2022年1月14日金曜日

2022 MINNESOTA TWINS TOP 20 PROSPECTS

2022 MINNESOTA TWINS

TOP 20 PROSPECTS

Royce Lewis


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.ロイス・ルイス(SS)/Royce Lewis:23歳
(A+/2A)127G 517AB 12HR 38BB 123K 22SB .236/.290/.371/.661※19年成績
◯パワー スピード メークアップ / △素材型 コンタクト
ツインズとしてはジョー・マウアー以来となる全体1位指名(2017年)。平均以上のSSになれる守備力&若き日のジョージ・スプリンガー(TOR)と比較されるパワー&スピードを兼ね備える。19年はA+/2AでOPS.661とヒットツールに不安を露呈した。ポテンシャルは文句無しだが、ヒットツールの不安を克服できるかが分かれ目。21年2月に右ひざの前十字靭帯を断裂し、昨季は全休。
Royce Lewis
(2A)93G 330AB 5HR 60BB 83K .270/.414/.382/.796
◎打撃 / △SS守備 パワー
20年ドラフト全体5位指名。夏のホゼ・べリオスとのトレードでTORから加入した。ドラフトクラスではNo.1のピュアヒッターと評され、ヒットツールの評価は20-80スケールで70の高評価。21年は2Aで出塁率.414をマークし評判通りのコンタクト&選球眼を見せた一方で、ISO.112と長打力に疑問。また、守備面ではSSとしてドラフト指名を受けたが、大学では3BからCFにコンバートされるなど将来的なポジションが不透明。プロではSSとCFで半分ずつ出場したが、多くのスカウトは外野向きとの見方。
Austin Martin

(2A)3.62ERA 97.0IP BB/9=3.5 K/9=9.5 K/BB=2.68
◯速球 3球種 体格 奪三振 / △フォーム
6フィート5の長身を生かしたオーバースローから、95マイル前後の4シーム&キレのあるスラーブ&チェンジアップのコンビネーションはローテーション半ばクラス。腕のストロークが長く、リリースポイントも背中からかなり遠いメカニクスをしているが、コントロールは良い。第3球種のチェンジアップは改善の余地を残すが、カウント球として使えたり、右打者にも使えたりとフィールは良いので上手く育てば3球種揃ったスターターになれるだろう。
Jordan Balazovic


4.
ホゼ・ミランダ(3B/2B)/Jose Miranda:24歳
(2A/3A)127G 535AB 30HR 42BB 74K .344/.401/.572/.973
◯パワー 打撃 / △守備 スピード
マイナートップの184安打を放つなど打撃のポテンシャルを開花させブレーク。「30本塁打&30二塁打」を達成したのはミランダとトッププロスペクトのボビー・ウィット(KC)の2人だけ。セレクティブなアプローチとプラスのパワーを両立し、21年は平均打球速度90.2マイルを計測。平均以下のスピードから2Bよりも3B/1B向きか。
Jose Miranda

(3A)3.41ERA 66.0IP BB/9=1.6 K/9=12.5 K/BB=7.67
(MLB)4.05ERA 26.2IP BB/9=1.7 K/9=10.1 K/BB=6.00
◎速球 / ◯奪三振 コマンド / △変化球
ネルソン・クルーズとのトレードで昨夏TBから加入。MLBデビューすると5先発で被打率.168・K/9=10.1と支配的な投球。4シームは平均91マイルでスピンレートも平均以下だが、平均リリース高155㎝というMLBでも屈指の低いアームスロットから投げ込まれるため、ライズ成分が強く、高めに集めて空振りが取れる。このライジングファストボールが全投球の66%を占め、右にはスライダー、左にはチェンジアップを織り交ぜる。速球の質は文句無しだが、変化球の向上が先発として大成するためのポイントとなるだろう。
(2A/3A)2.63ERA 72.0IP BB/9=1.6 K/9=10.0 K/BB=6.15
◯コマンド 3球種 速球 / △年齢
コントロールの良いイニングイーター向きの右腕だったが、20年のコロナ休止中に90マイル前半だった速球がMAX98マイルに向上し評価を上げた。常時95マイル前後の4シーム、打者の手元で鋭く切れるプラスのスライダー&高速チェンジアップをコマンドよく投げ分ける。来季すでに25歳の年齢はネックだが、6-5/210のガッシリした体格&安定したコントロール&3球種高精度からローテーション3番手級のポテンシャル。
Josh Winder

(2A)5.91ERA 53.1IP BB/9=5.7 K/9=13.0 K/BB=2.26
◯4球種 コマンド 奪三振 体格 / △21年不調
ホゼ・べリオスとのトレードで昨夏TORから加入。エクステンションに富んだ91-95マイルの4シームを高めにコマンドし、空振りを奪う。第2球種のチェンジアップもプラスピッチで、4シームとの組み合わせで打者を惑わせる。また、カーブ&スライダーも精度が高く、21年は球威ダウンに苦しんだが、本調子を取り戻せれば4球種が揃った完成度の高いスターターになれる。
(A/A+)0.78ERA 23.0IP BB/9=1.6 K/9=17.6 K/BB=11.25
◯4球種 奪三振 / △フォーム リリーフ向き? 耐久性
94-97マイルのライジングファストボールを軸に、右打者には縦にカクッと落ちるスライダー&カーブ、左打者には外角低めにチェンジアップを落として空振りを誘う。21年は肘の痛みで6先発にとどまったが、23イニング/45Kと空振りを量産。ローテーション半ば級のポテンシャルの持ち主だ。しかし、目いっぱい力んで投げるフォームと肘の故障歴、プロ3年で19年の25イニングが最多という耐久面の不安が大きい。

9.
コール・サンズ(RHP)/Cole Sands:23歳
(A/A+/2A)2.68ERA 97.1IP BB/9=1.8 K/9=10.0 K/BB=5.68
◯コマンド 速球 / 
元々はシンカーを低めに集めるストライクスロワーでバックエンドSP向きと見られていたが、20年のコロナ休止中に球威が上昇。サイドに近い低めのスリークォーターから95-96マイルのライジングファストを高めに、カーブ&チェンジアップを低めに投げ分ける投球スタイルで空振りを奪う。やや与四球は多いが、コントロールは平均以上であり、来季は先発としてMLB昇格も射程圏内だ。

10.
ヨアン・ドゥラン(RHP)/Jhoan Duran:24歳
(3A)5.06ERA 16.0IP BB/9=7.3 K/9=12.4 K/BB=1.69
◎速球 スプリット / 〇体格 奪三振 グラウンドボーラー / △コマンド 変化球
長身から力強い速球を投げ下ろし、高い奪三振とゴロアウト率を誇る右腕。大柄な体格から96-100マイルの速球と、90-93マイルのスプリットとシンカーの中間「スプリンカー」を投げ下ろす。21年は肘の痛みにより5登板にとどまった。カウント球が不在なためボール先行の場面が目立つ。速球&スプリットのコンボを生かすにはリリーフが天職か?

11.
ルイ・バーランド(RHP)/Louie Varland:24歳
(A/A+)2.10ERA 103.0IP BB/9=2.6 K/9=12.4 K/BB=4.73
◯速球 奪三振 コントロール / △コマンド スライダー 
平均94マイルの威力あるランニングファストと84マイルのスラーブ主体の投球で21年はK/9=12.4・被打率.214と支配的な投球。チェンジアップはAで投球比率8%と左打者限定のボールだが、落差が大きく、磨けば平均以上の球種になり得る。コントロールはだいぶ改善されたが、細かいコマンドは発展途上。2A未経験ですでに24歳と歳を食っており、ポテンシャルを生かすためにはリリーフ転向が現実的か。

12.
エマニュエル・ロドリゲス(OF)/Emmanuel Rodriguez:19歳
(R)37G 126AB 10HR 23BB 56K .214/.346/.524/.870
◯パワー / △素材型 / ✖コンタクト
19年に契約金250万ドルで入団した大器。21年はRでリーグ2位タイとなる10ホーマーを放つなどパワー面をアピール。一方で、三振率36.6%・引っ張り方向への打球割合62.1%とアプローチ面に課題あり。四球率15.0%と見極めは良いだけに、フィールド全体に打ち分けるアプローチを身に着ければアベレージ面も上がってくるだろう。守備のセンスもよく、スピードも平均以上でCF適性あり。しかし、将来体の成熟次第ではコーナーに回る可能性もある。

13.ロニー・ヘンリケス(RHP)/Ronny Henriquez:22歳
(A+/2A)4.71ERA 93.2IP BB/9=2.4 K/9=10.1 K/BB=4.20
◯速球 3球種 コントロール / △素材型 体格
5-10/155と小柄ながら素早い腕の振りで常時93-96マイル、最速98マイルを計測するハードボーラー。スライダー&チェンジアップはどちらも空振りが奪え、決め球になり得る。安定してゾーンに集めるコントロールも備わっており、耐久面の問題さえクリアできれば先発ローテーション半ばクラスのポテンシャル。

14.
ブレイン・エンロウ(RHP)/Blayne Enlow:23歳
(A+)1.84ERA 14.2IP BB/9=3.7 K/9=14.1 K/BB=3.83
◯カーブ 速球 体格 / △素材型 TJ手術明け
ホセ・べリオスと似たタイプの右腕。変化球&コントロールが年齢に比して発達しており、球速が伸びればべリオスのように大きな飛躍が期待できる。プロ入り後に40ポンドの増量に成功し、すでに高校時90-94マイルだった球速は92-96マイルにアップ。20年は教育リーグで94-97マイルとさらにパワーアップを見せた。21年はシーズン通してもパワーを維持できるかが焦点だったが、3先発で防御率1.84・K/9=14.1と好スタートを切ったところでTJ手術。来季終盤の復帰か。
(2A/3A)70G 267AB 7HR 35BB 67K .277/.371/.423/.795
(MLB)23G 59AB 2HR 3BB 14K .136/.177/.288/.466
◯CF守備 肩 アプローチ / △パワー 
目立ったツールは持っていないが、アルバート・アルモラ(前カブス)と比較される好守のCF。肩も強く、CF守備はプラス評価を得ている。打撃の評価はあまり高くなかったが、出塁率.377・18二塁打とアプローチよくギャップをやぶるスタイルを確立。MLB昇格も果たした。すでに第4,5番手の外野手としてベンチに残れる力はあり、打撃をさらに伸ばすことができればレギュラー定着も見えてくるだろう。

16.ケオニ・キャバコ(SS)/Keoni Cavaco:21歳
(R/A)63G 245AB 2HR 19BB 92K .233/.296/.302/.598
◯パワー 肩 / △素材型 / ✖コンタクト
19年ドラフト全体13位指名の高校生。未完成でメジャー昇格までは長い時間がかかるが、長打力と守備力を兼ね備えた三塁手になれる大器。現在は遊撃を守っているが、体格の成熟とともに三塁に移った方がよいとの評価。完成型はマニー・マチャド(パドレス)。21年は2年ぶりの公式戦でのプレーとなったが不発。素材型なだけに失われた2年の代償が大きいか。

(A/A+)98G 363AB 8HR 52BB 125K .273/.372/.430/.802
◯パワー / △素材型 スピード / ✖コンタクト
打撃のポテンシャルが高く、22年のブレークに期待したい選手。Statcastの記録があるAでは平均打球速度91.5マイルと優秀な数字をマーク。A+昇格後は打率.321と大当たりだった。すでに29二塁打を放つなどバレル性の打球を量産できており、打球速度も優秀なため、角度が付ける打撃を覚えれば本塁打増も見込めるだろう。コンタクト率64%(21年のジョーイ・ギャロが63%)と空振りの多さがネック。

18.
ミサエル・アービナ(OF)/Misael Urbina:20歳
(A)101G 367AB 5HR 54BB 82K .191/.299/.286/.585
◯アプローチ スピード 守備 / △パワー 肩 素材型
ダイナミックな1番CFになれる運動能力抜群の原石。スピード、コンタクト、守備の3ツールが平均以上。パワーと肩が平均未満の評価。21年は初のフルシーズンに苦戦したが、四球率12.3%/三振率18.7%とアプローチ面は優秀だった。ボール球スイング率も32%と悪くないが、平均打球速度が85マイルと平均以下だった。走守は良いだけに、パワーをつけてハードヒットを増やしていくことがバリュー向上の鍵となるだろう。

(A/A+)112G 394AB 18HR 110BB 144K .266/.434/.480/.914
◯アプローチ パワー / △守備
21年はマイナートップの110四球を選ぶなど辛抱強いアプローチでラインドライブを量産。A+昇格後は65試合で15本塁打を放つなどプラスのパワーポテンシャルを実戦で開花させつつあった。また、スピード評は平均的ながら34盗塁(5失敗)を決めるなど走塁でも貢献した。守備位置が不透明な点がネックで、21年は2Bを中心に1B,3B,LFでもプレーした。
〇チェンジアップ 4球種 体格 / △フォーム
21年ドラフト2巡目。21年は大学でカンファレンストップの110Kをマークするなど好投を見せた。6フィート5の長身を生かした角度のあるオーバースローから90マイル前半の沈む速球、プラスのチェンジアップ、スライダー、カーブのコンビネーション。ファンキーなオーバースローながら制球も安定しており、体格的な伸びしろもまだ残っている。

Sleeper Prospects

ソーヤー・ギプソンロング(RHP)/Sawyer Gipson-Long:24歳
(A/A+)4.55ERA 97.0IP BB/9=2.5 K/9=12.4 K/BB=4.96
〇3球種 奪三振 体格 / △被安打多い
19年ドラフト6巡目。大学3年間で防御率5.59ながらK/9=10.6・BB/9=2.4と投球内容は良く、プロでもK/9=12.4・BB/9=2.5とポジティブな数字をマークしている。平均92マイルのフォーシームに高空振り率のスライダー&チェンジアップのコンビネーション。特にベストピッチであるスライダーはAで平均スピンレート2527rmp、空振り率44%をマークした。

ショーン・ムーニー(RHP)/Sean Mooney:24歳
(A/A+)2.79ERA 42.0IP BB/9=4.9 K/9=15.2 K/9=3.09
〇球種 奪三振 高スピン / △球速 コントロール
19年ドラフト12巡目。速球は平均91マイルと打者を圧倒する球威はないが、Statcastが使われていたAでは平均スピンレートが2493rmpと優秀で、空振り率38%と多くの空振りを奪った。またスライダー、カーブ、チェンジアップはいずれも空振り率40%以上とアウトピッチとして有効だった。Aでは9先発で防御率1.24も、A+では3先発で防御率6.23と苦戦した。

ケード・ポビッチ(LHP)/Cade Povich:22歳
〇チェンジアップ / △球速 
21年ドラフト3巡目。テークバックが小さく球持ちの良いフォームから4シーム&チェンジアップのコンボで打者を欺くテクニカル左腕。大学では90マイル前後だった速球がプロでは平均92.9マイル、スピンレート2355rmpをマーク。球威上昇は短いイニングでの起用だったためだろうが、6-3/185という細身の体格をビルドアップさせ、安定して球威を出せるようになると面白いだろう。

(R)51G 188AB 5HR 19BB 66K .277/.341/.452/.793
◯パワー / △コンタクト スピード 素材型
20年ドラフト5巡目ながらパワーツールは高校生屈指と評判だった。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めているが、Rで三振率31.7%とヒットツールに課題があり、アプローチを磨いて打撃の才能を開花できるかがポイント。高校ではCFも、平均以下のスピード&すでに成熟した体格からプロでは早くも両翼に回っている。

(2A)110G 410AB 19HR 46BB 109K .259/.340/.439/.779
◯コンタクト 肩 / △パワー 
フリースインガー&ギャップヒッターだったが、21年は自己最多の19本塁打・46四球をマークするなど打撃改善に成功。スピードも平均レベルで、18盗塁をマークした。守備では平均以上の強肩を有しており、上位でもSS/3Bでプレー可能と評判。2AではSSを中心にプレーしたが、最終的には内野全般をこなすユーティリティー向きか。

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