2025 ARIZONA DIAMONDBACKS
TOP 20 PROSPECTS
2025年 アリゾナ・ダイアモンドバックス プロスペクトランキング
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Jordan Lawlar |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。
FV60
1.ジョーダン・ローラー(SS)/Jordan Lawlar:22歳21年ドラフト全体6位指名の大型SS。攻守のポテンシャルをザンダー・ボガーツ(SD)と比較したい。23年はMLBデビューを果たしたが、24年は親指とハムストリングの故障によりマイナーでの23試合の出場に終わった。健康であれば、ベストツールはダブルプラスのスピード。22-23年の2シーズンで合計75盗塁(成功率87%)を決めている。打撃はMLBで中軸を打てるポテンシャルを秘めており、広角にバレル性の打球を量産できる。守備でも成長が著しく、SSからのコンバート論を払拭。プラスのスピード&肩を土台に、平均以上のSSディフェンダーになれる可能性を見せている。
FV45
2.スレイド・コールドウェル(OF)/Slade Caldwell:19歳
24年ドラフト1巡目の高卒選手。アダム・イートンと比較されるオールラウンダー。身長5フィート9と小柄ながら筋肉質なマッチョ体型で、素早いスイングで広角にラインドライブを打ち分け、出塁能力も高い。守備ではダブルプラスのスピードでCFをこなせる。15本塁打程度打てるようになるとの評価だが、すでに出来上がっている体型から、パワー面の伸びしろを疑問視されている。
24年にブレイクを果たした攻撃型二塁手。24年は高打率を売りに、Rで29試合/wRC+141、Aで63試合/wRC+145をマークした。シンプルなスイングでラインドライブを量産する。上位10%の打球速度102.5マイル(MLB平均104)と年齢に比してパワーもあり、本塁打を増やせればさらに評価を上げるだろう。守備走塁でプラスを稼げるタイプではないため、打ち続けるしかない。
攻撃型捕手。24年はコンタクト能力が大きく向上し、3Aで打率.312・26本塁打・wRC+144とブレイク。MLBでも25試合で打率.313・4本塁打・wRC+146と打ち続けた。3Aでは上位10%打球速度105マイル、ハードヒット率46%、バレル率10%と優れた打球指標を記録している。一方で守備面はかなり後退している。捕球能力は及第点だが、肩が弱く、MLBでのポップタイム2.04秒は球界下位4%だった。3A/MLBでの75試合で99盗塁を許し、阻止率は17.5%にとどまった。現時点ではDH/1B向きのプロフィールであり、捕手に定着できるように守備力を磨いていく必要がある。
小柄なパワーアームで、リリーフ転向が目されていたが、24年は先発としての評価を上げた。2A/3Aで104回を投げてFIP3.46/奪三振率32.1%をマーク。平均96マイルの4シームと縦方向に落ちるスライダー&カーブのコンビネーション。コントロールの改善がMLB定着に向けた課題だろう。カーブが時折アームサイドに曲がる独特な軌道で、チェンジアップのような役割を果たしているため、左打者も苦にしない。カッターを覚えて横方向へのバリエーションを増やしても面白いだろう。
攻守に順調に成長を続けるオールラウンダー候補。打撃は両打席からスムーズなスイングでギャップを破る。AではwRC+101/7本塁打だったが、二塁打/三塁打を量産し、長打数46本はリーグ7位だった。体格もまだ細身で、増量すればパワーも開眼の可能性あり。フリースインガー気味なアプローチが弱点。守備では未熟な面も多いが、SSにふさわしい守備範囲を有し、勤勉な性格から今後の成長に期待。24年はSS中心に2B/3Bでもバランスよくプレーし経験を積んだ。
24年ドラフト全体31位。大学2年シーズンに左膝の前十字靭帯断裂も、翌春は完治し打率.333・14本塁打・OPS1.079とブレイク。強靭なパワーと辛抱強いアプローチを兼ね備えた右打者で、コンタクト能力も優秀。アッパースイングでプルサイドにフライ打球を量産する。走力も平均以上だが、平均以下のLF守備がネック。LFに見合うだけの打撃成績を残していく必要がある。
23年ドラフト2巡目。コンタクト力〇、パワー△のコーナープレーヤー。無駄の少ないスイングでコンタクトを量産する。A+では開幕直後に手首を骨折。7月に復帰するとそこから打ちまくり、A+での40試合でwRC+129、2Aでの13試合でwRC+173をマーク。ラスト17試合で7本塁打を放つラッシュを見せたが、上位10%打球速度は101マイル程度と平均以下なため、長期的にはコーナー選手としてはパワーレスである点が課題となるだろう。また、3B守備も平均以下で、1Bや外野に回される可能性も。
23年ドラフト全体12位指名。小柄ながらパワー&スピードを両立。大学では通算162試合で打率.339・34本塁打・OPS1.014と圧倒的な成績を残したが、プロ1年目はハムストリングの負傷もあり、A+でwRC+91と期待外れのパフォーマンス。変化球を苦手にしており、特にスライダーに対して空振り率47%(MLBの平均は33%ほど)とかなり酷かった。また、SS守備でも49試合で16失策と苦戦し、オフのAFLでは2Bへコンバートされた。2Bレギュラーとしてバリューを出すには攻守にレベルアップが必要だろう。
10.JD ディックス(SS)/JD Dix:19歳24年ドラフト全体35位指名の高卒選手。6-2/180の伸びしろある体格と優れたアスリート性を兼ね備える両打ちSS。打撃はコンタクト能力が高く、体格的にパワーも向上が期待できる。守備は昨夏に肩を複数回故障しているため、未知数な部分が多いが、SSに定着できるだけの運動能力とハンドリングを有している。リーダーシップや勤勉性も高評価を得ている。
FV40
23年に42.5万ドルで契約したドミニカ共和国出身の原石。高いコンタクト能力とプラスの3B守備が評価されている。24年はRでの53試合で打率.303・6本塁打・wRC+105をマーク。フリースインガーでチェイスが多い点とマイナーで2年続けてゴロ率が50%を超えている点が難点。
24年ドラフト3巡目。大学最初の2年間で防御率8.44止まりだったが、3年シーズンで覚醒。球速が5マイル上昇し、14先発で防御率2.67/奪三振率37.8%と好投。93-94マイルのキャリー成分が強い4シームとキレの良いカーブ&スライダーで空振りを誘う。6-4/205の体格は増量の余地を残しており、さらに球速を伸ばせれば、先発候補として評価を上げられるだろう。
ゴールドグラブ10度の名選手、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天他)の息子。22年ドラフト全体2位指名でプロ入りを果たした。5ツールポテンシャルとして期待されていたが、プロ入り後は打撃面で伸び悩んでいる。24年はAで四球率18%と辛抱強いアプローチを示したが、スイングの長さを問題視されており、コンタクト率64%/三振率28%/ゴロ率57.2%はいずれも球界最低レベル。CF守備はダブルプラス評価だが、現時点ではマイケル・テイラー(KC他)のような下位打線~4番手外野手タイプだろう。
プラスのSS守備、コンタクト力の高さ、マイナー3年で57盗塁の俊足が強みの二遊間プロスペクト。24年はAで四球率15.8%/三振率16.4%と成熟したアプローチを示しwRC+105をマークしたが、ISO.088とパワーレスがネック。打撃でインパクトを残せるかは疑問であり、レギュラーよりもユーティリティー向きか。Baseball Prospectusの出す守備指標DRPは+3.2と優秀だった。 台湾出身。打者を圧倒する球種は無いが、速球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、カッターのコンビネーションで打ち取る。24年は2AでxFIP3.94をマークし、20歳にして3Aのマウンドに立った。速球平均90マイルの低球威、身長5フィート11のサイズ面からMLBで通用するのは難しいと見ている。大幅な球威アップは望めないため、コントロールを磨いてMLB打者に対応したい。
24年ドラフト5巡目。6-5/235の迫力ある体格からMAX99マイルを投げ込む剛腕。23年にリリーフで成功すると、ドラフト対象となる24年に先発転向。14先発で防御率4.71/奪三振率29%/与四球率17%をマークした。先発時93-94マイルの4シーム、ジャイロ系の縦スライダー、大きくフェードしベストピッチと評されるチェンジアップのコンボ。先発経験は浅いが、ワークホース向きの体格の持ち主だ。
23年に契約金20万ドルで契約したパナマ出身の原石。23年にDSLでの48試合で打率.288・4本塁打・wRC+113をマークし評価を上げたが、24年は怪我で公式戦でのプレーがなかった。パワーが伸びれば5ツール揃ったCFになれると評判。ベストツールのスピードはプラス評価。
アスレチックなメキシコ出身捕手。小柄ながら優れた運動能力と強肩、高いリーダーシップで捕手にふさわしい資質を有する。24年はR/Aで40試合マスクをかぶって盗塁阻止率40%を記録した。打撃はパワーレスながらソリッドなアプローチでRでの46試合で出塁率.362をマークした。ホセ・トレビーノ(NYY)が完成型か。