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2020年12月30日水曜日

2021 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2021 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Spencer Howard

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.スペンサー・ハワード(RHP)/Spencer Howard:24歳
(R/A+/2A)2.03ERA 71.0IP BB/9=2.0 K/9=11.9 K/BB=5.88
(MLB)5.92ERA 24.1IP BB/9=3.7 K/9=8.5 K/BB=2.30
◎速球 / ◯奪三振 4球種 / △肩のコンディション
次期エース候補筆頭。20年はメジャーデビューしたが肩の違和感により6先発でシャットアウトとなった。93-99マイルの速球でゾーンを突く制球力も持ち併せ、スライダー&チェンジアップは打者の手元で鋭く切れてピッチトンネルを通すことができる。特にスライダーは空振り率40.7%とよく切れた。フォームも滑らかで、コマンドを磨くことができればローテーション2番手クラスになれるだろう。
Spencer Howard

2.
ブリソン・ストット(SS)/Bryson Stott:23歳
(R/A-)48G 166AB 6HR 24BB 39K 5SB .295/.391/.494/.885
◯コンタクト 肩 守備 / △2B/3B向き?
19年ドラフト1巡目。目立ったツールはないが欠点も少ない完成度の高い内野手。その中でもヒットツールが1番評価されており、コンタクト&アプローチを両立している。守備面でもハードワークに取り組んでおり向上が著しい。SSとしては6-3/200と大柄なため、2Bや3Bにコンバートされる可能性は高いが、どのポジションでも平均以上のディフェンダーになれるだろう。20年は代替キャンプで経験を積んだ。
Bryson Stott

3.ミック・エイベル(RHP)/Mick Abel:19歳
◯速球 3球種 コントロール 体格 / △素材型 スタミナ
20年ドラフト1巡目。MLB公式、BAともにドラフト前のランキングでは高校生投手No.1評価だった。20年はパンデミックにより実戦経験を積むことができなかったが、ブルペン投球で最速99マイルを計測。スライダーもプラスピッチで、チェンジアップ&コマンドも平均以上と評判。体格と運動能力にも恵まれており、エースポテンシャル。課題のスタミナを磨いていきたい。

4.フランシスコ・モラレス(RHP)/Francisco Morales:21歳
(A+)3.82ERA 96.2IP BB/9=4.3 K/9=12.0 K/BB=2.80
◯奪三振 速球 スライダー 体格 / △コントロール チェンジアップ
最速98マイルの速球と19年に空振り率30%を記録したスライダーの2球種がプラスピッチ。チェンジアップも落差があり、第3球種として確立しつつある。しかしリリースが不安定でコントロールを見失う場面が見られ、チェンジアップの向上と共に先発投手に残るための課題となるだろう。

5.
ラファエル・マーチャン(C)/Rafael Marchan:22歳
(A/A+)85G 314AB 0HR 30BB 39K .261/.333/.325/.658
(MLB)3G 8AB 1HR 1BB 2K .500/.556/.875/1.431
◎守備 / ◯肩 / ✖パワー 
素晴らしい守備力を有した司令塔候補。アジリティ、ブロッキング、ブレ―ミング、スローイングどれも素晴らしく捕手としての欠点は少ない。打撃はコンタクト能力に優れているが、マイナー通算5年で210試合プレーして0本塁打とパワーレスがネック。しかし、メジャーでは初ホームランを放ち、限られたサンプルながら平均打球速度92マイルを計測。
Rafael Marchan
(2A)4.94ERA 105.2IP BB/9=3.5 K/9=7.0 K/BB=2.00
(MLB)4.50ERA 4.0IP BB/9=6.8 K/9=9.0 K/BB=1.33
◯速球 3球種 スタミナ / △コマンド
91-96マイルのムーブの利いた速球&スライダー&チェンジアップと優秀な3ピッチを兼ね備える。ローテーション3番手クラスのスペックの高さも、パフォーマンスが付いてこない。細かいコマンドに欠けるため、19年は四球が増えてしまった。また、ツーシーム多用の投球を本人が好んでいるため、球威の割に三振数も伸びない。20年はメジャーデビューを経験。

7.
ルイス・ガルシア(SS)/Luis Garcia:20歳
(A)127G 467AB 4HR 44BB 132K 9SB .186/.261/.255/.516
◯SS守備 肩 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
レギュラーSSに十分なポテンシャルを秘めるが、19年は5-11/170フィジカルが未完成でパワーレスから打撃不振に苦しんだ。しかし、SS守備は平均以上であり、リーグ平均よりも3.5歳を若かった点を考慮すればまだ見込みはある。20年はビルドアップに励み、20ポンドの増量に成功。教育リーグではMAX107マイルの打球を放った。
◎スピード / ◯パワー / △コンタクト 
20年ドラフト3巡目。20年ドラフト組ではNo.1のアスリートと評されていた。「25-25」を狙えるパワー&スピードの持ち主だが、攻守に荒さが目立つ。打撃は大振りのため大学通算148試合/165Kとコンタクトに不安があり、プロに適応できるかは疑問が残る。ハイリスクハイリターン。

9.ジョジョ・ロメロ(LHP)/JoJo Romero:24歳
(2A/3A)5.82ERA 111.1IP BB/9=3.8 K/9=7.4 K/BB=1.96
(MLB)7.59ERA 10.2IP BB/9=1.7 K/9=8.4 K/BB=5.00
◯5球種 / △リリーフ起用?
5球種を織り交ぜるワークホース。19年は速球が90マイルを割るなどコンディションが不安定で2A降格も経験した。しかし終盤に3A復帰後は91-93マイルにまで回復し、オフのAFLでリリーフ登板時には最速96マイルも計測した。20年はリリーフとしてメジャーデビューを果たし、4シームは平均95.3マイルを計測とパワフルな内容。スライダー&チェンジアップはいずれも空振り率30%以上とよく切れた。

10.エニネル・デロスサントス(RHP)/Enyel De Los Santos:24歳
(3A)4.40ERA 94.0IP BB/9=3.4 K/9=7.9 K/BB=2.37
(MLB)7.36ERA 11.0IP BB/9=4.1 K/9=7.4 K/BB=1.80
◯速球 3球種 / △コマンド 
92-98マイルの速球が武器のパワーアーム。18年は3Aでリーグ2位となる防御率2.63と好投したが、19年は大きく数字を落としてしまった。コントロールは悪くないが細かいコマンドが平均以下で、シュート方向に切れる速球が真ん中に甘く入ったところを痛打された。20年はメジャーでのプレーがなかった。

11.
ヨハン・ロハス(OF)/Johan Rojas:20歳
(R/A-)60G 238AB 2HR 14BB 41K 14SB .265/.313/.429/.741
◯スピード CF守備 /△コンタクト
運動能力が高く、スピードとCF守備の2つがプラスツール。しかしヒットツールが疑問視されており、パワーポテンシャルを発揮するためには辛抱強いアプローチを覚えていく必要がある。メジャー到達にはまだ時間がかかるだろうが、フィリーズ幹部はロハスのメークアップを買っている。20年は筋力トレーニングに励んだ。

12.
エリック・ミラー(LHP)/Erik Miller:23歳
(R/A-/A)1.50ERA 36.0IP BB/9=3.8 K/9=13.0 K/BB=3.47
◯スライダー 奪三振 / △コントロール リリーフ向き? 
19年ドラフト4巡目ながらプロデビューで支配的なパフォーマンス。90-92マイルの速球とプラスのスライダーのコンビネーションで多くの空振りを奪える。第3球種のチェンジアップも効果的に扱うことができる。しかし平均以下のコントロールとコマンドからブルペンに回るだろうと見られている。

13.イーサン・リンドウ(LHP)/Ethan Lindow:22歳
(A/A+)2.52ERA 110.2IP BB/9=1.8 K/9=9.7 K/BB=5.41
◎コマンド / △球威
4球種でストライクが取れるローテーション下位ポテンシャル。速球は最速でも92マイル止まりだが、コマンド&スピンレートが優秀で。高めの速球とチェンジアップを自在に組み合わせて空振りが奪える。ブレーキングボールは磨いている段階だが、カーブとカッター気味のスライダーを扱うことができる。(A+/2A/3A)2.91ERA 114.1IP BB/9=4.6 K/9=12.0 K/BB=2.58
◯速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ コマンド
6フィート5の長身でエクステンションを生み出し、リリースの見にくいフォームも生かして多くの空振りを生み出せる。最速96マイルの速球とカーブの2球種がプラスピッチで、チェンジアップの向上にも取り組んでいる。平均以下のコマンドを磨いていけるかが将来を左右するだろう。(2A)119G 465AB 11HR 33BB 111K 15SB .252/.303/.439/.741
(MLB)8G 14AB 0HR 4BB 6K .214/.389/.214/.603
◯メークアップ / △パワー 
16年ドラフト全体1位指名。走攻守と欠点が少ないがプラスのツールもない。19年はキャリアハイとなる11本塁打・長打率.439とパワー向上が見られたが、マイナー4年でOPS.692ではメジャーでレギュラーを張るのは厳しいと言わざるを得ない。第四の外野手止まりと見るスカウトも多い。20年はメジャーデビューを経験。

16.
ニック・マトン(SS)/Nick Maton:24歳
(A+/2A)114G 399AB 7HR 50BB 85K 12SB .266/.349/.376/.725
◯アプローチ 守備 / △パワー
フィル・マトン(インディアンス)の弟。攻守に確実性が高く、少なくともユーティリティーにはなれるだろう。パワーを磨く必要はあるが四球率12.5%とゾーン理解に優れる。メークアップに優れ、守備も平均程度から平均以上に向上した。20年は代替キャンプで年上選手との対戦経験を積んだ。


17.
サイモン・ムジオティ(OF)/Simon Muzziotti:22歳
(A+)110G 425AB 3HR 32BB 60K 21SB .287/.337/.372/.709
◯コンタクト CF守備 / △パワー
19年は投手有利なリーグで健闘し、20年はパンデミックで中止になるまで春季トレーニングに参加していた。細身でパワーレスだが、平均以上のコンタクト力を生かしたギャップヒッター。フライボール率の向上に取り組んでいる。CF守備では広大なカバー範囲を示し、傘下No.1の守備力を誇っている。最低でも守備が計算できるため、第四の外野手にはなれるだろう。

18.ジャマリ・ベイラー(SS)/Jamari Baylor:20歳
(R)4G 11AB 0HR 1BB 2K .273/.333/.455/.788
◯スピード パワー 肩 /△コンタクト 素材型
19年ドラフト3巡目の高卒選手。プラスのスピードを有し、平均以上の打者になれるポテンシャルを秘める。打撃ではヒットツールに不安があるもののバットスピードが速くパワフル。守備では打球反応、肩の強さいずれも平均以上だが、動きや握り替えがやや鈍く、2Bや外野に回るリスクもある。

19.
ベイリー・フォルター(LHP)/Bailey Falter:24歳
(2A)3.84ERA 77.1IP BB/9=1.7 K/9=7.2 K/BB=4.13
◯コマンド / △チェンジアップ
滑らかな投球フォームと6-4/175の体格からポテンシャルを高く評価されている。それでいてマイナー5年でK/BB=4.75とコマンドに優れている。89-93マイルの速球とカーブ主体にゾーンを攻める投球で、チェンジアップは発展途上。

20.
マウリシオ・ルロベラ(RHP)/Mauricio Llovera:25歳
(2A)4.55ERA 65.1IP BB/9=3.9 K/9=9.9 K/BB=2.57
(MLB)36.00ERA 1.0IP BB/9=9.0 K/9=9.0 K/BB=1.00
◯速球 奪三振 / △コンディション不良 球速低下
5-11/200と上背はないが、最速97マイルの速球はパワフル。第2球種のチェンジアップも19年に空振り率26%と効果的。第3球種のスライダーはキレを磨いていく必要がある。19年は前腕の故障により球速低下に悩まされ、後半戦を離脱した。健康にプレーできるかがポイント。20年はメジャーデビューを経験。

Plus One Prospect
ケンドール・シモンズ(2B/3B)/Kendall Simmons:21歳
(A-)51G 171AB 12HR 20BB 54K .234/.333/.520/.854
◯パワー / △守備 コンタクト
空振りの多いプルヒッターでヒットツールに疑問も、ダブルプラス相当のパワーポテンシャルを秘める。フライボール率47.1%のフライボールヒッターぶりからコンタクトが安定するようになれば攻撃型ユーティリティーとして面白いだろう。守備は打撃以上に発展途上で、すでに本職のSSを離れている。フットワーク&ハンドリングいずれも要改善。仮に改善されても平均以下止まりと見られている。

2020年4月12日日曜日

2020 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2020 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Spencer Howard(RHP)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.スペンサー・ハワード(RHP)/Spencer Howard
(R/A+/2A)2.03ERA 71.0IP BB/9=2.0 K/9=11.9 K/BB=5.88
◎速球 / ◯速球 奪三振 チェンジアップ / △コマンド
成長著しいエース候補。昨年9月のプレーオフでは最速100マイルを計測しノーヒッターを達成した。93-99マイルの速球でゾーンを突く制球力も持ち併せ、スライダー&チェンジアップは打者の手元で鋭く切れてピッチトンネルを通すことができる。コマンドを磨くことができればローテーション2番手クラスになれるだろう。

2.アレク・ボーム(3B)/Alec Bohm
(A/A+/2A)125G 475AB 21HR 57BB 73K .305/.378/.518/.896
◯打撃 パワー / △スピード 3B守備
18年ドラフト全体3位。6-5/225と体格に恵まれており、パワーとアベレージを両立したピュアヒッター。広角にフライボールを放つ技術を身に付けており、四球率10.4%・三振率14.1%とアプローチも極めて優秀。しかしスピードに欠け、3B守備に不安。将来的には一塁転向が現実的だろう。

3.ブリソン・ストット(SS)/Bryson Stott
(R/A-)48G 166AB 6HR 24BB 39K 5SB .295/.391/.494/.885
◯コンタクト 肩 守備 / △2B/3B向き?
19年ドラフト1巡目。目立ったツールはないが欠点も少ない完成度の高い内野手。その中でもヒットツールが1番評価されており、コンタクト&アプローチを両立している。守備面でもハードワークに取り組んでおり向上が著しい。SSとしては6-3/200と大柄なため、2Bや3Bにコンバートされる可能性は高いが、平均以上のディフェンダーになれるだろう。

4.フランシスコ・モラレス(RHP)/Francisco Morales
(A+)3.82ERA 96.2IP BB/9=4.3 K/9=12.0 K/BB=2.80
◯奪三振 速球 スライダー 体格 / △コントロール チェンジアップ
最速98マイルの速球と昨季空振り率30%を記録したスライダーの2球種がプラスピッチ。チェンジアップも落差があり、第3球種として確立しつつある。しかしリリースが不安定でコントロールを見失う場面が見られ、先発投手に残るための課題となるだろう。

5.アドニス・メディーナ(RHP)/Adonis Medina
(2A)4.94ERA 105.2IP BB/9=3.5 K/9=7.0 K/BB=2.00
◯速球 3球種 スタミナ / △コマンド
91-96マイルのムーブの利いた速球&スライダー&チェンジアップと優秀な3ピッチを兼ね備える。ローテーション3番手クラスのスペックの高さも、パフォーマンスが付いてこない。細かいコマンドに欠けるため、昨季は四球が増えてしまった。また、ツーシーム多用の投球を本人が好んでいるため、球威の割に三振数も伸びない。

6.ルイス・ガルシア(SS)/Luis Garcia
(A)127G 467AB 4HR 44BB 132K 9SB .186/.261/.255/.516
◯SS守備 肩 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
レギュラーSSに十分なポテンシャルを秘めるが、5-11/170フィジカルが未完成でパワーレスから打撃不振に苦しんだ。しかし、SS守備は平均以上であり、リーグ平均よりも3.5歳を若い点を考慮すればまだ見込みはある。

7.エニネル・デロスサントス(RHP)/Enyel De Los Santos
(3A)4.40ERA 94.0IP BB/9=3.4 K/9=7.9 K/BB=2.37
(MLB)7.36ERA 11.0IP BB/9=4.1 K/9=7.4 K/BB=1.80
◯速球 / △コマンド チェンジアップ
92-98マイルの速球が武器のパワーアーム。18年は3Aでリーグ2位となる防御率2.63と好投したが、昨季は大きく数字を落としてしまった。コントロールは悪くないが細かいコマンドが平均以下で、シュート方向に切れる速球が真ん中に甘く入ったところを痛打された。ローテーション入りには今年が正念場だろう。

8.ジョジョ・ロメロ(LHP)/JoJo Romero
(2A/3A)5.82ERA 111.1IP BB/9=3.8 K/9=7.4 K/BB=1.96
◯5球種 / △球威 コンディション
5球種を織り交ぜるワークホース。昨季は速球が90マイルを割るなどコンディションが不安定で2A降格も経験した。しかし終盤に3A復帰後は91-93マイルにまで回復し、オフのAFLでリリーフ登板時には最速96マイルも計測した。先発に残るには安定感を高めていきたい。

9.ヨハン・ロハス(OF)/Johan Rojas
(R/A-)60G 238AB 2HR 14BB 41K 14SB .265/.313/.429/.741
◯スピード CF守備 /△コンタクト
運動能力が高く、スピードとCF守備の2つがプラスツール。しかしヒットツールが疑問視されており、パワーポテンシャルを発揮するためには辛抱強いアプローチを覚えていく必要がある。メジャー到達にはまだ時間がかかるだろうが、フィリーズ幹部はロハスのメークアップを買っている。

10.エリック・ミラー(LHP)/Erik Miller
(R/A-/A)1.50ERA 36.0IP BB/9=3.8 K/9=13.0 K/BB=3.47
◯スライダー 奪三振 / △コントロール リリーフ向き? 
90-92マイルの速球とプラスのスライダーのコンビネーションで多くの空振りを奪える。第3球種のチェンジアップも有効に扱うことができる。しかし平均以下のコントロールとコマンドからブルペンに回るだろうと見られている。

11.イーサン・リンドウ(LHP)/Ethan Lindow
(A/A+)2.52ERA 110.2IP BB/9=1.8 K/9=9.7 K/BB=5.41
◎コマンド / △球威
4球種でストライクが取れるローテーション下位ポテンシャル。速球は最速でも92マイル止まりだが、コマンド&スピンレートが優秀で。高めの速球とチェンジアップを自在に組み合わせて空振りが奪える。ブレーキングボールは磨いている段階だが、カーブとカッター気味のスライダーを扱うことができる。


12.コナー・シーボルド(RHP)/Connor Seabold
(R/A+/2A)2.24ERA 56.1IP BB/9=1.8 K/9=9.3 K/BB=5.27
◯3球種 コマンド / △球威
球威は目立ったものではないが、コマンドと打者のタイミングを崩す技術に長けている。特にオフのAFLでは4先発で防御率1.06・K/BB=7.33と支配的なパフォーマンス。90-93マイルの速球に平均的なスライダー、平均以上のチェンジアップを織り交ぜる。

13.デーモン・ジョーンズ(LHP)/Damon Jones
(A+/2A/3A)2.91ERA 114.1IP BB/9=4.6 K/9=12.0 K/BB=2.58
◯速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ コマンド
6-5の長身でエクステンションを生み出し、リリースの見にくいフォームも生かして多くの空振りを生み出せる。最速96マイルの速球とカーブの2球種がプラスピッチで、チェンジアップの向上にも取り組んでいる。平均以下のコマンドを磨いていけるかが将来を左右するだろう。

14.ミッキー・モニアック(OF)/Mickey Moniak
(2A)119G 465AB 11HR 33BB 111K 15SB .252/.303/.439/.741
◯メークアップ / △パワー 
16年ドラフト全体1位指名。走攻守と欠点が少ないがプラスのツールもない。昨季はキャリアハイとなる11本塁打・長打率.439とパワー向上が見られたが、マイナー4年でOPS.692ではメジャーリーガーになるのは厳しいと言わざるを得ない。第四の外野手止まりと見るスカウトも多い。

15.ニック・マトン(SS)/Nick Maton
(A+/2A)114G 399AB 7HR 50BB 85K 12SB .266/.349/.376/.725
◯アプローチ / △パワー
フィル・マトン(パドレス)の弟。攻守に確実性が高く、少なくともユーティリティーにはなれるだろう。パワーを磨く必要はあるが四球率12.5%とゾーン理解に優れる。メークアップに優れ、守備も平均程度から平均以上に向上した。

16.デイビー・グルーヨン(C)/Deivy Grullon
(3A)108G 407AB 21HR 45BB 133K .283/.354/.496/.851
◯パワー 肩 / △コンタクト
アプローチが荒いため高打率は見込めないが、マイナーで2年続けて20本塁打を放ったパワーが魅力。守備では傘下ベスト評価のキャノンアームを有するが、ブロッキングを磨く必要がある。レギュラーに定着できなくてもクリス・アイアネッタのような優秀なバックアップ捕手になれるだろう。

17.ジャマリ・ベイラー(SS)/Jamari Baylor
(R)4G 11AB 0HR 1BB 2K .273/.333/.455/.788
◯スピード パワー 肩 /△コンタクト 素材型
19年ドラフト3巡目の高卒選手。プラスのスピードを有し、平均以上の打者になれるポテンシャルを秘める。打撃ではヒットツールに不安があるもののバットスピードが速くパワフル。守備では打球反応、肩の強さいずれも平均以上だが、動きや握り替えがやや鈍く、2Bや外野に回るリスクもある。

18.ベイリー・フォルター(LHP)/Bailey Falter
(2A)3.84ERA 77.1IP BB/9=1.7 K/9=7.2 K/BB=4.13
◯コマンド / △チェンジアップ
滑らかな投球フォームと6-4/175の体格からポテンシャルを高く評価されている。それでいてマイナー5年でK/BB=4.75とコマンドに優れている。89-93マイルの速球とカーブ主体にゾーンを攻める投球で、チェンジアップは発展途上。

19.マウリシオ・ルロベラ(RHP)/Mauricio Llovera
(2A)4.55ERA 65.1IP BB/9=3.9 K/9=9.9 K/BB=2.57
◯速球 奪三振 / △コンディション不良 球速低下
5-11/200と上背はないが、最速97マイルの速球はパワフル。第2球種のチェンジアップも昨季空振り率26%と効果的。第3球種のスライダーはキレを磨いていく必要がある。昨季は前腕の故障により球速低下に悩まされ、後半戦を離脱した。健康にプレーできるかがポイント。

20.カイル・ヤング(LHP)/Kyle Young
(A+)4.29ERA 21.0IP BB/9=0.4 K/9=10.7 K/BB=25.0
◯体格 コマンド / △素材型 球速 TJ手術明け
6-10/205の規格外の体格からアップサイドを期待される大器晩成型。速球は90マイル前後だが長身から投げ込まれるため威力があり、変化球やコマンドも安定している。19年は4登板しただけで5月にTJ手術を受けることになった。マイナー4年でK/BB=6/15。

Plus One Prospect
ラファエル・マーチャン(C)/Rafael Marchan
(A/A+)85G 314AB 0HR 30BB 39K .261/.333/.325/.658
◯C守備 肩 / ×パワー 
素晴らしい守備力を有した司令塔候補。アジリティ、ブロッキング、ブレ―ミング、スローイングどれも素晴らしく捕手としての欠点は少ない。打撃でもフラットなスイングでライナーを量産するが、パワー&バットスピードが平均以下。マイナー通算5年で210試合プレーして0本塁打。

2019年2月12日火曜日

2019 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2019 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Alec Bohm(3B)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.アレク・ボーム(3B)/Alec Bohm
◯打撃 パワー / △スピード 3B守備
18年ドラフト全体3位。6-5/225と体格に恵まれており、パワーとアベレージを両立したピュアヒッター。R/A-では0ホーマー・OPS.659とパッとしないデビューとなったが、辛抱強いアプローチと無駄のないスイング軌道はスカウトからも好評だった。スピードに欠け、3B守備に不安があり、外野転向も検討されている。

2.ルイス・ガルシア(SS)/Luis Garcia
◯SS守備 肩 コンタクト / △パワー 素材型
18歳にして守備能力が傑出している。滑らかな守備動作で打球に入り、柔らかいグラブ捌きと平均以上の強肩を備えている。打撃は5-11/170の体からパワーに限りはあるが、Rで.369/.433/.488をマーク。平均以上の打者になり得る。

3.アドニス・メディーナ(RHP)/Adonis Medina
◯速球 3球種 奪三振 スタミナ / 
常時92-95マイル、最速97マイルの速球は打者の近くでリリースされるため、球速以上に迫力がある。カーブ&チェンジアップも威力があり、平均から平均以上のボールに向上。ストライク周辺に投げ込む制球力は持っているため、細かいコマンドを磨くことが課題。18年はA+で21先発して防御率4.12も、K/9=9.9・BB/9=2.9だった。

4.アダム・ヘイズリー(OF)/Adam Haseley
◯打撃 / △プラスツール不足
ズバ抜けたツールを持っているわけではないが、滑らかなスイングから長短打を量産するプレースタイルは、M.ブラントリー(インディアンズ)やA.ベニンテンディ(レッドソックス)を連想させる。守備もCFとして及第点レベル。18年はA+/2Aで打率.305・11本塁打・OPS.795をマークした。

5.エネル・デロスサントス(RHP)/Enyel De Los Santos
◯速球 スタミナ / △カーブ
2年連続で145イニング以上投げているパワフルなイニングイーター。92-97マイルの速球を中心にした投球で、80マイル台のチェンジアップでタイミングを外す。18年は3Aで22先発して防御率2.63をマーク。メジャーでも7試合に登板した。平均以下のカーブを磨ければ投球の幅が広がる。

6.ジョジョ・ロメロ(LHP)/JoJo Romero
◯4球種 完成度 コマンド / 
完成度が高く、19年シーズン中のローテーション入りも狙える。91-94マイルの速球を両コーナーにコマンドし、スライダー&カーブ&チェンジアップはいずれも平均から平均以上のボール。ポテンシャルはローテーション3-4番手。18年は2Aで18先発して防御率3.80・K/9=8.4・BB/9=3.5をマーク。

7.スペンサー・ハワード(RHP)/Spencer Howard
◯速球 奪三振 / △コマンド
昨年一気に成長し、評価が急上昇。7月以降は10先発で防御率2.36・K/9=11.8と支配的なパフォーマンス。常時93-95マイルの速球は、プレーオフでは100マイルも計測。スライダー&カッターで空振りを奪いつつ、カーブ&チェンジアップでタイミングを外すこともできる。コマンドを磨ければローテーション2番手級のポテンシャルをさらに発揮することができるだろう。

8.ミッキー・モニアック(OF)/Mickey Moniak
◯メークアップ スピード CF守備 打撃 / △パワー 
16年ドラフト全体1位指名。走攻守のパッケージはC.イエリッチ(マーリンズ)と比較される。しかし、マイナー3年でOPS.671と平凡なパフォーマンスにとどまっている。それでも7月以降はOPS.817・4ホーマーとブレークの兆し(6月末でOPS.517・1ホーマー)を見せている。

9.コール・アービン(LHP)/Cole Irvin
◯球種 コマンド / △球威  
16年ドラフト5巡目。18年は3Aで25先発して防御率2.57・K/9=7.3・BB/9=1.9とブレーク。球威は平均的だが、ゾーン内で上手くボールを動かしてハードコンタクトを許さない。6-4/180と体も大きくイニングイーター向き。ポテンシャルはローテーション4-5番手相当。

10.レンジャー・スアレス(LHP)/Ranger Suarez
◯3球種 コマンド / △球威
18年は2A/3Aで21先発して防御率2.75・K/9=6.2・BB/9=2.5をマーク。速球は90マイル前半で支配力は物足りないが、プラスのチェンジアップでタイミングを外す投球。優れたコマンドで低めに集め、ゴロアウトを稼げる。ロメロよりも球威で劣るが、21歳でメジャーデビューと完成度はピカイチ。

11.デビッド・パーキンソン(LHP)/David Parkinson
◯3球種 / △球威
17年ドラフト12巡目ながらA/A+で21先発して防御率1.45・K/9=10.2・BB/9=2.5と素晴らしいパフォーマンス。球威はズバ抜けていないが、平均レベルの3球種を効果的に織り交ぜる。投球術で抑えるタイプのため、上の階級でもパフォーマンスを維持できるかは微妙。

12.カイル・ヤング(LHP)/Kyle Young
◯体格 / ✖素材型 球速
6-10/205の規格外の体格からアップサイドを期待される大器晩成型。速球は90マイル前後だが長身から投げ込まれるため威力があり、変化球やコマンドも安定している。18年はR/A-/Aで13先発して防御率2.73・K/9=7.6・BB/9=1.4をマーク。

13.ダニエル・ブリトー(2B)/Daniel Brito
◯コンタクト 2B守備 / △パワー 素材型
パワーは未発達だが打撃技術と2B守備がプラス評価。しかしマイナー4年でOPS.670、18年はA/A+で打率.252・4本塁打・OPS.649と平凡なパフォーマンスにとどまっている。滑らかなスイングで左右にライナーを打ち分ける打撃はポテンシャル大。

14.フランシスコ・モラレス(RHP)/Francisco Morales
◯奪三振 速球 体格 / △素材型 変化球 コマンド
6-4/185の体格から最速96マイルの速球を投げ込むポテンシャル大な19歳。変化球やコマンドは未発達だが、体が出来上がってくれば球速UPが見込める。18年はA-で13先発して防御率5.27・K/9=10.9・BB/9=5.3だった。

15.オースティン・リスティ(OF/1B)/Austin Listi
◯パワー アプローチ / ✖守備走塁
17年ドラフト17巡目。パワーが武器で、チーム主砲のR.ホスキンスと重ねるスカウトも多く存在する。18年はA+/2Aで打率.312・18本塁打・OPS.915をマーク。しかし、拙い守備走塁からベンチプレーヤーにすらなれないという厳しい評価もある。上の階級でどれだけ打てるかにかかっている。

16.ドリュー・アンダーソン(RHP)/Drew Anderson
◯速球 カーブ / △チェンジアップ
18年は3Aで19先発して防御率3.87・K/9=7.2・BB/9=2.5と好投。MLBでは12.2回で11K/2BBと安定した投球内容だった。平均93マイルの速球とパワーカーブ主体の投球で、先発を続けていくにはチェンジアップの精度を高めてゴロアウトを増やしたいところ。

17.ベイリー・フォルター(RHP)/Bailey Falter
◯コマンド / △チェンジアップ
滑らかな投球フォームと6-4/175の体格からポテンシャルを高く評価されている。それでいてマイナー4年でK/9=8.4・BB/9=1.7とコマンドに優れている。18年はA+で防御率2.79をマーク。89-93マイルの速球とカーブ主体にゾーンを攻める投球で、チェンジアップは発展途上。

18.マウリシオ・ルロベラ(RHP)/Mauricio Llovera
◯速球 奪三振 / 
5-11/200と上背はないが、エクステンションに富んだ最速97マイルの速球はパワフル。スライダー、チェンジアップでも空振りが取れる。球威だけならローテーション3-4番手相当のポテンシャル。18年はA+で22先発して防御率3.72・K/9=10.2・BB/9=2.5をマークした。

19.ディラン・カズンズ(OF)/Dylan Cozens
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
16年にマイナー全体トップの40ホーマーを記録したパワーモンスター。パワーは素晴らしいが、コンタクトが壊滅的で3Aでは打率.246・三振率35.6%。それでも88試合で21ホーマーを放った長打力がメジャーでも発揮できるか。アメフトでも活躍した身体能力のおかでげ、大柄な体格の割に守備走塁は動ける。

20.ホゼ・プホルス(OF)/Jose Pujols
◯パワー /✖コンタクト
長身細身の体型から豪快なスイングを披露する長距離砲候補。大振りのため三振率33%とコンタクトが課題。18年はA/A+で打率.295・22本塁打・OPS.868をマークも、BABIP.419と幸運に恵まれた感は否めない。

Plus One Prospect
マット・バーリング(OF)/Matt Vierling
◯パワー 肩 /△アプローチ
18年ドラフト5巡目の大学生。身体能力に優れており、アプローチは荒いがパワフルなバッティングを披露する。A-/Aでは打率.321・7本塁打・OPS.860をマーク。恵まれた運動能力と平均以上の強肩から外野3ポジションどこでも守ることができる。

2018年1月17日水曜日

2018 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2018 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Scott Kingery(2B)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.スコット・キングリー(2B)/Scott Kingery
◯コンタクト スピード 2B守備 パワー / 
昨季フライボールレボリューションを取り入れ、長打力が開眼した「俊足巧打の二塁手」。本塁打数を16年の5本から26本に急増させ、29盗塁と持ち味のスピードも維持。2B守備も平均以上で、走攻守揃ったレギュラーとして期待。2A・3AでOPS.889。

2.シクスト・サンチェス(RHP)/Sixto Sanchez
◎速球 コマンド / △体格 
L.セベリーノ(ヤンキース)と共通点の多い未来のエース候補。6-0/185と投手にしては小柄ながら、滑らかなフォームから最速100マイルの速球をコマンドよく投げ込む。変化球を磨きたい。昨季はAで13先発して防御率2.41・K/BB=7.1(A+では5先発で防御率4.55と炎上)をマーク。

3.J.P.クロフォード(SS)/J.P. Crawford
◎SS守備 / ◯肩 アプローチ / △打撃
F.リンドーア(インディアンズ)のような再建の柱になり得るスター候補。身体能力を生かした華麗な遊撃守備は高評価だが、ここ2シーズンは3Aで打撃不振。それでも昨季後半戦はOPS.898とポジティブな結果が出ている。MLBデビューも果たし、23試合で打率.214も、22K/16BBとアプローチは悪くない。
4.アドニス・メディーナ(RHP)/Adonis Medina
◯速球 3球種 奪三振 スタミナ / 
常時92-95マイル、最速97マイルの速球は打者の近くでリリースされるため、球速以上に迫力がある。カーブ&チェンジアップも威力があり、平均から平均以上のボールに向上。昨季はAで22先発して防御率3.01・K/9=10.0・BB/9=2.9をマーク。奪三振を大きく増やした(16年はK/9=4.7)。

5.ホルヘ・アルファロ(C)/Jorge Alfaro
◯パワー 肩 / ✖アプローチ コンタクト 
「未来のオールスター捕手」と評されて早数年、プロスペクトを卒業できずにいる。昨季3Aで四球率4.6%・三振率32.3%の荒っぽいアプローチがネックだが、MLBでは29試合ながらOPS.874とよく打った。守備面では捕球面に課題を残すも、自己最高の守備率.997をマークするなど進歩は見られる。

6.アダム・ヘイズリー(OF)/Adam Haseley
◯打撃 スピード 守備 / 
ズバ抜けたツールを持っているわけではないが、滑らかなスイングから長短打を量産するプレースタイルは、M.ブラントリー(インディアンズ)やA.ベニンテンディ(レッドソックス)を連想させる。守備もCFとして及第点レベル。

7.フランクリン・キロメ(RHP)/Franklyn Kilome
◯速球 カーブ 体格 / ✖コマンド チェンジアップ
長身細身の体格から投げ込まれる最速99マイルの速球と平均以上のカーブのコンビネーションはハイポテンシャル。一方でコマンド&チェンジアップが不安定で、メディーナとは一線を引きたい。昨季はA+・2Aで24先発して防御率2.83・K/9=7.3・BB/9=3.7をマーク。

8.セランソニー・ドミンゲス(RHP)/Seranthony Dominguez
◯速球 3球種 奪三振 / △コマンド  
好調時には95-99マイルを叩き出す速球で打者を捻じ伏せるパワーピッチャー。コマンド&安定感はまだまだだが、カーブ&チェンジアップも平均以上で、ポテンシャルはローテーション2~3番手相当。昨季はA+で62.1回/75Kと三振の山を築いた。

9.ミッキー・モニアック(OF)/Mickey Moniak
◯メークアップ スピード CF守備 打撃 / △パワー 
16年ドラフト全体1位指名。走攻守のパッケージはC.イエリッチ(マーリンズ)と比較される。20ポンドの増量をして臨んだプロ2年目のシーズンはAでOPS.625と残念なパフォーマンス。プラスプラスのメークアップと野球IQでどれだけ才能を引き出せるか。

10.ジョジョ・ロメロ(LHP)/JoJo Romero
◯3球種 完成度 / 
完成度が高く、早ければ19年シーズンにはローテーション入りも狙える。91-94マイルの速球を両コーナーにコマンドし、カーブ&チェンジアップはいずれも平均から平均以上のボール。スライダーで目先を変えることもできる。昨季はA・A+で10勝3敗・防御率2.16・K/BB=3.56と文句なしの成績。

11.ロマン・クイン(OF)/Roman Quinn
◎スピード / ◯CF守備 肩 /✖パワー 耐久性
故障の多さがネックとなっている韋駄天選手。打撃はメジャーで「打率.260・5本塁打」程度だろうが、スピードは盗塁王も狙えるほど。アプローチも落ち着いており、将来像は「出塁率の高いB.ハミルトン(レッズ)」。SSからCFにコンバートされた点もハミルトンと同じで、ゴールドグラブ級の評価。

12.エネル・デロスサントス(RHP)/Enyel De Los Santos
◯速球 3球種 / △コマンド
昨年12月にF.ギャルビスとのトレードでパドレスから加入。93-95マイルの角度あるストレートはゴロを生み出し、カーブも扱いに優れている。また、チェンジアップも平均以上のボール。コマンドを磨いてローテーション3~5番手相当のポテンシャルを開花させたい。昨季は2Aで10勝・防御率3.78・K/9=8.3。

13.ディラン・カズンズ(OF)/Dylan Cozens
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
16年にマイナー全体トップの40ホーマーを記録したパワーモンスター。昨季は3Aで打率.210・三振率35.8%とつまずいたが、27本塁打と長打力は発揮。アメフトでも活躍したフィジカルの強さで大柄な体格の割に動ける。コンタクト面の不安を拭いたいところ。

14.レンジャー・スアレス(LHP)/Ranger Suarez
◯3球種 コマンド /
90マイル前半の速球&プラスのチェンジアップ&平均のスライダーをコマンドよく投げ分ける。完成度が高く、昨季は21歳ながらAで14先発・防御率1.59・K/9=9.5と素晴らしい投球を披露した。

15.ジャイリン・オルティズ(OF)/Jhailyn Ortiz
◯パワー 肩 / ✖コンタクト 守備走塁 素材型
まだ19歳とメジャーまでの道のりは険しいが、30ホーマー相当のパワーポテンシャルを秘める大器。15年に契約金$4.0Mでフィリーズと契約した。昨季はA-で47試合に出場して打率.302・8本塁打・OPS.961をマーク。将来は一塁転向か。

16.マッケンジー・ミルズ(LHP)/McKenzie Mills
◯奪三振 3球種 / △コマンド
昨夏にH.ケンドリックとのトレードでナショナルズから加入。切れの良い90マイル前半の速球&カーブのコンビネーション。三振の取れるフライボーラー。昨季はAで12勝2敗・防御率3.01・K/9=10.1・BB/9=1.9と抜群の成績。チェンジアップも将来的には平均から平均以上のボールになり得る。

17.ニック・ファンティ(LHP)/Nick Fanti
◯奪三振 コマンド / ✖球速
昨年5月には9回二死までパーフェクト投球、7月には悲願のノーヒッター(12K/1BB)を達成。80マイル中盤のキレのある速球を両コーナーにコマンドし、決め球のカーブで仕留める。Aでは21先発して防御率2.54・K/9=9.0・BB/9=2.1。17年WBCではイタリア代表としてもプレー。

18.アルキメデス・ガンボア(SS)/Arquimedes Gamboa 
◯ファイブツール / 
身体能力に富んだファイブツールSS。昨季は19歳ながらAで打率.261・6本塁打・OPS.705をマーク。シーズン最終の25試合を打率.327で締めくくった。3年前に契約時よりも身長は2インチ、体重は20ポンド増加。守備率.953と年齢に比してSS守備も安定している。

19.カイル・ヤング(LHP)/Kyle Young
◯体格 / ✖素材型 球速
現段階での球速は最速91マイル止まりだが、6-10/205の規格外の体格からアップサイドを期待される大器晩成型。昨季はカレッジ選手が揃うA-で13先発して防御率2.77・K/9=10.0・BB/9=2.1と好投。変化球&コマンドも安定しており、長い目で見ていきたい。

20.JD.ハマー(RHP)/JD Hammer
◯速球 奪三振 / 
大学時代には制球難に苦しんでいたが、16年のプロ入り時に視力検査を行ったところ、捕手やホームプレートすら見えていないほどの視力だったことが判明。黒縁眼鏡をかけてブレークの経歴はまさに映画「メジャーリーグ」のリッキー・ボーンだ。昨夏P.ニーシェックとのトレードでPHI加入後12試合で防御率0.57、AFLでも10試合で0.66。

21.スペンサー・ハワード(RHP)/Spencer Howard
◯速球 奪三振 / △リリーフ向き?
投球イニングが短かったこともあり、プロでは大学時代よりも球速が向上。93-95マイルの速球を武器に、A-で28.1回/40Kと三振の山を築いた。セカンドピッチはカッター&スライダーがメインなため、チェンジアップ&コマンドが改善されなければ、リリーフに回るだろう。

Plus One Prospect
ベイリー・フォルター(RHP)/Bailey Falter
◯コマンド / △チェンジアップ
昨季Aで21先発して防御率2.99・K/9=8.1・BB/9=1.8と好投。現在20歳。運動能力に富んでおり、メカニックも滑らかでコマンドの評価は平均以上。89-93マイルの速球&カーブ。チェンジアップの扱いはまだまだだが、ストライク先行で試合を作るイニングイーターになり得る。