2024年11月26日火曜日

2025 CHICAGO CUBS TOP 15 PROSPECTS

2025 CHICAGO CUBS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 シカゴ・カブス プロスペクトランキング

Matt Shaw


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV50

1.マット・ショウ(3B)/Matt Shaw:23歳
23年ドラフト全体13位指名。小柄ながら広角にバレル性の打球を量産する打撃面を高く評価されており、走塁能力も平均以上。24年は2A/3Aで打率.284・21本塁打・OPS.867・31盗塁をマーク。2A/3Aいずれの階級でも140以上のwRC+をマークした。3Aでのstatcastデータに着目すると、上位10%打球速度106.2マイルはプラス水準で、ランチアングル15度&ゴロ率42%と弾道も理想的。一方でスイング率は平均以下ながらチェイス率は31.5%と平均よりもだいぶ悪く、選球眼に課題があると見られる。守備はSSとしてドラフトも、二遊間がスワンソン&ホーナーにロックされていることもあり、24年は3B中心でのプレーとなった。平均以下の肩力が弱点で、3Bとしての評価は平均から平均以下となっている。機敏さを生かした守備範囲の広さと握り替えの早さでカバーしている。
Matt Shaw


2.ケード・ホートン(RHP)/Cade Horton:23歳
高校ではアメフトとの二刀流でも鳴らしたアスリート。大学1年時にTJ手術を受けアメフトを辞めたが、アーリーエントリーでドラフト対象となる2年時に復帰すると評価を伸ばし、22年ドラフト全体7位でプロ入りした。23年はマイナー3階級で防御率2.65・奪三振率33.5%と圧倒的な投球を見せ、マイナートップクラスの投手プロスペクトとして名を上げたが、24年は広背筋の負傷で9登板止まり。懸念されていた耐久面での不安を払しょくすることはできなかった。健康であれば、94-98マイルの伸びのある4シームとプラスのスライダーで打者を制圧する。ローテーション上位ポテンシャルも、制球やチェンジアップの質は要改善。
Cade Horton


3.モイゼス・バレステロス(C)/Moises Ballesteros:21歳
パワーとコンタクト能力を両立した攻撃型捕手。24年は2A/3Aで打率.289・19本塁打・OPS.826をマーク。2AでのwRC+154は20歳以下の選手としては2010年以降で歴代12位(200打席以上)の高数値だった。なお11位はラファエル・デバース、13位はザンダー・ボガーツという並び。打撃能力は申し分ないが、ずんぐり体型で俊敏性はゼロであり、捕手に残れるかは疑問。72試合で13個の捕逸を喫し、盗塁阻止率はわずか12%にとどまった。1B/DHタイプになるリスクがある上に、1Bとしては身長5フィート8と小さすぎるため、DH専門になる可能性もある。

6-4/190の大柄な体格にパワーポテンシャルを秘める左打者。カナダ有数の高校生プロスペクトとして注目され、20年ドラ2でSD入りすると、同年オフにダルビッシュ有の対価の1人としてCHCへ移ってきた。23年に2AでwRC+144、24年は3Aで.278/.375/.473・19本塁打・wRC+121と順調に成長を続けている。三振率28.4%/ゾーン内コンタクト率78.3%と平均以下のコンタクト能力を磨いていきたい。大柄な体格に比して動け、二桁盗塁程度の走力と走塁能力を有する。守備ではプラスの強肩と合わせて平均的なRFディフェンダーになれるとの見立て。
Owen Caissie


5.キャム・スミス(3B)/Cam Smith:22歳
パワーと身体能力を兼ね備えた右の大砲で、24年ドラフト全体14位指名でプロ入りした。1年生にして12本塁打を放った一方で三振率28.7%とコンタクト能力に欠点があったが、ドラフト対象として迎えた2年生シーズンはコンタクト&アプローチが大きく進歩を遂げ、三振率を15.2%まで改善。打率.387・16本塁打・OPS1.142と素晴らしい成績を残した。さらに、ドラフト後も32試合で7本塁打・OPS1.004とよく打った。ガチっとしたやや硬いスイングで、メカニクスは修正が必要か。守備は平均的なスピードとプラスの肩力を有するが、フットワークに問題あり。外野転向の可能性も。

6.ケビン・アルカンタラ(OF)/Kevin Alcantara:22歳
6フィート6の恵まれたフィジカルに傑出した運動能力も兼ね備えた5ツール候補。軽々と広角に長打を生み出すプラスのパワーが強み。24年はスイング率を抑えたことが功を奏したのか、2AでwRC+124、3Aで123と好結果を残し、MLBデビューも経験した。しかし3Aでは平均より3%程度少ないスイング率に対してチェイス率は平均+8%、ゾーン中心部のスイング率-10%となっており、ただスイングを減らしただけで打撃技術自体が向上したかは疑問が残る。またゴロ率51%とゴロが多すぎるため、パワーポテンシャルを発揮しきれていない。守備面では平均以上の走力&肩力を有し、Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPが直近3シーズンで+8.7を記録するなど平均以上のCFになれる可能性あり。大柄な体格から将来的には両翼がフィットするか。


FV45

22年に契約金100万ドルで入団のドミニカン。小柄ながら強烈なフルスイングでバレル性の打球を量産でき、打撃能力の高さが際立つ。23年にAで19歳ながらwRC+115をマークし評価を上げたが、24年はA+でwRC+88と足踏み。しかし、打球速度は向上したとのレポートもあり、またゴロ率35.9%と昨季よりも10%以上ゴロ打球を減らすことに成功している。BABIP.274、HR/FB=4.7%はいずれも平均以下であり、24年の不振はパワーが足りないのにフライを打ち上げたせいもあるだろうが、打者不利なリーグ環境や不運による要因もあったか。スピード&守備力は平均的で、最終的には3Bや2Bに移るか。

21年ドラフト2巡目。コンタクト能力を高く評価されている中距離ヒッター。24年は攻守に成長を辿り、評価を上げた。打撃は2A/3Aで打率.300・7本塁打・OPS.773をマーク。89試合をプレーした2AではwRC+130、三振率は驚異の9.7%を記録した。3Aでは26試合という小サンプルながらゾーン内コンタクト率91.7%と上質なコンタクト能力を示した。1B転向が心配された守備面も改善され、2Bとして平均以上の評価を獲得。走者としても優秀で47盗塁を決めた。

24年は2A/3Aで135回を投げて防御率3.91・奪三振率23.5%・与四球率5.4%をマーク。打者を圧倒するようなプラスピッチは無いが、ストライク先行の投球スタイルで試合を作り上げるバックエンドSPタイプ。平均95マイルの真っスラ系4シームはホップ変化は平均以下だが、ショートアームから繰り出されるためタイミングが取りにくく、ロケーションも優れているため現状最も信頼できる球種だ。80マイル前半のスラーブ、80マイル後半の高速スライダーはいずれも平均的な球種だが、3Aで空振り率30%以上を記録した。チェンジアップは2.4%の使用にとどまった。

23年ドラフト2巡目。23年をTJ手術で全休したが、24年はR/A/A+で18先発して計59.2回を投げて防御率4.37/FIP3.99・奪三振率28%とカムバック。6-6/225の迫力ある体躯からMAX100マイルでホップ変化&エクステンション抜群の4シームを投げ込む。80マイル中盤のスライダーもプラスピッチ候補で、第3球種のチェンジアップは不安定ながら空振りが取れる。コントロールの悪さを改善できれば、ローテーション半ばクラスのポテンシャルだ。


FV40

11.ペドロ・ラミレス(3B/2B)/Pedro Ramirez:21歳
洗練されたスイッチヒッター。辛抱強いアプローチでカウントを整え、コンパクトなスイングでライナーを打ち分ける。23年は19歳にしてAでwRC+119、24年はA+でwRC+111と毎年結果を出し続けている。純粋なパワーは平均以下であり、パワー不足を補うには2年連続50%超えのゴロ率を改善していきたい。平均以上の走力と盗塁技術を兼ね備え、ここ3シーズンで46盗塁。守備は2Bとして平均的な守備範囲を有するが、3Bとしては肩力がネックか。

12.
ジョナサン・ロング(1B)/ Jonathon Long:23歳
23年ドラフト9巡目とプロ入り時の評価は高くなかったが、24年にA+/2Aで打率.283・17本塁打・OPS.851とブレイク。特に2A昇格後46試合でwRC+189とさらに調子を上げた。平均以上のパワー、A+でゴロ率40.6%/2Aで37.8%とライナー&フライを量産できるバレル感覚、フィールド全体に打ち分けるバットコントロール、四球率14.1%の選球眼と打撃に関しては言うことなし。守備は本職の1Bの他に3B/LFでも起用された。

13.コール・マシス(1B)/Cole Mathis:21歳
大学2年までは二刀流で鳴らし、2年時にはチームトップのOPS1.014&防御率3.45とブレイク。3年シーズンは1Bでのプレーに専念し、自己最多の14本塁打・OPS1.122をマークし、ドラフト2巡目指名でプロ入りを果たした。パワーとコンタクトのバランスが良いピュアヒッターで、フライボールを増やせばより本塁打を増やせるか。大学では1Bメインも、公式戦で1試合しか守っていない3Bとしてドラフト指名された。

14.ロニー・クルーズ(SS)/Ronny Cruz:18歳
24年ドラフト3巡目。生粋のパワーが武器で、すでに打撃練習ではすさまじい打球を飛ばしている。6-2/170の立派な体格にさらなる筋肉がつけば20ホーマー以上も夢ではない。アプローチ&コンタクトの荒さは要改善。平均以上の走力と肩力を有し、SSに留まれる資質あり。スカウトによっては3BやCFに適性があるとの見方も。

15.ヤヒル・メレンデス(SS/3B)/Yahil Melendez:19歳
プエルトリコ出身。23年ドラフト7巡目の出身だが、24年は2年目となるR級でwRC+111とパワフルな打撃内容。三振率28%は要改善も、ゴロ率36.5%/引っ張り率50.4%という引っ張りフライを稼ぐアプローチと6-3/165という長身細身の体格からパワーポテンシャルあり。守備はSSに留まれる資質を有するが、ビルドアップに伴い将来はスピードを失うと予想されており、2Bや3Bに移ることになるか。

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