2025年2月15日土曜日

2025 DETROIT TIGERS TOP 15 PROSPECTS

2025 DETROIT TIGERS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 デトロイト・タイガース プロスペクトランキング
Jackson Jobe


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ジャクソン・ジョーブ(RHP)/Jackson Jobe:22歳
21年ドラフト全体3位指名の高卒投手。マイナーNo.1の投手プロスペクトで、ほぼ完ぺきなスペックを有する。MAX101.8マイルで平均以上のホップ変化量を誇る4シームと平均2900rpm超えのスライダーがダブルプラスピッチ。シュート方向に15インチ以上フェードするチェンジアップ&プロ入り後に習得したカッターもプラスピッチ候補。まだプロでシーズン100イニングを投げたことが無く、耐久面はこれから証明していく必要がある。
Jackson Jobe


FV55

23年ドラフト全体3位指名の高卒外野手。70評価のスピード&強肩を有する5ツールポテンシャルであり、ラインドライブを量産するプラスのヒットツールと合わせて、昨季新人王を獲得したコービン・キャロル(ARI)が完成型だろう。パワー向上が今後の課題。Aで記録した上位10%打球速度102マイルは19歳の平均を上回っているが、ゴロが多いため長打につながっていない。バレル率3.4%/引っ張りフライ率5.9%はいずれも球界平均を下回る。

3.ケビン・マゴニグル(SS)/Kevin McGonigle:20歳
23年ドラフト全体37位指名。コンタクト&アプローチが洗練されたラインドライブヒッター。24年はAでwRC+150と期待以上の活躍を見せた。辛抱強いアプローチと高いコンタクト率のおかげで四球率12.9%/三振率8.9%をマーク。上位10%打球速度102.7マイルは19歳の平均を上回っており、引っ張りフライ率も10%(MLB平均7%)と高いため、将来的には本塁打増も期待できる。守備面では、ドラフト時は肩の弱さから2B向きとの評価だったが、SSに定着できるとの評価を得た。
Kevin McGonigle


FV50

4.タイロン・リランゾ(C)/Thayron Liranzo:21歳
ジャック・フラハティの見返りの1人として昨夏LADから獲得。プラスのパワーが武器のスイッチヒッター捕手で、捕手にとどまれるだけの守備能力も兼ね備える希少な存在。24年はA+で打率は.244にとどまったが、12本塁打/四球率17.5%と長打力と出塁能力を発揮。wRC+は130をマークした。守備ではプラスの肩力を有し、課題である捕球能力も改善のためにハードワークを積んでいる。
Thayron Liranzo


5.ブライス・レイナー(SS)/Bryce Rainer:19歳
24年ドラフト全体11位指名。パワーと強肩が自慢の左打ち巨体SSで、コリー・シーガー(TEX)と比較される。走力は平均以下だが、機敏なフットワークと滑らかな守備動作、ダブルプラスの強肩からSSにとどまれるだろうとの評価を得ている。ヒットツールを不安視されており、プロの投手に対応できるか。


FV45

20年ドラフト2巡目。アスレチックな守備型捕手で、低打率ながら15~20本塁打程度の一発が望める。24年は打撃力の改善に成功。3Aで打率.308/17本塁打/wRC+139をマークした。チェイス率は悪いが、平均以上のコンタクト率&打球速度&引っ張りフライ率を記録している。守備では、プロ入りからマイナーで4年連続盗塁阻止率30%超え&Baseball Prospectsの出すフレーミング指標プラスと守備力は申し分なく、ジェーク・ロジャースのバックアップ捕手には適任だろう。

7.トレイ・スウィーニー(SS)/Trey Sweeney:25歳 
堅守が武器のショートストップ。24年はフラハティのトレードでLADから加入すると、MLBでは36試合でwRC+81と打撃貢献は平均以下ながら、DRS+3/OAA+2と守備で活躍。ハビアー・バイエズからレギュラーを奪い、ポストシーズンでは7試合全試合フルイニング出場を果たした。ドラフト時に肩力不足から2B向きとされた守備が大きく成長。下位打線レギュラーもしくはユーティリティーとしてMLBに定着できるか。

22年ドラフト全体12位指名で、ジョシュ・ヤン(TEX)の弟。バットを捕手方向に大きく傾けた独特の構えからフライボールを量産し、辛抱強いアプローチで四球も稼げる。24年は3Aで出塁率.380/15本塁打/wRC+122をマークした。しかしレギュラーに定着するには、平均以下の守備力を改善していく必要がある。MLBではわずか27試合でDRS-6/OAA-3を叩き出してしまった。

高アングルのオーバースローから平均93マイルのライジングファストと縦カーブのコンボで打者を制圧する。(23年にAでプレーした際、4シームのIVB(ホップ変化量)はMLBトップクラスの20.3インチを記録している。)24年はA+で23先発して防御率2.64/奪三振率30.6%/与四球率7.8%/FIP3.09と好投。91球以上投げた試合は無く、スタミナ面は不透明。

10.
ブラント・ハーター(LHP)/Brant Hurter:25歳 
球威不足だが、平均92マイルのシンカーと高回転のスウィーパーを抜群のコマンドで投げ分ける技巧派左腕。24年はMLBに昇格すると、右打者との対戦を減らせるように第2先発として5イニング前後を投げる起用法で成功。10登板で計45.1回を投げて防御率2.58/FIP3.03をマークした。決して右打者に弱いわけではなく、右打者と対戦時にはスウィーパーを外角に出し入れし、内角高めの4シームや外角低めのチェンジアップを交えて的を絞らせない。ローテーション5番手もしくはミドルリリーフとして貢献できるだろう。

パワーとヒットツールを両立した攻撃型捕手。24年はAで40試合に出場してwRC+123をマーク。ゴロが多いため、2本塁打/ISO.099にとどまったが、上位10%打球速度104.3マイルは19歳にしてすでにMLB平均レベルで、コンタクト率&チェイス率も平均以上と打撃ポテンシャルは捕手離れしている。オフのAFLでは長打狙いのアプローチが功を奏し、25試合で10本塁打を放つ活躍で三冠王を獲得した。来季通年で長打を量産できるか。守備面は膝の故障の影響で、1Bでの出場が主だったので、捕手に残れることを証明していく必要がある。

12.ハオユー・リン(2B)/Hao-Yu Lee:22歳
台湾出身。ヒットツールプラス、パワー平均以下の攻撃型二塁手。23年夏にマイケル・ロレンゼンとの1対1トレードでPHIから移ってきた。24年はプルヒッティングに磨きをかけ、2AでwRC+141、自己最多の12本塁打/ISO.190をマークした。守備は2B専門で決して上手くはないが堅実にこなせる。肩が弱いため3BやSSを守れる守備力はないとの評価で、ユーティリティー向きではない。打撃力を磨いて2Bレギュラーを目指したい。


FV40

プラスのスピード&強肩を有するアスリートで、SSに残れる可能性あり。Rでは48試合で打率.273/6本塁打/wRC+136をマーク。細身でパワーは未発達ながらゴロ率35.6%とボールを空中に集める技術が高く、二塁打を稼げる。コンタクト率が70%を割るなどやや空振りが多く、A昇格後は20試合で打率.095/三振率31%と適応に苦しんだ。

14.オーウェン・ホール(RHP)/Owen Hall:19歳
24年ドラフト2巡目の高卒右腕。MAX98マイルで伸びのある4シームと切れのあるスライダーがプラスピッチ候補。6-3/185の体格から速球はまだ工場の余地あり。球威は良いだけに、チェンジアップの開発とコントロールの改善がプロでの課題。

15.トロイ・メルトン(RHP)/Troy Melton:24歳
22年ドラフト4巡目。90マイル中盤を計測する球威とプラスのコントロールを両立した右腕で、23年にA/A+で防御率2.74/FIP3.13とブレイク。しかし、24年は2Aで23先発して防御率5.10/FIP4.42と苦戦。奪三振率27.7%/与四球率7.0%はいずれも優秀だったが、ゾーン中心にボールが集まる傾向があり、HR/9=1.70、HR/FB=20%と被弾の多さに泣いた。スイーパー&チェンジアップも平均以上で3球種扱え、6-4/210と体格も良いため、細かいコマンドを改善できれば、ランス・リンのようなイニングイーターになり得る。

Notable Prospects

ネクストブレイクに期待したい両打ち捕手。高い運動能力と盗塁阻止率35%を記録した強肩から捕手に定着できるだろうと見られている。打撃では判断力とパワーポテンシャルを兼ね備える。Rでは四球率15.3%と強みを発揮したが、打率.242/ゴロ率52%/コンタクト率67%とコンタクト能力は要改善。実戦でパワーを発揮していきたい。

クリス・ロドリゲス(OF)/Cris Rodriguez:19歳
25年度のMLB公式国際アマチュアFAランキングで4位に入っていた逸材。16歳ですでに6-4/200と年齢離れした体格を有しており、30ホーマー級のパワーポテンシャルを秘める。現在プラスのスピードは将来的に失われるとの見込みで、CFから両翼に移ることになるか。

ホゼ・ディクソン(SS)/Jose Dickson:23歳
24年1月に39万ドルで契約した原石。現時点では細身でパワーレスだが、高いコンタクト能力と二遊間に留まれるだけの運動能力を兼ね備えている。DSLでは44試合で打率.273/0本塁打/wRC+122をマーク。6-2/158の細身の体格にどれだけ筋力をつけられるか。

タイラー・マティソン(RHP)/Carson Rucker:24歳
パワーリリーバー。24年はTJ手術で全休、25年途中に復帰予定。23年にA+/2Aで59.2回を投げて防御率2.41/奪三振率37.9%/与四球率11.7%をマーク。95マイル前後の伸びのある4シームと80マイル台のパワーカーブのコンボ。

21年ドラフト全体32位指名。平均94マイル超でホップ成分の強い4シームを高めに、切れ味鋭いハードスライダーを低めに投げ分けて空振りを稼ぐパワーピッチャー。チェンジアップやカッターもレパートリーに扱う。24年は3Aで防御率7.97と撃沈。MLBでは23回で防御率4.30/FIP3.99とまずまずだったが、プラスピッチ不足&コマンドの平凡さを改善していきたい。


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