2025 SAN FRANCISCO GIANTS
TOP 15 PROSPECTS
2025年 サンフランシスコ・ジャイアンツ プロスペクトランキング
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。
FV55
1.ブライス・エルドリッジ(1B)/Bryce Eldridge:20歳23年ドラフト1巡目。22年のU-18杯ではチーム最多の8本塁打を放ちMVPを獲得。6-7/223の規格外の体格を有するパワーヒッター候補で、24年は高卒1年目ながら23本塁打を放つ活躍を披露した。5月以降はA/A+/2Aでの97試合で打率.305/21本塁打/OPS.938。上位10%打球速度106マイルとすでにMLBでプラス水準の打球速度を記録しており、見極めも優秀。コンタクトを磨いていけば球界を代表するスラッガーになれるだろう。高校時には投手としても有望視された強肩の持ち主で高校までは外野を守っていたが、24年は全守備機会1Bでの出場だった。まだポジションを学んでいる段階で、18失策を喫した。マット・オルソンのような開花を期待したい。
It's a day that ends in "y" and Bryce Eldridge is homering again 💪
— Minor League Baseball (@MiLB) August 29, 2024
The @SFGiants' top-ranked prospect is up to 19 roundtrippers after his latest rocket for the @EugeneEmeralds: pic.twitter.com/S9F8px05PU
22年ドラフト2巡目。1巡目候補だったが禁止薬物の使用によりドラフトイヤーは公式戦に出場できずスリップ。23年はマイナー3階級で防御率2.45/奪三振率35.3%と快投。24年は3Aのロボ審判に苦しみ、与四球率11.1%/防御率5.42と思うような投球ができなかった。平均93マイルのランニングファストとダブルプラスのチェンジアップのコンボ。速球とチェンジアップが全投球の約85%を占めており、第3球種のマスターが課題。なおチェンジアップは落ち幅が40.8インチ(昨季のMLBでチェンジアップの平均落ち幅が40インチ以上あった左投手は6人だけ)もあり、空振り率47%と猛威を振るった。
24年ドラフト全体13位指名。アプローチの磨かれた打撃職人で、パワーとアベレージを両立した強打者への成長が期待される。大学3年のシーズンでは、打率.363/28本塁打/OPS1.264と圧倒的な内容。しかし、プロ入り後は小サンプルとはいえど、26試合でOPS.636/三振率31%とやや苦戦。平均以下の守備走塁もネック。肩は強いため、現在はRFを守っている。
James Tibbs
Jhonny Level hit two home runs in Thursday’s DSL victory over the Padres Gold pic.twitter.com/4B3dP3dz2n
— SFGProspects (@SFGProspects) June 30, 2024
23年に260万ドルで契約したドミニカ共和国出身の原石。10代にしてパワー、アプローチ、コンタクト能力を兼ね備えたピュアヒッター候補だ。23年にDSLで16試合という限られたサンプルながら打率.414/4本塁打/OPS1.333と圧倒的なパフォーマンスを見せて飛躍が期待されていたが、24年は左手首の骨折により25試合の出場に終わった。まずは健康に過ごしてアピールしたい。守備は現在CFメインも、将来的にはビルドアップしてRFに専念するか。
FV40
コンディション不良によりブレイクできずにいるが素質は確か。24年は右鼠径部の肉離れにより出遅れたが、マイナーで86回を投げて防御率4.40/奪三振率20.7%/与四球率8.0%をマークし、9月にMLBデビューを飾った。投球の軸である平均92マイルのシンカーと83マイルのスライダーはMLB平均を大きく上回る変化量を誇り、プラスピッチ候補。耐久面の不安を克服し、第3球種のチェンジアップが向上すればローテーションポテンシャルだろう。
23年ドラフト2巡目のカレッジ左腕。切れ味鋭いスライダーが得意球で、少なくとも左殺しのリリーバーとして戦力にはなれるだろう。安定してストライクを取れるコントロールと6-5/200のガッシリした体格は先発向きであり、第3球種のチェンジアップを磨き、先発投手としての評価を上げたいところ。
19年ドラフト3巡目。22年に23本塁打&43盗塁をマークしたパワー&スピードが武器で、外野守備も傘下トップ評価。24年は2AでwRC+110、3Aで103とソリッドな内容。MLBデビューを果たし、37試合で5本塁打を放った。ツールは申し分ないが、MLBで三振率43%、マイナー通算三振率28%とコンタクトが脆すぎてロマン枠止まりか。現状の成功例はトレント・グリシャム(NYY)のような下位打線タイプのCFだろう。
24歳の時にドラフト外でプロ入りの苦労人。24年はマルチイニングリリーバーとしての起用ながらもA/A+/2Aで計79.2回を投げて防御率1.81/奪三振率34.5%/与四球率8.2%と素晴らしいパフォーマンスを披露した。真上から投げ下ろすような独特のオーバースローからMAX97マイルの4シームにキレの良いカーブ&スライダー。運動能力が高く、コントロールも安定しているため、先発転向も面白いだろう。
21年ドラフト3巡目。22年、23年とマイナーで防御率3点台の安定したパフォーマンスで傘下を駆け上ると、24年は球威ダウンに悩み、3Aで防御率4.59と苦戦したが、MLBデビューして8先発を務めた。平均92マイルのシンカーと80マイル台のスイーパーを軸にアグレッシブにゾーンを攻める。第3球種が不確立なため、このままだとディネルソン・ラメット(元SD他)のような2ピッチタイプの不安定な先発投手、もしくはリリーフで輝くタイプだろう。
攻守に洗練されたユーティリティー向きのプロフィール。打撃はコンタクト&アプローチが優秀で、20歳ながらA+でwRC+112、2Aで125をマークした。4本塁打/ISO.096とパワーレス。守備力は堅実だがSSとしてはややレンジ不足で、2Bに回ればプラスディフェンダーになり得るとの評価。
技術的に成熟すれば「CFで20-20」も狙える逸材。短大からドラフト外で23年に入団すると、24年はAでの53試合で打率.328/9本塁打/wRC+173と凄まじいパフォーマンス。パワーと肩力がプラス評価で、スピードも平均以上。ゴロが多かったり、空振りが多かったりとヒットツールは発展途上。守備は外野3ポジションで出場したが、LFでの出場が中心だった。
23年ドラフト13巡目の高卒左腕。オーバースロットの契約金でCLE入りした。24年はRで11先発して防御率2.54/奪三振率34.1%/与四球率8.6%と好投。7月にアレックス・コッブとのトレードでSFに移ってきた。92-95マイルの4シームと大きくフェードするチェンジアップ、鋭く落ちるスライダーで空振りを量産する。Aに上がってからはコマンドで苦戦したが、来季はどうか。
19年に契約金100万ドルで入団した原石。肩&守備力がプラス評価で、MLBでもSSにとどまれる可能性を示している。22年、23年とマイナーの監督が選ぶリーグの「best defensive shortstop」に2年連続で選出された。24年は胸郭出口症候群の手術により前半戦を欠場。25試合の出場にとどまった。アプローチの荒さがネックであり、打者としての総合評価は平均以下との見立て。それでも23年はA+で上位10%の打球速度103マイル&ゾーン内コンタクト率85%とMLB平均レベルの数字を残しており、選球眼さえ改善されれば開花の素質あり。
Notable Prospects
アーゲニス・カマヤ(RHP)/Argenis Cayama:18歳
元々外野手だったが契約先が見つからなかっため投手に転向。すると91マイルまで出るようになり、24年1月にSFと14万ドルで契約。24年はMAX96マイルまで伸び、DSLでの10先発で防御率2.59/奪三振率27.4%/与四球率8.5%と好投を披露した。速球とハードスライダーを武器に空振りを誘う。オリバー・テハーダ(OF)/Oliver Tejada:18歳
パワーが武器の原石。24年1月に契約金14万ドルでSF入りした。DSLでは打率.300/5本塁打/wRC+139。引っ張りフライを量産する打撃技術をすでに身に着けている。守備はCFを守ったが、最終的にはコーナーに収まるとの評価。
24年ドラフト6巡目。禁止薬物の使用により、大学2年の終わりから3年シーズンに出場停止を受けたため、スカウトへのアピール機会が少なかったが、パワーポテンシャルと選球眼の良さを買われての指名。Aでは29試合で5HR/出塁率.360をマークした一方で、打率.196/三振率29.4%とコンタクトに苦戦した。
度重なる故障により、大学から通じてここ5年間で53.2イニングしかプレーできていないが、素質はエース級。24年は3Aでリリーフとして登板していたが、6月に故障でシーズン終了。オフに左肩の手術を受け、25年は全休が濃厚。MAX100マイルのシンカーと変化量大のスライダーのコンビネーション。