2021年12月22日水曜日

2022 NEW YORK YANKEES TOP 20 PROSPECTS

2022 NEW YORK YANKEES  

TOP 20 PROSPECTS

Anthony Volpe

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。

1.アンソニー・ボルピー(SS)/Anthony Volpe:21歳
(A/A+)109G 412AB 27HR 78BB 101K .294/.423/.604/1.027
◯打撃 パワー 野球IQ / △肩 2B向き?
19年ドラフト1巡目の高卒選手。パワーが開眼し、マイナーで27本塁打を放つなどブレーク。バレル性の打球を量産し、Aでは平均打球速度91.5マイル(昨季のMLBであれば上位15%に入る水準)をマークしていた。走守のツールは平均的だが、野球IQでカバー。走塁では33盗塁を決めた。SS守備も堅実だが、肩の弱さから将来は2Bコンバートと見るスカウトも。
Anthony Volpe

2.オズワルド・ペラザ(SS)/Oswald Peraza:22歳
(A+/2A/3A)115G 465AB 18HR 37BB 111K .297/.356/.477/.834
◯スピード SS守備 打撃 / 
マイナー3年で5本塁打止まりだったが、課題の打撃を磨いて昨季18本塁打・26二塁打とブレーク。19年と比べるとゴロ率が減少し、その分ライナー性の打球割合が増えている。打球速度も優秀で、まだまだ本塁打増が狙える。走塁では、プラスのスピードを生かして自己最多の38盗塁。SS守備も平均以上の評価。
Oswald Peraza
(R/A)56G 206AB 5HR 27BB 73K .252/.353/.379/.731
〇パワー / △素材型 体型
19年の国際アマチュアFAで契約金510万ドルでNYY入りの大器。CFで「30-30」も可能なポテンシャルと評判だったが、渡米すると肉ダルマのような体型になっており、走守のツールはグレードダウンしていた。打撃面は18歳にしてAに適応を見せ、9月は最高でOPS.777に達していた点は評価したい。また、平均打球速度は86マイルと平凡だったが、最速111マイルを計測するなど実戦でもパワーポテンシャルを発揮できた点は好材料。

4.ルイス・ヒル(RHP)/Luis Gil:24歳
(2A/3A)3.97ERA 79.1IP BB/9=5.1 K/9=13.3 K/BB=2.60
(MLB)3.07ERA 29.1IP BB/9=5.8 K/9=11.7 K/BB=2.00
◎速球 / △チェンジアップ 即戦力 / ✖コントロール
21年はMLBデビューを果たすと6先発で防御率3.07と結果を出し、来季のローテーション定着が期待される。平均96マイルでホップ成分の強い4シームと変化量大のスライダーのコンボ。MLBでは速球とスライダーの2球種が全投球の9割以上を占めており、単調な投球スタイルと言わざるを得ない。先発に残るにはコントロールとチェンジアップの改善が課題だろう。

5.エバーソン・ぺレイラ(OF)/Everson Pereira:21歳
(R/A/A+)49G 188AB 20HR 28BB 61K .303/.398/.686/1.084
◯CF守備 パワー / △素材型 コンタクト
「爆発的なツールはないが守備の良いプロスペクト」として、アルバート・アルモラ(前カブス)と比較されていたが、21年はパワーが覚醒し49試合で20本塁打を放った。Aではランチアングル17.1度・フライボール率42%と打球に角度をつけることができていたのが本塁打増の要因と言えそうだ。CF守備でもBaseball Prsopectusの出す守備指標FRAAで+1.2と良い数字を残しており、打撃の荒さを取り除くことができれば攻守にスケールの大きい選手になれるだろう。
Everson Pereira

6.ルイス・メディーナ(RHP)/Luis Medina:23歳
(A+/2A)3.39ERA 106.1IP BB/9=5.1 K/9=11.3 K/BB=2.22
◎速球 / ◯変化球 奪三振 / ✖コントロール
最速103マイルの速球とダブルプラスのハンマーカーブのコンボは強烈。4位のヒルに比べ、第3球種であるチェンジアップのクオリティが高いのがプラス材料。改善傾向にあるが、マイナー5年でBB/9=6.3とコントロールが壊滅的。コントロールさえ良くなればエース級の投手になれるだろうが、リリーフ転向が現実的か。

(A)3.42ERA 23.2IP BB/9=3.4 K/9=11.0 K/BB=3.22
◯速球 3球種 伸びしろ / △素材型 スタミナ
スラリとした体格で伸びしろが期待できる右腕。21年のブレークが期待されていたが、肩の故障&コロナ感染により9試合の登板にとどまった。それでも4シームは平均94~95マイル、平均スピンレート2500rpms超と優秀な数値を残し、加えてカーブ&チェンジアップも精度が高く、エース級のポテンシャルの片鱗は見せた。メカニックもクリーンで制球も向上が見込まれる。細身の体型のためスタミナ面に課題。

8.オズワルド・カブレラ(IF)/Oswaldo Cabrera:23歳
(2A/3A)118G 467AB 29HR 41BB 127K .272/.330/.533/.863
◯パワー 守備 ユーティリティー / △コンタクト
元々はコンタクト寄りのバッターだったがコロナ休止中に筋力をつけ、またスイングもフライ意識に変更したことで、21年は29本塁打&31二塁打を放つなどパワーが覚醒。守備では本職はSSだが、昨季はチーム状況もあり2B/3Bでの起用が増えた。Baseball Prsopectusの守備指標FRAAでは18年からプラスを出し続けており(21年は2Aで+3.1)、強打のスーパーユーティリティになり得る。
(A/A+)103G 382AB 16HR 71BB 117K .264/.390/.476/.867
◯打撃 / △スピード C守備
20年ドラフト1巡目。カイル・シュワバー(前BOS)と比較されており、守備に難がある攻撃型捕手。Aでは平均打球速度88マイルと、プロ入り前に平均以上と評されたパワーは平均レベルだったが、四球率15.1%の選球眼はさすが。チームはウェルズを捕手に残れると見ているが、ブロッキング&スローイング共に難があり厳しい状況。プロ1年目は70試合マスクをかぶって盗塁阻止率はわずか13%だった。大学では1B/LFの経験があり、シュワバーのように捕手から移ることになるだろう。(R/A)32G 115AB 7HR 22BB 31K .261/.384/.548/.932
◯アプローチ / △スピード 打撃フォーム
21年ドラフト1巡目指名。ヒットツールの評価が高く、大学ではBB>Kをマークするなどゾーンコントロールが巧い。プロでも四球率15.9%をマークするなど強みを発揮。一方でレッグキックの大きいフォームで、Aでの少ないサンプルながら平均打球速度83マイルとハードコンタクトを生み出すのに苦戦していた。守備は堅実だがスピード不足のため2Bか3Bにコンバートされることになるだろう。
(A+/2A)3.03ERA 110.0IP BB/9=4.2 K/9=13.3 K/BB=3.20
◯速球 奪三振 / △変化球 コントロール
21年はマイナー全体で4位となる163Kをマークするなどブレーク。低めのスリークォーターからエクステンションに富んだライジングファストボールが威力抜群。一方で変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップと扱うがどれもプラスピッチではなく、またコントロールも平均以下のため、2Aでは防御率4.20と失速した。先発に残るには変化球&コントロールの改善が必要。
(A+/2A/3A)3.25ERA 130.1IP BB/9=2.5 K/9=10.4 K/BB=4.19
◯速球 スライダー コントロール / △コマンド 第3球種
90マイル中盤でムーブ大の4シーム&2シームでパワフルにゾーンを攻める。第2球種のスラーブもプラスピッチだが、チェンジアップ&カッターの精度が今一つ。ストライク先行で与四球は少ないが、ゾーンの甘い所に集まる傾向があり、先発としてやっていくには、変化球とともに細かいコマンドを磨いていく必要がある。

13.
クラーク・シュミット(RHP)/Clarke Schmidt:26歳
(R/A/2A/3A)2.37ERA 38.0IP BB/9=2.8 K/9=10.9 K/BB=3.83
(MLB)5.68ERA 6.1IP BB/9=7.1 K/9=8.5 K/BB=1.20
◯カーブ / △耐久性 チェンジアップ
17年ドラフト1巡目指名の右腕だが、度重なる故障により評価は下降気味。21年は春季トレーニングで肘を痛めると、その後MLBでは少ないサンプルながら速球のスピード&カーブのスピン量はいずれも下がっていた。耐久面に不安があり、チェンジアップも扱えないため、そろそろリリーフに本格転向した方がよさそうだ。
(R)42G 150AB 3HR 20BB 40K .273/.362/.393/.755
◯スピード コンタクト / △素材型 パワー 
18年に契約金250万ドルで入団した大器。ダブルプラスのスピードが武器の両打ちSSで、リードオフポテンシャルを示す。打撃はゾーンコントロールに優れ、21年は四球率11.5%をマーク。筋力をつけて平均以下のパワーを伸ばしていきたい。

15.
デイビー・ガルシア(RHP)/Deivi Garcia:23歳
(3A)6.85ERA 90.2IP BB/9=6.8 K/9=9.6 K/BB=1.43
(MLB)6.48ERA 8.1IP BB/9=4.3 K/9=7.6 K/BB=1.75
◯3球種 / △体格 コントロール 球威
175㎝/73㎏とアンダーサイズながら、20年はMLBデビューすると6先発で3勝をあげ、PSでもオープナーとして先発を託されるなど21年のブレークが期待されていた。しかし、21年は極度のスランプに陥り、速球のスピードは91マイル前後、変化球のコマンドもバラバラで、3Aでは90.2回で68四球を出すなど悲惨な投球内容だった。

16.
ブレンダン・ベック(RHP)/Brendan Beck:23歳
◯コマンド 4球種 / △球威 
21年ドラフト2巡目。一部リーグ4位となる143Kを奪うなど活躍し、カンファレンスの最優秀投手に選ばれた。速球、変化球ともにプラスピッチは無いが、4球種をしっかりとコマンドするワークホース向きの投手。兄トリスタンはSFマイナー所属。

17.
ランディ・バスケス(RHP)/Randy Vasquez:23歳
(A/A+/2A)2.52ERA 107.1IP BB/9=3.2 K/9=10.9 K/BB=3.42
◎カーブ / 〇速球 奪三振 / △コントロール チェンジアップ
21年は自己最多の21試合に先発し8勝をあげるなどブレーク。スピンレート3100rpmのカーブがベストピッチで、93-96マイルの4シームとの組み合わせで三振を量産する。第3球種のチェンジアップは変化こそ良いが、コントロールが悪くほとんどコースに決まらない。体も小さく、全体的なコマンドも未熟なため、リリーフで輝くタイプか。

18.ジョシュ・ブロー(C)/Josh Breaux:24歳
(A+/2A) 90G 350AB 23HR 26BB 99K .249/.298/.503/.801
◯パワー フレーミング / △アプローチ 送球
18年ドラフト2巡目。ゲーリー・サンチェスと比較されるパワーヒッター捕手で、21年は自己最多の23本塁打を放った。一方で、プルヒッターでアプローチが雑な点がネック。守備では送球に難があり、盗塁阻止率13%止まりだったが、フレーミングが素晴らしく、Baseball Prsopectusの出す守備指標FRAAは+11.0と高水準だった。

19.
アンソニー・ガルシア(1B)/Anthony Garcia:21歳
(R/A)39G 121AB 14HR 31BB 50K .306/.444/.678/1.122
◎パワー / △素材型 コンタクト
ハイリスクハイリターンのパワーモンスター候補。R/Aでは39試合の出場で14本塁打を放つなどパワーポテンシャルを披露。Aでは打球速度平均91.8マイル/最速115.7マイルを計測。バレル率16.1%、ハードヒット率51.6%と凄まじい才能を見せた。一方で三振率32.7%、Aでのコンタクト率56.8%と空振りが多く、マイナー上位への適応に苦しむ可能性がある。
Anthony Garcia
(A/A+)93G 339AB  13HR 47BB 85K .263/.362/.463/.825
◯アプローチ パワー スピード / △両翼向き? 守備 
5巡目までしか行われなかった20年ドラフトで指名漏れした選手の中ではトップ級の評価を受け、その後ドラフト外でNYY入り。打撃&走塁のスキルが高く、21年は13本塁打&28盗塁をマーク。Aでは平均打球速度89.7マイルを計測した。大学では1B/LFで起用されており、守備面の評価は今一つ。21年はCFでも起用されたが、コーナーが適任だろう。

Sleeper Prospects

(R/A)6.38ERA 42.1IP BB/9=4.9 K/9=10.4 K/BB=2.13
〇速球 変化球 / △素材型 コントロール
93-95マイルのランニングファストに、スライダー&チェンジアップも切れるハイポテンシャルな右腕。制球難が致命的だが、Rでは5先発でBB/9=2.0と改善の兆しを見せていた(その後AでBB/9=8.0)。6-3/180と細身で体格的な伸びしろもまだ十分に残っている。

(R/A)6.52ERA 38.2IP BB/9=7.2 K/9=11.6 K/BB=1.61
◎速球 / △素材型 変化球 コントロール
6-4/180の恵まれた体格から100マイルの速球を投げ込むロマンあふれる右腕。第2球種としてスラーブ系のスライダーを扱う。Rでは3登板で10.1回/無失点という完璧な投球を見せ、Aに昇格したが、Aでは8先発/防御率8.89と撃沈。チームはユーリエのメークアップを高く買っているとの情報があり、来季の進化に期待したい。

ライダー・グリーン(OF)/Ryder Green:22歳
(R/A)50G 170AB 6HR 24BB 67K .235/.355/.406/.761
◯パワー アスレチック 肩 / ✖コンタクト 
18年ドラフト3巡目。バンダービルト大へのコミットメントがあったが、オーバースロットとなる契約金でプロ入りとなった。選手としての完成系はハンター・レンフロー(MIL)で、荒削りながら20+ホーマーが期待できるパワーとRFとしては平均以上の守備能力を持ち併せせる。コンタクトの荒さを改善していくことがブレークの鍵。

フィデル・モンテロ(OF)/Fidel Montero:18歳
(DSL)52G 171AB 4HR 44BB 90K .193/.387/.339/.726
◯パワー スピード 肩 / △素材型 コンタクト 
国際アマチュアFAとして契約が解禁となる直前に評価を上げ、2020-21年クラスの選手の中ではトップ級の逸材になったにもかかわらず、NYYがわずか$450Kでスティールに成功した原石。「20-20」が期待できるポテンシャルを秘め、守備はRFが適任とされる。DSLでは三振率40%とホロ苦デビューとなった。

アンドレス・チャパロー(3B)/Andres Chaparro:23歳
(A/A+)101G 359AB 15HR 60BB 93K .267/.381/.468/.849
◯パワー アプローチ / △3B守備 
ヒッティングプロスペクト。レッグキックの大きいフォームから豪快なパワーを繰り出し、オフに参加したAFLでは打球速度117マイルの二塁打を放った。ちなみに21年のMLBで117マイル以上の打球を放ったのは10人だけ。また、四球率13.9%/三振率21.5%とアプローチも良く、ボール球に手を出さない。3B守備はミスが多く、1Bでも35試合に出場。
Andres Chaparro

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