2022年12月11日日曜日

2023 NEW YORK YANKEES TOP 20 PROSPECTS

2023 NEW YORK YANKEES  

TOP 20 PROSPECTS

Anthony Volpe

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.アンソニー・ボルピー(SS)/Anthony Volpe:22歳
(2A/3A)132G 21HR 65BB 118K .249/.802
◯打撃 パワー 野球IQ / △肩 2B向き?
19年ドラフト1巡目。傘下No.1のピュアヒッターであり、成熟したアプローチでバレル性の打球を量産する。OPS1.027とブレークした21年から一転、昨季は成績を落としたが、6月以降は打率.268・16本塁打・OPS.853・wRC+129・三振率17%と復調。
走守のツールは平均的だが、野球IQでカバー。走塁では50盗塁(7失敗)を決めた。SS守備は及第点だが、肩の弱さから将来は2Bコンバートと見るスカウトも。Baseball Prospectsの出す守備指標FRAAは-3.4で、2年続けてマイナスを記録してしまった。
Anthony Volpe


FV55

(A/A+/2A)120G 16HR 72BB 128K .273/.837
〇パワー 走力 / △素材型 体型肥大化
19年の国際アマチュアFAで契約金510万ドルでNYY入りの大器。CFで「30-30」も可能なポテンシャルと評判だったが、渡米すると肉ダルマのような体型になっており、走守のツールはグレードダウンしていた。それでも順調にマイナーに適応しており、平均的なCF守備で「20-20」が狙える程度のポテンシャルを示している。来季は20歳で2A挑戦の予定。

FV50

3.オズワルド・ペラザ(SS)/Oswald Peraza:23歳
(3A)99G 19HR 34BB 100K .259/.778
(MLB)18G 1HR 6BB 9K .306/.832
◯走力 SS守備 / △パワー
長打力でボルピーに劣るが、ショートとしての守備力ではペラザに軍配。昨季は6月以降にOPS.913と調子を上げると、9月にMLBデビュー。18試合でOPS.832とよく打ち、ポストシーズンにも出場した。昨季の20本塁打はキャリアハイだが、スカウトからのパワー評は平均以下で、二塁打中心の打者になるだろうとの見立て。
Oswald Peraza


(R/A)25G 4HR 11BB 20K .344/.962
◯パワー 走力 / △コンタクト
22年ドラフト1巡目。6-7/225の大型選手で、第2のアーロン・ジャッジとして期待。プラスのパワーが武器だが、長身がネックとなり内角球の対応に課題あり。守備ではCF相応の走力を有するが、長い目で見るとコーナーが適任か。大学ではRF中心も、プロではCFで起用された。

(A/A+)92G 20HR 56BB 90K .277/.897
◯打撃 パワー / △走力 C守備 肩
20年ドラフト1巡目。カイル・シュワバー(PHI)と比較されており、守備に難がある攻撃型捕手。22年は攻守に成長を見せて評価を上げた。打撃ではA+で50%、2Aで44.7%とフライボール率を上昇させながら、21年にA+で32%だった三振率を23%にまで改善させた。捕手としての守備評価は平均以下だが、Baseball Prospectsの出すフレーミング指標で+9.4、盗塁阻止率を21年の13%から25%まで改善させるなど進歩を見せている。

FV45

6.エバーソン・ぺレイラ(OF)/Everson Pereira:22歳
(A+/2A)102G 14HR 43BB 124K .277/.819
◯パワー / △素材型 アプローチ 両翼向き
21年は49試合で20本塁打を放つなどパワーが覚醒も、22年はグラウンドボール率が大幅に増加し、14本塁打に終わった。選球眼やアプローチの荒さを取り除いてパワーポテンシャルを発揮できるかが争点となりそうだ
。CF守備ではBaseball Prospectsの出す守備指標FRAAで-8.0とマイナスとなっており、コーナーが適任か。

(A+/2A)3.91ERA 129.0IP BB/9=2.9 K/9=8.7
◯スライダー グラウンドボーラー / △リリーフ向き?
昨季20セーブを挙げたクレイ・ホームズ(NYY)になり得る素材。21年ドラフト8巡目ながら昨季急成長。大きく横滑りするスライダーと92-95マイルのシンカーを武器にグラウンドボール率53%を記録。コマンドやフォームの面から先発適性に疑問のスカウトもいるが、仮にリリーフに回ってもホームズのようなハイレバレッジのリリーバーになれるだろう。
Will Warren


8.フアン・カレーラ(RHP)/Juan Carela:21歳
(A/A+)4.21ERA 107.0IP BB/9=4.4 K/9=11.0
〇スライダー シンカー グラウンドボーラー / △コントロール
スライダーの握りを変えたことで横変化量が増し、マネーピッチに変貌。スピンレート2400超えのシンカーと組み合わせて三振&ウィークコンタクトを量産する。Aでは53.9%のグラウンドボール率を記録した。先発に残るには平均92マイル程度の速球のパワーアップとBB/9=4.4のコントロール改善が求められる。
Juan Carela


9.
ドリュー・ソープ(RHP)/Drew Thorpe:22歳
◯チェンジアップ コントロール / △球速
22年ドラフト2巡目。大学米国代表でもプレーした実力者で、22年は10勝1敗、全米1部リーグで2位の149Kをマークした。速球は平均90.5マイルとパワーレスだが、ダブルプラスのチェンジアップで打者を翻ろうする。コントロールもプラス評価で、ローテーション下位向き。

10.ルイス・セルナ(RHP)/Luis Serna:18歳
(R)1.96ERA 41.1IP BB/9=3.7 K/9=12.2
◯チェンジアップ / △素材型 体格
身長5フィート11とアンダーサイズで速球も90-91マイル程度だが、70マイル台でブレーキの利いたチェンジアップがプラスピッチ候補。17歳にしてRでの10先発で防御率1.96と好投を見せた。スライダーやカーブも扱え、体格的にもまだビルドアップの余地を残してるため、球速を数マイル伸ばせれば面白い存在。

11. クレイトン・ビーター(RHP)/Clayton Beeter:24歳
(2A)4.56ERA 77.0IP BB/9=5.4 K/9=15.1
◯速球 カーブ 奪三振 / △耐久性 コマンド リリーフ向き?
20年ドラフト2巡目。コントロールの悪さや肘の故障歴からリリーフ向きとの見方が強いが、最速98マイルの速球とプラスのカーブのコンビネーションは強烈。プロ入り後はオープナーとして育成されていたが、昨夏NYYにトレード後は7先発で25.1回を投げて防御率2.13と好投した。

FV40

12.ランディ・バスケス(RHP)/Randy Vasquez:24歳
(2A)3.90ERA 115.1IP BB/9=3.2 K/9=9.4 K/BB=2.93
◎カーブ / △コントロール 第3球種
21先発して防御率2.52をマークした21年から数字は落としたが、
スピンレート3100rpmのカーブは魅力。速球とカーブ以外の球種がもう一つで、全体的なコマンドも未熟なため、リリーフで輝くタイプか。

13.ヨエンドリス・ゴメス(RHP)/Yoendrys Gomez:23歳
(R/A/A+)2.49ERA 47.0IP BB/9=3.4 K/9=9.4
◯速球 3球種 / △素材型 スタミナ 耐久性
潜在能力は傘下でもトップクラスだが、19年の56.1イニングが最多プレーとコンディション面に不安があるそれでも4シームは平均94~95マイル、平均スピンレート2500rpms超と優秀な数値を残し、加えてカーブ&チェンジアップも精度が高い。スタミナにも課題があり、耐久面への不安から最終的にはリリーフに落ち着く?

◯変化球 / △コントロール
22年ドラフト3巡目。BB/9=5.1、防御率4.91とドラフトイヤーに調子を崩してしまったが、スライダー&カーブはいずれもスピンレートが2500-2800とプラスピッチ候補。コマンドを取り戻し、現在93-93マイル程度の速球がパワーアップできればブレークの可能性もある。

(R/A/2A)71G 20HR 25BB 58K .296/.962
◯パワー アプローチ / △3B守備 
ヒッティングプロスペクト。レッグキックの大きいフォームから豪快なパワーを繰り出し、21年オフに参加したAFLでは打球速度117マイルの二塁打を放った。ちなみに21年のMLBで117マイル以上の打球を放ったのは10人だけ。3B守備はミスが多く、将来的には1Bに回ることになるだろう。

16.ルイス・ヒル(RHP)/Luis Gil:25歳
(3A)7.89ERA 21.2IP BB/9=6.2 K/9=12.9
◎速球 / △チェンジアップ TJ手術明け / ✖コントロール
21年はMLBデビューを果たすと6先発で防御率3.07と結果を出し、ローテーション定着が期待されていたが、22年はスランプ。5月にTJ手術を受けたため、23年も大半をリハビリに費やす見込み。健康であれあ平均96マイルでホップ成分の強い4シームと変化量大のスライダーのコンボ。
(A+/2A)111G 16HR 66BB 118K .240/.763
◯アプローチ / △走力 打撃フォーム コンタクト
21年ドラフト1巡目指名。ヒットツールの評価が高く、大学ではBB>Kをマークするなどゾーンコントロールが巧い。22年も四球率13.0%と強みを発揮したが、
一方でレッグキックの大きいフォームで、低打率に悩まされた。守備はスピード不足のため2Bか3Bにコンバートされることになるだろう。

18.ブロック・セルビッジ(LHP)/Brock Selvidge:20歳
(R)2.95ERA 42.2IP BB/9=3.6 K/9=11.2
◯コマンド 4球種 / △球威 
21年ドラフト3巡目の高卒左腕。MAX95マイルの速球、プラスピッチ候補のスライダー、まずまずのチェンジアップの3球種を投げ分け、Rでは9先発で防御率2.95と好投。6-3/205と体格も恵まれており、ポテンシャルはローテーション4番手相当。

19.
ヨーリン・カルデロン(RHP)/Yorlin Calderon:21歳
(R/A)3.88ERA 58.0IP BB/9=2.5 K/9=11.6
◎速球 / △素材型 変化球 コントロール
1Aデビュー戦で7イニングノーヒッターを達成するなど快投。シンカーはアベレージで90マイル程度だが、スピンレート2500超のスライダーで空振りを量産する。先発を続けていくには速球のパワーアップが求められる。
(A/A+)3.70ERA 112.0IP BB/9=1.6 K/9=10.5
〇速球 ストライク先行 / △2ピッチタイプ
シーズン通してK/BB=6.55、A+昇格後は5先発で防御率0.55・K/BB=12.67と圧巻のパフォーマンス。夏場以降に調子を上げ、4シームは平均94マイルに達していた。投球の9割が4シームとスライダーという2ピッチタイプで、リリーフ向きか?

Sleeper Prospects

(A/A+)4.47ERA 90.2IP BB/9=4.8 K/9=7.7
〇シンカー / △対左打者 コントロール
平均92マイルで変化量大のシンカーとスピンレート2600超のスライダーのコンビネーション。コマンド&第3球種の弱さから、左打者に対して被OPS.830・26BB/24Kと対左打者対策が課題。左打者を攻略できれば先発としての可能性が見えてくるだろう。

(A)95G 14HR 83BB 156K .195/.742
◎パワー / △素材型 / ✖コンタクト
ハイリスクハイリターンのパワーモンスター候補。21年はR/Aで14本塁打・OPS1.122と好成績を残したが、22年は懸念されていたコンタクト難に悩まされた。空振りの多さをどう改善していくか。

タイラー・ハードマン(3B)/Tyler Hardman:24歳
(A+/2A)111G 22HR 40BB 142K .255/.783
◯パワー / △コンタクト 
21年ドラフト5巡目。平均以上のパワーを武器に22年は傘下トップの22本塁打を放った。大学時代は1Bがメインだったが、昨季は1年間3Bでプレー。A+のリーグの監督が選ぶ「Best Defensive 3B」に選出されるなど上達を見せた。

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