2024年11月15日金曜日

2025 NEW YORK METS TOP 15 PROSPECTS

2025  NEW YORK METS 

TOP 15 PROSPECTS

Jett Williams

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ジェット・ウィリアムズ(SS/OF)/Jett Williams:21歳
22年ドラフト全体14位指名の高卒野手。身長5フィート6と小柄ながら並外れた出塁能力の高さとプラスの走力が魅力のリードオフポテンシャルで、ダスティン・ペドロイア(元BOS)と比較されている。23年は高卒1年目ながらAでwRC+136、A+で176、マイナー全体2位の104四球を選ぶなど大活躍。最大の強みである出塁率は驚異の.425をマークした。しかし、24年は右手首の手術で33試合の出場にとどまった。それでもラスト6試合は3AでOPS1.079、オフのAFLでもOPS.770と状態を上げており、来季健康にプレー出来ればまた23年のようなパフォーマンスをしてくれると期待。守備はSS中心に、CF/2Bでもプレー。将来的にはSSよりもCFや2Bがフィットすると予想されている。
Jett Williams


23年ドラフト2巡目。大学ではシーズン防御率4.66と不調だったが、24年はA+/2Aでの16先発で防御率2.05・奪三振率32.9%・FIP3.05と好投。最速101マイルの豪速球を軸にアグレッシブにゾーンを攻めるスロワータイプ。ストライク先行の投球のおかげで、A+/2Aでは平均5.4イニング超を消化。90球前後で6~7イニングを消化した試合が複数あった。変化球はスライダー&チェンジアップがプラスピッチ候補で、カッターとカーブもレパートリーに扱う。しかし3A昇格後は7先発で防御率7.53・HR/9=2.20と打ち込まれた。速球の質に課題(スピン量、ホップ変化量いずれも平均以下)があり、3Aでの4シームの被wOBAは.535、得点価値はわずか28.2回で-6.7を叩き出した。速球の質改善と被弾を避けるように細かいコマンドを磨くことが上位で活躍するための鍵となるだろう。
Brandon Sproat

二刀流プロスペクトで、ニックネームは「カウボーイ・オオタニ」。24年はA+で防御率2.57・奪三振率32%、打っては25試合でOPS.850をマークするなど投打で躍動。平均95マイルの速球と3200rpmに達するスウィーパーのコンボが武器のパワーピッチャー。チェンジアップは発展途上でまだ色々な握りを試している段階。投球割合は少ないが、カーブ、カッター、ツーシームなどもレパートリーとして投げられるなど球種自体は多彩だ。大学通算与四球率12.9%の制球難からプロではリリーフ転向との評価が主だったが、A+/2Aで109.2回を投げて与四球率9.1%を記録するなど制球面が成長。先発としての可能性を示した。打者としてはパワーポテンシャルを秘めるが、三振率50%以上とコンタクト能力に欠点があり、後半戦は投手に専念した。現時点では投手としての評価が上。先発投手として活躍するには依然として平均以下のコントロールの向上と、第3球種の習得が課題となる。
Nolan McLean


ジャスティン・バーランダーとのトレード対価の1人。23年に高卒1年目ながら24本塁打と台頭すると、24年は20歳ながら2Aでの98試合で18本塁打・wRC+133をマーク。三振率28.9%・打率.231というコンタクト難と消極的すぎるアプローチは要改善だが、引っ張りフライ率が高く、長打を量産できるパワーと四球率15.6%の四球奪取能力はまさにスラッガーにふさわしい。守備は外野コーナーか1B向きで、どれだけ打てるかにかかっている。ちなみに20歳シーズンで2AでのwRC+が100を超えた選手は大方MLBに昇格しており、130前後の選手は多くがMLBで活躍している。


FV45

フリースインガーでヒットツールを不安視されているが、パワーツールはMLBでも屈指。23年に3Aで記録した上位10%打球速度109マイルは、MLBであればマット・オルソンやラファエル・デバースなどに匹敵するMLB十傑レベル。24年はACL断裂で全休。守備はSSにふさわしい強肩の持ち主だが、MLBレベルでは2Bや3Bの方がフィットするとの評価。打撃スキルを磨いてMLBでもパワーポテンシャルを発揮できるか。

契約金$270Kとプロ入り時の評価は高くなかったが、強肩強打の内野手として評価を上げている。24年はAで64試合/10本塁打/wRC+123とブレイクの兆しも、A+昇格後に右膝を故障しシーズン終了。好球必打の積極アプローチでチェイス癖があるものの、引っ張りフライを量産するパワフルな打撃が強み。身長5フィート10と体は大きくないが、スイングスピードが素早く、19歳にして上位10%打球速度104.7マイルはMLB平均値である104マイルに到達している。マイナーではSS/3Bを半々で守ったが、平均以下の走力と平均以上の強肩から将来的には3Bに落ち着くとの見立て。

ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟。兄のような傑出したポテンシャルはないが、平均以上のコンタクト率、マイナーで4年連続40盗塁以上の走力、SS/2B/CFをこなすユーティリティー性からソリッドプレーヤーになり得る。24年は3AでwRC+69と期待外れのパフォーマンス。上位10%打球速度103.5マイルとMLB平均レベルのパワーポテンシャルを秘めるも、フリースインガー&ゴロ率54.6%のアプローチからISO.097と実戦ではパワーを発揮できなかった。MLBでは14試合で3発・OPS.966と爆発。小サンプルながらゴロ率を10%以上減らすことに成功した。MLBで見せた打撃が本物ならば来季が楽しみだ。フランシスコ・リンドーアを追いやるには厳しいが、内外野こなすユーティリティープレーヤーとしてチームに貢献できる実力を秘めている。

22年ドラフト1巡目。絶対的なツールは無いが走攻守揃ったオールラウンダー。23年開幕時は各媒体で球界トップ100以内の高評価を得ていたが、24年は3AでwRC+85と足踏み。身長5フィート8と小柄でパワーレス(上位10%打球速度100.9マイルは球界最低レベル)だが、引っ張りフライ率の高さで成功を収めている。24年は引っ張りフライ率12.7%(MLB平均6.8%)とトップクラスの数字を維持し56試合で10本塁打を放ったが、BABIP.234のハードラックに泣いた。24年はハムストリングスの故障の影響で3盗塁にとどまったが、健康なら盗塁を稼げる足もある。守備は爆発的な走力があるわけではないが、MLBでもCFが務まるとの評価。打撃が復活すればソリッドなレギュラーとして計算できるだろう。CF版アイザック・パレイデスになれるか。

24年ドラフト1巡目。コンタクト能力に恵まれた左の中距離打者で、大学通算120試合で打率.335・25本塁打・OPS1.064・BB>Kと圧倒的なパフォーマンス。プロでも15試合という限られたサンプルながらゾーン内コンタクト率90%以上と強みを発揮していた。平均的な走力&プラスの強肩からRF適性あり。メッツは守備力を買っているようで、プロ入り後はCFで試されている。MLB公式はニック・マーケイケス(元BAL)と比較。現時点ではソリッドプレーヤー寄りであり、両翼で価値を出すにはパワーを伸ばしていきたいところ。

22年ドラフト2巡目。マイナー3年で与四球率12.6%・HR/9=1.2という制球難からブルペン転向のリスクも低くないが、ローテーション半ばクラスのスペックの持ち主。平均94.8マイルでホップ変化量平均以上の4シームと高スピンで変化量大のスウィーパー&スライダーのコンボを軸に、カッター、チェンジアップ、シンカーと球種も多彩。24年はフルシーズン2年目にして2Aを防御率2.41・奪三振率29.9%とあっさり卒業。3Aでは苦戦したが、シーズン通して122.1回を消化するなど先発として経験を積んだ。


FV40

2023年の国際アマチュア選手の目玉の1人で、契約金125万ドルでDバックスに入団、その後同年夏にトミー・ファムとのトレードでNYMに移ってきた。ハイセンスな打撃能力が魅力の内野手で、10代にしてコンタクト能力と優秀な選球眼を身に着けている。23年=DSL、24年=RでそれぞれwRC+100以上のパフォーマンス。プロ2年で打率.282/出塁率.382をマークしている。筋力をつけていくことが今後の課題。守備はSSとしてはレンジ不足だが、2Bに回れば平均程度で務まるだろうとの評価を得ている。25年は18歳シーズンにしてAでデビュー予定。

12.ジョナ・トン(RHP)/Jonah Tong:22歳
平均92~93マイル程度だが、statcast搭載のAで平均ホップ変化量20.6インチ(24年のMLBであればアレックス・ベシアの20.3インチを上回り全投手で1位)を記録したライジングファストボールが最大の武器。速球が約6割を占め、第2、第3球種として縦カーブと86マイル前後のカッターを交える。24年はA/A+/2Aで113回を投げて防御率3.03・FIP2.33・奪三振率34.2%と素晴らしい投球を披露した。4シームの変化量は魅力だが、球速不足、大雑把なコマンド、変化球の平凡さから、MLB打者を3巡抑えるのは厳しいとの見方が強く、リリーフで輝くタイプとの評価。評価を覆せるか。
Jonah Tong


24年ドラフト2巡目。90マイル中盤のライジングファストとブレーキの利いたゾーン外へワイプアウトするスライダーの2球種で空振りを量産する左腕。大学1年時から米大学代表のトライアウトに招待されるなど実力はあったが、故障がちでブレイクには至らず。ドラフトイヤーとなった24年は肋骨の負傷もあったが13先発で防御率3.41・奪三振率35%をマーク。与四球率12.8%の制球難からブルペン転向のリスクも低くない。

14.マルコ・バルガス(SS)/Marco Vargas:20歳
23年夏にデービッド・ロバートソンとのトレードでMIAから加入したプロスペクト。スムーズなスイングでコンタクト能力とアプローチに優れる出塁マシーン。24年はAでの37試合でOPS.608と今一つなシーズンとなった。実戦ではコンタクト重視の打撃スタイルだが打撃練習では強打を見せており、上位10%の打球速度は102マイルと同年代の選手の中では平均以上の水準となっている。守備は堅実ながらSSとしてはツール不足で、2B/3Bがフィットするとの見立て。スピードは平均的だが野球IQの高さで盗塁を成功させるタイプ。

15.
ボストン・バロ(SS)/Boston Baro:20歳
23年ドラフト8巡目。名門UCLAへの進学が内定していたが、3巡目相当の契約金でプロ入りした。長身細身でアスレチックな体型で、パワーは平均を大きく下回る(Aで上位10%打球速度99マイル)が、優秀なアプローチと二遊間相応の守備力を兼ね備えている点が強み。24年はAでの84試合で打率.288・4本塁打・wRC+122・四球率11.1%/三振率17.8%をマーク。守備はSS/3B/2Bを幅広くプレー。攻守に発展途上であり、数年後の開花に期待したい。

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