2025年2月8日土曜日

2025 CHICAGO WHITE SOX TOP 15 PROSPECTS

2025 CHICAGO WHITE SOX

TOP 15 PROSPECTS

2025年 シカゴ・ホワイトソックス プロスペクトランキング
Noah Schultz


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。


FV55

1.ノア・シュルツ(LHP)/Noah Schultz:21歳
22年ドラフト1巡目の高卒左腕。6フィート9の長身からMAX99マイルとプラスのスライダーを投げ込むポテンシャルの塊。右打者にはチェンジアップ&カッターで的を絞らせない。サイド気味のスリークォーターも含めてクリス・セールやランディ・ジョンソンを連想させる。健康面を不安視されていたが、A+/2Aで計23先発をこなし、防御率2.24/奪三振率32.1%/与四球率6.7%と好投。1試合での投球は最長でも4イニングという慎重な育成となっている。
Noah Schultz


FV50

2.
コルソン・モンゴメリー(SS)/Colson Montgomery:23歳
21年ドラフト1巡目指名。高校ではバスケ、アメフト、野球の三刀流で鳴らしたアスリート。パワーとアベレージを両立した攻撃型SSで、6-4/205の大柄な体格を含めてコリー・シーガー(TEX)と比較される。24年はコンタクトに苦戦し、3AでwRC+88と足踏み。それでも平均以上の打球速度&引っ張りフライ率を記録しており、チェイス率も悪くない。アプローチを改善していけば一気にブレイクできるはず。
Colson Montgomery


3.
ヘイゲン・スミス(LHP)/Hagen Smith:21歳
24年ドラフトで全体5位指名を受けたパワーレフティ。サイド気味の独特アングルから最速100マイルの4シームと70評価のスライダーのコンボで打者を圧倒する。ドラフトイヤーに課題のコントロールを磨いて防御率2.04、全米トップのK/9=17.3&被打率.144とブレイクを果たした。次の課題は平均以下とされるチェンジアップの質改善か。

4.エドガー・ケロ(C)/Edgar Quero:22歳
卓越したコンタクト力を有する攻撃型スイッチヒッター捕手。マイナーでは毎年安定した成績を残しており、24年は2AでwRC+145、3Aで139をマーク。引っ張り率を増やし、本塁打数を前年の6本から16本に伸ばすことに成功した。しかし3Aでの上位10%打球速度101マイルは依然として平均以下。守備力の向上が課題という点も含めてキーバート・ルイーズ(WSH)が比較対象か。
Edgar Quero


23年ドラフト全体14位指名。攻守を両立したオールラウンド捕手で、捕手ながら平均レベルのスピードを有するアスレチックさも含めてJ.T.リアルミュートのような将来像を期待。打撃は広角にライナーを量産する二塁打マシーンタイプ。フルシーズン1年目となった24年は2Aで打率.298/11本塁打/wRC+145をマーク。しかし、3AではISO.088とパワー不足を露呈した。

24年ドラフト全体12位指名。フィジカル系両打ちパワーヒッター。高校時代はヒットツールに課題があったが、大学通じてプローチ面で成長。ドラフトイヤーは27本塁打を放ちながら、三振率20.1%/四球率17.7%をマーク。外野守備では、投手としてMAX98マイルの強肩を武器にRFにふさわしい能力を有する。


FV45

7.ハイロ・イリアルテ(RHP)/Jairo Iriarte:23歳
アスレチックでハイポテンシャルな右腕。全身の力を大きく使ったメカニクスでMAX97マイル。ライズ成分の強い4シームを高めに、キレの良いスライダー&チェンジアップを低めに集めて空振りを誘う。先発に残るにはマイナー5年でBB/9=4.1のコントロールを改善したい。24年は2Aでの23登板して126回を消化。ラスト20登板のうち19回で5イニング以上を投げるなど耐久性を示した。MLBでは6試合いずれもリリーフ起用。エドウィン・ディアズのようなクローザー適性あり。

球威は申し分なし。健康を維持できればバックエンドSP、コントロールが安定すればローテーション半ば級のポテンシャルだ。平均95マイル前後の伸び上がる4シームとハードなスライダー&カーブで空振りを量産する。24年は3Aでは防御率5.14と精彩を欠いたが、MLBでは4登板で19イニングを投げて防御率1.42/奪三振率28.9%/与四球率9.2%と好投した。

フィジカル面は突出していないが、コンタクト能力が高く、広角にライナーを打ち分ける打撃職人。24年は3Aで122試合に出場して打率.293/7本塁打/wRC+132をマーク。四球率18.8%/三振率12.7%とアプローチも磨かれている。守備は派手さはないものの、SS/3B/2Bをバランスよくプレーするなどユーティリティー適性あり。

空振りの多さを改善できればレギュラー3Bポテンシャル。23年に21歳ながら2AでwRC+122をマークし評価を上げたが、24年は3AでwRC+98と足踏み。MLBでは32試合でwRC+64にとどまった。MLB昇格後は小サンプルながらも、上位10%打球速度&引っ張りフライ率いずれも上昇していたので来季どうなるか。スカウトからの守備評価は平均レベルとのことだが、OAA-3と改善の余地あり。

11.グラント・テイラー(RHP)/Grant Taylor:23歳
23年ドラフト2巡目。TJ手術から復帰すると、Aでの4先発で防御率1.13/奪三振率43.1%/与四球率1.7%と好投。オーバースローから角度のあるMAX100マイルの4シーム、スライダー、カーブのパワフルなコンビネーション。弱点だったチェンジアップも改善傾向にある。ポテンシャルは十分だが、まずは健康を維持し、マイナー上位の打者にどう対峙するかを見たい。


FV40

12.ケイレブ・ボーンマー(SS)/Caleb Bonemer:19歳
24年ドラフト全体43位指名の高卒選手。オーバースロットとなる契約金299万ドルで入団を決めた。フィジカルに恵まれており、スイングスピードは24年ドラフトの高校生ではNo.1とされる。あとは実戦でどれだけパワーを発揮できるか。守備面ではSSにふさわしい資質を有するが、体格の成長により、将来的には3Bの方が適しているかもしれない。

23年ドラフト7巡目の高卒選手。オーバースロットとなる契約金100万ドルでプロ入りを決めた。6-7/239の超大型選手で、現トッププロスペクトのジェームズ・ウッド(WSH)やスペンサー・ジョーンズ(NYY)と比較したい。ダブルプラスのパワーを秘めるが、コンタクト能力が弱点。Aでは76試合で打率.241/11本塁打/wRC+126をマークしたが、三振率は40.6%にのぼった。(ジョーイ・ギャロの1年目はAで38本塁打/三振率37%)

14.
ウィリアム・ベルゴラ(2B/SS)/William Bergolla:20歳
卓越したバットコントロールが武器の安打製造機タイプで、理想の成功例は「走守の良いルイス・アラエス」。24年はA+で打率.300/wRC+114をマーク。コンタクト率90%/三振率10.6%はエリート級だ。(ちなみに同年齢のアラエスは1Aで打率.347/wRC+146だった。)さすがにアラエスほどの打力を求めるのは酷だが、プラスのスピードを武器に27盗塁を決めた走塁能力、二遊間相応の守備力を有する点はアラエスには無い強みだろう。
22年ドラフト13位指名ながら、2Aで103.1回を投げて防御率2.44/奪三振率24.6%/与四球率4.6%と好投した。速球は平均91マイルとパワーレスだが、コントロールの良さと変化量の大きいスライダー、カーブ、チェンジアップでバットの芯を外す。来季25歳とプロスペクトとしては歳を食っており、3Aで結果を出して昇格したい。

Notable Prospects

ブレイク・ラーソン(LHP)/Blake Larson:19歳
グレゴリー・サントスをSEAに放出したトレードで得た指名権で獲得した高卒左腕。6-3/185という長身細身の体型から伸びしろを買われており、すでにMAX96マイルの速球はさらなる向上が見込める。また第2球種のスライダーも3000rpmに届くプラスピッチ候補。現時点では荒削りで、まずは投球フォームを固めてコントロールを改善していきたいところ。

6フィート6の恵まれた体格から93マイル前後の4シーム、平均以上のスライダー&チェンジアップとスペックはローテーション4番手クラス。しかしコンディションが安定せず、実力を発揮しきれない。24年は2Aでの14先発で防御率2.12と好投したが、3A/MLBでは結果を残せなかった。階級が上がるにつれ、与四球率が悪化しており、特にMLBでは奪三振以上の四球を与えてしまった。

エリック・フェッディを放出したトレードで獲得した1人。パワーやスピードは突出していないが、アプローチよく引っ張りフライを量産する打撃力が強み。24年はAで105試合に出場して12本塁打/四球率12.9%/wRC+121をマークした。守備評価はあまり高くなく、二遊間としては守備範囲不足、3Bとしては肩力不足との見立て。何とか2Bに残れるように改善が必要だろう。

ぺレスとともにトレードで獲得した1人。コンタクト&アプローチが優秀な安打製造機タイプで、スイングスピードの速さフライ率の高さからパワーナンバーも向上の可能性あり。24年はRをwRC+151と圧倒したが、Aでは76と苦戦した。守備は強肩で3B向きも、俊敏性と守備範囲に課題あり。
キーナン・ミドルトンとのトレードで23年夏にNYYから獲得したプロスペクト。NYYお得意のスライダー魔改造により、大きく横滑りするスイーパーを習得し、マネーピッチに変貌。スピンレート2400超えのシンカーと組み合わせてゾーンの内外を揺さぶる。24年はA+/2Aで23先発して防御率3.71/奪三振率25.2%とまずまずの内容。3年連続100イニング以上を消化するなど耐久力も備えるが、平均92マイル程度の球威面とマイナー5年でBB/9=4.3の制球面からブルペン転向が現実的か。


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