2022年12月28日水曜日

2023 DETROIT TIGERS TOP 20 PROSPECTS

2023 DETROIT TIGERS

TOP 20 PROSPECTS

Jackson Jobe

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ジャクソン・ジョーブ(RHP)/Jackson Jobe:20歳
(A/A+)3.84ERA 77.1IP BB/9=3.5 K/9=9.4
◎スライダー / ◯速球 チェンジアップ 運動能力 / △素材型
21年ドラフト全体3位指名の高卒投手。スピンレート3000rpm超のスライダーがベストピッチ。平均94マイルで高スピンの4シーム(平均2500rpm以上)にダブルプラスのスライダー、プラスのチェンジアップ、平均以上のカーブを織り交ぜる。力感のないスリークォーターで運動能力も抜群なため、フォームの再現性も高く、コントロールの評価も平均以上。ラスト6先発は防御率1.91と好内容だった。
Jackson Jobe


(A+/2A)2.79ERA 103.1IP BB/9=2.0 K/9=11.3
◯速球 カーブ コマンド / △チェンジアップ
ジャイアンツでプレーするウィルマー・フローレスの弟。20年にアマチュアFAでプロ入りすると、急成長。MAX99マイルのシンカーと80マイル後半のカッターを主体にゾーンを攻め、22年に空振り率41%を計測したカーブ(スピンレート2500~2600rpm)で仕留める。チェンジアップはほとんど投げないが、カッターを有効に使えているおかげか、左打者も苦にしていない。
ちなみにこのウィルマーとメジャーリーガーの兄ウィルマーに加えて、父親と別の2人の兄弟も名前は「ウィルマー」。
Wilmer Flores


3.タイ・マッデン(RHP)/Ty Madden:23歳
(A+/2A)3.01ERA 122.2IP BB/9=2.8 K/9=9.8
◯速球 スライダー 即戦力 / △伸びしろ
21年ドラフト全体32位指名。球威・制球・スタミナと揃っていて早期昇格が狙える先発右腕。最速99マイルの速球&スライダーのコンビネーション。大学時代は高めの速球を痛打されていたが、プロでは速球のスピン効率や変化量の見直しを行い、高めの速球で空振りが奪えるようになった。A+ではK/9=8.7だったが、2A昇格後はK/9=12.4と早速効果が出ている。
Ty Madden


(A+)30G 1HR 25BB 28K .232/.706
◯打撃 パワー アプローチ / △走力 守備 
22年ドラフト全体12位指名で、ジョシュ・ヤング(TEX)の弟。バットを捕手方向に大きく傾けた独特の構えながらパワーとヒットツールを両立したピュアヒッター。大学3年間で四球率20%/三振率16%とアプローチも洗練されている。走守の能力は平均以下の評価。
Jace Jung

FV45


5.ペイトン・グラーム(SS)/Peyton Graham:22歳
(A/)27G 1HR 10BB 29K .270/.715
◯パワー 走力 肩 / △コンタクト SSとしては大きい
22年ドラフト2巡目。6-3/185と体格に恵まれたアスリートで、ブライアン・アンダーソン(元MIA)と比較する声も。大学で三振率21%、Aでも25.6%とコンタクト面に不安があるが20本塁打級のパワーを有し、走力&肩もプラス評価。現在はSSだが、体格の成熟によって3Bに落ち着く?

6.コルト・キース(3B)/Colt Keith:21歳
(A+)48G 9HR 22BB 42K .301/.914
◯パワー 肩 / △素材型 故障明け
20年ドラフト5巡目の高卒選手。高校ではSS/RHPの二刀流だったが、プロでは即3Bコンバートとなった。22年は年上選手を相手にハードコンタクトを量産し、48試合で9本塁打・ISO.243を記録するなどパワー面も大きく向上。肩の故障でシーズンエンドとなったが、オフのAFLでは19試合でOPS1.004と順調な回復ぶりをアピールした。
(A/A+)106G 11HR 47BB 97K .254/.739
◯パワー 肩 / △走力 コンタクト 素材型 
21年ドラフト全体39位指名。6-4/225の大きな体格と強烈なスイングからダブルプラスのパワー評を得ている大砲候補。依然としてヒットツールに不安も、22年は三振率を前年の34.4%から21.8%に大幅改善。守備では大柄な体格の割に機敏に動け、肩もプラス評価だが、将来は3B転向が濃厚。3Bとしては平均以上の守備力になる可能性がある。

(2A)107G 14HR 45BB 143K .238/.752
◎肩 / ◯走力 守備 / ✖コンタクト
20年ドラフト2巡目。アスレチックな守備型捕手で、21年にゴールドグラブを授業したショーン・マーフィー(ATL)と比較されている。大学2年時にCFから捕手に転向すると、大学では盗塁阻止率50%をマークするなどスローイングは申し分なし。フレーミング&レシービングもプロ入り後に向上を辿っている。打撃のポテンシャルは目立たず、低打率な一発屋。比較されるマーフィーは21年に打率.216・17本塁打でrWAR2.7を稼いでいる。

(A)80G 9HR 54BB 88K .215/.745
◯打撃 / △素材型
21年1月にチームレコードとなる契約金295万ドルで入団した原石。選手としての将来像はMLB通算15シーズンをプレーしたジョニー・ペラルタと比較されている。スムーズなスイングでアプローチも辛抱強く、現段階では細身だが体格が成熟すればパワー増も見込める。走守もメジャー平均レベルになり得る。完成に時間はかかるだろうが、長い目で見ていきたい。22年はwRC+123とリーグ平均以上の打撃成績だった。
(A+/2A/3A)133G 17HR 97BB 138K .289/.862
〇打撃 /△パワー 守備 / ✖走力
アプローチの良い中距離バッター。辛抱強いアプローチでボール球にはめったに手を出さず、22年は四球率16.4%を記録。17本塁打を放ったが、パワー面の評価はスカウト間で分かれており、LF向きの守備力と合わせてアップサイドには疑問がある。3Bでは51試合守って17失策・守備率.864と落第点レベルで、2A昇格後はLFに転向した。

FV40

11.
アンドレ・リプシウス(3B/2B)/Andre Lipcius:25歳
(2A/3A)134G 12HR 86BB 89K .277/.826
◯打撃 アプローチ / △走力
コンタクト技術が高く、素早いスイングスピードでフィールド全体にライナーを量産する。22年は33二塁打&四球率15.4%を記録した。走力は平均以下だが守備のセンスは◎。大学ではSSも経験しており、マイナーでは3B/2Bでプレー。ジェド・ジョーコ(元STL他)のような打撃の良い内野ユーティリティーが将来像か。

12.パーカー・メドウズ(OF)/Parker Meadows:23歳
(A+/2A)127G 20HR 56BB 108K .270/.819
◯パワー 走力 CF守備 / △コンタクト 
18年ドラフト2巡目の高卒選手。オースティン・メドウズ(DET)の弟。空振りが多くコンタクトに不安はあるが、CFに残れる守備力と「20-20」も狙えるパワー&スピードを両立。22年は課題のコンタクト面を克服。もう一年数字を維持できるか。

(3A)56G 8HR 36BB 72K .213/.763
(MLB)26G 1HR 1BB 6K .178/.477
◯肩 SS守備 / ✖コンタクト
6-4/208の大型SS。22本塁打を放った21年から一転、22年はMLBデビューを飾ったものの打撃不振に悩まされた。守備では体型に比して機敏に動け、肩の強さもプラス評価で、SS含め内野どのポジションでもプラスのディフェンダーになれると高評価。打撃が成長すれば、クリス・テイラー(LAD)やキケ・ヘルナンデス(BOS)のようなスーパーユーティリティーが適任か。
Ryan Kreidler


14.リース・オルソン(RHP)/Reese Olson:23歳
(2A)4.14ERA 119.2IP BB/9=2.9 K/9=12.6
◯奪三振 変化球 / △体格 コントロール
22年はマイナー9位の168K、自己ベストのK/9=12.6を記録。速球は93-95マイルと目立った球威はないが、変化球の扱いに長けている。スライダー、カーブ、チェンジアップと多彩に投げ分けるが、中でもチェンジアップがベストピッチ。課題のコントロールも21年のBB/9=4.4から改善傾向。先発としてはやや球速不足で、上位打者にも対応できることを証明する必要がある。

15.マニュエル・セケラ(SS/2B)/Manuel Sequera:20歳
(A)116G 19HR 20BB 110K .232/.701
◯パワー / △走力 / ✖アプローチ
四球率4.1%・引っ張り方向への打球割合59.7%とアプローチが荒っぽいが、パワーポテンシャルは非凡。7月以降はOPS.775・wRC+118と適応の兆しが見られた。大振りでボール球に手を出すことも多いので、辛抱強いアプローチを身につけることで、よりパワーを発揮できるようになるだろう。守備面では、走力が平均以下のためSSとしては守備範囲不足が課題。2Bや3B、DHでも出場している。

16.ロベルト・カンポス(OF)/Roberto Campos:20歳
(A)112G 5HR 40BB 97K .258/.711
◯パワーポテンシャル / △両翼向き 素材型 ゲームパワー
19年に当時のチームレコードとなる契約金285万ドルで入団の原石。元タイガースでもあるアビサイル・ガルシアと比較されるガッシリ体型のスラッガー候補。22年はグラウンドボール率51.5%とフライ性の打球を打てず、5本塁打に終わった。守備はCFで67試合の出場も、将来はコーナー向きとの評価。実戦でパワーを発揮できるかが勝負。

17.
ワンシール・ぺレス(2B)/Wenceel Perez:23歳
(A+/2A)94G 14HR 42BB 61K .295/.902
◯コンタクト 走力 肩 / △パワー
非力なユーティリティータイプだったが、22年は自己ベストの14本塁打を放つなどパワー面が覚醒。走力&肩の強さも平均以上で、ダイナミックなプレーも多い。とはいえ本塁打を量産するタイプではなく、守備位置も2Bメインである点を考慮すれば、そこまでアップサイドは大きくないだろう。

18.ジョーイ・ウェンツ(LHP)/Joey Wentz:25歳
(3A)3.17ERA 48.1IP BB/9=3.7 K/9=9.9
(MLB)3.03ERA 32.2IP BB/9=3.6 K/9=7.4
◯緩急 即戦力 / △耐久性 球速
垂直に近いオーバースローから平均92.4マイルで横変化の大きい4シームを高めに、チェンジアップ&カッターを低めに投げ分けて空振りを誘う。MLBでの7先発で防御率3.04、4シーム&カッターがRun Valueでマイナスを記録するなどポジティブな面もあるが、健康面の不安が最大の心配事。来季25歳を迎えるが、2019年を最後に87イニング以上を投げていない。

19.ディラン・スミス(RHP)/Dylan Smith:23歳
(A+)4.00ERA 83.1IP BB/9=2.3 K/9=9.3
◯スライダー ストライク先行 / △経験
21年ドラフト2巡目。92-95マイルのランニングファストとプラスのスライダーを主体にカーブ&チェンジアップのコンビネーション。K/BB=4.24と安定してストライクを投げることができる一方で、投手としてはまだ未洗練な部分があり、細かいコマンドなどは先発に残るために磨いていく必要があるだろう。

FV40-


20.ブラント・ハーター(LHP)/Brant Hurter:24歳
(A/A+/2A)3.71ERA  106.2IP BB/9=1.8 K/9=11.5
◯スライダー コントロール / △球速 年齢 
TJ手術により20年はドラフト漏れ、大学4年だった21年にドラフト7巡目でプロ入りした。すると22年はマイナー3階級でK/BB=6.48と快投。92-94マイルのシンカーとスピンレート2500rpm超のスライダーのコンビネーション。年を食っているのでリリーフとして早期昇格を目指す可能性が高いが、バックエンドSPも狙えるポテンシャル。

Sleeper Prospects

ギャレット・バーヘン(RHP)/Garrett Burhenn:23歳
(A/A+)4.01ERA 92.0IP BB/9=2.5 K/9=11.0
◯スライダー / △球威
21年ドラフト9巡目。A+では炎上も、Aでは17先発で防御率3.43・K/9=11.8・BB/9=2.2と好投していた。91-94マイルのシンカーとスピンレート2500rpm前後のスライダーのコンビネーション。第3球種のチェンジアップも平均83マイルほどとブレーキが利いていて空振りが取れる。

(A/A+/2A)107G 11HR 43BB 72K .286/.794
◯肩 / △実績
21年ドラフト15巡目。22年は打撃面で大きく成長を見せ、11本塁打・OPS.794をマーク。守備では強肩を生かした盗塁阻止能力の高さが魅力。盗塁が決まりやすいマイナーのルールの中で盗塁阻止率29%、Baseball Prospectusの出す送球による失点阻止評価では+1.9を記録した。

(A/A+)99G 2HR 78BB 58K .266/.769
◯アプローチ / ✖パワー
22年は四球率19.4%/三振率14.4%と驚異的なゾーンコントロールを披露。小柄でパワーレスだが、コンパクトなスイングで左右に打ち分ける。守備は2Bを中心に3BとLFをこなすなどユーティリティー性も兼ね備える。

2022年12月24日土曜日

2023 CLEVELAND GUARDIANS TOP 20 PROSPECTS

2023 CLEVELAND GURADIANS

TOP 20 PROSPECTS

Daniel Espino

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ダニエル・エスピーノ(RHP)/Daniel Espino:22歳
(2A)2.45ERA 18.1IP BB/9=2.0 K/9=17.2
◎速球 / 〇スライダー / △耐久面
小柄ながら抜群の運動能力で96-99マイルを計測する豪腕。変化球はスライダー&カーブを主に扱い、90マイル前半に届くスライダーはプラスピッチ候補。チェンジアップ&コマンドを磨いていくことが課題。エース級の資質の持ち主だが、プロ4年で通算133.2回、100イニング以上投げたシーズンは無しと耐久面が心配。
Daniel Espino

FV50 

(A+/2A)1.96ERA 115.0IP BB/9=3.1 K/9=11.7
◯速球 カーブ 体格 / △コマンド チェンジアップ
21年ドラフト1巡目。22年はマイナートップとなる被打率.173、同3位の防御率1.96と圧巻のパフォーマンス。6-6/238の巨体から常時95マイル前後のパワフルな速球に高強度のスライダー&カーブを投げ込む。チェンジアップの扱いも良く、課題のコマンドも平均レベルまで向上を辿っている。ローテーション3番手以上のポテンシャル。

3.ボー・ネイラー(C)/Bo Naylor:22歳
(2A/3A)118G 21HR 82BB 121K .263/.889
(MLB)5G 0HR 0BB 5K .000/.000
◯打撃 運動能力 フレーミング 肩 / 
運動能力の高いアスリート捕手で、22年はマイナーで「20-20」を達成。三振率を31.5%から23.7%に、四球率は10.4%から16.1%に良化させるなどアプローチ面で飛躍的に向上を見せた。
捕手としては運動能力に支えられたブロッキング能力に加えて、フレーミングが◎。肩もプラス評価でマイナー4年で盗塁阻止率33%を記録している。

4.タナー・バイビー(RHP)/Tanner Bibee:24歳
(A+/2A)2.17ERA 132.2IP BB/9=1.8 K/9=11.3
◯球種 球種 コマンド / 
21年ドラフト5巡目。大学時代は球種が豊富なコントロールピッチャーだったが、プロ入り後に球速がMAX99マイルにまで上昇するなど覚醒。22年はマイナー6位の防御率2.17、同4位のK-BB%=27.1を記録。同じく下位指名からエースピッチャーに成長したシェーン・ビーバーと重なるものがある。

5.ブライアン・ロキオ(SS)/Brayan Rocchio:22歳
(2A/3A)132G 18HR 54BB 102K .257/.755
◯コンタクト 走力 メークアップ 守備 / △パワー
フィジカル面は傑出していないが、「プロフェッサー」のニックネームの持ち主で野球IQの高さが光る。打撃は5-10/150と小柄なため、パワーポテンシャルは期待できないが、両打席からスムーズなスイングで長短打を量産。22年は自己最多の18本塁打を放つなどパワー不足の評価を覆しつつある。平均以上の走力と高い野球IQに支えられたSS守備の評価も高く、コンバートの心配は不要。打撃で結果を残せれば、未来の正SS候補筆頭だ。

6.ジョージ・バレラ(OF)/George Valera:22歳
(2A/3A)132G 24HR 74BB 145K .250/.816
◯パワー 選球眼 / △両翼向き
17年に契約金130万ドルで入団の大器。若くして傑出した打撃技術と両翼向きの守備力からフアン・ソト(パドレス)と比較されている。ロビンソン・カノーにそっくりな華麗なスイングでバックスピンの利いた打球を広角に打ち分け、ソト同様に選球眼も良い。とはいえ、19歳にしてMLBで結果を出したソトと比較するのは無理があるだろう。
George Valera


FV45

(3A)77G 13HR 25BB 78K .240/.716
(MLB)16G 1HR 8BB 16K .192/.641
◎肩 / ◯SS守備 パワー / △アプローチ 走力
走力は平均以下ながらダブルプラスの強肩を生かしたSS守備はスカウトからプラスのSSディフェンダーになれると大絶賛されている。フリースインガーかつ三振の多い打撃が不安要素で、22年は3AでOPS.802をマークした前年から大きく数字を落とした。
打撃アプローチは磨いけば昨季WSでも活躍したジェレミー・ペーニャ(HOU)のようになれるだろう。
◯パワー 肩 走力 / △実戦経験 両翼向き?
22年ドラフト1巡目の大学生で、選手としての将来像はカイル・タッカー(HOU)。6-4/235の恵まれた体格からプラスのパワーと優れたゾーンコントロールを兼ね備え、走守の評価も平均以上。パンデミック&故障により大学3年間で66試合の出場と実戦経験が少なく、全体的に磨かれる必要がある。

9.ウィル・ブレナン(OF)/Will Brennan:25歳
(2A/3A)129G 13HR 50BB 69K .314/.850
(MLB)11G 1HR 2BB 4K .357/.900
◯コンタクト 走力 肩 / △パワー
22年に新人王投票3位に食い込んだスティーブン・クワンと重なるものがある巧打者。コンタクト&アプローチに優れたヒットツールが最大の武器で、クワン同様に走守でも貢献できる。対左投手に対してOPS.647と苦戦しており、左投手を克服できないとプラトーン止まりになる可能性も。
(A+/2A)101G 13HR 52BB 76K .278/.849
◯野球IQ 肩 / △素材型
元MLB捕手サンディ・マルティネスの息子。肩の強さ以外の4ツールは平均的だが、野球IQの高さと成熟度で同年代の選手をリードしている。打撃はシンプルなスイングでフィールド全体にライナーを打ち分けるスイッチヒッター。23二塁打&13本塁打とパワーも伸びている。守備は肩の強さ、ハンドリングと優秀で、少なくとも内野にとどまれるだろうとの見立て。

11.ローガン・アレン(LHP)/Logan Allen:24歳
(2A/3A)4.75ERA 132.2IP BB/9=3.5 K/9=12.0
◯チェンジアップ 速球 コマンド / △球速 体格
20年ドラフト2巡目の左腕で、MLBでプレーする同名の投手とは別人。6-0/180と小柄で速球も90マイル前後とパワーレスだが、垂直に近いリリースからホップ変化の大きい速球を四隅に投げ分け、プラスのチェンジアップで仕留める。投手としての上限は限られているが、完成度の高さからバックエンドSPとして計算できるだろう。22年はキャリア最悪のBB/9=3.5とコマンドで苦戦。
Logan Allen

12.
コディ・モリス(RHP)/Cody Morris:26歳
(3A)2.35ERA 15.1IP BB/9=3.5 K/9=17.6
(MLB)2.28ERA 23.2IP BB/9=4.6 K/9=8.7
◯チェンジアップ 速球 奪三振 / △スタミナ 耐久面
MAX98マイルのライジングファストとプラスのチェンジアップでゾーンの高低を揺さぶる。加えてカーブとカッターもレパートリーとして扱うことができる。長い腕のストロークのせいかスタミナ面に課題があり、来季26歳にして90イニング以上投げられたシーズン無し。
ボール自体は素晴らしいが、先発として稼働できるかが争点となるだろう。

◯球種 コントロール / △球威
22年ドラフト全体37位指名。運動能力と完成度を両立した大学生右腕で、22年ドラフティーで最もハイフロアーな投手の1人と言われている。6フィート7の長身から高スピンの4シーム、平均以上のチェンジアップ、平均的なカーブ&スライダーをコントロールよく織り交ぜる。

14.ホゼ・テーナ(SS)/Jose Tena:22歳
(2A/3A)132G 14HR 29BB 142K .267 /.725
◯コンタクト 走力 肩 / △パワー フリースインガー
MLBで16シーズンプレーしたフアン・ウリベの甥。ハンドアイコーディネーションに優れたコンタクトヒッターで、22年は47長打を放つなどパワーも向上中。一方で四球率5.1%とフリースインガーであり、選球眼は要改善。走守は平均以上で、SSに残れる&2Bならプラスの守備力を有する。攻撃力の高いスーパーユーティリティ候補だ。ラスト40試合はOPS.828・wRC+123と適応の兆し。

15.
フアン・ブリトー(2B)/Juan Brito:21歳
(A)107G 11HR 78BB 71K .286/.877
〇コンタクト アプローチ / △素材型 パワー
ノーラン・ジョーンズとのトレードで今オフCOLから加入。小柄ながらコンタクト&選球眼に優れており、22年は四球率15.7%/三振率14.3%と上質なゾーンコントロールを示した。走力&運動能力は平均的で、守備位置は2Bが適任と見られている。

16.ザビオン・カリー(RHP)/Xzavion Curry:24歳
(2A/3A)4.06ERA 122.0IP BB/9=3.1 K/9=9.9
(MLB)5.79ERA 9.1IP BB/9=5.8 K/9=2.9
◯速球 コマンド / △変化球 体格
21年はマイナーで19先発して防御率2.30・K/BB=7.69と好投。22年はMLBデビューを飾った。90マイル前半のライジングファストボールに頼った投球で、高めに集めて空振りを量産する。変化球はスライダー&カーブを扱うが平均止まり。5-11/190と投手としてはアンダーサイズであり、変化球の精度も平凡なためリリーフの方がフィットするか。

(2A)1.93ERA 60.2IP BB/9=4.2 K/9=12.9
〇チェンジアップ / △球速 耐久性
19年にA/A+で22先発して防御率2.26と好投も、20年をパンデミックで、21年を故障で棒に振っていた。ところが22年はカムバックを果たすと、13先発で防御率1.93をマーク。タイミングの取りにくいフォームからプラスのチェンジアップで打者を欺く。パワーレスがネックだった速球も91-93マイルを計測するまでにパワーアップ。

18.タナー・バーンズ(RHP)/Tanner Burns:23歳
(A+)3.57ERA 75.2IP BB/9=3.4 K/9=10.8 K/BB=3.14
◯速球 カーブ / △体格 耐久性
20年ドラフト全体36位指名のカレッジ右腕。アンダーサイズながら速球とカーブのパワフルなコンビネーションが魅力で、ソニー・グレイ(ツインズ)と比較されている。コントロールも安定しており、第3球種のチェンジアップの精度もまずまずなため、ハイフロアーと言えるだろう。一方でアンダーサイズな上に肩の故障歴があることから、先発投手としての耐久性を疑われている。
(A)104G 5HR 74BB 90K .247/.755
◯アプローチ スピード / △素材型 肩 パワー
21年ドラフト3巡目。攻守にオールラウンドで、打ってはスムーズなスイングからコンタクトを生み出し、ゾーンコントロールも素晴らしい。走塁では平均以上からプラスの走力を生かして21盗塁(3失敗)を決めた。高校ではSSも、22年は2B/CFを中心にプレーした。二塁打を本塁打に転換できるか。

(DSL)40G 1HR 40BB 22K .280/.847
◯5ツール アプローチ / △素材型 パワー
22年1月に契約金$1.2Mでプロ入りすると、DSLでは早速好デビューを飾った。5ツールを備えたスイッチヒッターで、DSLで四球率22.9%を記録するなどゾーンコントロールも抜群。グラウンドボール率49.5%とゴロ性の打球が多く、バレル性の打球を増やせるかが課題となる。

Sleeper Prospects

(A/A+)2.11ERA 128.0IP BB/9=2.4 K/9=11.0
◯コマンド 球種 / △球速
21年ドラフト9巡目ながら、22年は初のフルシーズンで25先発/防御率2.11と好投。速球は90-91マイル程度だが、クレイトン・カーショウ(LAD)風のフォームからカーショウ風の4シーム、スライダー、縦カーブのコンビネーション。多彩な球種を効果的に織り交ぜる。
Will Dion


(A+/2A)5.06ERA 117.1IP BB/9=3.2 K/9=9.8
◯速球 カーブ / △チェンジアップ
オフにカルロス・バルガスとのトレードでARIから加入。2Aでは9先発/防御率9.00と苦戦も、A+では15先発/防御率3.10と好投していた。93-94マイルの伸びのあるランニングファストを高めに、スライダー&カーブを低めにコマンドして空振りを誘う。対左被OPS.869を改善するためにチェンジアップの質を上げていきたい。

(R/A)26G 4HR 23BB 19K .298/.994
◯アプローチ 走力 / △パワー 素材型 
階級に対して歳は食っているが、R/AでOPS.944、BB>Kと優秀なパフォーマンス。スムーズなスイングで長短打を量産し、足も使える。守備もCFメインで守備範囲も広い。来季フルシーズンで活躍できるか。

2022年12月18日日曜日

2023 CHICAGO WHITE SOX TOP 20 PROSPECTS

2023 CHICAGO WHITE SOX

TOP 20 PROSPECTS

Colson Montgomery

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.コルソン・モンゴメリー(SS)/Colson Montgomery:21歳
(A/A+/2A)96G 11HR 54BB 83K .274/.810
〇打撃 パワー 肩 / △走力 SSとしては大きい
21年ドラフト1巡目指名。高校ではバスケ、アメフト、野球の三刀流で鳴らしたアスリート。パワーとアベレージを両立した攻撃型SSで、6-4/205の大柄な体格を含めてコリー・シーガー(TEX)と比較される。大柄な体格に反して俊敏に動け、守備の動作も滑らかなため、SSに残れる可能性を示している。移るとしたら3Bが適任と見られている。
Colson Montgomery


FV50

2.
オスカー・コラス(OF)/Oscar Colas:24歳
(A+2A/3A)117G 23HR 38BB 120K .314/.895
◯パワー 肩 / ✖走力
キューバ出身。2019年まで福岡ソフトバンクホークスで派遣選手としてプレーしていたが、MLB球団との契約を目指して20年1月に亡命。22年1月に$2.7MでCWSと契約した。プラスのパワーが武器でヒットツールも上々。マイナーではCFとして育成中も、走力不足で両翼が適任か。
Oscar Colas

(A/A+/2A)3.80ERA 104.1IP B/9=3.3 K/9=10.9
〇速球 カーブ 伸びしろ / △素材型 
昨年のスリーパー枠から急成長。22年は19歳にして100イニングをクリアし、年上選手を相手に三振率29%と支配的な投球を見せた。19年の契約時に170ポンドだった体重は214ポンドまで増量。平均92マイルの速球、カーブ、スライダーはどれも決め球に使え、
チェンジアップは発展途上ながらスポットに決まった時には良い変化を見せる。コントロールもおおむね安定している。
Cristian Mena


FV45

4.
ブライアン・ラモス(3B/2B)/Bryan Ramos:21歳
(A+/2A)120G 22HR 45BB 86K .266/.792
◯パワー / △走力 アプローチ
20ホーマー以上を狙えるパワーが最大の武器で、22年はA+での99試合でOPS.821を記録。四球率9.2%/三振率16.4%と課題のアプローチ面でも進歩が見られた。とはいえ、依然として荒っぽいアプローチは要改善で、2A昇格後は四球率5.8%に、引っ張り率も9.6%増の53.8%と脆さを露呈した。
守備では肩こそ強いが、平均以下の走力から守備範囲がネック。それでも22年はハンドリングに改善が見られ、守備率が.928から.950に向上。

5.ノア・シュルツ(LHP)/Noah Schultz:19歳
◯体格 速球 スライダー / △素材型 健康面
22年ドラフト1巡目の高卒左腕。6フィート9の長身からMAX98マイルを投げ込むポテンシャルの塊。長身ながら抜群の運動能力でコントロール&ボディコントロールも良い。22年は伝染性単核球症によりプレー機会不足も、有望な大学生中心の「プロスペクトリーグ」にて19.1回で2失点、K/9=17.2と快投。プロ入り後は教育リーグで経験を積んだ。

(A+/2A/3A)4.75ERA 108.0IP BB/9=4.0 K/9=11.4
◯速球 カーブ 体格 / △コントロール
21年ドラフト3巡目。高校ではバスケとの二刀流で活躍するなど運動能力&体格に恵まれている。90マイル半ばのライジングファストと縦に割れるカーブの2球種がプラスピッチ候補で、A+/2Aで三振率30.2%を記録した。スライダー&チェンジアップもまずまずで、スペックはローテーション3-4番手クラス。ここぞのコマンドは悪くないが、与四球を減らしたい。

7.ホセ・ロドリゲス(SS)/Jose Rodriguez:22歳
〇攻守オールラウンド / △ツール 
(2A)104G 11HR 38BB 66K .280/.770
5ツール全てが20-80スケールで50評価と平均的なオールラウンダーだが、全力プレーが◎。打撃は二塁打中心のギャップヒッター寄りだが、MLBでも二桁本塁打を狙えるパワーを秘める。守備は飛び抜けてはいないが、MLBでも二遊間に留まれるだろうとの見立て。マーウィン・ゴンザレスのようなユーティリティーが完成型か。

(2A/3A)119G 23HR 39BB 83K .315/.881
(MLB)11G 1HR 1BB 12K .114/.368
◯コンタクト / △パワー 走力 フリースインガー
優れたハンドアイコーディネーションに支えられたヒットツールが武器で、22年はプルヒッティングを覚えて自己最多の24本塁打とブレーク。MLBデビューも果たした。守備はSSとしては平均レベルで、2Bに回れば平均以上との見立て。7位のロドリゲスと同様に、絶対的なレギュラーというよりも優秀なユーティリティータイプか。

FV40

9.ペイトン・パレッテ(RHP)/Peyton Pallette:22歳
◯速球 カーブ / △TJ手術明け
22年ドラフト2巡目。21年は防御率4.02と不調で、その後22年1月にTJ手術とコンディション面に不安を抱える。MAX99マイルでホップ変化の大きい4シームが最大の武器で、高スピンのカーブも22年ドラフト組ではNo.1との呼び声高い。素材としては1巡目クラスであり、健康に復帰できるかがポイント。

10.
ノルへ・ベラ(RHP)/Norge Vera:23歳
(A/A+/2A)3.31ERA 35.1IP BB/9=7.9 K/9=13.2
◎速球 / △素材型 変化球 コントロール
MAX100マイルの速球にスラーブ主体の剛腕。特に高めへの速球は威力抜群。チェンジアップは変化が今一つで、BB/9=7.9とコントロールにも課題があるためリリーフ転向が現実的か。ちなみに、
同名の父はキューバの元スター投手で、3度の五輪&09年WBCに出場した経歴をもつ。
Norge Vera


11.
ジョナサン・キャノン(RHP)/Jonathan Cannon:22歳
(R/A)1.23ERA 7.1IP BB/9=3.7 K/9=4.9
◯コントロール 体格 / △奪三振
22年ドラフト3巡目。大学3年間でBB/9=1.6、K/BB=5.07とコントロールに優れたストライクスロワー。92-96マイルのシンカーとプラスのカッター主体にゾーンの内外を揺さぶる。6フィート6の体格も含めてローテーション4-5番手のイニングイーター向き。

12.
ヨエルキ・セスペデス(OF)/Yoelqui Cespedes:25歳
(2A)119G 17HR 29BB 154K .258/.769
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
ヨエニス・セスペデス(元NYM他)の弟。21年1月に契約金205万ドルで入団した。パワー、走力、肩が平均以上でツール面は申し分ないが、打撃アプローチの脆さが致命的。22年の四球率5.7%/三振率30.1%はさすがに赤信号だろう。

13.ジャレッド・ケリー(RHP)/Jared Kelley:21歳
(A/2A)3.52ERA 76.2IP BB/9=5.5 K/9=8.3
◎速球 / 〇チェンジアップ / △素材型 健康面 / ✖コントロール
20年ドラフト全体47位指名。事前のMLB公式によるドラフトランキングでは12位という高評価を得ていた高卒右腕で、1巡目相当となる契約金300万ドルでプロ入りとなった。MAX99マイルの速球とチェンジアップの2球種がプラスピッチ候補。前腕の故障もあって23.2回/防御率7.61に終わった21年から比べると、バウンスバックに成功。21年をほとんど棒に振っていることを考慮すれば、実質初のフルシーズンでよく健闘したとも言える。コントロールを含めて全体的に磨かれる必要がある。

14.
ウェス・カス(3B)/Wes Kath:20歳
(A/2A)112G 13HR 64BB 171K .230/ .708
◯パワー 肩 / △走力 素材型 / ✖コンタクト
21年ドラフト2巡目。バリー・ボンズやレジー・ジャクソンらを輩出した名門アリゾナ州立大への進学が内定していたが、オーバースロットとなる契約金180万ドルでプロ入り。プラスのパワーが最大の武器だが、22年はAで三振率33.0%とコンタクト面に苦戦。それでもAでのラスト15試合はOPS.926・wRC+152と圧倒。
高校ではSSもプロでは早速3B転向。プラスの肩を有し、ホットコーナーに適任だ。

FV40-

15.コール・シマス(RHP)/Kohl Simas:23歳 
(A/2A)4.24ERA 68.0IP BB/9=3.8 K/9=10.9
◯速球 / △実績 先発経験
父ビルは通算302試合に登板のリリーバー。21年にドラフト外のアマチュアFAとして入団。大学ではリリーフ専門だったが、22年はAで15先発して三振率29.9%と支配的なパフォーマンスを見せた。90マイル中盤の4シームが武器。先発としての耐久面を証明していきたい。
(R/A)27G 1HR 9BB 24K .255/.642
◯守備 / △打撃
22年ドラフト4巡目。プラスのSSディフェンダーだが、打撃面に心配あり。大学2年時に打率.353・7本塁打・OPS.938とよく打ち、1巡目候補にも挙がっていたが、ドラフトイヤーの22年は打率.285・3本塁打・OPS.797と不調で打順も9番に下げられた。守備は良いだけに、打撃の復活が鍵を握るだろう。プロ入り後にスイングを改造中。
(A/2A)113G 20HR 30BB 132K .267/.781
◯パワー / △守備 走力 / ✖アプローチ
フェルナンド・タティスJrのいとこ。初のフルシーズンで20本塁打と堂々たるデビューを飾った。プラスのパワーポテンシャルを秘めるが、フリースインガーであり、アプローチの荒さを改善する必要がある。守備はすでに1Bに回りつつあり、オフのドミニカ冬季リーグではLFも経験。

(R)9.31ERA 9.2IP BB/9=4.7 K/9=15.8 K/BB=3.40(※21年)
◯体格 伸びしろ / △素材型 TJ手術明け
21年ドラフト5巡目の高卒投手。6-5/185と体格に恵まれており、オーバースロットとなる契約金$850Kで入団した。MAX96マイルでホップ変化の大きい4シーム&スピンレート3000rpm超のスラーブ。現段階では未完成で、チェンジアップ&コマンドの精度は低い。長い目で見ていきたい。22年はTJ手術により全休した。

19.
ライアン・バロウズ(SS)/Ryan Burrowes:18歳
(DSL)47G 3HR 25BB 34K .266 /.785
◯パワー 肩 / △素材型
パナマ出身。22年4月に契約すると、DSLで早速好成績を残した。6-2/170と長身細身の体格でビルドアップの余地を残し、20ホーマー級のパワーポテンシャルを秘める。守備はSSに残れるだけの運動能力と肩の強さを兼備。体格の成熟次第では3B転向か。
〇速球 / △球速
22年ドラフト5巡目。速球は90マイル前後ながら高スピンで空振りが取れ、変化球3種もまずまず。大学2年時はBB/9=5.6と制球に課題があったが、ドラフトイヤーの3年時は2.9と大幅に改善された。ローテーション下位向きのポテンシャル。

Sleeper Prospects

(R/A)27G 2HR 9BB 24K .281/.832
◯22年ブレーク / △アプローチ
22年ドラフト11巡目ながらオーバースロットとなる契約金で入団した。ドラフトイヤーの22年にマイアミ大に転校しOPS1.024とブレーク。プロでも少ない試合数ながらOPS.832と良く打った。全力プレーが持ち味の5ツールタイプ。CF中心に外野3ポジションをこなす。

(R/A)8.44ERA 5.1IP BB/9=6.8 K/9=11.8
◯変化球 / △コントロール 実績
高校時代には「ベースボールアメリカ」のドラフトランキングで147位に付けていたが、大学では不調に悩まされ、22年にドラフト外のアマチュアFAとして入団した。MAX95マイルの速球とキレの良いスライダー&カーブ。大学3年間でBB/9=4.3とコントロールに課題がある。

(R)46G 8HR 27BB 22K .344/1.085
◯コンタクト / △2B守備 素材型
キューバ出身。16年のU-15杯では大会MVPを受賞。17歳からキューバ国内のプロリーグでプレーし、18歳にして打率.318・7本塁打・OPS.938と活躍。アプローチの良いコンタクトヒッターで、身長5フィート8ながらパンチ力もある。キューバではLFも、CWSは2Bとして育成中。

2022年12月17日土曜日

2023 TORONTO BLUE JAYS TOP 20 PROSPECTS

2023 TORONTO BLUE JAYS

TOP 20 PROSPECTS

Ricky Tiedemann

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.リッキー・ティエディマン(LHP)/Ricky Tiedemann:20歳
(A/A+/2A)2.17ERA 78.2IP BB/9=3.3 K/9=13.4
◎速球 / 〇変化球 体格 / △素材型
21年ドラフト3巡目。22年はプロ1年目にして2Aまで到達するなど一躍ブレーク。速球、スライダー、チェンジアップがすでにプラス評価で、コントロールも破綻していない。6-4/220と体格も恵まれており、エースポテンシャル。
Ricky Tiedemann


FV50

2.ヨスバー・ズレータ(RHP)/Yosver Zulueta:25歳
(A/A+/2A/3A)3.72ERA 55.2IP BB/9=5.2 K/9=13.6
◯速球 スライダー / △耐久性 コントロール 実績 
キューバから亡命し19年に入団も、TJ手術により22年が実質的なプロデビューとなった。すると最速100マイルの4シームとワイプアウトするプラスのスライダーのコンボで支配的なパフォーマンス。イニング制限により途中からリリーフに回ったが、コントロールを改善できればローテーション半ばクラスのポテンシャル。
Yosver Zulueta


FV45

3.ブランドン・バリエラ(LHP)/Brandon Barriera:19歳
◯速球 スライダー / △素材型
22年ドラフト1巡目の高卒左腕。球威と投球能力を両立しており、高いアップサイドを期待されている。92-95マイルの速球は最速で98-99マイルに届き、スライダーもプラスピッチ候補。加えてカーブ&チェンジアップもレパートリーとして扱え、4球種いずれもストライクが取れる。

(A+/2A/3A)124G 26HR 48BB 131K .308/.933
◯パワー 肩 / △コンタクト 
昨年のスリーパー枠から出世。パワーは平均以上もコンタクトに課題があったが、22年はマイナー3階級で3割以上のアベレージを記録するなど課題を克服してブレーク。とはいえ、ヒットツールは平均以下で、「.230・20本」が将来像か。守備は強肩だが、SSよりも3B/2B向きとの見立て。強打のユーティリティー候補として注目したい。

(2A)118G 30HR 40BB 140K .203/.732
◎パワー / ◯肩 / △走力 守備 / ✖アプローチ
エイドリアン・ベルトレ(元TEX)と比べられる強打の内野手。22年は自己最多の30本塁打を放った一方で、打率.203&出塁率.286とアベレージ面で苦戦。極度のフリースインガー&プルヒッターであり、アプローチを改善しないとMLBの投手には対応できないだろう。守備は平均以下の走力から3B転向が目されており、LFやDHに回るリスクも。
Orelvis Martinez


6.タッカー・トーマン(SS/3B)/Tucker Toman:19歳
(R)
11G 0HR 7BB 12K .290/.760
◯打撃 / △走力 肩 素材型 2B向き?
22年ドラフト2巡目。高校生随一のピュアヒッターと評判で、成熟したアプローチでバレル性の打球を量産する。スイッチヒッターである点もポイントが高い。一方で走守の能力は平均~平均以下程度であり、将来像は攻撃型二塁手か。

7.ケード・ドーティ(2B)/Cade Doughty:22歳
(A)26G 6HR 10BB 29K .272/.865
◯打撃 / △守備
22年ドラフト2巡目。コンタクト力が高く、20ポンドの増量を経てパワーも平均レベルまで向上するなど打撃面を高く評価されている。Aでも26試合で6本塁打を放つなど結果を出した。守備力は平均以下~平均程度であり、二塁のレギュラーもしくはユーティリティー向きと見られている。

8.
ダーヤン・サントス(RHP)/Dahian Santos:20歳
(A/A+)4.50ERA 86.0IP BB/9=4.6 K/9=14.9
◎スライダー / △コマンド チェンジアップ
平均スピンレート2600超のスライダーを武器に空振りを量産。スライダーはどの登板でも60%前後の空振り率を記録し、91-93マイルの速球も平均スピンレート2400前後と強力。コマンドやチェンジアップの精度など、投手として全体的に磨かれれば一気に飛躍できるだろう。

(2A/3A)3.76ERA 88.2IP BB/9=3.8 K/9=10.2
◯速球 / △スタミナ リリーフ向き?
21年ドラフト6巡目ながらすでに3Aに到達。プロ入り後に先発に転向し、2-4イニングでの起用ながら支配的なパフォーマンスを披露した。94-96マイルのライジングファストを高めに集めて空振りを奪う。マルチイニングリリーバーが最も力を発揮できるとの評価も、変化球やスタミナを改善できれば将来先発としての可能性も。
Hayden Juenger


10.
アダム・マッコ(LHP)/Adam Macko:22歳
(A+)3.99ERA 38.1IP BB/9=4.7 K/9=14.1
〇変化球 / △体格 コントロール 健康面
テオスカー・ヘルナイズとのトレードでSEAから加入。スロバキア出身で、Youtubeでジャスティン・バーランダーやデビッド・プライスの動画を観て独学でピッチングを学んでいたが、12歳の時に家族でカナダへ移住。そこでカナダ屈指の強豪ボクスホール高へ進学したことでスカウトの目に留まりドラフト指名を受けた。MAX98マイルの速球にキレの良いスライダー&カーブ。制球&健康面の不安を払拭できるか。

FV40

11.セム・ロバース(RHP)/Sem Robberse:21歳
(A+/2A)3.23ERA 111.1IP BB/9=2.7 K/9=7.8
◯投球術 完成度 / △体格 奪三振
オランダの次世代エースとして注目の右腕。91-94マイルのツーシーム&曲がりの大きいスラーブ系のスライダーのコンビネーションでゾーンの左右を揺さぶる。時折トンネルを外すカーブでカウントを取れるなど完成度が高い。6-1/160と細身で、フィジカルを鍛えて球速を数マイルを伸ばせれば面白い存在だ。
(R/A/A+)96G 14HR 32BB 64K .293/.832
◯打撃 / △走力 両翼専門
ヒッティングプロスペクト。パワーとアベレージを両立しており、22年はAでwRC+135、A+で141と傑出した打撃成績を収めた。一方で両翼専門の守備力から、選手としてのバリューには疑問がある。疑問を払拭できるぐらい、打ちまくるしかない。

13.
ジョシュ・カセビッチ(SS)/Josh Kasevich :22歳
(A)25G 0HR 11BB 9K .262/.681
◯コンタクト 守備 肩 / △パワー 
22年ドラフト2巡目。パワーの評価は平均以下だが、コンタクト&ゾーンコントロールに長けた打撃と堅実なSS守備が強み。22年は大学で24BB/16K、Aでも11BB/9KとBB>kのアプローチを見せた。

(2A/3A)114G 12HR 73BB 95K .275/.843
◯打撃 アプローチ / △パワー 守備走塁
ヒッティングプロスペクト。華麗なスイングでラインドライブを量産し、BB>Kをマークするなどゾーンコントロールも優れている。打撃の実力は申し分ないが、ゲレーロJrがいるチーム状況では出番がなさそうなのが勿体ないところ。LFも練習中だが、いずれにせよもう少し本塁打数が欲しい。

15.
ダサン・ブラウン(OF)/Dasan Brown:21歳
(R/A/A+)84G 6HR 33BB 102K .283/.803
◎走力 / 〇CF守備 / △打撃 素材型
マイナー見渡してもトップクラスのアスリート。20-80スケールで80評価の走力が最大の武器で、CF守備もマイナー随一との評判。22年は課題の打撃が磨かれてOPS.803をマーク。三振率28.3%と依然としてコンタクト面に不安があるが、走守は良いのでMLBで平均程度の打者になれればレギュラーCFになれる可能性あり。

16.
レオナルド・ヒメネス(SS)/Leonardo Jimenez:22歳
(A+)69G 6HR 27BB 58K .230/.725
◯コンタクト / △パワー
22年開幕前の時点ではマイナー通算154試合で1本塁打と非力だったが、22年はフライボール率が向上し、自己最多の6本塁打をマーク。一方で最大の長所であった打率&出塁率を大きく落とした。丁度良いアプローチを見つけられればブレークが見えてくるだろう。
守備では派手さはないが、打球勘やポジショ二ングに冴え、ルーティンプレーを堅実にこなす。

17.オット・ロペス(2B/OF)/Otto Lopez:24歳
(A/3A)96G 3HR 43BB 65K .283/.759
(MLB)8G 0HR 1BB 1K .667/1.367
◯コンタクト 走力 即戦力 / ✖パワー
マイナー5年で打率.305をマークのコンタクトヒッター。ゴロ性の打球割合が50%以上で長打力は期待できず、レギュラーよりもユーティリティー向きだろう。
ウィット・メリーフィールド(TOR)やトミー・エドマン(STL)のような内外野守れるユーティリティーが理想型。

FV40-

(R/A/A+)113G 14HR 73BB 151K .263/.803
◯パワー 肩 / △走力 / ✖コンタクト
昨夏のトレードでミッチ・ホワイトと共にLADから加入。パワーと辛抱強いアプローチを兼ね備えた打撃力が強みだが、マイナー通算三振率29.8%のコンタクト面がネック。22年はLAD傘下ではOPS.832だったが、TOR傘下加入後はOPS.631と数字を落とした。平均以下の走力から守備範囲に欠けるため、SSよりも3B向き。

19.タナー・モリス(IF)/Tanner Morris:25歳
(2A/3A)74G 5HR 55BB 55K .258/.752
◯コンタクト アプローチ / △パワー 走力
19年ドラフト5巡目。コンタクト能力の高さと内野全ポジションをこなす守備力からユーティリティー適性を見せている。22年は55BB/55K(17.6%)と隙の無いアプローチを見せた。レギュラー選手としては長打力が物足りず、打撃の強化が求められる。

20.デービス・シュナイダー(2B/OF)/Davis Schneider:24歳
(A+/2A/3A)113G 16HR 65BB 116K .253/.823
◯パワー / △守備
22年はスラッガーらしいアプローチがハマってブレーク。50%以上のフライボール率を記録するなどフライボール特化のアプローチに転身したことで、キャリアハイとなる16本塁打・22二塁打をマークした。四球率も14.3%と高水準だった。一方で守備位置が不透明で、22年は2BとLFをおよそ半分ずつ守った。

Sleeper Prospects


デボンテ・ブラウン(OF)/Devonte Brown:23歳
(A)27G 2HR 24BB 21K .308/.925
◯パワー / △年齢
22年ドラフト外で契約すると、AではOPS.925と活躍。大学ここ2シーズンで28本塁打を放ったパワーと運動能力を生かしたCF守備が強み。プレーした階級に対して年齢が上だったので、実際の実力は来季試されるだろう。

ジミー・ロビンズ(LHP)/Jimmy Robbins:25歳
(A/A+/2A)2.59ERA 76.1IP BB/9=3.8 K/9=11.6
◯スライダー / △年齢
19年ドラフト20巡目ながら防御率2.59・K/9=11.6とブレーク。速球派90-92マイル程度だが、大きく横滑りするスライダーが武器。投球割合は少ないが、右打者の外角低めへのチェンジアップもアクション良し。来季25歳と年を食っているが、リリーフなら早期昇格が狙える。

ザック・ブリットン(OF/C)/Zach Britton:24歳
(A+/2A)76G 10HR 53BB 87K .238/.826
◯アプローチ / △C守備 肩
20年ドラフト5巡目。ゾーンコントロールに優れたラインドライブヒッターで、マイナー2年で四球率15.7%をマーク。オフに参加したAFLでは打率.404・OPS1.057と猛アピールを見せた。本職は捕手だが、プロ2年で盗塁阻止率8%と守備難で、外野コーナーが適任だろう。




2022年12月15日木曜日

2023 TAMPA BAY RAYS TOP 20 PROSPECTS

2023 TAMPA BAY RAYS

TOP 20 PROSPECTS

Taj Bradley

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.タジ・ブラッドリー(RHP)/Taj Bradley:22歳
(2A/3A)2.57ERA 133.1IP BB/9=2.2 K/9=9.5
◯速球 スライダー 運動能力 / △チェンジアップ
21年にマイナートップの防御率1.83をマークするブレーク。アスレチックな投球メカニクスから90マイル中盤の速球とプラスのスライダーのコンボで打者を圧倒する。第3球種が未確立で、対右打者には被OPS.503なのに対して、対左打者には被OPS.758と苦戦している。先発に残るには、チェンジアップの質を改善していきたい。
Taj Bradley


FV50

(2A/3A)76G 13HR 36BB 62K .298/.922
◎打撃 / △3B守備
マイナー屈指のピュアヒッター。平均打球速度91マイル&ハードヒット率50%以上とパワー&ヒットツールを両立した完成度の高い打者で、ギャップゾーンにライナー性の打球を量産する。一方で守備面が不透明で、将来は1B転向が目されている。1Bとしては本塁打数が物足りず、本塁打増がバリューを左右するだろう。
Curtis Mead


(A)113G 19HR 57BB 168K .252/.818
◯パワー 肩 SS守備 / ✖コンタクト
21年ドラフト1巡目。投手としても注目されていた逸材で、投手としてMAX95マイルの強肩を生かしたアスレチックなSS守備が魅力。22年はSSでマイナーのゴールドグラブを受賞。打撃は三振率32%とコンタクトに課題があるも、リーグトップの19本塁打をマークした。昨季MLBで31本塁打を放ったウィリー・アダメス(MIL)が将来像か。

4.カイル・マンザルド(1B)/Kyle Manzardo:22歳
(A+/2A)93G 22HR 59BB 65K .327/1.043
◎打撃 / ✖走力 
22年はOPS1.043をマークするなど大ブレーク。平均打球速度88マイルとパワーポテンシャルはズバ抜けたものではないが、四球率14.9%/三振率16.4%と成熟したアプローチで広角に長打を量産するピュアヒッター。鈍足で守備位置は1Bに限られる。
Kyle Manzardo

(A/A+)115G 15HR 55BB 110K .290/.859
◎走力 肩 / ◯CF守備 パワー / △コンタクト
5ツールタレント。走力&肩はダブルプラスの評価を受けており、Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAでは+8.6を記録し、走っても傘下トップの48盗塁を決めた。打撃はヒットツールを懸念されていたが、打率.290をマークし四球率10%/三振率20%とゾーンコントロールもできていた。

FV45

(A+/2A)2.10ERA 124.0IP BB/9=3.1 K/9=12.4
◯速球 奪三振 / △変化球
21年ドラフト6巡目ながら、22年はマイナー4位の防御率2.10、同6位の171Kとブレーク。92-94マイルのライジングファストを高めに集めて空振りを量産する。スライダー&チェンジアップの質が平凡なため、ローテーション下位~リリーフ向きと見るスカウトも。
Mason Montgomery

(R/A)3.94ERA 16.0IP BB/9=2.3 K/9=13.5
◯速球 スライダー / △コマンド リリーフ向き? TJ手術明け
20年ドラフト3巡目。最速100マイルの速球&86-88マイルのスライダーのコンビネーションが強烈。チェンジアップも平均以上で体格も恵まれているが、コマンド&投球フォームの評価が高くなく、ブルペン向きと見るスカウトも少なくない。昨季はTJ手術から復帰したが、自慢の速球は93-95マイル程度だった。

8.ジュニアー・カミネロ(3B)/Junior Caminero:19歳
(R/A)62G 11HR 23BB 43K .314/.882
◯パワー 肩 / △素材型 走力 守備
レッグキックの大きいフォームでボールを力強く叩き、20ホーマー以上が狙えるパワーポテンシャル。守備では3B中心に2BやSSもこなすが、守備範囲の狭さから最終的にはコーナーもしくは外野が適任と見られている。

9.カルロス・コルメナレス(SS)/Carlos Colmenarez:19歳
(R)35G 1HR 17BB 41K .254/.760
◯5ツール / △素材型
21年1月に契約金300万ドルで入団の大器で、21年に新人王投票で3位に入ったワンダー・フランコ級の逸材と評判。5ツール全てが平均以上の評価を受けており、スムーズなスイングは10代とは思えないクオリティだ。DSL、Rと2年続けて期待外れの成績に終わっており、そろそろ本領を発揮してほしいところ。
(A)113G 10HR 36BB 126K .256/.723
◯パワー 肩 / △素材型 アプローチ
若き日のウィリー・アダメス(現MIL)と重なるものがある原石。攻守にポテンシャル高く、打撃では素早いスイングスピードですでに110-111マイルの打球速度を計測している。アプローチの荒さがネックだが、7月1日以降は50試合で打率.320・8本塁打・OPS.929と適応。
守備では強肩で動きも悪くないが、体格の成熟につれて2Bや3Bにコンバートされる可能性が高い。22年は3B中心にプレー。

(R)7G 2HR 1BB 9K .273/.970
〇走力 肩 守備 パワー / △アプローチ
22年ドラフト2巡目。アプローチは荒いが5ツールポテンシャルを秘めるタレント。ダブルプラスの走力とプラスの強肩の持ち主でプラスのCFディフェンダーになり得る。打撃ではプロ入り後に上下動の小さいコンパクトなフォームに切り替えた。コンタクト&アプローチ面の不安を払拭できるか。

(R/A)19G 4HR 17BB 27K .265/.936
◯パワー 走力 / △肩 コンタクト
22年ドラフト2巡目。空振りの多さは懸念材料だが、パワーとスピードを兼ね備えたアスリートタイプ。守備では肩の弱さが弱点だが、CFとして長くプレーできる可能性を示してる。三振の多さを改善できるか。

13.オレルビス・バサベ(IF)/Osleivis Basabe:22歳
(A+/2A)112G 4HR 40BB 59K .324/.847
◯コンタクト 走力 / ✖パワー
二遊間として及第点の守備力とマイナー4年で打率.316のコンタクト力が武器のユーティリティー候補。昨季の4本塁打がキャリアハイと完全にパワーレスだが、ゾーンコントロールが上手く出塁率が計算できるので、ユーティリティーもしくは下位打線のレギュラーなら務まるかもしれない。

14.ヘリベルト・ヘルナンデス(OF)/Heriberto Hernandez:23歳
(A+)119G 24HR 67BB 155K .255/.867
◯パワー / △守備 コンタクト
20年にネイト・ロウとのトレードでTEXから加入。元々捕手だったが、打撃力を生かすために21年から外野手に転向した。空振りは多いが、プラスのパワーと四球を多く選べる点がストロングポイント。走守での貢献は見込めないため、打ち続けるしかない。

(R)5G 0HR 2BB 3K .211/654
◎パワー / △守備 走力 素材型
22年ドラフト1巡目の高卒選手。6-4/240の強靭なフィジカルから凄まじい打球を繰り出し、潜在的なパワーポテンシャルは20-80スケールで80評価。走力は平均を大きく下回り、守備位置も1Bに限られるため、打ちまくるしかない。

FV40

16.キャメロン・マイスナー(OF)/Kameron Misner:25歳
(2A)117G 16HR 86BB 155K .251/.816
◯パワー 走力 / △コンタクト 年齢
パワー&スピードを兼ね備えたCFで、コンタクト面のネックからプラトーン要員に終わる可能性あり。来季25歳で3A初挑戦と遅咲きだが、それでもブレット・フィリップスや昨季MLBデビューしたジョシュ・ロウのような働きができれば十分だろう。22年は7月1日以降は打率.307・OPS.898・三振率25.6%と完全に適応。(2A)79G 8HR 27BB 128K .238/.710
◎走力 / △打撃
20-80スケールで80評価の走力が武器の韋駄天SS。打撃の総合的な評価は平均以下だが、パンチ力はある。守備面では、俊足と強肩を土台に派手なファインプレーが多い一方で、ルーティンプレーに課題があるため、CFが適性との声も。マイスナーと同じく来季25歳で初の3Aと年齢面がネックで、レギュラーというよりはユーティリティー向きか。
(A+/2A)124G 8HR 60BB 92K .279/.796
◯コンタクト スピード / △肩 パワー
今オフにブレット・ワイズリーとのトレードでSFから獲得。成熟したアプローチでライナーを量産し、走力を生かして二塁打/三塁打や盗塁を稼ぐ。A+ではOPS.871も2A昇格後はOPS.605と数字を落とした。パワーレス&LF向きの弱肩がネック。

(R/A)12G 2HR 5BB 10K .325/.988
◯打撃 / △走力 C守備
22年ドラフト4巡目。名門バンダービルト大でここ2シーズンレギュラー選手として活躍した攻撃型捕手。ハードコンタクトを量産し、大学4年間でOPS1.035をマークした。捕手としての守備力は平均以下で、21年までは1B中心の起用だった。(R)0.00ERA 1.0IP BB/9=9.0 K/9=18.0
〇速球 / △変化球 / ✖コントロール
22年ドラフト3巡目。大学ではリリーフ中心の起用で通算防御率4.69ながら、平均94マイルで高スピンの4シームは魅力大。6-3/238とガッシリした先発投手向きの体型であり、変化球&コマンドを改善できれば先発転向も面白いだろう。

Sleeper Prospects

ロニー・サイモン(2B/3B)/Ronny Simon:23歳
(A+/2A)109G 22HR 28BB 99K .260/.782
◯パワー 走力 / △守備
ジョーダン・ルプロウとのトレードでDバックスから獲得したプロスペクト。小柄ながらパンチ力と走力を兼ね備えており、22年はキャリアハイとなる22本塁打・34盗塁をマーク。守備は2Bが最もフィットするとの見立て。

(A/A+)3.06ERA 94.0IP BB/9=4.0 K/9=11.6
〇奪三振 / △コントロール
19年ドラフト22巡目と下位指名の出身だが、マイナー通算123イニングでK/9=12.1をマークしている右腕。伸びのある4シームとキレの良いスライダーを軸に、左打者の外角にチェンジアップを落とすこともできる。コントロールに課題。

シェーン・ササキ(OF)/Shane Sasaki:22歳
(A)89G 9HR 49BB 92K .324/.908
◯走力 / △スイング パワー
ハワイ出身プロスペクト。平均以上の走力を生かしたオールラウンドタイプで、22年は出塁率.410・47盗塁と最高のシーズンを送った。打撃能力は平均レベルで、大振りなスイングを改善して三振を減らしていきたい。