2022年3月29日火曜日

2022 COLORADO ROCKIES TOP 20 PROSPECTS

2022 COLORADO ROCKIES

TOP 20 PROSPECTS

Zac Veen


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.ザック・ビーン(OF)/Zac Veen:20歳
(A)106G 399AB 15HR 64BB 126K .301/.399/.501/.901
◯打撃 パワー 肩 伸びしろ  / △素材型 両翼向き
20年ドラフト全体9位指名の高卒選手。攻守のポテンシャルはカイル・タッカー(HOU)と比較される。21年は15本塁打にとどまったが、長身細身の体格と素晴らしいスイングスピードから30ホーマー級の長打力を秘める。守備はタッカーと同様に両翼が適任と見られており、21年は8個の補殺を記録した。
Zac Veen

(A/A+)104G 432AB 15HR 17BB 57K .287/.322/.475/.796
◎SS守備 / △パワー
ゴールドグラブ級の守備力の持ち主で、課題の打撃も向上中。フリースインガーながらも、ライナー重視のアプローチで30本の二塁打を放った。22年の春季トレーニングでは9試合で3本塁打(3月28日現在)を放つなどパワーも開眼の兆し。守備力は申し分ないので、最低限打てればトレバー・ストーリーの後釜SSとして計算でき、打撃を伸ばせれば平均以上のレギュラーSSになれるだろう。
Ezequiel Tovar


3.ドリュー・ロモ(C)/Drew Romo:20歳
(A)79G 312AB 6HR 19BB 50K .314/.345/.439/.784
◎C守備 / 〇肩 コンタクト / △パワー フリースインガー
20年ドラフト全体35位指名。U-18で正捕手を務めた守備先行型の司令塔。ゴールドグラブ級のポテンシャルを秘めており、リーダーシップや野球IQも◎。打撃力に疑問を持たれていたが、プロ1年目の昨季はAで打率.314をマークするなどコンタクトヒッターぶりを発揮。スイングスピードは素早いが、四球率5.6%とフリースインガーでパワーポテンシャルを生かせていない。パワーの向上が打者としての価値を高めるカギを握るだろう。
Drew Romo

(2A/3A)120G 431AB 28HR 53BB 110K .278/.360/.529/.889
〇パワー 肩 / △スピード 3B守備 アプローチ
ノーラン・アレナドとのトレードで獲得したプロスペクト。フリースインガーなアプローチ
を修正できれば、パワーとアベレージを両立した中軸打者になれると評判。21年はキャリアハイとなる28本塁打と結果を出した。守備では強肩の持ち主だが、MLBでは1Bが適任との評価。

5.
マイケル・トーリア(1B)/Michael Toglia:23歳
(A+/2A)115G 425AB 22HR 65BB 142K .228/.333/.445/.777
◯パワー 1B守備 / △コンタクト スピード
19年ドラフト1巡目指名。パワー&選球眼を兼ね備えた両打ちスラッガーで、1B守備もゴールドグラブ級と評判。21年はキャリアハイとなる2本塁打を放ち、フューチャーズゲームでも一発を放ったが、三振率28.5%・打率.228とコンタクトに課題。攻守のポテンシャルは素晴らしいだけに、消極的すぎるアプローチを最適なバランスに改善してインプレーの打球を増やすことが求められる。

6.
ベニー・モンゴメリー(OF)/Benny Montgomery:19歳
(R)14G 47AB 0HR 5BB 9K .340/.404/.383/.787
◎スピード / ◯肩 パワー / △素材型 打撃
21年ドラフト全体8位指名の高卒選手。ガチャついた不格好なスイングと5ツールポテンシャルからハンター・ペンス(元SF他)と比較されている。ポテンシャルは素晴らしいが、スイングに改善点が多く、プロのレベルにどれだけ対応できるかにかかっている。現状はかなりのダウインスイング。
Benny Montgomery


7.
クリス・マクマホン(RHP)/Chris McMahon:24歳
(A+)4.17ERA 114.1IP BB/9=2.5 K/9=9.4 K/BB=3.72
◯3球種 コマンド  / 
20年ドラフト2巡目。
コンスタントに95-96マイルを計測する速球とキレ抜群のスラーブ、ブレーキの利いたチェンジアップをコマンド良く投げ分ける。打者との駆け引きも上手く、フォームも含めてコリー・クルーバー(TB)を連想させる。大学時代にMAX98マイルを計測した速球は21年は90マイル前半にとどまった。

(A+/2A/3A)2.96ERA 112.2IP BB/9=3.4 K/9=10.1 K/BB=3.02
(MLB)11.37ERA 6.1IP BB/9=7.1 K/9=8.5 K/BB=1.20
◯速球 3球種 / △リリーフ向き?
大学3年でBB/9=4.1と弱点だったコントロールが改善され、21年は2Aでの13先発で防御率2.85と安定したパフォーマンスを見せて、9月にはMLBデビューも経験。93マイル前後の4シームにスライダー&チェンジアップ。春季トレーニングでは100マイルを計測するなど22年の浮上に期待したい。
Ryan Feltner


9.
ブレントン・ドイル(OF)/Brenton Doyle:24歳
(A+)97G 390AB 16HR 30BB 134K .280/.336/.454/.790
◯パワー スピード 肩 / △コンタクト
「20-20」が狙えるパワー&スピードに加えて、RFでマイナーのゴールドグラブを獲得するなど守備も優秀。21年は16本塁打・21盗塁と長所を発揮した一方で、三振率32%とヒットツールに黄色信号。選球眼など全体的な打撃能力を磨く必要がある。

10.
ライアン・ロリソン(LHP)/Ryan Rolison:24歳
(R/A+/2A/3A)5.27ERA 71.2IP BB/9=2.8 K/9=9.7 K/BB=3.50
◯コマンド 3球種 / △球威
3球種でストライクが取れるなど完成度が高く、順調ならばカイル・フリーランドのようなイニングイーターになれるだろう。91-93マイルの速球と70マイル台の落差の大きいカーブを主体に、右打者には改善中のチェンジアップも交える。22年中のMLBデビューが目される。
(3A)117G 468AB 7HR 38BB 92K .284/.339/.410/.749
(MLB)3G 6AB 0HR 1BB 1K .000/.143/.000/.143
◯打撃 / △守備 パワー
ラインドライブ中心のアプローチで広角に打ち分け、マイナー4年で打率.289をマーク。しかし打高の3A(リーグ平均打率.270・OPS.810)で7本塁打止まりと、LFのレギュラー選手としては長打力不足か。現状では控え外野手止まりであり、長打力UPがレギュラー定着の鍵を握るだろう。

12.
アダエル・アマダー(SS)/Adael Amador:19歳
(R)47G 164AB 4HR 27BB 29K .299/.394/.445/.839
◯コンタクト / △素材型 パワー 2B向き?
19年に契約金150万ドルで入団の原石。U-15のドミニカ代表経験もあり、ツールだけでなく試合感覚にも優れている。特に打撃が年齢に比して磨かれており、バランスの良いコンパクトなスイングでライナー性の打球を打ち分け、選球眼も良い。SS守備では打球勘やポジショニングに冴えるが、ツール自体は傑出していないため、MLBレベルでは2B向きか。

13.
ジェイデン・ヒル(RHP)/Jaden Hill:22歳
◯速球 チェンジアップ / △コンディション TJ手術明け
ドラフト1巡目候補だったが、健康面に不安がありスリップ。ドラフトイヤーに7先発/防御率6.67と不調で、その後TJ手術を受けることになった。健康時にはMAX99マイルの速球にプラスのチェンジアップ、平均以上のスライダーを投げ込んでいた。22年中のプロデビューを目指す。

14.
エリクリス・オリバレス(LHP)/Helcris Olivarez:20歳
(DSL/R)3.86ERA 14GS 60.2IP BB/9=4.6 K/9=12.2 K/BB=2.65
◎速球 / △素材型 / ✖コントロール
ロッキーズフロントが元エース投手のウバルド・ヒメネスの再来と注目する大器。軽々と90マイル後半を叩き出すが、コマンド&変化球が不安定で発展途上。A+では防御率6.05ながらリーグ平均よりも3歳以上若く、また8月以降は防御率3.90と適応しつつあったので、来季のブレークに期待したい。

15.
サム・ウェザリー(LHP)/Sam Weatherly:23歳
(A)4.83ERA 69.0IP BB/9=4.2 K/9=12.5 K/BB=3.00
◯速球 スライダー 奪三振 / ✖コントロール
20年ドラフト3巡目。92-96マイルの速球とプラスのスライダーを軸に、右打者にはチェンジアップも交える。球威は文句無しだが、大学3年間でBB/9=7.6、昨季もAでBB/9=4.2と制球面に不安。先発として育成される予定だが、コントロールの改善が見られなければリリーフに回ることになるだろう。

(R/A+/3A)33G 120AB 6HR 15BB 31K .258/.345/.483/.829
(MLB)19G 37AB 0HR 3BB 11K .189/.250/.216/.466
◯打撃 肩 / △スピード パワー
攻守にオールラウンドで内野両コーナーのバックアップとして22年はMLB定着が期待される。打撃ではライナー重視のアプローチでマイナー通算5年で打率.308をマーク。コーナー向きの選手としてはパワー面が平凡で評価が分かれる。守備では強肩だがスピード不足とガッシリ体型から3Bのレギュラーとしては厳しいか。

(R/A)43G 157AB 7HR 12BB 26K .312/.367/.516/.883
◯打撃 / △素材型 3B守備 アプローチ
ラインドライブを量産するフリースインガー。RではOPS1.197と打ちまくったが、AではOPS.601と年上選手を相手に苦戦したので、選球眼を含めた打席でのアプローチ改善が求められる。また3B守備では肩の強さは十分も、ポジションに残るには特訓が必要。

18.
ジョー・ロック(LHP)/Joe Rock:21歳
(R)1.13ERA 8.0IP BB/9=1.1 K/9=12.4 K/BB=11.00
◯速球 / △コマンド
21年ドラフト2巡目指名。6フィート6の長身から繰り出されるMAX97マイルのランニングファストが特長。ファンキーなフォームで打者を惑わしている一方で、コントロールの妨げにもなっている。コントロールとチェンジアップの改善が先発残留のカギ。
(A+)89G 358AB 8HR 25BB 111K .224/.286/.346/.633
◯守備 肩 メークアップ / △21年不調 パワー 
19年ドラフト2巡目。平均以上の守備&コンタクト能力から攻守にオールラウンドな選手として期待されていたが、21年は打撃不振に苦しんだ。それでも依然としてレギュラー相応の打撃ポテンシャルを秘めており、メークアップ評も高いので、来季の復活に期待したい。

20.ヤンキエル・フェルナンデス(OF)/Yanquiel Fernandez:19歳
(DSL)54G 177AB 6HR 22BB 26K .333/.406/.531/.937
◯パワー / △守備走塁 素材型
昨季DSLでリーグ6位のOPS.937をマークしたパワーヒッター候補。18歳にして110マイルに届く打球速度を計測するなど実戦でもパワーを発揮しつつある。一方で守備走塁の能力は限られており、打撃の出来がすべてを左右するだろう。

Sleeper Prospects

(A/A+)3.27ERA 113.0IP BB/9=1.8 K/9=8.5 K/BB=4.86
◯コントロール / △球威 年齢
傘下ベストのコントロールピッチャーで、昨季はA/A+で計12勝をあげる好投を見せた。90マイル前半の速球、スライダー、チェンジアップ、カッターを器用に織り交ぜる。打者のレベルが上がる2Aでどのような投球を見せるか。

(A/A+)4.68ERA 98.0IP BB/9=1.8 K/9=8.1 K/BB=4.40
◯コントロール / △球威
マイナー2年でBB/9=1.8とコントロールに優れるイニングイーター向きの右腕。90マイル前半のシンカー、スライダー、チェンジアップをゾーンに集め、6-5/240と体格も先発投手向き。キルケニーと同様に来季2Aでどのような投球を見せるかがポイント。

(DSL)1.30ERA 34.2IP BB/9=4.2 K/9=11.9 K/BB=2.88
◯速球 カーブ 伸びしろ / △素材型 コントロール
元MLBリリーバー、ヨーキス・ぺレスの息子。21年1月に50万ドルで契約すると、DSLで防御率1.30と好デビューを飾った。MAX97マイルの速球とプラスのカーブ主体の投球。6-3/153と細身の体格から球威向上が見込める。

(A+)100G 371AB 11HR 40BB 98K .264/.341/.402/.743
◯スピード / △打撃
レギュラーポテンシャルではないが、第四の外野手適性あり。プラスのスピードを有し、肩も強いため外野3ポジションどこでもこなすことができる。打撃では選球眼、長打力ともにまずまずで、マイナー通算出塁率.360をマークしている。

(A+)89G 320AB 6HR 40BB 69K .316/.393/.438/.830
◯コンタクト / △パワー
内外野こなすユーティリティープレーヤーで、21年は打撃でも結果を出した。本塁打は期待できないが、ライナー中心のコンパクトなアプローチで打率.316・四球率10.9%をマーク。守備は三塁をメインに二塁、レフトを守った。

2022年3月25日金曜日

2022 ARIZONA DIAMONDBACKS TOP 20 PROSPECTS

2022 ARIZONA DIAMONDBACKS

TOP 20 PROSPECTS

Jordan Lawlar


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.ジョーダン・ラウラー(SS)/Jordan Lawlar:19歳
(R)
2G 5AB 0HR 1BB 1K .400/.500/.600/1.100
◎5ツール / △素材型 
21年ドラフト全体6位指名の大型SS。傑出した5ツールを備えており、トッププロスペクトのボビー・ウィットJr(KC)と比較する声も。高校ではやや空振りの多さが目立ったので、プロで修正していきたい。Rで2試合出場した後に肩の関節を損傷し、手術を行った。
Jordan Lawlar


2.
コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:21歳
(A+)7G 23AB 2HR 6BB 7K .435/.552/.913/1.465
◎スピード / ◯打撃 CF守備 / △肩 故障明け
19年ドラフト1巡目の高卒選手。ジャコビー・エルズベリー(元BOS他)やジョニー・デーモン(元NYY他)と比較されるリードオフCF。
フィールド全体にラインドライブを量産し、ダブルプラスのスピードを生かした守備走塁も優秀。21年はスイング時に肩の関節を損傷しシーズン終了となる手術を行った。プロ3年で49試合の公式戦出場にとどまっている。マイナーでの実績では3位のトーマスに劣るが、ポテンシャルは上。
Corbin Carroll


3.アレク・トーマス(OF)/Alek Thomas:22歳
(2A/3A)106G 435AB 18HR 52BB 99K .313/.394/.559/.953
◯コンタクト スピード CF守備 / △パワー 肩
18年ドラフト2巡目。小柄だが俊足巧打でCF守備も素晴らしく、アダム・イートン(元CWS他)やブレット・ガードナー(元NYY)と比較されている。本塁打を量産するタイプではないが、マイナー通算で打率.312・OPS.883・四球率10.0%と実績は十分であり、ソリッドプレーヤーになってくれるだろう。
Alek Thomas

4.ヘラルド・ペルドモ(SS)/Geraldo Perdomo:22歳
(A/A+)85G 298AB 5HR 49BB 82K .238/.357/.359/.716
(MLB)11G 31AB 0HR 6BB 6K .258/.378/.419/.798
◯アプローチ 肩 SS守備 スピード / △パワー
パワーは
平均以下だが、プラスのSS守備と出塁能力の高さが光るソリッドプレーヤー候補。21年は打撃不振に苦しんだが、シーズン中盤からスイング強化に励んで8,9月は打率3割超え、特に9月はOPS1.010と復調を見せた。昨季後半の調子が続けば、ニック・アメッドを追いやって次期SSレギュラーとして計算できるだろう。
(A/A+)3.76ERA 95.2IP BB/9=3.1 K/9=11.0 K/BB=3.55
◯速球 4球種 コントロール / △素材型 球速不安定
バリー・ジト(元SF他)と比べられる19年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができ、速球とカーブの2球種がプラスピッチ候補。特に速球は高校時90マイル前後だったものがプロ入り後に最速97マイルと成長著しい。6-5/195の恵まれた体格とクオーターバックとしても活躍の運動能力の高さからさらなる伸びしろが期待できる。しかし21年はシーズン通して球速が安定せず、先発としての調整力に課題あり。

6.
ライン・ネルソン(RHP)/Ryne Nelson:24歳
(A+/2A)3.17ERA 116.1IP BB/9=3.1 K/9=12.6 K/BB=4.08
◎速球 / 〇奪三振 / △チェンジアップ
平均94マイル、最速で90マイル後半に届く高スピンの速球が武器のパワーピッチャー。21年は課題の制球が向上を遂げ、マイナー全体3位タイの164Kを奪うなどブレークを飾った。平均以下のチェンジアップも向上中。

(A+/2A)3.98ERA 110.2IP BB/9=2.9 K/9=11.8 K/BB=4.03
◯速球 スライダー 奪三振 / △体格 耐久面
アンダーサイズな体格と制球面の不安からリリーフ向きと目されていたが、21年はその評価を覆す快投。MAX100マイルの4シームと93マイル前後のツーシームを軸に、ダブルプラスのスライダーで打者を仕留める。カーブ&チェンジアップも平均以上のボールになる可能性を秘めており、耐久面の不安をクリアできればローテーション半ばポテンシャル。
(A-/A)69G 255AB 14HR 31BB 77K 17SB .282/.368/.514/.881(※19年)
◎パワー / ◯スピード 肩 / △素材型 コンタクト 精神面 2年間プレー無し
豪快なパワーとスピードを備えた5ツール候補で、完成型はジャスティン・アップトン(LAA)やアダム・ジョーンズ(元BAL他)か。しかし21年は精神的な問題により母国バハマで休養。ここ2シーズンプレーが無く、実戦経験を失ったことがどう響くか。22年は元気に春季トレーニングに参加している。
Kristian Robinson

(A/A+/2A)3.21ERA 131.2IP BB/9=1.9 K/9=10.9 K/BB=5.71
◯コマンド / △プラスピッチ無し
プラスピッチは持たないが、コマンド能力の高さが光る。93-94マイルの高スピンの4シームをスポットに投げ分け、スライダー&チェンジアップと組み合わせて打者を翻ろうする。すでに完成度は高く、22年中のMLBデビューも射程圏内。
Brandon Pfaadt

(R/A+/2A)4.42ERA 75.1IP BB/9=3.6 K/9=10.6 K/BB=2.97
◯速球 チェンジアップ 即戦力 / △一発病
20年ドラフト全体18位指名。完成度の高いカレッジ出身投手で、早期昇格が狙える。チェンジアップが武器のストライクスロワーだったが球速を伸ばしてドラフト前に評価を急上昇させた。元々90マイル前後だった速球は93-96マイルになり、カーブも成長。21年はややコマンドに苦しんだ印象だが、チームはローテーション半ばポテンシャルと期待を寄せる。

11.AJ ブコニッチ(3B)/AJ Vukovich:20歳
(A/A+)92G 368AB 13HR 22BB 105K .272/.320/.446/.766
◯パワー スピード / △素材型 アプローチ 3B守備
20年ドラフト4巡目の高卒スラッガー候補。6-5/210の体格にバスケットボールでも活躍した運動能力を兼ね備える。平均以上のパワーに昨季16盗塁とスピードも使える。純粋なコンタクト能力は悪くないが、変化球の見極めに課題あり。3B守備も不得意でBaseball Prospectusの守備指標FRAAでは-10.0を叩き出してしまった。LFや1B転向もあり得る。

12.
デイビーソン・デロスサントス(3B)/Deyvison De Los Santos:19歳
(R/A)62 227AB 8HR 26BB 67K .295/.370/.489/.859
◎パワー / △素材型 スピード 3B守備
ダブルプラスのパワーを秘めており、ミゲル・サノー(MIN)と比べられる大砲候補。荒っぽいアプローチを磨いていくことがブレークの鍵を握るだろう。守備能力は高くなく、現在は3Bを守っているが、将来的には1B転向が目されている。

(A+)4.12ERA 59.0IP BB/9=3.1 K/9=9.6 K/BB=3.15
◯速球 スライダー 体格 / △素材型 健康面
20年ドラフト全体33位指名。不安定ながら、好調時はインステップの角度あるオーバースローから90マイル後半の速球と縦スライダーを投げ下ろす。21年はシーズンを通して故障に悩まされ、自慢の速球は93マイル程度にとどまっていた。健康にシーズンを過ごして大学時代の球威を取り戻せるかがポイント。

14.ルイス・フリアス(RHP)/Luis Frias:24歳
(A+/2A/3A)4.93ERA 111.1IP BB/9=3.6 K/9=10.2 K/BB=2.80
(MLB)2.70ERA 3.1IP BB/9=13.5 K/9=8.1 K/BB=0.60
◎速球 / ◯カーブ / △リリーフ向き? コマンド
投球のダイナミックさは傘下No.1。力感あふれる垂直に近いオーバースローから最速99マイルの速球と縦に鋭く割れるスパイクカーブのコンビネーション。19年から第3球種にスプリットチェンジを習得した。マックスで力んで投げるフォームとコマンドの荒さからリリーフ向きとの見方が強い。
(2A/3A)85G 328AB 15HR 37BB 95K .253/.332/.500/.832
(MLB)24G 59AB 2HR 8BB 23K .220/.333/.373/.706
◎スピード / 〇CF守備 / △コンタクト
スピード&CF守備に優れており、打撃面でもキャリアハイの17本塁打を放つなど成長を見せた。MLBでの限られたサンプルではあるが、StatcastによるスプリントスピードはMLB全体7位と脚の速さはピカイチ。2A/3Aで三振率25.8%とやや三振が多く、コンタクトを改善できるかがレギュラーCFになれるかどうかを左右するだろう。

16.ライアン・ブリス(SS)/Ryan Bliss:22歳
(R/A)39G 165AB 6HR 13BB 42K .267/.326/.449/.775
◯コンタクト / △パワー 肩
21年ドラフト2巡目指名。身長5フィート9と小柄だがコンタクト能力に優れており、昨季大学で15本塁打(前年まで84試合で5本塁打)を放つなどパワーも開花の兆し。大学ではSS専門も平均以下の肩の強さからプロでは2B向きと見られている。パワーの開花が本物ならレギュラー2Bにふさわしいポテンシャル。

17.
ドリュー・エリス(3B)/Drew Ellis:26歳
3A)81G 296AB 20HR 46BB 87K .294/.399/.615/1.014
(MLB)28G 69AB  1HR 10BB 27K .130/.277/.203/.480
◯パワー 肩 / △スピード コンタクト
パワーと辛抱強いアプローチを兼ね備えている生粋のスラッガータイプ。また3B守備もマイナー生活を経て平均以上に向上した。MLBでは打率.130・三振率32.5%とコンタクトに苦しんだため、修正が必要だろう。3AでOPS1.014を叩き出した実力を発揮できれば正三塁手の道が見えてくるだろう。

18.セス・ビーア(1B/OF)/Seth Beer:25歳
(3A)100G 362AB 16HR 39BB 76K .287/.398/.511/.909
◯打撃 / ✖守備走塁
18年ドラフト1巡目の左のパワーバット。パワーとヒットツールを兼ね備えており、広角に長打を打てるのが強み。30本塁打を超すようなパワーヒッターというよりは、20本塁打前後で二塁打の多いタイプ。マット・アダムス(元STL他)が比較対象か。

(R/3A)46G 162AB 9HR 22BB 41K .296/.383/.562/.945
(MLB)12G 15AB 0HR 1BB 3K .133/.235/.200/.435
◯オールラウンド / △ツール 年齢
アーチー・ブラッドリーとのトレードでレッズから獲得したプロスペクト。プルヒッターで高打率が望めるタイプではないが「出塁率.350・15本塁打・15盗塁」が狙える。平均以上のスピードを生かして外野3ポジションが守れ、ハイフロアーな第四の外野手と見るスカウトが多い。打撃力を伸ばせるかがレギュラーになれるかを左右するだろう。
(R/A)24G 83AB 1HR 11BB 29K .265/.367/.422/.789
◯コンタクト / △守備
21年ドラフト2巡目指名。ヒットツールが高評価の攻撃型捕手で、アレックス・アビーラ(元DET他)と比較されている。大学1,2年ではいずれも打率.330オーバーも、ドラフトイヤーに打率.275と不振に陥った。捕手としての守備力にも疑問を持たれており、攻守に実力を証明する必要がある。1BやDHに回るリスクも。

Sleeper Prospects

(R/A)3.52ERA 53.2IP BB/9=1.2 K/9=9.9 K/BB=8.43
◯コマンド / △球威 体格
速球は90-92マイル程度と打者をねじ伏せるような球威はないが、抜群のコマンドが武器。21年は年上選手を相手にK/BB=8.43と素晴らしい数値を残した。速球を両コーナーに投げ分け、チェンジアップでタイミングを崩す。全体的な球威向上が先発に残るための鍵となるだろう。

(R/A)0.00ERA 10.0IP BB/9=4.5 K/9=16.2 K/BB=3.60
◯速球 チェンジアップ / △故障多い 実績
21年は肩の故障により10イニングの登板に終わったが、18K&無失点と目立ったパフォーマンスを見せた。躍動感のあるフォームからMAX97マイルの速球&スピンレート1000rmp未満のバルカンチェンジのコンビネーション。健康に投げられればブレークもあり得る。

バディ・ケネディ(3B)/Buddy Kennedy:23歳
(A+/2A)96G 348AB 22HR 50BB 98K .290/.384/.523/.907
◯パワー / △スピード 守備
マイク・トラウトを輩出したミルビルシニア高校からドラフトされた史上2人目の選手。パワフルなバッティングが自慢で、21年はA+/2AでOPS.907と素晴らしいシーズンを送った。一方でずんぐり体型で3B守備も平均以下なため、将来的なポジションが不透明。

クーパー・ハメル(OF/C)/Cooper Hummel:27歳
(3A)92G 293AB 12HR 63BB 61K .311/.432/.546/.978
◯アプローチ / △スピード 守備
昨夏エドゥアルド・エスコバーのトレードでMILから加入。四球率17.2%/三振率16.6%とゾーンコントロールが素晴らしく、マイナー5年でOPS.831をマークしている。メインは外野だが捕手
としても9試合に出場しているユーティリティー性から上手くハマればベンチ要員にフィットするだろう。

ネイフィー・カスティーヨ(OF/1B)/Neyfy Castillo:21歳
(A)103G 382AB 21HR 58BB 170K .230/.347/.453/.800
◯パワー スピード / ✖コンタクト
荒削りだがフィジカルに恵まれており、Aで21本塁打&26盗塁と「20-20」を達成。しかし三振率37.4%とヒットツールが脆く、MLB到達までの道のりは険しそうだ。守備は外野3ポジションに加えて1Bも守れるが、将来的には肥大化して1BかLFが適任との見立て。

2022年3月21日月曜日

2021 ST. LOUIS CARDINALS TOP 20 PROSPECTS

2022 ST. LOUIS CARDINALS

TOP 20 PROSPECTS

Jordan Walker



本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22 年6月30日見込みのもの。
(A/A+)82G 325AB 14HR 33BB 87K .317/.388/.548/.936
◎パワー / 〇肩 / △コンタクト 素材型 3B守備
20年ドラフト1巡目。6-5/220の恵まれた体格にパワーを秘めたスラッガー候補。大振りでコンタクト面を心配されていたが、プロ1年目からA/A+で打率.317・14本塁打・OPS.936と好成績を残した。特にStatcastが搭載されていたAでは27試合で平均打球速度93.2マイルとMLBでもトップクラスの数字をマークした。しかしA+昇格後は四球率6.1%/三振率27%とアプローチが大幅に悪化していたので、コンタクト&選球眼の向上が求められる。14盗塁を決めるなど大柄な体格に比して俊敏に動けて肩も強いが、22失策を喫するなど3B守備は要改善。1Bや外野に転向するリスクがある。4番サードを狙えるポテンシャルだが、攻守に磨かれる必要がある。
Jordan Walker

(2A/3A)119G 480AB 25HR 38BB 115K .279/.333/.481/.814
◎パワー / △スピード コンタクト
空振りは多いが40ホーマーを狙えるパワーヒッター候補。それでも三振率を19年の29.7%から22.0%に改善させ、キャリアハイの25本塁打をマークした。守備ではノーラン・アレナドの加入により、2Bに転向。スピードは平均以下だがBaseball Prospectusの出す守備指標FRAAで+10.1をマークするなど適応し、予想以上の守備範囲を見せた。
Nolan Gorman


3.
マシュー・リベラトーレ(LHP)/Matthew Liberatore:22歳
(3A)4.04ERA 124.2IP BB/9=2.4 K/9=8.9 K/BB=3.73
◯4球種 コントロール / 
高卒出身ながら完成度が高く、スティーブン・マッツ(TOR)やタイラー・スキャッグス(元LAA)と比較されている。6フィート5の長身から平均以上の4球種を低めに投げ分け、コントロールも平均以上。三振を量産するエースとまではいかないだろうが、堅実なローテーション投手に育ってくれるだろう。21年はシーズン通して不調も、ラスト10先発は防御率2.67と復調した。
Matthew Liberatore

(R/A)9.39ERA 7.2IP BB/9=2.3 K/9=8.2 K/BB=3.50
◎コントロール / △球威 被安打多い
21年ドラフト1巡目。4球種を投げ分けるコントロールアーティスト。6-4/215の体格から現在90マイル前半の速球もパワーアップの余地を残す。プロでは7.2回/14被安打と打ち込まれたが、本来の力を発揮できれば早期昇格が狙える。
(R)23G 76AB 2HR 14BB 28K .158/.305/.303/.608
◎パワー 肩 /△スピード 素材型 / ✖コンタクト
21年ドラフト2巡目指名。強豪バンダービルト大への進学が内定していたが、オーバースロットとなる契約金225万ドルでSTLが口説き落とした。ダブルプラスのパワー&強肩を備えた強打のRF候補だが、Rで打率.158・三振率29.5%とコンタクトに課題。
(A/A+)98G 385AB 5HR 46BB 100K .242/.324/.356/.680
〇二刀流 / △体格 素材型
20年ドラフト2巡目。SS/RHPの二刀流選手としてドラフト指名された。5-11/180とアンダーサイズながら投打に才能を示しており、元全体1位指名のマット・ブッシュ(元TEX)と比較されている。野手としては運動能力に支えられたSS守備&パワーポテンシャル。投手としては高スピンレートの最速98マイルの速球&カーブを投げ込む。
Masyn Winn


7.
イバン・ヘレーラ(C)/Ivan Herrera:22歳
(2A/3A)99G 367AB 17HR 60BB 96K .229/.342/.403/.746
◯コンタクト / △パワー / ✖スピード
素早くコンパクトなスイングでコンタクトを量産する攻撃型捕手。21年は低打率に悩まされたがキャリアハイとなる17本塁打を放ち、四球率13.6%/三振率21.8%とゾーン管理は優秀だった。捕手としての守備力は及第点も送球&集中力に問題あり。

8.
フアン・イェペス(1B)/Juan Yepez:24歳
(2A/3A)111G 367AB 27HR 51BB 82K .286/.383/.586/.969
◯打撃 / △守備走塁
20ポンドの増量を経てシーズンを迎えると傘下トップの27本塁打を放つなどブレーク。オフのAFLでも7本塁打・OPS1.028と打ちまくって注目を浴びた。守備走塁は平均以下で、1Bのポジションをポール・ゴールドシュミットにブロックされているが、ユニバーサルDH導入がプラスに働くだろう。

9.アンドレ・パランテ(RHP)/Andre Pallante:23歳
(2A/3A)3.81ERA 99.1IP BB/9=4.2 K/9=7.8 K/BB=1.87
◯速球 カーブ / △コマンド チェンジアップ 
19年ドラフト4巡目。大学時代は91-94マイル程度だったが22年の春季トレーニングではMAX99.4マイルを計測するなど急成長。アンダーサイズながら垂直に近いオーバースローから高スピンの4シーム&カーブで空振りを量産する。コマンドと第3球種に課題があり、リリーフ向きとの見立てだが21オフのAFL~22年春季トレーニングでの球威が本物なら先発でも十分に通用するだろう。


10.
マルコム・ヌネス(3B)/Malcom Nunez:21歳
(A+/2A)89G 339AB 9HR 32BB 71K .268/.339/.404/.743
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード
キューバ出身のパワーモンスター。20歳にして2Aにも適応していた点を評価したい。守備ではずんぐりな体型でフットワークも鈍く、3Bに残るには厳しいか。それでも20,21年と守備力向上に焦点を当てて練習に励んでいる。

11.ティンク・ヘンス(RHP)/Tink Hence:19歳
(R)9.00ERA 8.0IP BB/9=3.4 K/9=15.8 K/BB=4.67
◯速球 スライダー / △素材型
20年ドラフト2巡目補完指名。21年はじっくりと練習に専念し、Rでは8イニングのプレーにとどまった。90-95マイルの速球を主体にスライダー&チェンジアップを扱う。6-1/175とアンダーサイズだが、運動能力の高さとフォームの再現性から先発適性あり。

12.アレク・バールソン(OF)/Alec Burleson:23歳
(2A/3A)119G 456AB 22HR 42BB 101K .270/.329/.454/.783
◯パワー / △スピード
20年ドラフト2巡目。大学では二刀流プレーヤーとして活躍し、USA代表として日米大学野球でも来日した。大学時代はコンタクト寄りの中距離バッターだったが、昨季は長打狙いのアプローチへの変更が功を奏し、22本塁打をマークした。足が遅く、守備は外野両翼向き。
Alec Burleson


13.
オースティン・ラブ(RHP)/Austin Love:23歳
(R/A)1.13ERA 8.0IP BB/9=1.1 K/9=14.6 K/BB=13.00
◯3球種 コマンド / △先発経験
21年ドラフト3巡目。91-94マイルの速球、スライダー、チェンジアップと高水準の3球種をコマンド良く投げ分ける能力が強み。プロでは短いイニングでの起用ながらも好投を見せた。大学2年まではリリーフで、先発に回ったのは昨季からだが、チームは今後も先発として育成予定。

14.
ゴードン・グラセフォ(RHP)/Gordon Graceffo:22歳
(A)1.73ERA 26.0IP BB/9=3.1 K/9=12.8 K/BB=4.11
◯速球 3球種 / 
21年ドラフト5巡目。大学ではMAX93マイル止まりだっが、プロではリリーフ中心の起用だったこともあるが、平均94.3/最速97.6マイルと覚醒。ベストピッチと評されるチェンジアップは平均80マイルと球速差が大きく、空振り率47%をマークした。スライダーも縦に大きく落ち、空振り50%をマーク。大学ではBB/9=1.4とコントロールも安定しており、来季先発としてどれだけの成績を残すか注目。

15.ブレンダン・ドノバン(IF/OF)/Brendan Donovan:25歳
(A+/2A/3A)108G 391AB 12HR 50BB 77K .304/.399/.455/.854
◯コンタクト / △パワー 守備
プラスツールは持っていないが、コンタクト&アプローチに長けた中距離バッター。21年はA+/2A/3Aで打率.304・12本塁打・OPS.854とブレークを飾った。本塁打を量産するタイプではなく、守備も複数守れるが平均以下ということで、レギュラーよりもユーティリティー向きか。

16.
ザック・トンプソン(LHP)/Zack Thompson:24歳
(3A)7.06ERA 93.0IP BB/9=5.5 K/9=7.9 K/BB=1.44
◯4球種 即戦力 / △コマンド 21年大スランプ
19年ドラフト1巡目。即戦力のワークホースタイプの左腕として期待されていたが、21年は大スランプだった。BB/9=5.5とコマンドを失い、速球も87-88マイル程度に落ちていた。しかし、オフのAFLでは再び91-94マイルを計測し、17.1回で防御率1.56と復調。22年の再起を誓う。
(A)30G 114AB 3HR 13BB 46K .193/.279/.290/.569
◯パワー / △コンタクト 守備
21年ドラフト全体70位指名。プラスのパワーが武器のスラッガーで、アリゾナ大では打率.351・11本塁打・OPS.997と申し分ない成績を残した。しかしヒットツールに不安があり、プロでは打率.193・三振率35.7%と悲惨な内容だった。コンタクト&選球眼を磨いてプロに適応できるか。
(A)10.90ERA 53.2IP BB/9=9.4 K/9=9.9 K/BB=1.05
◎速球 / △素材型 第3球種 / ✖コントロール
超がつくほどのノーコンだが、ボールの威力は傘下トップクラス。Statcastで平均96.5/最速100マイルを記録したシンキングファストと空振り率57%のスライダーのコンビネーション。BB/9=9.4のノーコンと全投球の9割以上が速球&スライダーという2ピッチタイプのためリリーフ向きとの見方が強いが、課題を改善できればエースポテンシャル。


19.イノハン・パニアグア(RHP)/Inohan Paniagua:22歳
(A)3.88ERA 46.1IP BB/9=3.7 K/9=12.0 K/BB=3.26
◯速球 カーブ / △素材型
平均92.5マイルのシンキングファストとスピンレート2571rmpのカーブの2球種がプラスピッチ候補。特にカーブは空振り率52%と多くの空振りを奪った。スライダー&チェンジアップも空振りが取れ、ローテーションポテンシャル。22年は先発としてどれだけ活躍できるか。

20.
アンヘル・ロンドン(RHP)/Angel Rondon:24歳
(3A)4.58ERA 76.2IP BB/9=2.6 K/9=8.0 K/BB=3.09
(MLB)0.00ERA 2.0IP BB/9=4.5 K/9=4.5 K/BB=1.00
◯4球種 コントロール / △球威
19年に2Aでリーグの最優秀防御率(3.21)に輝き、傘下の最優秀投手にも選ばれた。プラスピッチはないが4球種をコントロール良く織り交ぜる投球術が持ち味。先発としては球威不足のため、MLBではリリーフが適任かもしれない。

Sleeper Prospects

(A)3.36ERA 69.2IP BB/9=2.8 K/9=11.4 K/BB=4.00
◯速球 スライダー / △チェンジアップ
21年はリリーフとして開幕したが好投を続け、シーズン途中から先発に昇格。K/9=11.4と支配的なパフォーマンスを見せた。平均93.4マイルの4シームは空振り率24%と空振りが取れ、スライダー&カッターもプラスピッチ候補。チェンジアップが未発達で将来はブルペンが適任か。

(2A/3A)3.39ERA 122.0IP BB/9=2.4 K/9=8.6 K/BB=3.52
◯コマンド グランドボーラー / ✖球威
コマンドに優れたグラウンドボーラーで、21年は打高の3Aで101.2回を投げて防御率3.10・グラウンドボール率61%と好投した。速球の球速が90-91マイルとパワーレスのため、MLBではスポットスターターもしくはロングリリーフが適任か。

(R)1.17ERA 7.2IP BB/9=0.0 K/9=10.6
◯コマンド / △球威
21年ドラフト4巡目。球威は平均以下だがコマンドに優れるバックエンドSPタイプ。88-92マイルのツーシームと平均以上のスライダーをペアにしてゾーンの左右を揺さぶる。左打者にはチェンジアップを交えることもできるなど完成度は高い。

(A)79G 276AB 7HR 42BB 95K .236/.345/.373/.718
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
IMGアカデミーから12巡目でドラフト指名され、オーバースロットとなる契約金でプロ入りした。走攻守にオールラウンドで、中でもパワーがベストツール。三振率29.5%のコンタクト能力を改善することができるか。

(A/A+/2A)95G 330AB 7HR 41BB 55K .306/.405/.446/.851
◯コンタクト アプローチ / △パワー
イギリスのロンドン出身。20年にドラフト外で入団すると持ち前のコンタクト能力を武器にOPS.851をマーク。パワーは目立たないが、四球率10.5%/三振率14.1%とゾーン管理も良い。外野3ポジションをこなすことができ、控え外野手にフィットするだろう。

2022年3月20日日曜日

2022 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2022 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Oneil Cruz

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。
(2A/3A)68G 271AB 17HR 28BB 69K .310/.375/.594/.970
(MLB)2G 9AB 1HR 0BB 4K .333/.333/.667/1.000
◎パワー 肩 / △SSとしては大きすぎる アプローチ
身長6フィート7と規格外の体格に規格外のツールを備えたSS。大柄な体格からSSとしては厳しいとの声もある一方でプラスのスピードとダブルプラスの肩から広い守備範囲を示しており、SSに残れる可能性は0ではない。転向するなら3BやRFがフィットするだろう。打撃では「20-80スケール」で80評価のパワーポテンシャルを秘めている。ヒットツールを懸念されているが、成長著しく3A昇格6試合で5本塁打、MLBでも9打数3安打1本塁打と覚醒の兆しあり。
Oneil Cruz


(R/A+)8G 26AB 3HR 4BB 10K .308/.387/.808/1.195
◯打撃 パワー 肩 / △スピード 守備
21年ドラフト全体1位指名。パワーと打撃技術を兼ね備えた攻撃型捕手で、大学では50試合で打率.370・15本塁打・OPS1.146と圧倒的な成績を残した。また四球率13.6%/三振率10.5%とゾーンコントロールにも隙がない。守備ではダブルプラスの強肩は申し分ないが捕球力に課題があり、三塁や外野に転向の可能性もある。
Henry Davis


(2A/3A)2.64ERA 58.0IP BB/9=2.0 K/9=12.7 K/BB=6.31
(MLB)0.00ERA 3.0IP BB/9=3.0 K/9=12.0 K/BB=4.00
◯速球 3球種 コントロール / △体格
ジェームソン・タイオンのトレードでNYYから獲得したプロスペクト。93-98マイルの4シーム、スライダー、カーブはいずれも高スピンでプラスピッチになり得る強烈なボール。フォームも滑らかで、BB/9=2.0をマークするなどコマンドも安定している。球威と制球力を兼備しており、ローテーション3番手相当のポテンシャルはあるが、アンダーサイズな体格から先発投手としての耐久面を不安視する声もある。

4.ニック・ゴンザレス(2B)/Nick Gonzales:23歳
(A+)80G 324AB 18HR 40BB 101K .303/.385/.565/.950
〇打撃 / △パワー 三振多い アウェイ成績
20年ドラフト全体7位指名。身長5フィート10とアンダーサイズだが、「20-80スケール」で70評価のヒットツールが自慢。プロ1年目からOPS.950と好成績を残した一方で、三振率27%と想定よりも空振りの多さが目立ち、また18本塁打中13本が打者有利な本拠地でのモノだったため、パワー面を
含めた全体的な打撃評価には疑問の声も多い。2B守備も平均的であり、打撃能力が本物であるかを証明していく必要がある。
Nick Gonzales


5.リオバー・ペゲーロ(SS)/Liover Peguero:21歳
(A+)90G 374AB 14HR 33BB 105K .270/.332/.444/.776
◯スピード コンタクト SS守備 / △パワー
ズバ抜けた運動能力の持ち主で走攻守にオールラウンド。19年オフにスターリング・マーテとのトレードでARIから移ってきた。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクトが武器で、二塁打・三塁打も多いため体格がつけば本塁打も増えてくるだろう。28盗塁を決めた俊足に支えられた守備範囲は◎で、安定感を磨けば長くSSでプレーできるかもしれない。Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAでは+8.1をマーク。
Liover Peguero


(A+)3.04ERA 97.2IP BB/9=3.6 K/9=9.0 K/BB=2.51
◯速球 カーブ 伸びしろ グラウンドボーラー / △素材型
19年ドラフト1巡目。高校ではアメフトとの二刀流で、クオーターバックとして州大会を優勝している実力者。高校のチームにはピッチングコーチがおらず、投球はYoutubeで独学。プロでの練習を経て速球はMAX99マイルに到達した。4シーム、ツーシーム、プラスのカーブにカッター、チェンジアップと多彩な球種を織り交ぜ、20歳のシーズンにしてA+で結果を出した。またグラウンドボール率54.7%とゴロを打たせるのも得意。ローテーション3番手相当のポテンシャルと評される。
(A)98G 377AB 15HR 50BB 77K .294/.380/.512/.892
◯アプローチ コンタクト / △パワー 素材型
ジョー・マスグローブを放出した三角トレードでNYMから獲得したプロスペクト。スムーズなスイングで、アプローチ良くコンタクトを量産するスイッチヒッター。マイナー通算66試合で四球率12.2%/三振率17.3%と素晴らしいゾーンコントロールを披露しており、パワーがつけば面白いだろう。捕手としての守備力は発展途上だが、外野コーナーや一塁も経験するなどユーティリティー性も見込める。

(A)4.64ERA 66.0IP BB/9=4.6 K/9=14.0 K/BB=3.03
◯速球 変化球 奪三振 運動能力 / △素材型 コントロール
20年ドラフト2巡目。外野手としても評価を得ていたアスリートで、ハイポテンシャル。平均95.4マイルでスピンレート2500rmp超の4シームを軸に、スピンレート2600rmp超えのスライダー&カーブを交える。チェンジアップを含めて変化球3種はいずれも空振り率40%以上とキレが良く、課題のコントロールを改善できれば大化けする可能性を秘めている。

(A+/2A)112G 435AB 23HR 56BB 108K .306/.388/.552/.939
◯スピード パワー / △肩 LF向き
21年はスイング&アプローチの変更が功を奏し、A+/2Aで打率.306・23本塁打・OPS.939とブレーク。フライ性の打球を安定して打てるようになり、パワーが開眼した。プラスのスピードの持ち主で15盗塁を決めたが、平均以下の肩からCFよりもLF向きとの見立て。対左投手に対してもOPS.871と結果を残しており、やや荒いアプローチを改善させていけばレギュラーの道も見えてくるだろう。
Matt Fraizer


10.アンソニー・ソロメト(LHP)/Anthony Solometo:19歳
◯速球 コマンド / △素材型
21年ドラフト全体37位指名の高卒左腕。サウスポーながら最速96マイルを誇るポテンシャルと大きく腕を引くメカニクスからマディソン・バムガーナーと比較する声も。一般的な高卒投手よりもコマンドに優れており、完成度の高さが強み。癖の強いフォームを修正していきたい。

11.マイケル・バロウズ(RHP)/Michael Burrows:22歳
(A+)2.20ERA 49.0IP BB/9=3.7 K/9=12.1 K/BB=3.30
◯速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ コマンド 
21年はA+で13先発して防御率2.20・K/9=12.1と目立ったパフォーマンス。常時94-95マイルを計測するパワフルな速球にプラスのカーブ主体の投球スタイル。平均以下のチェンジアップ&コマンドからリリーフで輝くタイプか。故障離脱があった上に、基本的に球数が多く4イニング前後しか投げられておらず、先発としては育成するには時間を要するだろう。

12.
ババ・チャンドラー(RHP/SS)/Bubba Chandler:19歳
(R)11G 30AB 1HR 5BB 16K .167/.324/.300/.624
◯二刀流 運動能力 / △素材型
21年ドラフト3巡目の高卒選手。高校では投打の二刀流に加えてアメフトでも活躍した生粋のアスリート。投打に粗削りながら野球に専念した環境でどれだけ能力を伸ばせるか注目。投手としてはMAX97マイル、野手としては両打ちSSと魅力大。

13.トラビス・スワゲーティ(OF)/Travis Swaggerty:24歳
(3A)12G 41AB 3HR 6BB 8K .220/.333/.439/.772
◯スピード CF守備 / △パワー 打撃
ドラフト時にはアンドリュー・ベニンテンディ(KC)と比べられたオールラウンダーも、プロでは伸び悩み中。21年は走塁で故障し12試合の出場に終わった。走守の能力はプラス評価であり、マイナー3年でOPS.724と平凡な成績にとどまっている打撃面を改善できればレギュラーCFになれるだろう。

(A+/3A)3.96ERA 52.1IP BB/9=3.8 K/9=11.4 K/BB=3.00
◯速球 グラウンドボーラー / △耐久性 変化球
19年ドラフト全体31位指名。92-94マイルのシンカーが武器のグラウンドボーラーで、エースというよりはイニングイーター寄り。スライダー&カッターが平均以上になる可能性がある球種だが、カーブ&チェンジアップは発展途上。21年は肩の故障による離脱もあり、健康面に不安を抱える。

15.
ロニー・ホワイト(OF)/Lonnie White:19歳
(R)9G 31AB 2HR 2BB 14K .258/.303/.516/.819
◎スピード / 〇パワー CF守備 / △素材型 コンタクト
21年ドラフト全体64位指名。高校ではアメフトのワイドレシーバーとしても有望視されていたパワフルなアスリートで、ダブルプラスのスピードが最大の武器。打撃はジャンカルロ・スタントン風の力強いスイングから強烈な打球を弾き返す。一方でRで三振率42%とヒットツールに課題があり、磨かれる必要がある。

16.ハドソン・ヘッド(OF)/Hudson Head:21歳
(A)101G 348AB 15HR 68BB 137K .213/.362/.394/.756
◯パワー スピード / △素材型 / ✖コンタクト
ジョー・マスグローブを放出した三角トレードのメインパッケージ。5ツールポテンシャルを秘めており、上手く育てば「20-20」も狙える。しかし大振りでコンタクトに課題があり、三振率31.6%、対左投手に対して打率.101と適応能力に黄色信号。それでもStatcastで平均打球速度87マイル、95マイル以上の打球を放った割合39.1%と実戦でもパワーを見せている点は評価したい。

17.
ミゲル・ヤフーレ(RHP)/Miguel Yajure:24歳
(A/3A)3.40ERA 47.2IP BB/9=2.6 K/9=8.5 K/BB=3.21
(MLB)8.40ERA 15.0IP BB/9=4.2 K/9=6.6 K/BB=1.57
◯球種 コマンド / △球威 耐久性
ジェームソン・タイオンのトレードパッケージとしてヤンキースから獲得したプロスペクト。21年は3Aでの9先発で防御率3.04と安定した投球を見せた。
抜群の制球力と多彩な球種を生かした投球が持ち味も、MLBでは球威不足から打ち込まれた。また肘の故障歴があり、健康面も心配。即戦力だが、上限はローテーション下位だろう。

(A)89G 320AB 7HR 38 22 5 54 116 .234 .354 .347 .701
〇パワー スピード 肩 / △素材型 エラー多い / ✖コンタクト
ジェームソン・タイオンのトレードでNYYから獲得したプロスペクトの1人。平均以上のパワーを秘めた攻撃型も、Aで三振率29.9%・グラウンドボール率53%とヒットツールに黄色信号。SS守備では肩・守備範囲は及第点も77試合で24失策を喫するな不安定。2B転向が既定路線か。攻守に磨かれる必要がある。

19.ターナ・トーマス(RHP)/Tahnaj Thomas:23歳
(A+)5.19ERA 60.2IP BB/9=5.2 K/9=9.2 K/BB=1.77
◎速球 / 〇伸びしろ / △コマンド 素材型 / ✖チェンジアップ
アップサイドの塊。常時95-99マイル、最速101マイルの速球と平均以上のスライダーで打者を支配する。細かいコマンドがなく、チェンジアップもめったに投げないため、先発よりもリリーフ向きだろう。21年はBB/9=5.2・HR/9=1.9とコマンドに苦戦したが、チームはまだ先発としての可能性を信じている模様。

20.
カイル・ニコラス(RHP)/Kyle Nicolas:23歳
(A+/2A)4.18ERA 99.0IP BB/9=4.5 K/9=12.4 K/BB=2.78
◯速球 奪三振 / △コントロール 第3球種
ジェーコブ・スタリングスとのトレードでMIAから獲得したプロスペクト。MAX98マイルのライジングファストボールを高めに、キレの良いスライダーを低めに投げ込み多くの空振りを奪うパワーピッチャー。コントロール&第3球種に課題があり、リリーフ向きとの声が多い。

Sleeper Prospects

(A+)2.66ERA 20.1IP BB/9=3.1 K/9=12.0 K/BB=3.86
◯スプリット / △健康面 実績
昨夏にリカルド・ロドリゲスのトレード対価としてATLから獲得したプロスペクト。ダブルプラスのスプリットが武器の右腕で、90-94マイルだった速球も昨季常時94マイルにまで上昇した。20年はコロナでシーズン休止、21年は尺骨神経の故障により5先発に終わるなど来季23歳にしてプロでの実績はほとんどない。

(A)2.46ERA 95.0IP BB/9=2.8 K/9=11.1 K/BB=3.90
◯スラーブ 奪三振 / △第3球種
21年は傘下トップの117Kを奪うなどブレーク。平均92マイルのフォーシーム&ツーシームとスピンレート2500rmp超で大きく曲がるスラーブのコンビネーション。速球とスライダーが全投球の9割以上を占めており、球威も先発としてはやや物足りないため、ブルペンが適任か。

(R)42G 134AB 8HR 26BB 43K .284/.409/.552/.961
◯パワー / △素材型 コンタクト 守備
パワーツールはPIT傘下でも屈指。21年はRで8本塁打、リーグトップの長打率.552をマークするなど実戦でもパワーを発揮してみせた。三振率26%と全体的なヒットツールは今後磨いていく必要がある。育成に時間はかかるだろうが、ロマン砲として注目したい。

(A+)108G 421AB 15HR 42BB 94K .304/.369/.480/.849
◯肩 守備 21年好成績 / △打撃
19年ドラフト2巡目。SSとしてもOKな守備力の高さが魅力の3Bだったが、21年は打撃で覚醒。大学通算182試合で14本塁打だったのに対し、昨季だけで15本塁打を放って見せた。マイナー上位でも結果を出し続けることができれば、MLB昇格が見えてくるだろう。

アレクサンダー・モヒカ(3B/1B)/Alexander Mojica:19歳
(A)87G 287AB 9HR 41BB 90K .209/.322/.342/.663
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード コンタクト 
19年にはDSLでOPS1.048に加えて四球>三振のアプローチと素晴らしいパフォーマンス。
パワーとアベレージを両立したヒッティングプロスペクトとして期待されていたが、21年はAで年上選手を相手に歯が立たず。ボール球スイング率37%(MLB平均30%)とボールの見極めに苦労した。守備でも動きの鈍さがネックとなり1Bでの出場が増えた。それでも最速打球速度110.3マイルを計測するなど打撃のポテンシャルは非凡。

2022年3月13日日曜日

2022 MILWAUKEE BREWERS TOP 20 PROSPECTS

2022 MILWAUKEE BREWERS

TOP 20 PROSPECTS

Aaron Ashby

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.
アーロン・アシュビー(LHP)/Aaron Ashby:24歳
(3A)4.41ERA 63.1IP BB/9=4.5 K/9=14.2 K/BB=3.13
(MLB)4.55ERA 31.2IP BB/9=3.4 K/9=11.1 K/BB=3.25
◎スライダー / ◯速球 奪三振 グランドボーラー / △コントロール
21年はMLBデビューすると先発にロングリリーフにクローザーに幅広く起用された。平均96.5マイルのハードシンカーはゴロを打たせるのに有効で、MLBでグラウンドボール率69.8%をマーク。決め球のスライダーは被打率.077・空振り率42%とMLBの打者相手にも絶対的で、第3球種のチェンジアップも被打率.167・空振り率34.6%と対右打者の決め球として効果的だった。課題のコントロールを改善できればローテーション2-3番手ポテンシャル。ブレイク・スネル(SD)やフレディ・ペラルタ(MIL)が比較対象か。
Aaron Ashby


(2A/3A)117G 431AB 6HR 60BB 83K .258/.348/.362/.709
◯アプローチ スピード SS守備 / △パワー 
未来の1番SS候補。21年に2A/3Aで20盗塁を決めたスピードと四球率12.1%/三振率16.7%をマークしたアプローチはリードオフ向き。パワーは平均以下で本塁打を量産するタイプではないが、一部スカウトは15-20本塁打を狙えるとも。現段階での将来像はJ.P.クロフォード(SEA)であり、パワーを伸ばせればさらにバリューを上げられるだろう。
Brice Turang


(A+/2A)64G 221AB 8HR 46BB 71K .258/.388/.412/.800
◎スピード / ◯肩 / △ゲームパワー 糖尿病 ゴロ多い
20年ドラフト1巡目。20年ドラフト屈指のアスリートで、20-80スケールで80評価のスピードがベストツール。CF守備も◎。20ホーマー級のパワーを秘めているが、ゴロ率60%以上と実戦でパワーを発揮できていない(昨季のMLBでゴロ率60%以上はライメル・タピアのみ)。ステージ3の1型糖尿病と闘いながらも懸命にプレーしている。
将来像はトレント・グリシャム(SD)か。
Garrett Mitchell

(A/A+)109G 396AB 27HR 63BB 105K .296/.403/.556/.958
◎肩 / ◯パワー スピード / △コンタクト 
20年ドラフト4巡目ながら21年はA/A+で27本塁打・30盗塁とブレーク。ヒットツールを不安視されているが、打率.296・三振率22%と大学時代よりも改善が見られた。守備では20-80スケールで80評価の強肩を有し、プラスのRFディフェンダーになれるとの見立て。上位レベルの投手にも対応できるかがポイント。

5.
ヘドベルト・ペレス(OF)/Hedbert Perez:19歳
(R/A)48G 185AB 7HR 9BB 59K .276/.330/.460/.790
◯パワー スピード / △素材型 / ✖アプローチ
19年に契約金70万ドルで入団。父ロベルトは99年にオリックスでもプレーの元メジャーリーガー。スムーズかつコンパクトなスイング軌道を身に着けており、平均以上のパワーと併せて打撃のポテンシャルは高い。しかし四球率4.5%とアプローチが荒く、特にA昇格後は四球率1.5%/三振率36.8%と最悪だった。現段階でのスピードは平均以上で、CFとして育成されているが、将来的にはLFが適任と見られている。

6.
サル・フレリック(OF)/Sal Frelick:22歳
(R/A/A+)35G 146AB 2HR 21BB 25K .329/.414/.466/.880
◎スピード / ◯コンタクト 守備 / ✖パワー
21年ドラフト1巡目。小柄ながらダブルプラスのスピードと卓越したコンタクトスキルからリードオフポテンシャルを示す。現段階ではスラップヒッターであり、ピークでも10-15本塁打程度だろう。守備は20年までRF、21年からCFに転向。経験は浅いが平均以上のCFになれる可能性あり。
Sal Frelick

(R)23G 68AB 2HR 12BB 10K .309/.434/.500/.934
◯パワー 肩 守備 / △素材型 スピード
19年に契約金20万ドルで入団すると急成長。攻守を両立した捕手への成長が期待されている。守備面ではアスレチックでプレート後方での機敏な動き、柔らかいキャッチング、プラスの強肩から平均以上の捕手になれると評判。打撃でもBB>Kをマークするなどゾーン管理ができ、平均以上のパワーポテンシャルも秘める。
(DSL)45G 159AB 5HR 23BB 28K .296/.386/.447/.833
 ◯スピード パワー / △素材型 肩
21年1月に契約金180万ドルで入団の原石。パワーとスピードを兼ね備えたアスリートで、アダム・ジョーンズ(元BAL他)のような5ツールCFに育つ可能性あり。DSLでは四球率12.2%/三振率14.8%と優秀なゾーンコントロールを見せた。アマチュアではSSもプロ入り後にCFに転向した。

(R/2A/3A)1.98ERA 77.1IP BB/9=4.9 K/9=10.7 K/BB=2.19
◯チェンジアップ 即戦力 / △四球増 球威
19年ドラフト1巡目。エースポテンシャルではないが即戦力のバックエンドSPタイプ。速球は88-92マイル程度で打者を圧倒する球威はないが、高めの速球と低めのチェンジアップのコンビネーションで打者を惑わす。21年は18先発で防御率1.98と優秀な結果を出した一方で、BB/9=4.9とコマンドに苦しんだ。球威不足なため、コマンドの出来がMLBに適応できるかを左右するだろう。
(R/A)46G 168AB 4HR 16BB 55K .268/.354/.470/.824
◯パワー 肩 SS守備 / △素材型 コンタクト
18年に契約金110万ドルで入団の原石。走攻守にオールラウンドさが光り、中でも守備力が際立っている。平均以上の強肩の持ち主で、グラブ捌きも柔らかい。スピードは平均以下だがポジショニングや打球勘が素晴らしく、SSでプラスのディフェンダーになり得る。打撃では三振率29%とコンタクトに課題を抱えるが15-20本塁打を狙るパンチ力を秘める。比較対象はニック・アーメッド(ARI)、理想型はウィリー・アダメス(MIL)か。

11.
フレディ・ザモラ(SS)/Freddy Zamora:23歳
(A/A+)92G 347AB 6HR 57BB 76K .300/.404/.421/.825
◯SS守備 肩 コンタクト / △パワー 
20年ドラフト2巡目。広大な守備範囲を誇るプラスのSSディフェンダーで、課題の打撃も成長中。非力で下位打線向きのポテンシャルながら、コンタクト&ゾーンコントロールが優秀で、フルシーズン1年目から結果を出した。特にA+昇格後は22試合で打率.342と好調だった。ちなみに父はニカラグアの元プロ野球選手。
(DSL/R)40G 117AB 1HR 17BB 12K .316/.409/.470/.879
◯打撃 / △素材型 両翼向き
21年1月に80万ドルで契約の原石。10代にして傑出した打撃スキルを備え、DSL/Rでは打率.316、OPS.879、三振数を上回る四球数を稼ぐなど優秀な打撃成績を残した。6-3/175という長身細身の体格と鋭いスイングからパワーもプラスポテンシャル。守備はCF/RFでプレーしたが、長い目で見ると両翼向きと見られている。
(R/A)26G 87AB 1HR 26BB 31K .241/.426/.322/.748
◯打撃 アプローチ / △守備 肩 
21年ドラフト1巡目指名。打撃の完成度が高く、華麗なスイングでコンタクトを量産し、ゾーンコントロールも優秀。大学のシーズンでは打率.383・13本塁打・OPS1.179・39BB/25Kと文句なしの成績を収めた。プロでは少ないサンプルではあるが苦戦していたため、来季の適応に期待したい。守備力は平均以下で2B向きとされており、選手としての成功は打撃にかかっている。

14.アントイン・ケリー(LHP)/Antoine Kelly:22歳
(R/A/A+)9.78ERA 19.1IP BB/9=8.8 K/9=12.6 K/BB=1.42
◯速球 奪三振 / ✖コントロール
19年のドラフト2巡目。20年の代替キャンプで評価を上げ、ジョシュ・ヘイダーと比較される声も上がっていたが、21年は肩の胸郭出口症候群の手術で出遅れるとシーズンでも制球難に苦しんだ。6フィート6の長身を生かした長いリーチから93-97マイルの勢いある速球を投げ込むポテンシャルはローテーション半ば級も、コントロールの悪さからヘイダー同様にリリーフが天職か。

15.
ジョー・グレイ(OF)/Joe Gray:22歳
(A/A+)110G 405AB 20HR 53BB 131K .252/.355/.499/.854
◯パワー スピード 肩 / △素材型 コンタクト
18年ドラフト2巡目の高卒選手。ハイリスクハイリターンな5ツールタイプで、18,19年と打率1割台に苦しんでいたが、21年は「20-20」を達成するなどポテンシャルを発揮した。しかし依然として三振率27.3%とコンタクトに課題を残す。平均以上のCF守備を含めてマイケル・テイラー(KC)が完成型だろう。
Joe Gray

(A/A+)89G 326AB 13HR 51BB 81K .258/.367/.442/.809
〇アプローチ 肩 / △捕手経験 
20年ドラフト3巡目。大学ではSSをメインにプレーしていたが、捕手としての指名となった。21年は序盤こそ捕手としてプレーしていたが、中盤からは主に3Bでの起用となった。打撃面では持ち前のパンチ力と選球眼を武器に13本塁打&四球率13.2%をマーク。捕手としては発展途上であるが、このまま攻守に成長し続ければスーパーユーティリティになれる可能性あり。

17.
ラッセル・スミス(LHP)/Russell Smith:23歳
◯コマンド チェンジアップ / △スライダー 球威 
21年ドラフト2巡目。打者を圧倒する球威はないが、コマンドが武器の技巧派左腕。90-94マイルの速球と平均以上のチェンジアップのコンビネーションで打者を惑わす。平均以下とされるスライダーの強度向上が今後の課題。バックエンドSPタイプだが、リリーフに専念すれば早期昇格も狙えるだろう。

18.
マリオ・フェリシアーノ(C)/Mario Feliciano:23歳
(R/3A)39G 130AB 3HR 5BB 32K .239/.287/.362/.648
◯パワー / △アプローチ スピード 健康面 
19年はAでリーグトップとなる19本塁打・81打点・長打率.477とブレーク。リーグのMVPも受賞した。21年は故障&不調で不本意なシーズンとなった。それでも捕手としては希少な長打力を秘めており、選球眼を改善できればMLBでも20ホーマーを狙える。まずは健康にシーズンを過ごし、攻守の安定感を高めていきたい。(A/A+)114G 427AB 11HR 69BB 71K .290/.401/.468/.870
◯コンタクト アプローチ / △パワー 肩 守備 
19年にキーオン・ブロクストンとのトレードでNYMから獲得したプロスペクト。コンタクト&選球眼が武器で、21年は四球率13.5%/三振率13.9%と優秀なゾーンコントロールを見せた。パワーは依然として平均以下ながら37二塁打&11本塁打とパンチ力を伸ばしている。内野全般をこなせるが、決して上手くはなく、攻守のポテンシャルはユーティリティー向きだろう。

20.
ローガン・ヘンダーソン(RHP)/Logan Henderson:20歳
◯チェンジアップ コントロール / △球威 
21年ドラフト4巡目。短大のワールドシリーズでは2勝を挙げる活躍でMVPを獲得した。低いリリースポイントから90マイル前半のライジングファストボールと落差大のチェンジアップでゾーンの高低を揺さぶる。コントロールも安定しており、球威を伸ばせれば先発としての可能性を上げられるだろう。

Sleeper Prospects

(R/A)2.33ERA 85.0IP BB/9=1.6 K/9=12.6 K/BB=7.93(※19年)
◯奪三振 コマンド チェンジアップ / △TJ手術明け / ✖球速
速球は88-90マイル止まりだが球の出所が見にくく、19年はマイナー全体6位となる三振率35.2%(85イニング以上)をマークするなど素晴らしいフォーマンス。平均以上のチェンジアップとの相性も抜群だ。6-3/185と体格も細いため、今後増量できれば球速も数マイルの上積みが見込める。実現すれば投球スタイルの近いマルコ・エストラーダ(前アスレチックス)が比較対象か。21年はTJ手術により全休。来季の復活に注目。

ルン・ジャオ(RHP)/Jolon Zhao:20歳
(R)
1.04ERA 8.2IP BB/9=2.1 K/9=13.5 K/BB=6.50
◯スライダー / △球速 素材型
中国人としては史上9人目となるマイナーリーガー。中国本土出身選手としては初のメジャーリーガーになれるか注目。14歳で140㌔を計測し、16歳では一部スカウトのスピードガンで95マイルを計測したとのレポートも。昨オフに参加したAFLでは最速89マイル止まりも、ベストピッチであるスライダーは平均スピンレート2703rmpをマーク。カーブ、カッター、ツーシーム、チェンジアップと多彩に投げ分ける。

(2A)4.40ERA 120.2IP BB/9=2.3 K/9=9.0 K/BB=3.90
◯カーブ コントロール / △年齢 / ✖球速
18年にドミンゴ・サンタナとのトレードでSEAから獲得したプロスペクト。21年は傘下トップの120.2回を投げ抜き、マイナー3年でK/BB=4.06をマークのコントロールと併せてイニングイーター適性を見せている。速球は90マイル前後だが、高スピンのカーブと左打者の外に逃げていくチェンジアップが効果的。

(R)40G 130AB 6HR 21BB 58K .208/.327/.369/.696
◯パワー スピード 肩 / △素材型 / ✖コンタクト
パワー&スピードのコンビネーションは要注目。三振率37.9%のコンタクト面を改善することができればブレークが見えてくるだろう。マイナーでは主にCFとして育成されているが、体格が成熟すれば強肩を生かせるRFが最もフィットするだろう。

(R)45G 142AB 5HR 30BB 43K .296/.419/.472/.890
◯パワー / △素材型 / ✖守備走塁
パワーが武器で、実戦で打球速度112マイルを計測するなどゲームパワーも示している。四球率17.4%とアプローチも辛抱強い。ずんぐりな体型で捕手としての能力は疑問符で、昨季は1Bのみでの出場だった。MLBに昇格するには打ち続けるしかない。