2024 MINNESOTA TWINS
TOP 20 PROSPECTS
Walker Jenkins |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV60
1.ウォーカー・ジェンキンス(OF)/Walker Jenkins:19歳23年ドラフト全体5位指名の高卒外野手。豊作な昨年ドラフトでなければ全体1位指名も狙えた大型5ツール候補であり、攻守の完成型をカイル・タッカー(HOU)とも比較されている。30ホーマーを狙えるパワーを秘め、R/Aで打率.362・コンタクト率82%とヒットツールも磨かれている。
5ツールポテンシャル。打撃はA+で打率.240・三振率29.5%とコンタクトに不安を抱えるが、上位10%の打球速度108マイルはダブルプラス水準、MAX打球速度117マイルは昨季のMLBなら13位とパワーは屈指であり、また四球率20%とゾーン理解も深い。走力はズバ抜けているわけではないが、20盗塁を決めており、また全試合CFとして出場しBaseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+4.1を記録するなど走守でも貢献できる。才能を発揮できればとんでもない選手になれ、仮に低打率で伸び悩んでもトレント・グリシャムのように2WAR前後は見込めるだろう。
Emmanuel Rodriguez
22年ドラフト全体8位指名。卓越したヒットツールを示すスイッチヒッターで、大学3年間で打率.351・OPS1.073、BB>Kと素晴らしいパフォーマンスを見せている。23年は2AでwRC+120をマーク。スターポテンシャルというよりもホルヘ・ポランコやアダム・フレイジャーのようなソリッドプレーヤーが完成型か。5-11/205とすでにSSとしてはガッシリしており、今後打撃を生かすためにさらにビルドアップすることを考慮すると、3B転向は既定路線だろう。
Brooks Lee
ポテンシャルはローテーション上位クラスも耐久面が不透明。平均で93-95マイルの4シームに平均以上のスライダー&カーブと3球種がプラスピッチ候補。課題のチェンジアップも向上の兆し。コントロールも平均的で、細身の体格からもアップサイド大。しかし昨季22先発で60球以上投げた試合は無く、先発として稼働できるかが争点となりそうだ。
23年ドラフト1巡目の高卒右腕。6-5/210の恵まれた体格から90マイル中盤の速球、変化量大のチェンジアップ&スライダーを投じる。速球は将来的に100マイルに届くとされ、チェンジアップもプラスピッチ候補と評判。未熟なコントロールを改善できるかが今後の課題。
ホルヘ・ポランコのトレード相手の1人。SEA傘下時代はフリオ・ロドリゲスのような5ツールプレーヤーへの成長が期待されていたが、打撃専門の両翼選手に収まりそうだ。23年は19歳ながらAでwRC+149と圧倒。プラスのパワーポテンシャルも、超フリースインガーがネック。ボール球を振っての凡打も多く、アプローチを磨いて長打をより供給できるようになりたいところ。
21年ドラフト13巡目。大学で86-88マイル程度だった速球が、プロでは平均95マイル/MAX99マイルにまで上昇。スピンレートも2400rpm超でホップ変化も大きく、球質も良い。この4シームを軸に80マイル後半のスライダー&チェンジアップという高速系の2球種を織り交ぜて23年は奪三振率30.1%を記録。2Aでのラスト10先発で防御率3.80/FIP3.40、3A昇格3先発で防御率2.92と結果を出した。
22年ドラフト8巡目とプロ入り時の評価は高くなかったが、プラスのコントロールを土台に昨季A/A+で105回を投げて防御率3.84・与四球率3.5%と好投。速球は平均93マイル/最速97マイルとこの手のタイプにしては球威も十分。右打者には外角のスイーパー、左打者には膝元のカッターが得意球。階級の割に高齢だが、バックエンドSPへの定着を期待したい。
23年はA/A+での21先発で防御率3.56/FIP3.42と安定した投球を披露。K/BBの値は突出しなかったが、21歳のシーズンということで今後の成長に期待というところか。プラスピッチは持たないが、平均94.6マイルで高スピンの速球に豊富な球種レパートリーが売りの技巧派右腕。シーリングはローテーション4番手相当との評価。
23年ドラフト2巡目。本塁打を量産するタイプではないが、走攻守に貢献できるスーパーサブ候補。打撃はコンタクト&出塁能力に優れ、20盗塁レベルの走塁力を備える。守備は2Bを中心にCFや3Bもプレー可能。セイバー映えする選手ではないが、チームに必要とされる選手になれるだろう。
ロマン砲。23年ドラフト3巡目の高卒選手。6-6/210の恵まれた体格を有し、パワー、スピード、肩の3ツールがプラス候補というフィジカルモンスター。Rでは17試合で4本塁打・OPS.884をマークも、三振率32%とコンタクト向上が課題。守備はCFで9試合、SSで7試合に出場したが、SSに残るのは厳しいと見られている。
21年に220万ドルで入団したトップアマチュア。SSに留まれる守備力が最も評価されている。23年は19歳ながらAでwRC+107と健闘。打球速度やコンタクト率、ボール球スイング率はメジャー平均とほぼ同水準。MAX打球速度110マイルはすでにMLB平均値であり、アプローチ等を磨いてこのまま打撃を伸ばせれば評価を上げられるだろう。
ホルヘ・ポランコの見返りの1人。大きくホップする92-94マイルの4シームと大きく横滑りするスイーパーはいずれも絶品。6-3/180の体格から伸びしろが見込める反面、大学通算与四球率10.4%、昨季マイナーで10.9%と制球が荒く、リリーフ転向のリスクも。同じSEA出身でリリーフとしてブレイクしたマット・ブラッシュと比較したい。
ユニークなイニングイーター候補。速球は平均90.8マイルとパワーレスだが、平均より3.2インチもホップ変化が大きいため空振りが取れる。またナックルボールの使い手であり、80マイル台の高速ナックル、70マイル台のカーブ、80マイル前半の縦スライダーと変化球も多彩。6-5/220の体格からスタミナも豊富だ。
今季がTJからの復帰年。94-97マイルのライジングファストボールを軸に、右打者には縦にカクッと落ちるスライダー&カーブ、左打者には外角低めにチェンジアップを落として空振りを誘う。スペックはローテーション半ばクラスも、目いっぱい力んで投げるフォームと肘の故障歴、プロ5年で通算85イニング、22年の37イニングが最多という点からリリーフ転向を余儀なくされるだろう。22年ドラフト2巡目。ドラフト一桁ピック候補にも挙がっていた大器だが、TJ手術経験者で、健康面に不安がありスリップ。23年も肘の故障で6.2回のプレーにとどまった。健康であればMAX96マイルの4シームにダブルプラスのスライダーのコンビネーション。先発に必要な耐久力を持ち合わせているかは疑問。
昨季A/A+で17先発して防御率2.88・4.16K/BBをマークしたイニングイータータイプ。独特なオーバースローから繰り出される平均93.5マイルでホップ成分の強い4シームがベストピッチ。スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球が平均的であり、これらの質を磨いていくことが先発残留の鍵となるだろう。先発としてはややスペック不足で、リリーフ転向が現実的か。
20年ドラフト5巡目ながらパワーツールは高校生屈指と評判だった。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めているが、21年&22年は三振率30%超え、昨季も29.6%とヒットツールに課題がある。それでも昨季は四球率を14.2%に伸ばすなどアプローチに改善が見られ、wRC+133と好調だった。平均以下の走力からすでに両翼向きであり、打撃でどれだけバリューを生み出せるかにかかっている。
昨季2A/3Aで計35本塁打を放った両打ちパワーヒッター。3Aでの36試合で11本塁打を放ち、上位5%の打球速度107マイル&バレル率12%と打球指標も優秀だった。一方で3Aでゾーン内コンタクト率68%、2A/3Aで三振率32.8%とヒットツールは最低ランクと言わざるを得ない。MLBの投手に対応できるかは疑問であり、さらに守備面もMLB基準だと1B/DHが適任と見られており、攻守トータルでの貢献は厳しいものがあるだろう。