2024年2月22日木曜日

2024 TAMPA BAY RAYS TOP 20 PROSPECTS

2024 TAMPA BAY RAYS

TOP 20 PROSPECTS

Junior Caminero


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ジュニアー・カミネロ(3B/SS)/Junior Caminero:20歳
80グレイドのパワーヒッター候補。19歳のシーズンにもかかわらず、A+/2Aで打率.324・31本塁打・OPS.976、2Aでの81試合でwRC+140と文句無しのブレイクを飾った。上位10%の打球速度111マイルはMLBでも最高レベルであり、アプローチやコンタクトを磨いてMLBの投手に適応できるようになれば、とんでもない打者になるだろう。守備はSSとして及第点も、3BやRFがフィットするとの評価。


FV55

21年ドラフト1巡目。投手としても注目されていた逸材で、投手としてMAX95マイルの強肩を生かしたアスレチックなSS守備が魅力。22年はSSでマイナーのゴールドグラブを受賞するなど守備力はマイナー屈指。打撃はA+で三振率31.8%とコンタクトに課題があるも、23本塁打(リーグ2位)・wRC+131をマーク。上位10%の打球速度107マイルを記録するなどパワーはプラス水準だ。


FV50

22年ドラフト1巡目の高卒選手。6-4/240の強靭なフィジカルから凄まじい打球を繰り出し、潜在的なパワーポテンシャルは20-80スケールで80評価。23年は高卒1年目にしてAでwRC+138。A+昇格後も12試合で6本塁打と勢い止まらず。上位10%の打球速度108マイルは10代としては異次元だ。走力は平均以下で、守備位置は1Bに限られる。

4.カーティス・ミード(3B/2B)/Curtis Mead:23歳
マイナー屈指のピュアヒッター。コンタクトとパワーを両立した完成度の高い打者で、ギャップゾーンにライナー性の打球を量産する。一方で守備面が不透明で、1B転向のリスクも。1Bとしては本塁打数が物足りず、本塁打増と守備力向上がバリューを左右するだろう。ヤンディ・ディアズが成功例か。
Curtis Mead


23年ドラフト全体19位指名。コンタクト&選球眼に優れたピュアヒッター候補で、ドラフトイヤーに23本塁打を記録するなどパワーも開眼の兆し。走守の能力は際立ってはいないが、2Bもしくは3Bとして平均レベルとの評価。


FV45

22年ドラフト3巡目。大学ではリリーフ中心の起用で通算防御率4.69ながら、プロ1年目の昨季はAで110回を投げて防御率3.52・奪三振率28.7%と好投。ライジングファストボールを高めに集めて空振りを量産する。6-5/238とガッシリした先発投手向きの体型であり、変化球&コマンドを改善できれば面白いだろう。

7.
オズレイビス・バサベ(IF)/Osleivis Basabe:23歳
二遊間として及第点の守備力とマイナー5年で打率.311のコンタクト力が武器のユーティリティー候補。昨季はMLBデビューして31試合に起用された。マイナー通算365試合で12本塁打と完全にパワーレスだが、3Aで平均打球速度88.5マイル/上位5%104.8マイルはMLB平均程度であり、ゴロ打球を減らせれば浮上の可能性あり。ジョシュ・ハリソン(元PIT他)が将来像か。

8.ドミニック・キーガン(C)/Dominic Keegan:23歳
22年ドラフト4巡目。パワーとコンタクトを両立した攻撃型捕手。23年はAでwRC+146、A+でも126と素晴らしいパフォーマンス。守備評価は平均以下ながら、Baseball  Prospectusの出す守備指標でフレーミング+10.0、ブロッキング&送球評価もプラスをマークと健闘。しかしオフのAFLでは13試合で35盗塁を許すなど肩の弱さは問題か。

23年ドラフト全体31位指名。20-80スケールで70-80評価を得るスピードの持ち主で、運動選手として傑出している。守備動作も滑らかで、SSにふさわしい資質を有する。一方で、5-11/155と体が小さく現時点では非力なため、打撃でインパクトを生み出せるかは疑問。
24年のブレイク候補筆頭。昨季は18歳ながらR/Aで計59.1回を投げて防御率1.52をマーク。コントロールに優れ、与四球率4.7%はプラスポテンシャル。93-94マイルでキャリー成分の強い4シームとプラスのカーブ。チェンジアップの向上が今後の課題。


FV40

11.マーカス・ジョンソン(RHP)/Marcus Johnson:23歳
22年ドラフト4巡目。これといったプラスピッチは無いが、プラスのコマンドが光るコントロールアーティスト。昨季はAで130回を投げて防御率3.74・与四球率3.9%をマークした。現時点ではローテーション5番手タイプだが、6-6/200の恵まれた体格から球威がアップすればもう少しシーリングを伸ばせそうだ。

12.ヨニエル・コート(RHP)/Yoniel Curet:22歳
ボールの威力は傘下No.1。90マイル後半の速球と80マイル後半の高速スライダーで打者をねじ伏せる。Aでは80.1回を投げて防御率2.46・奪三振率34.4%・被打率.130と支配的な内容。しかし与四球率16.7%とコントロールに問題があり、このままだとリリーフ転向の可能性が高い。

13.コルトン・レッドベター(OF)/Colton Ledbetter:22歳
23年ドラフト2巡目。走攻守揃ったオールラウンドタイプで、打者としてはヒットツールが光る。理想の完成像はアンドリュー・ベニンテンディだろう。打撃でインパクトを残せるか、守備ではCFをしっかりと守れるかが評価を分けることになるだろう。

14.メイソン・モンゴメリー(LHP)/Mason Montgomery:24歳
21年ドラフト6巡目ながら、22年はマイナー4位の防御率2.10、同6位の171Kとブレーク。92-94マイルのライジングファストを高めに集めて空振りを量産する。23年は2A/3Aで計124.1回を投げて防御率3.98・奪三振率26.9%をマーク。速球の質は魅力だが、変化球やコマンドの質が平凡なため、ローテーション下位~リリーフ向きと評価されている。
Mason Montgomery


15.ブレイラー・ゲレーロ(OF)/Brailer Guerrero:18歳
23年に370万ドルで契約した大器。10代にしてすでにMLB打者の平均並であるMAX打球速度109マイルを計測するなど凄まじいパワーを秘める。守備は平均的な走力とプラスの強肩からRF適性ありも、体の成長次第では走力を失って1BやLFに落ち着く可能性も。長い目で見たい。

5ツールタレント。特に、走力&肩力はダブルプラスの評価を受け、CF中心に外野3ポジションOK。問題は打撃で、22年はA/A+でOPS.859とブレイクしたが、23年は打率.205・三振率36%と2Aの壁にぶち当たった。コンタクト能力を改善できないと、MLBでポジションを掴むのは難しいだろう。

17.
ベン・ピープルズ(RHP)/Ben Peoples:23歳
19年ドラフト22巡目と下位指名の出身だが、マイナー5年で奪三振率29.5%をマークしているパワー右腕。伸びのある93-95マイルの4シーム、80マイル中盤のスイーパー、平均以上のチェンジアップはどれも空振りが取れる。しかし、通算与四球率12.5%とコントロールに問題があり、将来的にはブルペンに回るか。

18.
ホセ・アービナ(RHP)/Jose Urbina:18歳
アップサイドを評価されている原石。23年1月に契約金21万ドルで契約すると、DSLをすっ飛ばしていきなりRでプレーするなどチームからの期待は大きい。クリーンかつアスレチックなメカニクスからMAX97マイルの4シームとプラスのカーブ。数年後の飛躍に期待。

昨季2A/3Aで打率.304・29本塁打・OPS1.006とモンスターイヤーを送った左のスラッガー。平均的な打球速度(3Aで平均87.3、上位5%105.8マイル)&平均以下のコンタクト指標(ゾーン内コンタクト率76.7%・三振率26.7%)から「打率.230-.240、15-20本塁打」が現実的なラインか。守備能力は平均以下で、MLBでは1B相当との評価。

20.ウィリー・バスケス(3B)/Willy Vasquez:22歳
若き日のウィリー・アダメス(現MIL)と重なるものがある原石。素早いスイングスピードで110マイル超の打球を計測するなどパワーポテンシャルを秘めるが、荒っぽいアプローチがネックとなり、2年続けてwRC+90台のパフォーマンスに甘んじている。実戦でパワーを発揮できるようにコンタクトや選球眼を磨いていきたい。

2024年2月12日月曜日

2024 NEW YORK YANKEES TOP 20 PROSPECTS

2024 NEW YORK YANKEES  

TOP 20 PROSPECTS

Jasson Dominguez

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ジェイソン・ドミンゲス(OF)/Jasson Dominguez:21歳
6月終了時点では打率.197・三振率28%と苦戦していたが、7月以降にOPS.921・三振率20%と持ち直し、終わってみれば20歳のシーズンながら2AでwRC+118。MLBでも8試合で4本塁打をマークした。打球速度はすでにMLB平均以上の水準に達しているが、ゴロ性の打球が多いせいで本塁打増にはつながっていない。「20-20」級のパワー&スピードとLF向きの守備力から比較対象はランディ・アロザレーナ(昨季wRC+126・22盗塁・LFでOAA-6・fWAAR3.3)と見ている。


FV50

22年に400万ドルで契約したドミニカ共和国出身の原石。5ツール揃った大型SSで、Rでは27試合で6本塁打・wRC+143をマーク。18歳にして上位10%の打球速度103.5マイルはすでにMLB平均以上であり、プラスのパワーポテンシャルを示している。また四球率20%とアプローチも年齢に比して成熟している。24年の大ブレイクに期待したい。

22年ドラフト1巡目。6-7/225の大型選手で、第2のアーロン・ジャッジとして期待。平均打球速度94マイルとパワーポテンシャルはマイナー屈指だが、三振率29%とコンタクトに弱点があり、リーグ平均年齢とほぼ同じA+でwRC+114と飛び抜けた成績は残せていない。守備ではCF相応の走力を有するが、ジャッジ同様にRFが最もフィットしそうだ。

22年ドラフト6巡目ながら傘下No.1投手プロスペクトとして台頭。プロ1年目にしてA+で9先発/防御率2.68・奪三振率40.5%と支配的な投球を見せ、2Aに定着した。90マイル中盤でホップ変化の大きい4シームと高強度のスライダーで空振りを量産し、カーブ&カッターをカウント球として効果的に織り交ぜる。コマンドは要改善も、大学2年でプロ入りのため伸びしろに期待。


FV45

23年ドラフト1巡目の高卒SS。同名の父は元MLB選手で、現在タイガースでコーチを務める。育成に時間はかかるだろうが、「20-20」が狙える5ツール候補で、守備動作も滑らかかつ軽快。ドラフト時にMLB公式はマーカス・セミエン(TOR)と比較していた。

6.ヘンリー・ララン(LHP)/Henry Lalane:20歳
バスケットボール選手の父、バレーボール選手の母の血を受け継いだ6フィート7の大型左腕。MAX97マイルの速球、大きく曲がるスライダー、落差・横変化ともに優秀なチェンジアップの3球種すべてがプラスピッチ候補。フォームの再現性も高く、コントロール面の評価も高い。

21年ドラフト3巡目の高卒左腕。伸びしろを買われていたが、3年目の昨季はA/A+で自己最多の127.2回を投げて防御率3.45とブレイク。4シームは平均92.5マイルながらAで平均スピンレート2698rpms、第2球種のスライダーも2645rpmとボールの回転量はMLBでもトップクラスを誇る。現時点では速球とスライダーが全投球の9割以上を占めており、チェンジアップを磨いていきたいところ。

8.エバーソン・ぺレイラ(OF)/Everson Pereira:23歳
23年は2AでwRC+145、3Aでも132をマーク。上位10%の打球速度109マイルはMLBでもトップレベルとダブルプラスのパワーポテンシャルを示したが、三振率28.6%とヒットツールに不安。MLBでは103打席で打率.151・三振率38.8%と適応に苦しんだ。また守備もMLBでは全試合LFでの出場となっており、5ツールCFというよりはパワー系LFに落ち着きそうだ。
クレイ・ホームズ(NYY)になり得る素材。大きく横滑りするスライダーと92-95マイルのシンカーを武器にゾーンを揺さぶるグラウンドボーラー。カッターやカーブ、チェンジアップも扱えるなど球種も豊富でボールのレパートリーは先発相応も、コマンドやフォームの面からホームズ同様にリリーフ向きとの見方も。3A昇格後は与四球率10.9%・HR/9=1.4とコマンドに不安を示した。
Will Warren


20年ドラフト1巡目。カイル・シュワバー(PHI)と比較されており、守備に難がある攻撃型捕手。23年は2AでwRC+108、3Aで101と1B/DHに見合う打撃成績を残せておらず、捕手に残れるかどうかがバリューを決めるだろう。Baseball  Prospectusの出すフレーミング指標は2年続けてプラスも、盗塁阻止率13%の弱肩と肥大化する体型がマイナスポイント。


FV40

11. ブランド・メイエア(OF)/Brando Mayea:18歳
23年に435万ドルで契約したキューバ出身の原石。守備と走塁の評価が高いCFで、マニュエル・マーゴ(LAD)やアルバート・アルモラ(元CHC)と比較するレポートも。DSLではwRC+113とまずまずのデビューも、グラウンドボール率58%とゴロの多さを改善したい。

12.ベン・ライス(C/1B)/Ben Rice:25歳
昨季A/A+/2Aでの73試合で打率.324・20本塁打・OPS1.048とブレイクを果たした攻撃型捕手。辛抱強いアプローチ&平均打球速度91マイル/上位10%の打球速度104マイルとMLB平均以上ののパワーを兼ね備える。盗塁阻止率11%、1Bでもすでに18試合に出場するなど捕手に残れるかは疑わしいが、1B/DHでもバリューを生み出せる打撃ポテンシャルを秘める。

13.クレイトン・ビーター(RHP)/Clayton Beeter:25歳
20年ドラフト2巡目。コントロールの悪さや肘の故障歴からリリーフ向きとの見方が強いが、最速98マイルの速球とプラスのカーブのコンビネーションは強烈。昨季は2A/3Aで自己最多の131.2回を投げ、防御率3.62・奪三振率28.8%と好投。しかし3A昇格後は与四球率13.9%・HR/9=1.9とコマンドの悪さが顕著であり、やはりリリーフが天職か。

14.カイル・カー(LHP)/Kyle Carr:22歳
23年ドラフト3巡目。92-95マイルでキャリー成分の強い4シームとスイーパーのコンビネーションで高い奪三振率を誇る左腕。60ヤード走6.6秒のプラスランナーでもあり、その運動能力の高さからフォームの再現や将来的なコントロール評も高い。チェンジアップの精度など未洗練な部分もあるが、伸びしろに期待できる。

豪快なパワーが武器の攻撃型捕手。23年はA/A+/2Aで自己最多の18本塁打をマーク。上位10%の打球速度106.6マイル、MAX114.5マイルとパワーポテンシャルはMLBでもプラス超えの水準であり、荒っぽいアプローチを改善できるかがポイント。守備ではキャノンアームの持ち主も、俊敏性と捕球面に問題あり。80試合で8失策・16捕逸は多すぎる。

16.ヨービット・ビバス(2B)/Jorbit Vivas:23歳
コンタクト&選球眼に優れる攻撃型二塁手。プロでは1年目(RでwRC+98)と昨季3A昇格後(同63)以外はどの階級でもwRC+110以上と安定した成績を残している。昨季は2Aでの109試合でwRC+123・四球率11.0%/三振率10.6%。パワーは平均以下ながらマイナーで3年続けて二桁本塁打とパンチ力あり。守備力は平均から平均以下の評価で、打ち続けることが求められる。

パワーが武器の左打者で、23年はRでの48試合で10本塁打・wRC+131と躍動。大振りなスイングを改善したい。守備はCFに残れるか評価が割れているが、強肩から少なくともRF適性はあるとの見立て。

元ヤンキースのセットアップ、デリン・ベタンセスと比べられる巨漢ハードボーラー。6フィート7の巨体から90マイル後半の速球とキレの良いスライダーで空振りを量産する。プロ2年で与四球率13.3%とコントロールが荒れており、ベタンセス同様にリリーフ転向のリスクをかかえる。

身長5フィート6と小柄ながら、ヒットツールの評価が高く、Aで19本塁打を放つなどパンチ力もある。Aで残した平均打球速度87.7マイルはほぼMLB平均(88)だ。守備は二遊間を中心にプレーも肩の弱さから2B向きか。オフにはメキシコ冬季リーグでLFも経験した。

20.
ルイス・セルナ(RHP)/Luis Serna:19歳
身長5フィート11とアンダーサイズで速球も90-91マイル程度だが、70マイル台でブレーキの利いたチェンジアップがダブルプラス評価。22年はRで41.1回/防御率1.96と好投も、23年は19.1回/防御率4.19と振るわなかった。

2024年2月10日土曜日

2024 BOSTON RED SOX TOP 20 PROSPECTS

2024 BOSTON RED SOX 

TOP 20 PROSPECTS


Marcelo Mayer

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV55

1.マルセロ・メイヤー(SS)/Marcelo Mayer:21歳
21年ドラフト全体4位指名。コリー・シーガーの打撃力&ブランドン・クロフォードの守備力と評され、走力以外の4ツールがプラス評価。23年はA+ではwRC+139と圧倒も、2AではwRC+63・三振率25.8%と苦しんだ。シーズン通して肩痛を抱えていたため、全快の状態で今季どれだけ打てるか。

2.ロマン・アンソニー(OF)/Roman Anthony:19歳
22年ドラフト2巡目の高卒選手。スロットバリューの3倍になる契約金$2.5MでBOSが口説き落とした。23年は高卒1年目にしてA/A+/2Aで打率.272・14本塁打・OPS.869とブレイク。プラスのパワー&CFにとどまれる守備力(体の大きさ的には両翼がフィットか)を兼ね備える。四球率17.5%とアプローチも磨かれている。


FV50

23年ドラフト全体14位指名。攻守を両立したオールラウンド捕手で、捕手ながら平均レベルのスピードを有するアスレチックさも含めてJ.T.リアルミュートのような将来像を期待。打撃は広角にライナーを量産する二塁打マシーンタイプ。R/A+/2Aで26試合/OPS.977と最高のデビューを飾っている。

SSとCFを中心に複数ポジションをこなせるユーティリティプレイヤー。プラスの走力を生かした広大な守備範囲が魅力で、ゴールドグラブCFになれるポテンシャル。打撃は2A/3Aで打率.302・20本塁打・OPS.870をマークも、超フリースインガーでMLBに適応できるかは未知数。平均レベルで打てればケビン・キアマイアーに、最低でもホセ・シリのような守備型CFにはなれるだろうとの見立て。
Ceddanne Rafaela


5.ミゲル・ブレイス(OF)/Miguel Bleis20歳
21年に契約金150万ドルで入団した原石。パワーと走力を両立した5ツール候補で、上手く育てばスケールの大きい選手になり得る。しかし昨季は肩の故障によりAで31試合の出場にとどまり、wRC+71・三振率26.8%とヒットツールにも不安を残した。ポテンシャルは凄まじいが、変化球の見極めなど打席でのアプローチを磨いていく必要がある。
Miguel Bleis


FV45

20ホーマー級のパワー&外野3ポジションOKの守備力を兼ね備える。昨季3Aで22本塁打・wRC+130とブレイクすると、MLBでも少ないサンプルながら28試合でwRC+135と活躍した。3A、MLBともに打球速度、チェイス率、バレル率は平均以上の水準を維持しており、昨季の覚醒は本物であると信じたい。

7.
ニック・ヨーク(2B)/Nick Yorke:22歳
20年ドラフト1巡目指名。ヒットツールを高く評価されている。21年はA/A+でwRC+140オーバー、22年はA+でwRC+84とスランプ、23年は2AでwRC+116と復活。アップダウンの激しいキャリアを送っている。低評価だった2B守備でもBaseball  Prospectusの出す守備範囲指標RDAで2年連続プラスを記録するなど成長中。バットを頭上高くに構えるフォームは気になるが、21歳にして2Aで攻守に平均以上のパフォーマンスを見せたことを考えればレギュラーポテンシャルだろう。

8.ヨエリン・セスペデス(SS)/Yoeilin Cespedes:18歳
23年に140万ドルで契約の原石。17歳ながら年齢に比して発達しており、DSLではwRC+145と素晴らしいデビューを飾った。左右にライナーを打ち分けるコンタクト能力が武器で、MAX打球速度107マイル/上位10%で101マイルを計測するなどパンチ力もある。フリースインガーなアプローチを改善してパワーナンバーを伸ばしていきたい。
低リリースから94-96マイルのライジングファストとプラスのカーブ、平均レベルのチェンジアップのコンビネーション。昨季は開幕こそ苦戦したが、5月以降はA+/2Aでの21先発で防御率2.98・FIP3.10・奪三振率36.2%・被打率.180と復調。与四球率は12.7%と高いままであったが、コマンドを改善できればクリスチャン・ハビアー(HOU)になれる。

10.ルイス・パラレス(RHP)/Luis Perales:21歳
オーバースローから常時95/MAX99マイルで変化量大のライジングファストで空振りを量産する。この速球と縦に鋭く落ちるカーブのコンビネーションに加え、左打者にはチェンジアップ&カッターを織り交ぜるなど先発相応のレパートリーを有する。先発に残るにはマイナー通算与四球率13.0%、A+での36.1回でHR/9=2.0と不安定なコマンドを磨きたい。


FV40

11.ヨーダニー・モネグロ(RHP)/Yordanny Monegro:21歳
フルエフォートなフォームから平均94マイルの4シームと切れの良い70マイル台のカーブ主体。23年はR/A/A+での65.2回で防御率2.06・奪三振率34.6%とパワフルな内容も、コマンド&スタミナ面に課題を残す。ローテーション級の球威の持ち主だが、リリーフの方がインパクトを残せるか。

アレックス・バーデューゴの見返りの1人。23年は2Aで152.2回を投げて防御率3.48・xFIP3.55と好投。93-95マイルの4シームとプラスのスイーパーで積極的にゾーンを攻める。マイナー2年でK/BB=4.67とコントロールは安定しているが、投球の8割以上が速球&スイーパーの2ピッチタイプでリリーフ向きか?

13.ネザン・ザネテロ(SS)/Nazzan Zanetello:19歳
23年ドラフト2巡目の高卒選手。スロット額の2倍近くとなる300万ドルでプロ入りした大器。傑出したアスリートで、5ツールポテンシャルを秘める。唯一にして最大の欠点は未熟なヒットツールで、Rでは12試合というサンプルながら打率.139・三振率33.3%と不安を露呈。プロで打てることを証明したい。

14.
チェイス・マイドロス(3B)/Chase Meidroth:22歳
22年ドラフト4巡目ながら、23年はA+でwRC+173、2Aでも119とブレイク。パワーは平均以下だが、無駄の少ないスイングで広角にライナーを打ち分け、四球率16.2%とアプローチも磨かれている。守備は3B中心に2B/SSもプレー可能とユーティリティー適性あり。現時点ではベンチ要員向き、パワーが伸びれば下位打線のレギュラーになり得る。

15.アラン・カストロ(OF)/Allan Castro:21歳
プラスツールは持たないが、走攻守にオールラウンドな第4の外野手タイプ。23年はAでwRC+121、A+でも119をマーク。7本塁打とパワーは平均以下だが、スムーズなスイングで31二塁打とギャップを破り、四球率14%/三振率18%とアプローチも成熟している。守備ではCF中心に外野3ポジションOK。パワーが伸びれば面白い存在。

16.ブレイナー・ボナシ(SS/2B)/Brainer Bonaci:21歳
小柄でパワーレスなのがネックだが、攻守にハイパフォーマンスを見せるユーティリティー候補。打者としてはコンタクト&アプローチに優れたスイッチヒッターで、22年はAで、23年はA+でいずれもwRC+120超えをマーク。守備ではダブルプラスの強肩が武器で、Baseball Prospectusの出す守備指標DRPはここ2年で+7.9。SSをメインに2Bもこなす。

17.
マイキー・ロメロ(SS/2B)/Mikey Romero:20歳
22年ドラフト全体24位指名の高卒選手。滑らかで無駄のないスイングからラインドライブを量産するヒットツールが高評価。守備動作などは悪くないが、SSとしては守備範囲の狭さを指摘されており、MLBでは2B向きとの見立て。23年は腰の負傷により34試合の出場に終わった。
20年ドラフト3巡目指名。13歳で500フィート超え弾を放つなどアマチュア時代から飛ばし屋として注目されていた逸材。23年は課題のコンタクト面が向上し、A+でwRC+145をマーク。2Aでは89と数字を落としたが、20歳のシーズンということを考慮すれば救いの余地はある。守備走塁で貢献できる選手ではないため、打ち続けるしかない。

19.
ヨハンフラン・ガルシア(C)/Johanfran Garcia:19歳
平均以上のパワーと捕手として平均レベルの守備力を兼ね備え、開花すればレギュラー捕手ポテンシャル。打撃はRでの42試合でwRC+137をマーク。一方でAでの15試合で打率.203・三振率35.3%とコンタクトツールが弱点。守備では強肩を武器に盗塁阻止率32%をマーク。フレーミングも光るものあり。

20.アンヘル・バスタルド(RHP)/Angel Bastardo:22歳
マイナー4年で防御率4.66・与四球率10.2%と飛び抜けた成績を残せていないが、23年はA+/2Aで119.1回を投げて奪三振率29.4%とブレイクの兆し。92-97マイルの速球にスライダー、カーブ、チェンジアップと多彩な球種で空振りを誘う。癖のあるストロークを直してコントロールを改善できればローテーション下位ポテンシャル。

2024年2月3日土曜日

2024 BALTIMORE ORIOLES TOP 20 PROSPECTS

2024 BALTIMORE ORIOLES 

TOP 20 PROSPECTS

Jackson Holliday

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV65

1.ジャクソン・ホリデイ(SS)/Jackson Holliday:20歳
22年ドラフト全体1位指名。マット・ホリデイ(元STL)の息子で、ダブルプラスのヒットツールが武器のピュアヒッター候補。23年はフルシーズン1年目にして3Aまで昇格。マイナー4階級で打率.323・12本塁打・OPS.941と文句無しの成績を残した。守備走塁の能力も平均以上で、二遊間にとどまれるとの見立て。


FV60

2.サミュエル・バサヨ(C/1B)/Samuel Basallo:19歳
21年に契約金130万ドルで入団した攻撃型捕手。6-4/200と体格に恵まれており、10代離れしたパワーポテンシャルを秘める。23年はA/A+/2Aで打率.313・20本塁打・OPS.953と年上選手を相手に圧倒。上位10%の打球速度106マイルは、すでにMLB平均(103)以上に到達している。捕手守備ではプラスの強肩が強み。俊敏性は悪くないが、すでに1Bでも28試合に出場しており、フルタイムの捕手としては厳しいか。


FV55

6-5/215の大型選手で、ダブルプラスのパワーが自慢。23年は傘下トップの29本塁打(打率.290・OPS.974)と覚醒。アプローチ面での成長が著しく、四球率を前年の9.1%から15.1%に大きく良化させた。三振率24.1%とややコンタクトに不安はあるが、ゾーン内コンタクト率83%が平均レベルであり、四球の多さを考えればそこまで悪くない。3B守備は平均レベルのポテンシャルも、1BやLFに転向の可能性も。


FV50

4.コルトン・カウザー(OF)/Colton Cowser:24歳
21年ドラフト全体5位指名。プラスのヒットツールとCFとしては平均レベルの守備力から、選手としての将来像をブランドン・ニモ(NYM)と比較されている。23年は3Aで打率.300・17本塁打・OPS.937をマークも、MLBでは26試合で打率.115と苦しんだ。3Aで三振率26.2%、MLBで28.6%とコンタクトに課題があり、MLBの投手に対応できるか。
Colton Cowser


20年ドラフト全体2位指名。故障がちだったが、23年は2A/3Aで自己最多の122試合に出場して打率.303・21本塁打・OPS.904と本領発揮。ダブルプラスのパワーが武器の左打者で、ゾーン内コンタクト率88%とコンタクト能力も悪くない。守備は外野コーナーもしくは1Bに限られる。


FV45

22年ドラフト全体33位指名。6フィート4と体格に恵まれており、パワー、走力、肩力がプラス評価とポテンシャル大。クリスチャン・イエリッチ(MIL)と比べるスカウトも。ドラフト時には大振りなスイングからコンタクト能力を懸念されていたが、コンタクト率81%(MLB平均77%)を記録するなど大幅に改善。守備はRFが適性との見立て。

MAX98マイルのライジングファストボールと落差の大きいカーブのコンビネーションで高い奪三振能力を誇る。マイナー3年で奪三振率34.0%。昨季2Aで14先発/防御率3.56、3Aで8先発/防御率2.49と上位でも好投したが、通算与四球率13.8%とコントロールに課題があり、リリーフで輝くタイプか。

90マイル前半の速球と大きく横滑りするスライダーを主体に5球種を器用に扱い、マイナー3年で奪三振率31.5%をマーク。昨季は2A/3Aでの28先発で防御率5.04・与四球率12%とコマンドに苦しんだが、バウンスバックすればローテーション4~5番手ポテンシャルとの見立て。

21年ドラフト2巡目。プラスのヒットツールが武器で、ここ2シーズンで50本塁打、昨季3AでwRC+109をマーク。しかし平均打球速度86.5マイル/上位10%の101マイルはいずれもMLB平均以下であり、2Bでマイナスの守備力と併せて考えると「本塁打不足のLF」に終わる可能性も。

23年ドラフト1巡目。80グレイドのスピード&CF守備が武器のリードオフポテンシャル。大学通算191試合で15本塁打とパワーレスだが、コンタクト&選球眼が磨かれている。プロでは25試合で出塁率.473・25盗塁をマークした。


FV40

11.ルイス・デレオン(LHP)/Luis De León:21歳 
6フィート3の長身細身から平均95マイル超えの速球を投じるロマン枠。アームサイドに大きく曲がるチェンジアップ&鋭く落ちるスライダーもよく切れる。R/Aで計53.2回/0被本塁打、GB%=69%のゴロの多さも強み。唯一にして最大の欠点は与四球率13%のコントロールの悪さ。

22年ドラフト2巡目。コンタクトに致命的な欠点があるが、プラスのパワー&優秀な選球眼、CF守備も平均以上とツールは申し分なし。23年はA+でwRC+139と圧倒も、2Aでは64試合で打率.176・三振率37.5%とコンタクト面で脆さを露呈。理想の完成像はアダム・デュバル(元BOS他)か。

13.ブレイリン・タベラ(OF)/Braylin Tavera:19歳
22年に170万ドルで契約した原石タイプ。現時点では未完成だが、上手く育てばパワー&スピードを兼ね備えた5ツールCFになり得る。23年はRで35試合に出場してwRC+117。四球率16.5%/三振率17.3%とアプローチも磨かれている。ビルドアップしてパワーを伸ばしたい。

14.マック・ホーバス(3B)/Mac Horvath:22歳
23年ドラフト2巡目。ヒットツールは荒いが、パワー、スピード、肩力がプラス評価のアスリート3B。プロデビューでは三振率26.3%と空振りは依然として多かったが、OPS1.057・四球率19.2%と辛抱強いアプローチを見せた。大振りだがプロの投手レベルに対応できるか。

23年ドラフト2巡目。大学2年でドラフト資格を得たため、オーバースロットとなる160万ドルで契約した。MAX98マイルでホップ変化の大きい4シームがベストピッチで、大学2年間で防御率5.23ながら奪三振率31.4%。変化球3種を扱え、6-4/226の体格も先発向き。制球面を改善できるか。

16.セス・ジョンソン(RHP)/Seth Johnson:25歳
今年TJ手術から復帰予定。MAX98マイルの速球とプラスのスライダーで三振を量産するポテンシャルは非凡。カーブ&チェンジアップも扱え、先発適性も期待できるが、「25歳で2A以上の経験がないTJ明けの投手」であることを考慮すると、ブルペンに専念する方が現実的か。

打者を圧倒する球威は無いが、安定したコントロールと豊富なスタミナからイニングイーター適性あり。4シームは平均92.4マイルだが、高スピン&ホップ変化大のため、高めで空振りを取れる。変化球はカッター、スライダー、カーブと多彩に扱え、対左打者も被OPS.676と苦にしない。

18.トレイス・ブライト(RHP)/Trace Bright:23歳
22年ドラフト5巡目。MAXで96-97マイルに達するホップ型の4シームと大きく弧を描く70マイル台のカーブを主体にスライダー&チェンジアップもレパートリーとして扱える。A+/2Aで99.2回を投げて防御率3.97・奪三振率33.9%と球威は優秀だが、先発に残るにはコントロールとスタミナ面の課題を改善したい。

22年ドラフト2巡目。22年は大学の全米一部リーグで3位となる27本塁打を放ったパワーの持ち主だが、プロ1年目となった昨季は三振率25.9%・打率239とコンタクト面の適応に苦しみ、13本塁打・OPS.747と平凡な成績に終わった。3B/2Bで平均から平均以上の守備力を持っているだけに、あとは打てることを証明したい。

20.フアン・ヌネス(RHP)/Juan Nunez:23歳
22年夏ホルヘ•ロペスのトレードの見返りの1人。平均94マイルの4シームを軸にキレの良いスライダー、カーブ、チェンジアップとローテーション相当の球威を有する。与四球率12.9%のコントロールを改善できるかが先発残留への課題。