2025年1月25日土曜日

2025 TAMPA BAY RAYS TOP 15 PROSPECTS

2025 TAMPA BAY RAYS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 タンパベイ・レイズ プロスペクトランキング
Carson Williams

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV60

1.カーソン・ウィリアムズ(SS)/Carson Williams:22歳
21年ドラフト1巡目。コンタクトに課題があるが、ゴールドグラブ級のSS守備とSS離れしたパワーが強み。投手としても注目されていた逸材で、投手としてMAX95マイルの強肩&ここ3シーズンで81盗塁を決めた俊足で広大なレンジをカバーする。打撃は2Aで打率.256/20本塁打/wRC+142をマークするなど年上選手を相手にもパワフルな内容を維持。ここ3年で62本塁打はマイナーSSで最多。SS守備での貢献はすでに計算できるので、あとは打撃の成長が天井を決めるだろう。三振率28.5%のコンタクトをどれだけ改善できるか。
Carson Williams


FV50

22年ドラフト1巡目の高卒選手。6-4/240の強靭なフィジカルから凄まじい打球を繰り出し、潜在的なパワーポテンシャルは20-80スケールで80評価。24年はA+で打率.287/15本塁打/wRC+157と好成績をマークし、20歳シーズンにして2Aに昇格。一方でコンタクト能力に不安を露呈した。三振率はA+で30.1%、2A昇格後は40.6%だった。06年~24年にA+(300打席以上)で三振率が30%を超えた282人のうち、MLBに定着できているのはMJメレンデス、トレバー・ストーリー、エリー・デラクルーズの3人ぐらいであり、現状のアイザックは厳しい位置にあると言える。守備面では、平均以下と見られていた走力が平均以上に成長。外野に定着できることを示せればバリューを上げられるかもしれない。シーズンで2試合、オフのAFLで5試合RFを守った。
Xavier Isaac


23年ドラフト全体19位指名。コンタクト&選球眼に優れたピュアヒッター候補で、引っ張りフライを量産する打撃スタイルで平均レベルのパワーを最大限に発揮している。24年はA+でwRC+154をマーク。2A昇格後も30試合で6本塁打/四球率12%と強みである長打能力と出塁能力を維持したが、打率.194/三振率36.8%とコンタクト面で苦戦した。守備は平均的な評価で、現在は3B/SSをメインに守っているが、2Bが最もフィットするだろうと見られている。

4.ブレイラー・ゲレーロ(OF)/Brailer Guerrero:19歳
23年に370万ドルで契約した大器。10代にしてすでにMLB打者の平均並であるMAX打球速度109マイルを計測するなど凄まじいパワーを秘める。コンタクト&アプローチも磨かれており、パワーとアベレージを両立した強打者になり得る。しかし、肩の故障により、プロ2年で35試合/155打席しかプレーできておらず、育成が遅れ気味である点がネック。守備は現在CFを守っているが、平均的な走力とプラスの強肩から長期的にはRF向きか。

5.トレバー・ハリソン(RHP)/Trevor Harrison:19歳
高校3年の時に投手に専念すると、MAX95マイルを出すまで成長し、翌年ドラフト5巡目でプロ入りした。すると、プロ1年目の24年は、R/Aで72.2回を投げて防御率3.34/FIP3.30/奪三振率29.4%と好投。速球はMAX99マイルに到達した。現在は速球中心の配球だが、80マイル中盤のカット系スライダー、変化量大のチェンジアップはいずれもプラスピッチ候補で、6-4/225と体格も理想的。Rでは与四球率6.1%だったが、Aでは11%と悪化していたので、来季どうなるか。
Trevor Harrison


6.エイデン・スミス(OF)/Aidan Smith:20歳
ランディ・アロザレナとのトレードで昨夏にSEAから加入。身体能力が高く、ダブルプラスのCFディフェンダーになり得るとの評価。打者としては発展途上との評価だったが、高卒1年目にしてAで打率.288/11本塁打/wRC+139とブレイク。A最多の33二塁打を放ったギャップパワーを本塁打に転換できれば、走攻守揃った5ツールプレーヤーに進化できるはずだ。

コントロールに優れ、少ない球数で5~7イニングを消化できるワークホース右腕。24年はAで111.2回を投げて防御率は4.11ながら、奪三振率25.7%/与四球率4.7%/FIP3.51と投手の責任範囲の指標は良かった。プロ入り時にMAX94マイルだった速球はすでに97-98マイルに到達。キャリー成分の強い4シームとカッター&カーブ。チェンジアップの向上が今後の課題。


FV45

8.ゲーリー・ギルヒル(RHP)/Gary Gill Hill:20歳
Aで108.2回を投げて防御率3.15/奪三振率24.2%/与四球率6.2%/FIP3.55とブレイク。低めのスリークォーターから90マイル中盤の4シームと大きく曲がるスライダーで空振りを誘い、チェンジアップも上質で左打者対策もOK。長身細身でさらなる成長が見込める。滑らかでアスレチックなメカニクスをしておりコントロール面も高評価。7月以降は防御率4.81/奪三振率20.1%と失速気味だったので、1年間戦える体力をつけていきたい。(6月まで防御率2.03/奪三振率27.2%)

9.セオ・ギレン(OF)/Theo Gillen:19歳
ドラフト3年前は世代No.1選手と評判だったが、高校で右肩と膝の手術を受けるなど度重なる故障により評価下落。高校最終年は打率.415の活躍で再び評価を取り戻し、全体18位指名でプロ入りを果たした。プラスのヒットツールを有するピュアヒッタータイプで、現時点ではホームランを量産するタイプではないも、将来的には20HRも可能と見る評価も。高校時代はSSだったが、肩の手術の影響を考慮し、プロでは俊足をより生かせるCFに転向した。

10.
トレ・モーガン(1B)/Tre' Morgan:22歳
強豪ルイジアナ州立大で3年間中心選手として活躍し、同級生のポール・スキーンズ&ディラン・クルーズと共に全米制覇。80グレイドの一塁守備が最大の魅力で、一塁手としては珍しいコンタクト特化の打撃スタイル。バットを短く持ち、卓越したバットコントロールで左右にライナーを打ち分ける。24年はA/A+/2Aで打率.324/10本塁打/OPS.891をマーク。一塁手が10本塁打以下でfWAR2.0を超えたのは、ここ10シーズンで2017ジョー・マウアー、2022ルイス・アラエスの2人だけであり、長打力が求められる一塁というポジションでどれだけ貢献できるか。

24年にマイナートップの打率.355&104盗塁をマークした韋駄天。80グレイドの最高級の走力と高いコンタクト能力が武器。理想の完成型は通算614盗塁、打率3割超えシーズン4回の名選手フアン・ピエールか。ピエールのような選手になるには、発展途上とされるCF守備を改善していきたいところ(ピエールは最初の7シーズンで4.0fWAR越え2回、平均2.75を稼いでいるが、同期間にCFで通算UZR+33.7を記録している)。

ザック・エフリンのトレードで獲得した見返りの1人。MAX98マイルでホップ変化量の大きい4シームが武器で、スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球3種もソリッド。A+では99.2回を投げて防御率2.53/奪三振率32.7%/与四球率11.6%/FIP3.06をマーク。6-4/225と体格も先発向きだが、コントロールが悪いために球数がかさみ、ほとんどの試合が3~4イニング程度の投球だった。

アロザレナのトレードでスミスと共に加入。サイド気味の低リリースから90マイル中盤の伸び上がる速球とスウィーパーを軸に、左打者には膝元へのカッター&外へ逃げるチェンジアップも扱う。24年はA/A+で115回を投げて防御率3.05/奪三振率27.2%/与四球率10.8%/FIP3.83をマーク。大学通算与四球率16.8%の制球難が改善されたことがブレイクにつながった。

14.ドミニック・キーガン(C)/Dominic Keegan:24歳
22年ドラフト4巡目。パワーとコンタクトを両立した攻撃型捕手。23年にA/A+でwRC+137、24年も2AでwRC+138と優秀な打撃成績を収めている。守備評価は平均以下ながら、Baseball  Prospectusの出すフレーミング指標では、ここ2年で+17.7をマークしている。肩が弱く、77試合で89盗塁(阻止率14%)を許した送球面を改善していきたい。

15.ディラン・レスコ(RHP)/Dylan Lesko:21歳
ドラフト最上位指名が予想されていたが、ドラフト年にTJ手術を受け、SDが全体15位で指名。しかし、復帰後は思うような投球ができておらず、昨夏にジェーソン・アダムらとのトレードでTBに移ってきた。最速98マイルの4シームとブレーキの利いたチェンジアップがプラスピッチ候補で、スライダー&カーブも平均以上のボールになる可能性あり。プロ2年で与四球率18.1%と壊滅的なコントロールを取り戻せるか。

Notable Prospects

ボールの威力だけなら傘下No.1。90マイル後半の速球と80マイル後半の高速スライダーで打者をねじ伏せる。24年はA+/2Aで119回を投げて防御率2.95/奪三振率31.5%/与四球率11.9%をマーク。課題の与四球率は前年の16.7%から大幅に改善されているが、依然としてコントロールは平均以下。2ピッチタイプの投球スタイルも併せて考えると、将来的にはリリーフに回るか。

22年ドラフト3巡目。23年は防御率3.52/奪三振率28.7%と好投。24年はA+で72回で防御率2.88/奪三振率29.6%/与四球率6.4%と好投したが、2Aでは50.1回で防御率6.62と壁にぶち当たった。ライジングファストボールを高めに集めて空振りを量産する投球が持ち味だが、昨季終盤は球速低下に悩まされた。6-5/238とガッシリした先発投手向きの体型であり、速球の質を取り戻して来季復活できるか。

アップサイドを評価されている原石。23年1月に契約金21万ドルで契約すると、DSLをすっ飛ばしていきなりRでプレーするなどチームからの期待は大きい。24年は18歳シーズンにしてAのマウンドも経験した。クリーンかつアスレチックなメカニクスからMAX97マイルの4シームとプラスのカーブ。数年後の飛躍に期待。

23年ドラフト全体31位指名。20-80スケールで70-80評価を得るスピードの持ち主で、運動選手として傑出している。守備動作も滑らかで、SSにふさわしい資質を有する。一方で、5-11/155と体が小さく現時点では非力なため、打撃でインパクトを生み出せるかは疑問。24年はAで103試合に出場して0本塁打/wRC+82だった。コンタクト率は81%と良好だった。

タイ・ジョンソン(RHP)/Ty Johnson:23歳
アイザック・パレイデスの見返りの1人として昨夏CHCから加入。23年ドラフト15巡目という下位指名の出身だが、プロ1年目となった24年はA/A+で計84回を投げて防御率2.79/奪三振率36.0%/与四球率7.8%と好投。6-6/205の巨体からMAX98マイルの速球と80マイル中盤のスライダー&チェンジアップのパワーピッチング。

23年ドラフト18巡目の高卒左腕。トミージョン手術明けだったが、R/Aで60.2回を投げて防御率3.26/奪三振率31.8%とポテンシャルを披露。90マイル中盤の速球と上質なチェンジアップがプラスピッチ候補。与四球率17.6%のコントロールを改善していきたい。

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