2024 SAN FRANCISCO GIANTS
TOP 20 PROSPECTS
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV55
1.カイル・ハリソン(LHP)/Kyle Harrison:22歳マイナー3年で奪三振率37.4%を誇るパワーレフティ。23年はMLBデビューし7先発を任された。MAX98マイルの伸びのある4シームとプラスのスライダー、平均的なチェンジアップのコンビネーション。一方で昨季3Aで与四球率15.9%とコントロールが悪く、エースポテンシャルを開花させられるかは制球の改善にかかっているだろう。
Kyle Harrison
打席でのアプローチや選球眼が磨かれれば「3割・40本」も狙えるポテンシャルと評されてはや数年。故障続きで開花には至っていない。23年は2A/3Aで打率.223とコンタクト面が依然として未熟も、平均打球速度92マイル/上位10%の打球速度109マイルはMLBでもトップクラスと光るものはあった。守備はダブルプラスの強肩の持ち主も、平均以下のスピードから3B転向が既定路線とみられる。
Marco Luciano
23年ドラフト1巡目の高校生。22夏のU-18杯ではチーム最多の8本塁打を放ちMVPを獲得。6-7/223の規格外の体格を有するパワーヒッター候補。R/AではOPS.905と早速結果を出した。高校時に投手としても有望視された強肩はRFに適任も、足が遅く、将来的には1Bへ回る可能性も。
23年に260万ドルで契約したドミニカ共和国出身の原石。10代にしてパワー、アプローチ、コンタクト能力を兼ね備えたピュアヒッター候補であり、DSLでは16試合という限られたサンプルながら打率.414・4本塁打・OPS1.333と圧倒的なパフォーマンス。守備は現在CFも、将来的にはビルドアップしてRFに移るか。
22年ドラフト6巡目。大学ではリリーフ中心も、23年はA/A+/2Aで100.2回を投げて防御率3.31・奪三振率34.9%と先発としてブレイク。MAX97マイルのライジングファストを高めに、プラスのカーブを低めに集める。6-4/215と体格も先発投手としてふさわしいだけに、コマンド&コントロールを磨いていきたい。
21年ドラフト3巡目。22年に24先発して防御率3.21とブレイクすると、昨季も2A/3Aで29先発して防御率3.71・奪三振率30.3%と上位レベルでも結果を残した。平均93.7マイルのシンカーと80マイル台のスイーパーがプラスピッチ候補で、この2球種でアグレッシブに攻める。第3球種が不確立なため、このままだとディネルソン・ラメット(元SD他)のような2ピッチタイプの先発投手、もしくはリリーフで輝くタイプだろう。
FV40
19年ドラフト3巡目。22年に23本塁打・43盗塁をマークしたパワー&スピードが武器で、外野守備も傘下トップ評価。23年はやや数字を落としたが、それでもA+でwRC+117。ツールは申し分ないが、三振率29.3%とコンタクトが脆すぎて現状はロマン枠止まりか。現状の比較対象はクリストファー・モレル(CHC)やトレント・グリシャム(NYY)などの下位打線タイプのCFだろう。
Grant McCray
22年ドラフト全体30位指名の二刀流プロスペクト。大学通算8イニングの登板のみ、昨季も斜筋の故障により19イニングのプレーにとどまるなど健康面が不透明。健康であればMAX99マイルの速球にプラスのスライダーを投じる大型左腕。打者としてはプロ40打席でOPS.583と苦戦しているが、オフのAFLでは1Bとして経験を積んだ。
19年に契約金100万ドルで入団した原石。肩&守備力がプラス評価で、MLBでもSSにとどまれる可能性を示している。昨季はA+で17本塁打を放ったが、wRC+89止まり。アプローチの荒さがネックであり、打者としての総合評価は平均以下との見立て。それでも上位10%の打球速度103マイル&ゾーン内コンタクト率85%はMLB平均レベルであり、選球眼さえ改善されれば開花の素質あり。
23年ドラフト2巡目のカレッジ左腕。切れ味鋭いスライダーが得意球で、少なくとも左殺しのリリーバーとして戦力にはなれるだろう。安定してストライクを取れるコントロールと6-5/200のガッシリした体格は先発向きであり、第3球種のチェンジアップを磨き、先発投手としての評価を上げたいところ。
低リリースから投げ込まれるフラット軌道の4シームとプラスのカーブのコンビネーション。23年はRでのリハビリ登板を除くとA+での37.2回のプレーにとどまったが、防御率0.96・22.0K-BB%・75.6GB%と内容は抜群だった。癖のある腕のストローク&故障歴から、耐久面を克服できればローテーションポテンシャルだろう。現実的にはマルチイニングリリーバー向きか。打撃はパワーレスだが、コンタクト&ゾーン管理能力が高く、マイナー通算106試合で打率.370をマーク。22年ドラフト8巡目ながら、昨季早くもMLBデビューを飾った。走力も20-80スケールで70評価と優秀。守備はCFを中心に外野3ポジションOKと使い勝手が良い。レギュラーとしてはインパクト不足だが、控え外野手には適任だろう。
平均95.7マイルの4シームと落差大のスプリットのコンビネーションで打者を翻ろうする。マイナー通算で与四球率6.7%、MLBでも42.1回で4.7%とコントロールも優秀だ。しかし、投球の9割以上が速球とスプリットという2ピッチタイプであること、昨季3A/MLBでの計26登板で81球以上投げた試合がないことなどから、バリバリのローテーション投手かと問われると微妙だろう。
大学で5年間プレー、23歳でプロ入りと遅咲きながら、22年にマイナートップの打率.343とブレイク。アメフト選手のようなフィジカルを生かしたパワー&スピードが武器。23年は故障により59試合の出場にとどまり、2Aでの50試合でwRC+90・三振率37.5%と苦しんだ。ヒットツールに不安があり、ドリュー・スタッブスやキーオン・ブロクストンのようなタイプか。
23年にA/A+で27本塁打、AでwRC+132を記録したパワーヒッター候補。上位10%の打球速度107マイルはMLB平均(103マイル)を大きく上回っており、MLBでも30本打てるポテンシャルはある。2A昇格後は打率.237・三振率&四球率大幅悪化とアプローチ面に課題を残す。また、Baseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAがここ2年で‐12.7と大きなマイナスになっており、守備での貢献は見込めないだろう。
ダブルプラスの強肩とアスレチックさが買われている守備型捕手。盗塁阻止率29%(リーグ平均22%)、Baseball Prospectusの出す送球指標で+2.8をマーク。一方でフレーミング&ブロッキングの指標はマイナスとなっており、今後の課題か。打撃面はAでwRC+110をマークしているが、コンタクト重視でマイナー通算158試合/4本塁打とパワーレスであり、打者としての評価は平均以下となっている。バックアップ向き。
攻守に洗練されたユーティリティー向きのプロフィール。打撃はコンタクト&アプローチが優秀で、19歳ながらwRC+125をマークした。現時点でのパワーは平均以下だが、リーグトップの23二塁打を放ったギャップパワーを本塁打に転換できるか。守備力は堅実だがSSとしてはややレンジ不足で、2Bに回ればプラスディフェンダーになり得るとの評価。
初めまして。当ブログの過去記事や「note」も含め、毎度楽しみに、面白く拝見している者です。
返信削除今回初めてコメントしたくなったのは、昨季2023年まで言及されてた、海外FAやポスティング利用者の、FutureValue評価についてです。
今季からは、大手の専門サイト(MLB.comやBaseballAmerica等)では、FV評価されてないのは知っておりますが、ハーパー様まで追随する必要は無いような気も(笑)
実は今季のトップ100プロスペクトの記事にて、発表されるご予定でしたら、余計なコメントをしてしまい申し訳ありません。楽しみに待たせて頂く所存です。
ただもし、ご予定が無いのでしたら、(ご負担の量を思うと心苦しいですが)この場にて、4名の日本人を筆頭に主だった、新人王の資格を持つ選手たちの、FV評価を行って頂けると嬉しいので、どうか宜しくお願い申し上げます!長文失礼致しました。