2024 ARIZONA DIAMONDBACKS
TOP 20 PROSPECTS
Jordan Lawlar |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV60
1.ジョーダン・ローラー(SS)/Jordan Lawlar:21歳21年ドラフト全体6位指名の大型SS。攻守のポテンシャルをザンダー・ボガーツ(SD)と比較したい。打撃はMLBで中軸を打てるポテンシャルを秘めており、広角にバレル性の打球を量産できる。23年は5月終了時点で打率.199・三振率27.4%と苦戦も、6月以降は2A/3Aで打率.321・wRC+148・三振率16.8%と完全に適応。MLB昇格も果たした。守備でも成長が著しく、SSからのコンバート論を払拭。プラスのスピード&肩を土台に、平均以上のSSディフェンダーになれる可能性を見せている。
Jordan Lawlar
ゴールドグラブ10度の名選手、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天他)の息子。22年ドラフト全体2位指名でプロ入りを果たした。父譲りの傑出した5ツールポテンシャルを秘める大器だが、故障がちで実力を発揮できていない。22年=プロ入り後最初の練習で肩を痛め手術で全休、23年もハムストリングの痛みに悩まされて41試合の出場にとどまった。故障の影響もあるだろうが、Aで三振率26%・グラウンドボール率61.3%とヒットツールが要改善。
23年ドラフト全体12位指名。小柄ながら打撃面の評価が高く、成功例はダスティン・ペドロイア(元BOS)やイアン・キンズラー(元TEX)のような強打の二塁手だろう。大学のシーズンでは打率.394・17本塁打・OPS1.177と圧倒的な内容。守備は2B向きとの評価が主だが、DバックスはSSとして当面は起用していく方針。
FV45
23年に18歳ながらR/Aで7本塁打・OPS.776をマーク。両打席からスムーズなスイングでギャップを破るプラスヒッター候補。フリースインガー気味なアプローチの改善がブレイクの鍵を握るだろう。守備能力は平均的であり、昨季はSSと2Bを半々で守ったが、最終的には2Bに回されるだろう。アプローチの荒さからハイリスクな人材だが、同じくARI傘下出身のジャズ・チザム(現MIA)のような成功を期待したい。
23年ドラフト3巡目。アプローチの荒さが不安材料だが、5ツールポテンシャルを秘めるアスリート。大学では通算154試合で37本塁打・OPS1.015、MLB平均以上となる平均打球速度93マイルをマーク。しかしプロでは33試合という少ないサンプルながら三振率29.9%と空振りの多さが目立った。守備はCFを守れる水準との評価。
22年ドラフト2巡目。プラスのパワーを有する右の長距離砲。23年はA+/2Aで30ホーマー・OPS.923、MAX打球速度はMLBトップレベルの115.5マイルを計測した。三振率34%のコンタクト能力と1B転向が目される守備面がネック。3Bに残れてMLBでも30ホーマー以上が打てれば、昨季34本塁打・fWAR2.5を記録したジェーク・バーガー(CWS)のようになれるだろう。
22年ドラフト4巡目。大学ではリリーフもプロでは先発転向。23年はA+での22先発で奪三振率30.4%・FIP3.36・防御率3.81をマークした。好不調の波は激しいがMAX98マイル出せる球威、平均レベルのスライダー&チェンジアップ、6-3/230の恵まれた体格、A+で22.5K-BB%をマークしたコマンドは先発候補として及第点。エース級の資質は無いが、イニングイーター適性あり。
FV40
23年ドラフト2巡目。大学3年間で打率.349・ゾーン内コンタクト率92%(MLB平均85%)をマークしたコンタクト力が武器のヒットマシーン。大学で平均打球速度93マイル(MLB平均88マイル)を計測するなどパワーも秘めるが、実戦では発揮しきれていない。3B守備は平均以下で、1Bや外野に回される可能性も。タイ・フランス(SEA)のようなパワー不足の1Bが現実的な比較対象か。
22年に契約金75万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。パワー、走力、肩力の3ツールがプラス候補のポテンシャルが魅力。荒削りなアプローチは要改善も、RではwRC+119、四球率8.1%/三振率23.7%と及第点の内容だった。3B守備は素質十分も45試合で10失策/守備率.896とミスの多さを減らしていきたい。
オフにドミニク・フレッチャーとのトレードでCWSから加入。打者を圧倒するような球威は無いが、多彩な球種を効果的に織り交ぜる投球能力が武器。昨季は2A/3Aで防御率4.85と数字だけ見れば良くなかったが、20歳にして2Aでローテを回し(2Aで114投球回は20歳以下の選手ではトップ)、3Aまで昇格した点は評価したい。各球種のコマンドを磨いて与四球や被弾を減らせればローテーション4-5番手相当の働きが期待できる。
Cristian Mena
台湾出身。菊池雄星(TOR)似の滑らかなワインドアップから速球、スライダー、チェンジアップをコマンド良く投げ分ける。昨季はA+をFIP3.07・奪三振率32.1%の快投でクリア。19歳にして2Aのマウンドに立った(昨季19歳で2Aを経験したのはリンの61イニングとロビー・スネリングの17.1イニングだけ)。しかし、速球平均89マイルの低球威、身長5フィート11のサイズ面からMLBで通用するのは難しいと見ている。
元々はダブルプラスの強肩を生かした守備面を評価されていたが、22年は2Aで88試合/wRC+135、23年も3Aで73試合/wRC+116と打撃が開眼。一方で三振率27.2%・コンタクト率66%(MLB平均77%)と空振りの多く、不動のレギュラーというよりもクリス・テイラー(LAD)のような低打率だがパンチ力のあるユーティリティープレーヤーが完成像か。
プラスのSS守備、コンタクト力の高さ、マイナー通算115試合で42盗塁の俊足。10代ながら攻守に完成度が高い。23年はRでの28試合でwRC+125・四球率16.7%/三振率7.1%と好成績。A昇格後は39試合でwRC+74と年上選手に苦戦した。パワーレスのため、打撃でインパクトを残せるか疑問。
20年ドラフト4巡目。6-5/210の体格にバスケットボールでも活躍した運動能力を兼ね備えるスーパーアスリート。21歳にして2Aで24本塁打•20盗塁(wRC+111)のパワー&スピードは魅力だが、三振率28.4%とヒットツールが黄色信号。守備では昨季より3BからCFメインに転向。このままCFに残れれば低打率に目をつぶれるが、LF/1Bに落ち着くなら打撃へのプレッシャーが高まる。
20年には当サイトのトップ100リストで全体46位にランクインしていた元トッププロスペクト。精神面の問題などで3シーズンのブランクがあったが、23年はAで43試合/wRC+152、2A/3Aでも15試合で4本塁打をマークするなどブレイクの兆し。パワーとスピードを兼ね備えた豪快な5ツール候補。ブランクによる育成の遅れとAで三振率30.7%のコンタクト難が懸念事項。
22年夏にデイビッド・ペラルタとの1対1のトレードで獲得。23年にAでwRC+121、A+で134をマークした攻撃型捕手。特筆すべきは四球率19.8%/三振率20.4%をマークしたアプローチの良さで、特にAではボール球スイング率が20%を下回っていた。また15HR程度のパンチ力も秘める。守備は平均から平均以下で磨かれる必要があるも、及第点との評価。
90マイル前半のシンカーと大きくワイプアウトするスイーパーのコンビネーション。23年はA/A+で計103.2回を投げて防御率3.65・奪三振率31.9%・50%を超すグランドボール率をマーク。対左打者被OPS.755(対右は.469)と左打者対策が課題で、先発に残るにはチェンジアップの質を磨いていきたい。2球種に絞ってリリーフ転向が現実的か?
ハイフロアーな第4の外野手タイプ。俊足を生かしたCF守備が最大の売りで、Baseball Prospectusの守備範囲指標RDAでは21年+9.4、22年+4.9、23年+3.3と高い水準を保っている。打撃はライナー中心でコンタクト力とゾーン管理に優れる。23年は3AでwRC+110をマーク。パワーは平凡で、レギュラー選手としてはインパクト不足だろう。
来季のブレイクに期待したい原石。6フィート4/195と体格に恵まれており、パワーとスピードを有する5ツールCF。23年はDSLでOPS.886をマーク。一方で三振率29.0%とヒットツールに黄色信号。大振りなスイングの改善と細身の体型からのビルドアップが今後の課題か。
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