2024 MILWAUKEE BREWERS
TOP 20 PROSPECTS
Jackson Chourio |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV60
1.ジャクソン・チョーリオ(OF)/Jackson Chourio:20歳Jackson Chourio
FV50
22年ドラフト2巡目。6-7/190の長身細身からMAX102マイルのライジングファスト&高スピンのスライダーを投げ込むポテンシャルの塊。しかし与四球率13.4%、マイナー4位タイの18与死球とフルエフォートな投げっぷりでノーコンが致命的。制球難を克服できればエース級の逸材だが、リリーフ転向のリスクも高い。
コービン・バーンズの見返りの1人。プラスのSSディフェンダーで、課題の打撃力もここ2年で急成長を遂げている。23年は3Aで打率.321・9本塁打・OPS.885・wRC+121をマーク。平均打球速度90マイル/上位10%も105マイルとMLB平均以上のパワーがあり、ゾーン内コンタクト率89%も優秀だ。何でも振りに行くアプローチの修正次第では開花するかもしれない。
Joey Ortiz
21年ドラフト1巡目指名。我慢強さと選球眼を兼ね備えるプラスヒッター。23年は2A/3Aで打率.284・18本塁打・OPS.930とブレイク。四球率15.8%/三振率17.9%とアプローチの良さが卓越している。また、55盗塁を決めるなど走塁でも貢献できる。平均以下のパワー&守備能力の改善がさらなる飛躍へのカギとなるだろう。
コービン・バーンズの見返りの1人。躍動感あるクロスファイアーから放たれる速球、カーブ、チェンジアップはどれも決め球として空振りが取れる。ボール単体の威力はエース級だが、マイナー6年で与四球率13.4%と制球難で天職はクローザーか。昨季はMLBで18試合にリリーフ登板して防御率3.26・4.60K/BBと好投。
23年ドラフト3巡目の高卒SS。オーバースロットとなる175万ドルで契約した。6-4/218の規格外のフレームに強靭なパワー&運動能力を兼ね備える。コンタクト面の弱さからジョーイ・ギャロ(元TEX他)と重なるものがある。守備は大柄な体格ゆえ、将来的な3B転向が目される。Rでは12試合で打率.180も、ドラフト時点で17歳と若いため、そう悲観する必要はないだろう。
23年ドラフト6巡目の高卒SS。左右の違いはあるが、大柄な体格、発達した打撃能力、SS/3B向きの守備能力から昨季ア・リーグ新人王に輝いたガナー・ヘンダーソン(BAL)と比較されている。高校では木製バットを扱ったショーケースでも結果を出しており、Rでは12試合で打率.356とよく打った。
23年ドラフト全体18位指名。20-80スケールで70評価のパワーが武器のスラッガーで、大学では66試合で31本塁打&平均打球速度95マイルと圧倒的なパワーを見せつけた。課題のヒットツールも三振率を前年の24%から18%に、四球率を12%から21%に改善させるなど克服の兆し。守備は強肩も鈍足のせいで評価は高くなく、1B転向のリスクを抱える。
21年に契約金110万ドルで入団した原石。身長5フィート7と小柄ながらヒットツールが高評価のスイッチヒッター。23年はAでwRC+116、四球率12.3%/三振率14.5%と磨かれた打撃内容。ISO.069ながらMAX打球速度110マイルを計測するなど、完全に非力というわけでもない。20-80スケールで60評価の走力を有し、CF適性あり。
23年1月に150万ドルで契約すると、DSLではwRC+125と好デビュー。四球率18.3%/三振率17.9%と成熟したアプローチが光る中距離ヒッター。ボール球には手を出さず、広角にバレル性の打球を量産する。走守の評価も良く、CFにふさわしい守備範囲を有するとの評価。
昨季3Aで135.1回を投げて防御率3.79・FIP3.71・奪三振率28%をマークした技巧派左腕。サイドハンドから平均92マイルの速球と大きく横に滑るスイーパーを主体に多彩な球種を投げ分ける。先発として長く活躍するには被OPS.722の対右打者対策(対左は.588)をどうするか。来季はローテーション争いに加わることになる。
FV40
23年ドラフト全体33位指名の高卒右腕。MAX98マイルの速球とスピンレート3000rpmsに達するカーブのコンビネーションから、ランス・マカラース(HOU)と比較するスカウトも。身長6フィート1と体格は平均的だが、運動能力&フォームの再現性に秀でる。
速球は92-94マイル程度だが、多彩な球種をコントロールよく投げ分ける技巧派。中でもシュート方向に大きく曲がるチェンジアップがベストピッチ。打者を圧倒するタイプではなく、ユスメイロ・ぺティート(元SF他)やエラスモ・ラミレス(TB)のようなスイングマンが将来像か。23年は2Aで25先発してリーグトップの防御率2.77と好投。
21年ドラフト4巡目。低いリリースポイントから90マイル前半のライジングファスト&落差大のチェンジアップでゾーンの高低を揺さぶる。23年はAで18先発して防御率2.75・xFIP2.89・奪三振率35.2%と好投。特に7月以降は10先発のうち9試合で5イニング以上を消化するなど耐久面もアピール。しかし、球速やスライダーの平凡さ、アンダーサイズな体格などから将来的にはリリーフ向きとの評価が多い。
22年ドラフト全体27位指名。5ツールのバランスがよいオールラウンダーで、一部スカウトはユーティリティー向きとの見立て。打撃ではコンタクト能力に優れ、守備はSSとしては肩力不足も、2Bに専念すればプラスディフェンダーになり得るとの評価。SSから移るのであればパワーナンバーを伸ばさないとレギュラーを張るのは厳しいだろう。23年はA+でwRC+107。
FV40-
22年ドラフト5巡目。プロ1年目の昨季はAで18先発して防御率3.46と好投。しかしリーグ平均より0.4歳高齢であったこと、FIPは4.63と平凡だったことから来季A+/2Aで実力が問われる。92-94マイルの速球、スライダー、チェンジアップのコンビネーションをゾーンの四隅に投げ分けるコマンド能力が武器。
パワーは皆無だが、俊足巧打のエネルギッシュな選手。23年はR/Aで60試合に出場して打率.349・44盗塁をマーク。四球率20%と三振数を上回る四球数を稼ぎ、出塁率は驚異の.491をマークした。守備は2B/CFをこなし、トニー・ケンプ(元OAK)のようなユーティリティープレーヤーが完成型か。
21年に契約金100万ドルで入団。プラスの走力&肩力を有するアスリートで、走守の評価が高い。打撃はコンタクト特化のスプレーヒッター。Aでの58試合で0本塁打ながら出塁率.377・wRC+107をマーク。逆方向への打球割合が48%と多すぎるため、上位レベルの投手のパワーに対抗できるか。