイルの4シームを高めに集めて空振りの山を築く。この速球を軸に、プラスの縦カーブと平均的なスライダーをアウトピッチとして扱う。しかし、コントロールに課題があり、先発に残るためには改善が求められる。

3.
コリー・リー(C)/Korey Lee:23歳
(A+/2A/3A)88G 329AB 11HR 31BB 68K .277/.340/.438/.777
◎肩 / 〇パワー / △コンタクト C守備
19年ドラフト1巡目。攻守に荒さは残るが、プルサイドへのパワーと20-80スケールで70評価のキャノンアームが自慢。フレーミング&レシービングいずれも課題があるが、アストロズスカウト陣はリーの運動能力を買っているようだ。21年はシーズンを通して成長を見せたが、レギュラー捕手になるには攻守にレベルアップが必要。
(R/2A/3A)72G 255AB 9HR 39BB 92K .220/.339/.369/.707
◎スピード 肩 / △コンタクト SS守備経験
キューバ国内リーグでは、20歳のシーズンでOPS1.256をマークし球宴に選出。その後亡命して契約金400万ドルでアストロズに入団した。ダブルプラスのスピード&強肩を有し、キューバではCFを守っていたが、昨季はSSメインに転向。打撃は大振りで、5月は打率.173・三振率38%と苦戦したが、6,7月はいずれも月間OPS9割超えと適応を見せた。しかし、その後3AではOPS.457とつまずくなど、上位レベルに対応できるかがポイントとなるだろう。

(A)3.46ERA 41.2IP BB/9=6.5 K/9=10.4 K/BB=1.60
◯伸びしろ 体格 速球 3球種 / △素材型 コントロール
20年ドラフト2巡目。育成に時間はかかるだろうが、長身で伸びしろ◎な右腕。90-95マイルの速球と縦スライダーに加え、チェンジアップも向上を見せている。ストライクに集めるコントロールも備わっており、高卒投手というリスクはあるが、平均以上の3球種揃った先発投手になり得るポテンシャルは傘下トップクラス。先発として大成するには、フォームの再現性を高めてコントロールを磨きたい。

6.
タイラー・ウィテカー(OF)/Tyler Whitaker:19歳
(R)29G 104AB 3HR 9BB 40K .202/.263/.327/.590
◯パワー スピード 肩 / △素材型 / ✖コンタクト
21年ドラフト3巡目。アリゾナ大への進学が内定していため、スリップしたが、オーバースロットとなる契約金150万ドルでプロ入りした。6-4/190と体格に恵まれており、ダブルプラスのスピード&プラスのパワーを秘める。高校ではRFも、アストロズは長くCFでプレーできると期待を寄せる。Rでは三振率35%とヒットツールに課題あり。

7.
ジョー・ぺレス(3B)/Joe Perez:22歳
(A/A+/2A)106G 430AB 18HR 43BB 114K .291/.354/.495/.849
◯パワー 肩 / △3B守備 スピード
17年ドラフト2巡目。プロ入り後にTJ手術、肩の手術を経験するなど試合に出れない時期が続いたが、21年は自己最多の106試合に出場して18本塁打&34二塁打とブレーク。広角に長打が打てるパワーが武器。走守の能力は平均以下で、強肩だが3Bとしては守備範囲不足か。
Joe Perez


8.
コリン・バーバー(OF)/Colin Barber:21歳
(A+)16G 42AB 3HR 9BB 22K .214/.365/.452/.818
◯パワー スピード メークアップ / △素材型 両翼向き
19年ドラフト4巡目の高卒選手。ズバ抜けたスイングスピードを示し、バットコントロールも年齢に比して発達しているため、大化けする可能性を秘めている。スピードは平均以上だが、守備はコーナー向き。ある球団オフィシャルがアレックス・ブレグマンと比較するほどの勤勉なメークアップを備える。21年は肩の手術により16試合に出場に終わった。
(R/A+/2A/3A)7.99ERA 59.2IP BB/9=6.6 K/9=13.0 K/BB=1.95(※19年)
◯球威 4球種 体格 奪三振 / △TJ手術明け / ✖コントロール
数年前は球界屈指の「トッププロスペクト」として評判だったが、いまだにプロスペクトを卒業できていない。19年は禁止薬物の使用で出遅れると制球難に苦しみ防御率7.99とスランプ。復活をかけた21年はTJ手術により全休。復帰は22年中ごろの見通し。ポテンシャルは文句無しだが、これだけ故障が多いと先発としては厳しいと言わざるを得ず、リリーフに専念して昇格を目指すべきだろう。
Forrest Whitley

(R/3A)4.15ERA 13.0IP BB/9=6.2 K/9=11.1 K/BB=1.78
(MLB)7.71ERA 4.2IP BB/9=1.9 K/9=5.8 K/BB=3.00
◯4球種 コントロール / △球威 肘の故障多い
平均以上のコントロールで4球種を効果的に投げ分けるローテーション3-4番手クラスの投手。90-95マイルのホップ型の速球と70マイル台の高スピンのカーブは相性抜群。21年は肘の痛みにより17.2イニングのプレーにとどまった。19年にも肘の痛みで離脱しており、コンディション面に不安を抱える。
Tyler Ivey

11.
ピーター・ソロモン(RHP)/Peter Solomon:25歳
(3A)4.70ERA 97.2IP BB/9=3.9 K/9=10.3 K/BB=2.67
(MLB)1.29ERA 14.0IP BB/9=5.1 K/9=6.4 K/BB=1.25
◯速球 カーブ 奪三振 / △リリーフ向き?
長身を生かしたアームアングルの高いオーバースローから平均92マイルのホップ型の4シームを高めに、落差の大きいカーブを低めに投げ分ける。この2球種を軸にカッター&チェンジアップをカウント球として織り交ぜる。MLBではリリーフとしてのプレーとなったが、ローテーション下位クラスのポテンシャルはある。来季は再び先発として3Aで開幕を迎える予定。

12.イェイナー・ディアズ(C/1B)/Yainer Diaz:23歳
(A/A+)98G 383AB 17HR 23BB 63K .324/.362/.527/.889
◯打撃 / △スピード C守備
昨夏にマイルズ・ストローとのトレードでCLEから加入。マイナー4年で打率.328をマーク中のヒットツールが武器。21年は自己最多の17本塁打&25二塁打を放つなどパワー面で成長を見せた。守備面では強肩で盗塁阻止力は高いが、捕球面は発展途上。DHで33試合、1Bで12試合に出場するなど捕手に残れるかどうかが争点となるだろう。

13.
ジェイミー・メレンデス(RHP)/Jaime Melendez:20歳
(A/A+/2A)3.57ERA 58.0IP BB/9=5.1 K/9=14.0 K/BB=2.73
◯速球 奪三振 3球種 / △体格 コマンド
同じメキシコ出身であるホセ・ウルキディと比較される右腕。21年はAで18.1回/自責1/38Kと快投を見せ、19歳にして2Aまで昇格。5フィート8の低身長を利用した低いリリースポイントから91-93マイルのライジングファストボールを高めに集めて空振りを量産する。投球能力は高いだけに、与四球の多さと耐久面の問題を克服できるかがポイント。

14.
チェイス・マクダーモット(RHP)/Chayce McDermott:23歳
(R/A)2.95ERA 21.1IP BB/9=4.6 K/9=16.9 K/BB=3.64
◯速球 奪三振 カーブ / △コマンド チェンジアップ
21年ドラフト4巡目。ジョージ・スプリンガーのFA移籍に伴う補償ピックで指名された。MAX98マイルのライジングファストボールと落差の大きいカーブのコンビネーションで高い奪三振能力が魅力。コマンドに課題があり、チェンジアップも未発達なため、リリーフで輝くタイプか?

15.ショーン・ドゥビン(RHP)/Shawn Dubin:26歳
(3A)3.44ERA 49.2IP BB/9=3.4 K/9=12.5 K/BB=3.63
〇速球 スライダー 奪三振 / △チェンジアップ コントロール
21年は先発で8試合、リリーフで8試合に登板してK/9=12.5・被打率.205と支配的な投球内容。細身の体格から93-98マイルの速球&プラスのスライダーのコンビネーション。チェンジアップ&コントロールの平凡さからブルペン向きか。

16.
シェイ・ウィットコム(SS)/Shay Whitcomb:23歳
(A/A+)99G 396AB 23HR 39BB 134K .293/.363/.530/.893
◯パワー / △コンタクト
5巡目までに短縮された2020年ドラフトで最後に指名された男。しかし21年はA/A+で23本塁打、特にA+昇格後は58試合で16本塁打・ISO.300と驚異的なペースで長打を量産した。引っ張り方向への打球割合が50%を超える極度のプルヒッターで、三振率30.2%とヒットツールに課題あり。守備ではSS中心に2B/3Bもプレー。アベレージの低さからレギュラーよりも強打のユーティリティーが適任か。

17.ミサエル・タマレス(RHP)/Misael Tamarez:22歳
(A/A+)3.76ERA 76.2IP BB/9=4.5 K/9=12.1 K/BB=2.71
◯速球 奪三振 / △コマンド
19歳でプロ入りと一般的な国際アマチュアFA選手としては遅咲きで、契約金も1万5千ドルと格安だったが、21年にさらなる急成長を遂げた。MAX98マイルのライジングファストに平均以上のスライダー&カーブで空振りを量産する。コントロールを改善できるかが先発に残れるかどうかを左右するだろう。

18.ホゼ・シリ(OF)/Jose Siri:26歳
(3A)94G 362AB 16HR 26BB 122K .318/.369/.552/.921
(MLB)21G 46AB 4HR 1BB 17K .304/.347/.609/.956
◎スピード / △打撃 / ✖アプローチ
コンタクトに課題のある5ツールタイプだったが、21年は3Aで好成績を残すと、MLBでも限られたサンプルながらOPS.956をマーク。ポストシーズンでも主にCFのレギュラーとして起用された。MLBトップクラスのスプリントスピードを記録するなど走守での貢献が見込めるので少なくとも第4の外野手として計算できるだろう。極度のフリースインガーであり、レギュラーとして1年間結果を出せるかは疑問。

19.
マシュー・ベアフット(OF)/Matthew Barefoot:24歳
(A/A+/2A)101G 396AB 20HR 26BB 135K .258/.311/.477/.788
◯5ツール / △アプローチ
5ツールタレント。21年はマイナーで「20-20」を達成。大学ではコンタクト重視の打者だったが、プロではフライボール特化のアプローチに変更したことで長打力が開眼した。しかし、2Aでは36試合で打率.175・三振率31.3%とアプローチ面の脆さを露呈。パワーとヒットツールを両立できるように改善できるかがポイントとなる。守備ではCF中心に外野3ポジションでプレー。投手としてMAX94マイルの強肩を武器に7補殺を記録した。
(A+/2A)79G 295AB 15HR 38BB 117K .261/.356/.478/.834
◯5ツール CF守備 / △アプローチ
19位のベアフットと同じようなプロフィール。ツールのインパクトではベアフットに劣るかもしれないが、辛抱強いアプローチで出塁能力と守備でのCF適性では勝るか。ベアフットと同様に、プロ入り後に長打狙いのアプローチに転じたが、A+でOPS1.005をマークした後、コンタクト&見極めに苦労し、2AではOPS.619止まりだった。

Sleeper Prospects

(R/A)2.63ERA 13.2IP BB/9=1.3 K/9=14.5 K/BB=11.00
◯スライダー / 
21年ドラフト6巡目ながら、プロ入り後に球威向上が見られ、13.2回/22Kと支配的な投球。90マイル前半のライジングファストボールと平均以上のスライダーを主体にカーブ&チェンジアップも織り交ぜる。フルシーズンデビューでインパクトを残せるか。
(A/A+/2A)73G 244AB 15HR 37BB 90K .295/.413/.561/.974
◯パワー / △コンタクト C守備
捕手と歌手の二刀流プレーヤーで、引退後は歌手としての活動を考えている。野球では長打力が武器で、21年は15本塁打を放つなどの活躍でアストロズ公式が選ぶマイナーMVPに輝いた。捕手としての守備力には疑問符で、DHで14試合、1Bで24試合に出場した。

(A/A+/2A)98G 365AB 26HR 38BB 89K .255/.326/.534/.860
◯パワー / △コンタクト 守備
身長5フィート9と小柄だが、スムーズかつパワフルなスイングで26ホーマーとブレーク。2A昇格後も23試合でOPS.880と少ないサンプルながら数字を落とさなかった点も評価したい。守備は2Bを中心に3Bでもプレー。走守は平均的であり、ユーティリティー向きか。
Enmanuel Valdez


(A/A+)83G 285AB 15HR 52BB 100K .274/.397/.537/.934
◯パワー アプローチ / △両翼向き
20年にドラフト外で入団。6-3/209と体格に恵まれており、フィールド全体に長打の打てるパワーが武器。21年は15本塁打・四球率14.9%とスラッガーらしい成績を残した。守備ではRF適性があり、11補殺を記録。10盗塁&6三塁打をマークするなど足もまずまずでCFでも14試合に出場。

J.C.コレア(IF)/J.C. Correa:23歳
(A/A+)101G 407AB 9HR 35BB 59K .310/.368/.464/.833
◯コンタクト / △体型
カルロス・コレアの弟。20年にドラフト外で入団。大学時代から様々なポジションで出場しており、21年もSSを中心に内野全ポジションでプレーした。打撃はラインドライブを量産し、32二塁打をマーク。6-0/219とずんぐりな体型で、兄のようなアスリート性はないが、スリーパーとして注目したい。