2020年4月26日日曜日

2020 ARIZONA DIAMONDBACKS TOP 20 PROSPECTS

2020 ARIZONA DIAMONDBACKS

TOP 20 PROSPECTS

Daulton Varsho(C)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ドールトン・バーショー(C/OF)/Daulton Varsho:23歳
(2A)108G 396AB 18HR 42BB 63K 21SB .301/.378/.520/.899
◯スピード 打撃 パワー / △肩 
父ゲリーはMLBで8年間プレーした元メジャーリーガー。捕手離れしたしたアスリートで、「20-20」が狙える攻撃型捕手。バットコントロールが巧みで、広角に打ち分けながら四球も稼げる。走塁ではここ2年で40盗塁(成功率83%)と盗塁技術も高い。守備では少なくとも平均程度の評価を得ている。運動能力の高さからブロッキングとレシービングは十分も肩の弱さが欠点。昨季後半にはCFでも経験を積んだ。

2.クリスチャン・ロビンソン(OF)/Kristian Robinson:19歳
(A-/A)69G 255AB 14HR 31BB 77K 17SB .282/.368/.514/.881
◎パワー / ◯スピード 肩 / △RF向き? 素材型 コンタクト
17年に契約金255万ドルでプロ入りしたバハマ出身のプロスペクト。豪快なパワーとスピードを備えた5ツール候補で、完成型はジャスティン・アップトン(エンゼルス)か。三振率26.8%と三振数は多いが、全体的な選球眼、コンタクト評価は高い。CF守備では打球勘やルート取りにも優れるが、大柄な体格から将来的にはRF向きと目されている。ポテンシャルでは1位のバーショーよりも上だが、Aでは打率.217とまだ適応できていなかったので2位とした。

3.アレク・トーマス(OF)/Alek Thomas:19歳
(A/A+)114G 447AB 10HR 52BB 105K 15SB .300/.379/.450/.829
◯コンタクト スピード CF守備 / △素材型 パワー 肩
18年ドラフト2巡目。小柄だが俊足巧打でCF守備も素晴らしく、アダム・イートン(ナショナルズ)やジョン・ジェイ(元カージナルス他)と比較されている。昨季はフューチャーズゲーム出場を果たすなどブレークを果たした。パワーは発展途上だが将来的には12-15ホーマーも可能との見立て。

4.ジェラルド・ペルドモ(SS)/Geraldo Perdomo:20歳
(A/A+)116G 407AB 3HR 70BB 67K 26SB .275/.397/.364/.761
◯アプローチ 肩 SS守備 スピード / △素材型 パワー
1位のロビンソンほどの天井はないが、完成度では上。成熟したアプローチで出塁率が高く、マイナー3年で169BB/148K・出塁率.411をマークしている。20盗塁レベルのスピードに加えて、SS守備も申し分ない。長くSSを任せられるだろう。

5.コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:19歳
(R/A-)42G 154AB 2HR 29BB 41K 18SB .299/.409/.487/.896
◎スピード / ◯コンタクト CF守備 / △素材型 パワー 肩
19年ドラフト1巡目の高卒選手。3位のアレク・トーマスと似たような選手像だが、スピードツールで上回る。フィールド全体にラインドライブを量産し、Rで四球率15.6%と選球眼も良い。ダブルプラスのスピードでCF守備も優秀。年齢以上に磨かれており、トーマス、ペルドモと違ってフルシーズンでの実績がないため、控えめの5位とした。

6.ブレーク・ウォルストン(LHP)/Blake Walston:18歳
(R/A-)2.45ERA 6G/5GS 11.0IP BB/9=1.6 K/BB=13.9 K/BB=8.50
◯速球 カーブ コマンド 4球種 伸びしろ / △素材型
バリー・ジト(元ジャイアンツ他)と比べられる昨年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができ、速球とカーブの2球種がプラスピッチ候補。特に速球は高校時90マイル前後だったものがプロ入り後に最速97マイルと成長著しい。6-5/175の細身の体格とクオーターバックとしても活躍の運動能力の高さからさらなる伸びしろが期待できる。また、高卒投手ながら滑らかなフォームでコマンドも良いため、未来のエース候補として注目だ。

7.コービン・マーティン(RHP)/Corbin Martin:24歳
(MLB)5.59ERA 5GS 19.1IP BB/9=5.6 K/9=8.8 K/BB=1.58
(3A)3.13ERA 8GS 37.1IP BB/9=4.3 K/9=10.8 K/BB=2.50
◯4球種 速球 奪三振 / △TJ手術明け
昨季メジャーデビュー後に肘の痛みを訴えてTJ手術を受けた。今季中の復帰は絶望だが、後に続くフリアス、ケリーよりも完成度と先発適性の点で勝っている。平均95マイル/最速98マイルの速球はスピンレートが優秀で高めで空振りが取れる。83マイルのパワーカーブと89マイルのスライダーが平均以上で、チェンジアップは平均的ながら落差が大きく空振りが取れる。健康に復帰できればローテーション3番手クラスの活躍が期待できるだろう。

8.ルイス・フリアス(RHP)/Luis Frias:21歳
(A-/A)2.83ERA 16GS 76.1IP BB/9=3.4 K/9=11.9 K/BB=3.48
◎速球 / ◯カーブ 奪三振 / △リリーフ向き? コマンド コンディション
投球のダイナミックさは傘下No.1。力感あふれる垂直に近いオーバースローから最速99マイルの速球と縦に鋭く割れるスパイクカーブのコンビネーション。昨季は第3球種にスプリットチェンジを習得し、昨季の対左被OPS.513は対右打者よりも優秀な数字だった。登録上は180ポンドになっているが、昨年は250ポンドまで増量してしまい、コンディション維持に注意が必要。加えて先発に残るにはコマンドとスタミナを磨く必要がある。

9.リーバイ・ケリー(RHP)/Levi Kelly:20歳
(A)2.15ERA 22GS 100.1IP BB/9=3.5 K/9=11.3 K/BB=3.23
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? フォーム
高速系の3球種をもったパワーピッチャー。90マイル中盤の速球と縦スライダーの2球種がプラスピッチ。昨季はチェンジアップをスプリット気味に改良し、パワフルさが増した。しかしマックスで投げるフォームからコマンドと耐久性を不安視されており、リリーフ向きと見るスカウトが多い。それでもプロ入り後にフォームをシンプルにするように特訓中で、時間はかかるだろうが改善できればローテーション入りが見えてくる。

10.ジョシュ・グリーン(RHP)/Josh Green:24歳
(A+/2A)2.71ERA 22GS 126.1IP BB/9=1.5 K/9=7.2 K/BB=4.81
◯シンカー グラウンドボーラー コマンド / 
ライバルスカウトから昨季16勝をあげたダコタ・ハドソン(カージナルス)と比較されるグラウンドボーラー。最速96マイルのシンカーと縦カーブを武器に昨季はマイナー全体トップ(120回以上)のグラウンドボール率67.2%をマークした。平均的なチェンジアップと不安定ながらスラッターも交える。コマンドも平均以上。昨季は全22先発で5イニング以上を投げるなどゲームメーク能力も高い。

11.セス・ビーア(1B/OF)/Seth Beer:23歳
(A+/2A)122G 450AB 26HR 46BB 113K .289/.388/.516/.904
◯パワー / ✖守備走塁
18年ドラフト1巡目の左のパワーバット。パワーとヒットツールを兼ね備えており、昨季26本塁打のうち半分がレフトからセンター方向と広角に長打が打てる。空振りは多いが、四球率8.6%と選べる。スピードに乏しく守備力は平均以下。一塁とレフトが守れ、マット・アダムス(元ナショナルズ他)と比べられる。

12.マット・テイボー(RHP)/Matt Tabor:21歳
(A)2.93ERA 21GS 95.1IP BB/9=1.5 K/9=9.5 K/BB=6.31
◯コマンド 3球種 / △素材型 球威
球威は傑出していないが、滑らかな投球フォームと配球の巧さからDバックス傘下出身のチェース・アンダーソン(現ブルージェイズ)と比較されている。90マイル前半の速球とチェンジアップのコンビネーションで打者のタイミングを崩す投球が持ち味。昨季はスライダーを磨いて、チェンジアップを抜いて第2球種と評されるまでに成長した。マイナー3年でBB/9=1.6とコントロールも抜群。ローテーション下位向きも、球威を伸ばせれば2~3番手も狙える?

13.J.B.バカウスカス(RHP)/J.B. Bukauskas:23歳
(2A)5.44ERA 22G/16GS 92.2IP BB/9=5.7 K/9=10.6 K/BB=1.85
◎速球 スライダー / ◯奪三振 / △耐久性 リリーフ向き? / ✖コマンド
こんなところでくすぶっている場合ではない。昨夏にザック・グレインキーのトレードで加入したが2試合投げた後に肘の痛みを訴えてシーズン終了に。テイクバックの小さいショートアームから最速98マイルの速球と80マイル後半のスラッターのコンボは強烈の一言。しかしコントロールが悪く、体格も先発としては小さいため、ブルペン転向のリスクもある。

14.ウィルダード・パティーノ(OF)/Wilderd Patino:18歳
(R)40G 141AB 1HR 13BB 46K 14SB .319/.378/.447/.825
◯スピード / △素材型
元々レンジャースとの130万ドルで契約が決まっていたが、肘の故障が見つかったため破談に。のちに98万ドルでDバックス入りが決まった。父はベネズエラの元プロバスケットボール選手で、パティーノ自身もその血を引いた5ツール候補だ。中でも平均を大きく上回るスピードが武器で、打撃もコンパクトかつ力強いスイングを見せている。CF守備も平均以上で、スターリング・マーテ(Dバックス)が完成型だろう。

15.ブレイズ・アレクサンダー(SS)/Blaze Alexander:20歳
(A)97G 343AB 7HR 42BB 89K 14SB .262/.355/.382/.737
◎肩 / △素材型 コンタクト
ダブルプラスの強肩を生かしたSS守備が自慢。昨季は2Bや3Bでも経験を積み、ユーティリティー性を高めた。打撃は平均的ながらパンチ力があり、昨季は課題の選球眼も四球率10.2%と進歩を遂げた。J.J.ハーディ(元オリオールズ他)やクリス・テイラー(ドジャース)のような将来像が見込まれる。

16.ペイビン・スミス(1B/OF)/Pavin Smith:24歳
(A+/2A)123G 440AB 12HR 59BB 61K .291/.370/.466/.835
◯打撃 アプローチ コンタクト / △パワー / ✖スピード
17ドラフト全体7位指名も、パワー不足で評価を落としている。コンタクトと選球眼に優れたピュアヒッターで、昨季四球率11.6%/三振率12%とアプローチも洗練されている。昨季は出場機会を増やすために外野両翼でも経験を積んだ。完成型は「3割・15本・30二塁打」だろう。

17.ジョン・ダプランティアー(RHP)/Jon Duplantier:25歳
(MLB)4.42ERA 15G/3GS 36.2IP BB/9=4.4 K/9=8.3 K/BB=1.89
(3A)5.21ERA 13G/11GS 38.0IP BB/9=6.6 K/9=10.4 K/BB=1.57
◯カーブ 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? 故障多い
大学時代から故障の絶えないガラスのエース。17年にマイナー全体トップとなる防御率1.39とブレークを果たしたが、ここ2シーズンは再び肩の故障で離脱を経験している。平均92マイルのフォーシーム、シンカーを軸にスライダー、カーブで仕留める投球スタイル。故障の多さも制球難もフォームに問題があるとされており、昨季後半はフォームの修正に時間を費やした。チームは再び先発として試す予定だが、結果を出せないとブルペンに専念しなければならないだろう。

18.アンディ・ヤング(2B)/Andy Young:25歳
2A/3A)133G 462AB 29HR 42BB 121K 3SB .271/.368/.535/.903
◯パワー / △守備走塁
18年にポール・ゴールドシュミットとのトレードで加入。コンタクトは少々荒いが打撃に関しては文句無し。昨季の29本塁打・81打点はいずれもキャリアハイで、マイナー通算出塁率.367と出塁率も及第点。しかし守備に不安を抱えており、フルタイムでレギュラーを任せるのは厳しいか。長い目で見れば、レギュラーよりも攻撃型ユーティリティーが適任だろう。

19.ドレイ・ジェームソン(RHP)/Drey Jameson:22歳
(A-)6.17ERA 8GS 11.2IP BB/9=6.9 K/9=9.3 K/BB=1.33
◎速球 / △コマンド リリーフ向き? 体格
6-0/165と投手としては小柄だが球威が傑出している。最速98マイルの速球とブレーキングボールのコンビネーションはパワフル。スプリットチェンジも切れるが、どの球種も安定感に欠ける。小柄な体格と制球難、力のこもった投球フォームから先発適性には疑問。ブルペン転向なら支配的なリリーバーになれる。

20.ドミニック・フレッチャー(OF)/Dominic Fletcher:22歳
(A)55G 214AB 5HR 22BB 50K 1SB .318/.389/.463/.852
◯パワー CF守備 / △スピード コンタクト
エンゼルスのデビッド・フレッチャーの弟で、攻守にオールラウンドな外野手。滑らかなスイングでライナーを量産し、15ホーマー級のパンチ力も秘める。スピードは平均的だがCF守備は平均以上。目立ったツールはなく第四の外野手向きかもしれないが、打撃が伸びればレギュラーCFになれるだろう。

Plus One Prospect
ジャスティン・マルティネス(RHP)/Justin Martinez:18歳
(DSL/R)2.89ERA 18G/10GS 56.0IP  BB/9=5.9 K/9=12.5 K/BB=2.11
◯速球 奪三振 / △素材型 / ✖コマンド 投手経験
アマチュア時代は外野手としてプレー。16歳で契約解禁になっても契約が決まらなかったが、肩の強さを買ってDバックスが投手として獲得した。すると急成長を遂げ、速球は最速98マイルに到達。昨季はDSLを卒業して米国デビューも果たした。速球とパワースライダーはすでに強烈で、現在はフォームとチェンジアップを磨いているところ。投手経験の浅さと6-3/180の体格からまだまだ伸びるはず。

2020年4月24日金曜日

2020 ST. LOUIS CARDINALS TOP 20 PROSPECTS

2020 ST. LOUIS CARDINALS

TOP 20 PROSPECTS

Dylan Carlson(OF)
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ディラン・カールソン(OF)/Dylan Carlson:21歳
(2A/3A)126G 489AB 26HR 58BB 116K 20SB .292/.372/.542/.914
◯パワー アプローチ スピード 肩 守備 /△両翼向き?
昨季マイナーで「20-20」を達成のオールラウンダー。5ツールすべてが平均以上の評価を得ており、四球率10.4%と選球眼も良い。スイッチヒッターだが、両打席で高いフライ/ラインドライブ率をマークしており、穴のない1,2番打者に育つだろう。現在はCFを守っているがスピードは平均をやや上回る程度のため、長い目で見るとRF向きか。もしRFに回れば平均以上の守備貢献が期待できるだろう。

2.マシュー・リベラトーレ(LHP)/Matthew Liberatore:20歳
(A)3.10ERA 15GS 78.1IP BB/9=3.6 K/9=8.7 K/BB=2.45
◯速球 カーブ 4球種 コマンド グラウンドボーラー / 
高卒出身ながら完成度が高く、スティーブン・マッツ(メッツ)やタイラー・スキャッグス(元エンゼルス)と比較されている。6フィート5の長身から平均以上の4球種を低めに投げ分け、グラウンドボール率57.8%とゴロを打たせる技術に優れている。将来は三振を量産するエースとまではいかないだろうが、堅実なローテーション投手に育ってくれるだろう。

3.ノーラン・ゴーマン(3B)/Nolan Gorman:19歳
(A/A+)125G 456AB 15HR 45BB 152K .248/.326/.439/.765
◎パワー / △スピード 3B守備 / ✖コンタクト
空振りは多いが40ホーマーを狙えるパワーヒッター候補。昨季は三振率29.7%とコンタクト難に苦しんだが、リーグ平均よりも3歳以上若かったことと、A+は投高であり、傑出度を見るwRC+は123(100が平均)と平均以上だったことから今季のブレークに期待できる。強肩だが守備範囲に乏しく、三塁に残るには特訓が必要。

4.イバン・ヘレーラ(C)/Ivan Herrera:19歳
(A/A+)87G 306AB 9HR 40BB 72K .284/.374/.405/.779
◯コンタクト / △素材型 パワー / ✖スピード
素早くコンパクトなスイングでコンタクトを量産する攻撃型捕手。めったに空振りすることもなく、増量を経てパワーも15本程度まで向上する可能性がある。守備では運動能力は十分も技術的に未発達。しかし、チームのプログラムに懸命に取り組んでおり、改善が期待できる。ブロッキングでは進歩もフレーミングと送球に課題。それでも19年は盗塁阻止率31%と特訓の成果が出始めている。

5.ジェネシス・カブレラ(LHP)/Genesis Cabrera:23歳
(MLB)4.87ERA 13G 20.1IP BB/9=4.9 K/9=8.4 K/BB=1.73
(3A)5.91ERA 18GS 99.0IP BB/9=3.5 K/9=9.6 K/BB=2.72
◎速球 / ◯奪三振 3球種 / ✖コントロール フォーム 
荒々しいフォームから最速99マイルの速球を投げ込む剛腕。フェリペ・バスケス(パイレーツ)とよく比べられる。過去のバスケス同様にコントロールに課題があり、リリーフ向きとの声が多い。5月に先発としてメジャーデビューも最終的にはリリーフに落ち着いた。それでもチームは今季カブレラに再び先発の機会を与える予定。ポストシーズンのロースター入りも果たすなどチームの期待は高い。

6.ライアン・ヘルスリー(RHP)/Ryan Helsley:25歳
(MLB)2.95ERA 24G 36.2IP BB/9=2.9 K/9=7.9 K/BB=2.67
(3A)4.58ERA 17G/7GS 37.1IP BB/9=4.8 K/9=9.9 K/BB=2.05
◎速球 / △コマンド リリーフ向き?
トレバー・ローゼンタール(元カージナルス)と比べられる豪腕。本職は先発だが、昨季はリリーフとしてメジャー昇格しブルペンの一角として好投。最速101マイルの速球はスピンレート2510と平均を大きく上回っており、平均88マイルのカッターとのコンボで打者を制圧する。先発時にはカーブ、チェンジアップも扱う。今後もリリーフとして起用されればクローザーも狙えるだろう。

7.アンドリュー・ニズナー(C)/Andrew Knizner:25歳
(MLB)18G 53AB 2HR 4BB 14K .226/.293/.377/.670
(3A)66G 246AB 12HR 24BB 37K .276/.357/.463/.821
◯コンタクト 肩 / △パワー C守備 早打ち
広角にライナーを打ち分けるコンタクトが武器で、マイナー4年で打率.302をマークしている。早打ちで四球も三振も少ない。パワーは平均以下の評価だが、昨季はメジャー/マイナー合わせて14本塁打とキャリアハイを更新。守備では昨季盗塁阻止率42%と肩が強くブロッキングも上手いが、フレーミングが平均以下のため、捕手としての総合評価は平均以下にとどまっている。完成像はカート・スズキ(ナショナルズ)か。

8.レーン・トーマス(OF)/Lane Thomas:24歳
(MLB)34G 38AB 4HR 4BB 8K .316/.409/.684/1.093
(3A)75G 265AB 10HR 32BB 80K 11SB .268/.352/.460/.812
◯パワー スピード CF守備 / △コンタクト 健康面
走攻守に平均以上で、ハリソン・ベイダー(カージナルス)にパワーを足したような選手。コンタクトはやや荒いが18年に傘下最多の27本塁打を放つなど広角に長打が打てる。高打率は期待できないが走守が良いため、少なくとも第四の外野手にはなれる。昨季は手首の故障でシーズンエンドとなっており、健康に復帰できるかが懸念材料。

9.ザック・トンプソン(LHP)/Zack Thompson:22歳
(R/A+)3.52ERA 13G 15.1IP BB/9=2.3 K/9=13.5 K/BB=5.75
◯4球種 即戦力 / △コマンド 耐久性
19年ドラフト1巡目。ガッシリした体格で4球種を織り交ぜるワークホース向きのプロフィール。速球は90マイル前半だが、リリーフ時には96-97マイルを計測するなど馬力がある。コントロールは安定しているが、細かいコマンドは平均以下のため、ローテーション4~5番手のイニングイーター止まりと見るスカウトも。大学2年の時に肘の故障でシーズンを棒に振っており、健康面も心配事の一つ。

10.エレウリス・モンテロ(OF)/Elehuris Montero:21歳
(2A)59G 224AB 7HR 14BB 74K .188/.235/.317/.552
○打撃 パワー 肩 / △スピード 3B守備 / ✖アプローチ
18年にAでリーグMVPに輝く活躍も、昨季は2Aで苦しんだ。しかしリーグ平均よりも3歳以上若く、2度の故障離脱もあったことから救いの余地はある。本来ならば優れたハンドアイコーディネーションとバットスピードを兼ね備えており、選球眼を磨けばパワーとアベレージを両立したバッターになれる。守備では強肩の持ち主だが、守備範囲が平凡で1Bに回るリスクが高い。

11.ジョン・トーレス(OF)/Jhon Torres:20歳
(R/A)54G 178AB 6HR 26BB 65K .242/.337/.410/.747
◯パワー 強肩 / △素材型 RF向き コンタクト 
ハイリスクハイリターンのプロスペクト。6-4/200の恵まれた体格に平均以上のパワーと強肩を兼ね備える。昨季はRではOPS.918と同世代の選手を圧倒したが、Aでは年上相手にOPS.452・三振率38%と苦戦した。守備では外野3ポジションを守れるが、平均的なスピードと平均以上の肩の強さからRFが最も適任だと見られている。

12.ジュニアー・フェルナンデス(RHP)/Junior Fernandez:23歳
(MLB)5.40ERA 13G 11.2IP BB/9=4.6 K/9=12.3 K/BB=2.67
(A+/2A/3A)1.52ERA 45G 65.0IP BB/9=4.2 K/9=11.1 K/BB-2.67
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / △コントロール
平均97.0マイルの沈む速球でゴロを打たせ、落差の大きいチェンジアップ&スライダーで空振りを奪うパワーリリーバー。特に速球との球速差が10マイル以上あるチェンジアップはメジャーでも被打率.071・空振り率21.7%と抜群だった。セットアップ以上を担うには、平均以下のコントロールを磨く必要がある。

13.ホアン・オビエド(RHP)/Johan Oviedo:22歳
(A+/2A)4.73ERA 28GS 146.2IP BB/9=4.7 K/9=10.0 K/BB=2.14
◯速球 体格 / ✖コントロール
6フィート6の長身から繰り出される94-98マイルの速球はエクステンションにも富んで抜群。昨季はA+で5先発/防御率1.60と好投も、2Aでは23先発/防御率5.65と苦しんだ。投球フォーム&コントロールを磨く必要がある。スライダーは高スピンで将来の決め球になり、チェンジアップも磨けば平均から平均以上のボールになれる。

14.エンジェル・ロンドン(RHP)/Angel Rondon:22歳
(A+/2A)2.93ERA 28GS 160.0IP BB/9=3.3 K/9=8.9 K/BB=2.69
◯速球 カーブ コントロール / △コマンド
昨季2Aでリーグの最優秀防御率(3.21)に輝き、傘下の最優秀投手にも選ばれた。平均93マイル/最速97マイルの速球が武器で、縦に鋭く落ちるパワーカーブとのコンビネーションでバレル性の打球を許さない。チェンジアップも平均的で、コマンドは平均以下だが安定してストライクを取れるので、良ければ先発ローテーション4番手クラスになれる。

15.トレジン・フレッチャー(OF)/Trejyn Fletcher:18歳
(R)43G 160AB 4HR 11BB 76K 7SB .244/.291/.375/.666
◯パワー スピード 肩 CF守備 / △素材型 / ✖コンタクト アプローチ
昨年のドラフト2巡目。名門バンダービルド大学への推薦が決まっていたが、オーバースロットとなる契約金150万ドルを積まれて入団した。荒削りだが運動能力が飛び抜けており、完成すれば「20-20」&「CF守備平均以上」が狙える。三振率43.4%とアプローチが荒く、選球眼を磨く必要がある。

16.ジャスティン・ウィリアムズ(OF)/Justin Williams:24歳
(2A/3A)53G 159AB 8HR 20BB 47K .296/.372/.484/.856
◯パワー 肩 アプローチ / △両翼向き 健康面 スピード
18年夏にトミー・ファムとのトレードで獲得した左のパワーヒッター。カージナルス加入後にスイングの改造に取り組み、グラウンドボール率が18年の52.2%から41.7%に改善されるなど、フライボールレボリューションに成功。マイナー通算四球率13%と選球眼も良く、健康を維持できればブレークも見えてくる。

17.エドムンド・ソーサ(SS)/Edmundo Sosa:24歳
(MLB)8G 8AB 0HR 1BB 2K 1SB .250/.400/.250/.650
(3A)118G 453AB 17HR 17BB 96K 2SB .291/.335/.466/.801
◯SS守備 / △フリースインガー 盗塁 
平均以上のSS守備が最大の武器で、フリースインガーながら昨季キャリアハイの17ホーマーを放つなどパワーもつけている。2Bや3Bも守れ、スーパーユーティリティーになれる。レギュラーを取るには出塁率を上げたいところ。足は速いがマイナー通算盗塁成功率61.7%と盗塁は下手。

18.トニー・ローシー(RHP)/Tony Locey:21歳
(R/A)5.29ERA 12G 17.0IP BB/9=6.4 K/9=16.4 K/BB=2.58
◎速球 / △コマンド リリーフ向き? チェンジアップ
19年ドラフト3巡目。先発で常時94-96マイル、最速98マイルの速球が武器のスピードボーラー。コマンド&チェンジアップは平均以下のためブルペン転向が目されているが、リリーフに専念すれば100マイルも狙える。第2球種のスライダーは鋭く小さく曲がり、決め球として有効。

19.アルバロ・セイジャス(RHP)/Alvaro Seijas:21歳
(A/A+)2.81ERA 24GS 134.1IP BB/9=3.6 K/9=7.6 K/BB=2.11
◯速球 / △コントロール チェンジアップ
6-1/175と体は大きくないが、最速97マイルの勢いある速球が武器。第2球種のカーブはスラーブ気味で不安定だが磨けば平均レベルまで向上するだろう。第3球種として平均以下だがチェンジアップも扱うことができる。17-18年の2シーズンでBB/9=4.2とコントロールに課題があるが、昨季は3.6に改善させており、このまま成長できればローテーションを狙えるだろう。

20.アンドレ・パランテ(RHP)/Andre Pallante:21歳
(A-)2.78ERA 11G/9GS 35.2IP BB/9=2.8 K/9=9.6 K/BB=3.45
◯4球種 / △チェンジアップ 
19年ドラフト4巡目。91-94マイルの動く速球と80マイル前半のスライダーを軸に、4球種を扱うストライクスロワー。左打者には平均的なカーブ、平均以下のチェンジアップも効果的に織り交ぜる。安定してストライクを取れるので、上手くいけば先発ローテーション4番手タイプに育つだろう。

Plus One Prospect
マテオ・ギル(SS)/Mateo Gil:19歳
(R)51G 204AB 7HR 17BB 56K 1SB .270/.324/.431/.756
◯打撃 肩 SS守備 / △素材型 
元メジャーリーガー、ベンジー・ギル(元エンゼルス)の息子。柔らかいグラブ捌きと滑らかな守備動作はSS向きで、ポジショニングと肩の強さを生かした守備範囲も広大。打撃ではアプローチの良さを買われており、やや空振りは多いがバレル性の打球を量産できる。リストの強さからパワーも向上が見込まれている。攻守にオールラウンドなスリーパー候補だ

2020年4月22日水曜日

2020 PITTSBURGH PIRATES TOP 20 PROSPECTS

2020 PITTSBURGH PIRATES

TOP 20 PROSPECTS

Oneil Cruz(SS)
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ミッチ・ケラー(RHP)/Mitch Keller
(MLB)7.13ERA 11GS 48.0IP BB/9=3.0 K/9=12.2 K/BB=4.06
(3A)3.56ERA 19GS 103.2IP BB/9=3.0 K/9=10.7 K/BB=3.51
◎速球 / ◯カーブ 体格 / △コマンド チェンジアップ 
長身から最速99マイルの速球を投げ下ろすエース候補。自慢の速球はメジャーで速球平均95.5マイルを計測もコマンドが甘く被打率.461と打ち込まれてしまった。一方で第2球種の縦カーブは被打率.138、昨季習得した平均87.7マイルのスラッターは空振り率26.8%と効果的だった。チェンジアップは投球の3.7%にとどまるなど有効に使えていない。今後は速球のコマンドとチェンジアップの向上が求められる。

2.オニール・クルーズ(SS)/Oneil Cruz
(R/A+/2A)73G 265AB 8HR 24BB 74K 11SB .298/.356/.475/.832
◎パワー 肩 / △3B向き? SSとしては大きすぎる
身長6フィート7と規格外の体格に規格外のツールを備えたSS。大柄な体格からSSとしては厳しいとの声もある一方でプラスのスピードとダブルプラスの肩から広い守備範囲を示しており、SSに残れる可能性は0ではない。転向するなら3BやRFがフィットするだろう。打撃では「20-80スケール」で80評価のパワーポテンシャルを秘めている。また2A昇格後に四球率(5.5→11%)、フライ率(29.2→38.1%)ともに上昇させるなど成長著しい。

3.ケブライアン・ヘイズ(3B)/Ke'Bryan Hayes
(3A)110G 427AB 10HR 43BB 90K 12SB .265/.336/.415/.751
◎3B守備 / ◯コンタクト 肩 スピード / △パワー
父チャーリーはMLB通算144ホーマーの元メジャーリーガー。3Bでゴールドグラブ複数回を狙える鉄壁の守備と「.280・15本」レベルの打撃を兼ね備える。3Bとしてはパワーが物足りないが、恵まれたヒットツールに支えられた高出塁率と3年連続二桁盗塁の足でカバー。主軸になれるかは微妙だが、WAR2~3の平均以上のレギュラーとして期待できるだろう。

4.リオバー・ペゲーロ(SS)/Liover Peguero
(R/A-)60G 227AB 5HR 20BB 51K 11SB .326/.382/.485/.866
◯スピード コンタクト SS守備 / △パワー
ズバ抜けた運動能力の持ち主でプラスのスピードがベストツール。オフにスターリング・マーテとのトレードでDバックスから移ってきた。打撃ではバレル性の打球を生み出すコンタクトが武器で、二塁打・三塁打も多いため体格がつけば本塁打も増えてくるだろう。守備でも昨季大きく向上をたどり、長くSSでプレーできるかもしれない。すでに契約後から30ポンドの増量に成功している。

5.トラビス・スワゲーティ(OF)/Travis Swaggerty
(A+)121G 457AB 9HR 57BB 116K 23SB .265/.347/.381/.728
◯打撃 スピード CF守備 / △パワー
ドラフト時にはアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)と比べられたオールラウンダー。プロ2年でOPS.720ともう一つだが、昨季はシーズンを通してスイングの修正に取り組んだおかげでコンタクトが安定するようになり、8月はOPS.906をマークした。プラスのスピードを生かしたCF守備も平均以上の評価を得ている。

6.クイン・プリースター(RHP)/Quin Priester
(R/A-)3.19ERA 8GS 36.2IP BB/9=3.4 K/9=10.1 K/BB=2.93
◯速球 伸びしろ / △素材型
19年ドラフト1巡目。高校ではアメフトとの二刀流で、クオーターバックとして州大会を優勝している実力者。高校のチームにはピッチングコーチがおらず、投球はYoutubeで独学。しかしすでに最速97マイルに到達しており、プロ入り後野球に専念した環境でどれだけ伸びるのか楽しみだ。ツーシーム、カーブも覚えており、パイレーツ好みの投手に育つだろう。

7.コディ・ボルトン(RHP)/Cody Bolton
(A+/2A)3.28ERA 21GS 101.2IP BB/9=2.7 K/9=9.0 K/BB=3.40
◯速球 体格 / △緩急
高速系のボールを4つ持っているハードボーラー。平均94マイル、最速97マイルのフォーシームが最大の武器で高めに集めて空振りが量産できる。90マイル前半のツーシームとカッターをペアで投げ分け、平均程度のチェンジアップもフォーシームと相性良く投げ分けている。緩い球種がない分リリーフ向きかもしれないが、先発としてのアップサイドも高い。

8.ジャレッド・オリバ(OF)/Jared Oliva
(2A)123G 447AB 6HR 42BB 104K 36SB .277/.352/.398/.750
◯スピード パワー /
パワーとスピードを兼ね備えたCFで、スターリング・マーテの後釜として注目。マイナーで2年続けて30盗塁以上のスピードからプラスとまではいかないかもしれないが、CFも平均程度こなせるだろう。打撃では100マイル超えのゴロ/ライナーを量産するなどパワーポテンシャルは秘めている。昨季は投手有利のリーグに泣いたが、高いフライボール率から環境が変われば本塁打も飛躍的に伸びる可能性がある。

9.ターナ・トーマス(RHP)/Tahnaj Thomas
(R)3.17ERA 12GS 48.1IP BB/9=2.6 K/9=11.0 K/BB=4.21
◎速球 / △コマンド 素材型 リリーフ向き? / ✖チェンジアップ
アップサイドの塊。常時95-99マイル、最速101マイルの速球と平均以上のスライダーで打者を支配する。細かいコマンドがなく、チェンジアップもめったに投げないため、先発よりもリリーフ向きだろう。しかし、昨年だけで球速を数マイル伸ばしコントロールも改善させたメークアップとまだ20歳という年齢から今後の成長に期待したいところ。

10.ブレナン・マローン(RHP)/Brennan Malone
(R/A-)4.50ERA 8.0IP BB/9=5.6 K/9=9.0 K/BB=1.60
◯速球 スライダー 体格 / △素材型 第3球種 コマンド
オフにペゲーロと共にDバックスから加入。ガッシリとした強靱な体躯から最速96マイルの速球とパワフルなスライダーを投げ込む。カーブとチェンジアップは不安定だが磨けば平均レベルまで伸びるとの見立て。コントロールはけっして良い方ではないが、癖のないフォームから平均程度までの向上が見込まれている。

11.ジファン・ベ(SS)/Ji-Hwan Bae
(A)86G 328AB 0HR 43BB 77K 31SB .323/.403/.430/.833
◎スピード / ◯コンタクト / △2B向き? 肩 / ✖パワー
18年3月に契約金120万ドルで入団の韓国人選手。100mを10秒6で駆け抜ける俊足とコンタクトに徹した打撃スタイルからイチローと比べる声も。ただ四球率%とイチローよりも辛抱強いアプローチを示している。守備では肩が平均的なためにSSよりも2B向きとみるスカウトが多い。

12.サミー・シアニ(OF)/Sammy Siani
(R)39G 133AB 0HR 26BB 41K 5SB .241/.372/.308/.680
◯スピード 打撃 / △LF向き? パワー 素材型
昨年のドラフト全体37位指名。滑らかなスイングで左右にライナーを弾き返す中距離タイプで、パワーの向上が課題。辛抱強いアプローチも兼ね備え、Rでは四球率15.9%とよく選べていた一方で、三振率24.9%と空振りの多さが目立った。守備ではCFにふさわしい平均以上のスピードを持っているが、プロデビューでは適性を見極めるために外野3ポジションを守った。LF向きとも言われており、攻守にレベルアップが求められる。

13.スティーブン・ジェニングス(RHP)/Steven Jennings
(A)4.71ERA 27GS 130.0IP BB/9=2.7 K/9=8.0 K/BB=2.95
◯4球種 コマンド 運動能力 / △素材型 球速
高校ではアメフトとの二刀流で鳴らした運動能力の持ち主で、コントロールよく4球種を投げ分ける投球スタイルからマイク・リーク(Dバックス)と比べられている。速球は平均89マイルと遅いがスピンレートが高くポップフライが稼げる。スライダーが第2球種だが、カーブとチェンジアップも効果的に投げ分けることができる。線がまだ細く、球速を伸ばせるかが先発残留の鍵となるだろう。

14.ブラクストン・アシュクラフト(RHP)/Braxton Ashcraft
(A-)5.77ERA 11GS 53.0IP BB/9=3.7 K/9=6.6 K/BB=1.77
◯速球 体格 / △素材型 変化球
18年ドラフト2巡目で、パイレーツ好みの長身高卒右腕。昨季は残念なシーズンとなったが、フットボールで痛めた左肩を手術するなどコンディションが万全でなかったこと、A-は年上のカレッジ出身選手が主にプレーするリーグであったことを考慮すれば救いはある。最速95マイルの速球は伸びしろが見込める。コントロールを失う場面もあるが、運動能力の高さから改善に期待したい。

15.メーソン・マーティン(1B)/Mason Martin
(A/A+)131G 477AB 35HR 68BB 168K 8SB .254/.351/.558/.908
◎パワー / ×コンタクト 守備走塁 対左
昨季マイナー全体4位となる35本塁打を放った飛ばし屋。三振率30.2%とコンタクトは脆いが、四球率12.2%とアプローチは辛抱強い。しかし見極めようとしすぎるあまり甘い球も見逃す癖があるのでチームはアプローチを見直すように働きかけている。守備走塁は平均以下なうえ、左投手に対しては三振率が40%近いためプラトーン止まりになるリスクがある。

16.トラビス・マクグレガー(RHP)/Travis MacGregor
※18年(R/A)3.18ERA 17GS 70.2IP BB/9=2.8 K/9=10.2 K/BB=3.64
◯速球 運動能力 / △素材型 TJ手術明け
TJ手術のため昨季は全休。最速で96-97マイルをたたき出す速球が最大の武器。加えて18年にはジョン・ハンラハン(元パイレーツ)ピッチングコーチとシンプルなフォームの習得に取り組み、コントロールも改善させていた。術前は三振の多くを速球で奪っていたが、リハビリ期間にスライダー&チェンジアップを磨いたとの報告があり、術後健康ならブレークに期待がかかる。

17.マックス・クラニック(RHP)/Max Kranick
(A+)3.79ERA 20GS 109.1IP BB/9=2.5 K/9=6.4 K/BB=2.60
◯速球 体格 / △変化球 耐久性
最速97マイルの速球を武器にゾーン内で空振りが奪える。一方で変化球に課題があり、昨季はK/9の悪化が見られた。しかし昨季は次第に3球種を効果的に扱えるようになり、シーズン最終10先発では防御率2.95と上向きだった。18年に肩の違和感を訴えるなど耐久性に不安があり、昨季も100イニングを超えたところでシャットダウンとなった。健康にフルシーズンを送れるかがポイントだ。

18.アーロン・ショートリッジ(RHP)/Aaron Shortridge
(A+)3.25ERA 24GS 135.2IP BB/9=1.7 K/9=6.9 K/BB=4.16
◯コマンド / △球威 チェンジアップ
大学2年までリリーフも3年で先発に転向し開花し18年ドラフト4巡目でプロ入り。昨季は防御率とWHIPでリーグ5位の成績を残すなど順調なスタートを切っている。球威は支配的でないが90マイル前半の速球を狙ったところにコマンドでき、変化球を織り交ぜる投球術にも優れている。昨季はスライダー&カーブの向上に重点を充てていたため、チェンジアップの割合が少なかった。今季はチェンジアップの向上を課題に挙げている。

19.ジャレッド・トリオロ(3B)/Jared Triolo
(A-)60G 234AB 2HR 27BB 49K 3SB .239/.314/.389/.703
◯コンタクト / △パワー
カレッジ出身で少なくともユーティリティ程度の働きが見込める。アプローチよくコンタクトを多く生み出す打撃スタイル。一見不発と思われたプロデビューもリーグ平均との比較を表すwRC+は110(100が平均)と平均以上で、投手有利なリーグを抜け出した時の飛躍が期待される。守備はSSでも出場するなど複数ポジションを守れるが、最終的には3Bに落ち着くだろう。

20.アレクサンダー・モヒカ(3B)/Alexander Mojica
(DSL)55G 218AB 8HR 37BB 34K .351/.468/.580/1.048
◯パワー / △素材型 3B守備 スピード 
DSLではOPS1.048に加えて四球>三振のアプローチと素晴らしいパフォーマンス。パワーとアベレージを両立しており、100マイル超えの打球を量産していた。一方でガッシリした体格で動きが鈍く、強肩ではあるが将来は1B転向が目されている。

Plus One Prospect
J.T.ブルベイカー(RHP)/J.T. Brubaker
(A-/3A)2.28ERA 6GS 27.2IP BB/9=2.6 K/9=7.8 K/BB=3.00
◯速球 グラウンドボーラー / △チェンジアップ 耐久性 リリーフ向き
長身から最速99マイルのシンカーと88マイルのスライダーを投げ下ろすグラウンドボーラー。昨季は前腕の痛みでシーズンのほとんどをILで過ごしたが、3A復帰4登板でK/BB=5.00・グラウンドボール率56.9%とナイスパフォーマンス。左打者を苦にしており、先発に残るには平均以下のチェンジアップを磨いていく必要がある。

2020年4月21日火曜日

2020 MILWAUKEE BREWERS TOP 20 PROSPECTS

2020 MILWAUKEE BREWERS

TOP 20 PROSPECTS

Brice Turang(SS)
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ブライス・トゥラング(SS)/Brice Turang:20歳
(A/A+)129G 473AB 3HR 83BB 101K 30SB .256/.367/.340/.707
◯打撃 アプローチ スピード SS守備 / △パワー 素材型 
未来の1番SS候補。プラスのスピードと昨季四球率14.6%・三振率17.9%をマークしたアプローチはリードオフ向き。パワーは平均以下で本塁打を量産するタイプではないが、プロ入り後に10ポンドの増量に成功しており、二桁本塁打は狙えるか。守備では長くSSでプレー可能との高い評価。

2.イーサン・スモール(LHP)/Ethan Small:23歳
(R/A)0.86ERA 7GS 21.0IP BB/9=1.7 K/9=15.4 K/BB=9.00
◯3球種 コマンド 即戦力 / △伸びしろ
19年ドラフト1巡目。エースポテンシャルではないが即戦力でローテーション3~5番手が狙える。88-92マイルの速球、スライダー、チェンジアップを平均以上のコマンドで投げ分ける。絶対的な球種はないものの、プロデビューでは好投しており、上手くいけばパトリック・コービン(ナショナルズ)のようなローテーション2番手も狙える。そうでなくても確実なローテーション投手にはなれるだろう。

3.マリオ・フェリシアーノ(C)/Mario Feliciano:21歳
(A+)116G 440AB 19HR 29BB 139K .273/.324/.477/.801
◯パワー 肩 打撃 / △アプローチ スピード 集中力 
昨季はAでリーグトップとなる19本塁打・81打点・長打率.477とブレーク。リーグのMVPも受賞した。パワーとヒットツールを兼ね備えており、広角に長打を量産できる。三振率28.8%と課題の選球眼を磨けばまだ打者として伸びるはず。守備では捕手に残れる資質を持つが集中力に欠く場面が目立つのがもったいない。

4.アントニー・ケリー(LHP)/Antoine Kelly:20歳
(R/A)2.84ERA 10GS 31.2IP BB/9=2.6 K/9=12.8 K/BB=5.00
◯速球 奪三振 / △素材型 リリーフ向き? コマンド 変化球
昨年のドラフト2巡目高校生だが、すでにジョシュ・ヘイダーと比べる声が上がっている。6フィート6の長身を生かした長いリーチから93-97マイルの勢いある速球を投げ込む。細身の体格から将来は100マイルも可能とも。変化球、コントロールは発展途上で、ヘイダー同様にブルペンの方が輝けるかもしれない。

5.トリステン・ルッツ(OF)/Tristen Lutz:21歳
(A+)112G 420AB 13HR 46BB 137K 3SB .255/.335/.419/.754
◯パワー 肩 / △コンタクト 
6-2/210とガッシリした体格で強肩強打が自慢。プルヒッターな上に三振率28.7%と空振りも多いが、アプローチを修正できれば25本塁打以上も狙える。大柄な体格に比して平均レベルのスピードを有しており、マイナーではCFとしてプレー中。肩が強いためメジャーではRFを中心に非常時はCFを守るという役回りか。

6.アーロン・アシュビー(LHP)/Aaron Ashby:21歳
(A/A+)3.50ERA 23GS 126.0IP BB/9=4.3 K/9=9.6 K/BB=2.25
◎カーブ / ◯奪三振 左キラー / ×コマンド
「20-80スケール」で65評価のカーブが武器のKマシーン。速球は92-95マイルでシュート方向に鋭く切れ、昨季はチェンジアップに磨きがかかったのも大きな収穫。また左打者に対しては被打率.183・被本塁打0とめっぽう強い。リリースの見にくいフォームで打者を欺けている一方でコントロールの悪い原因になっているのも事実。ローテーション3番手級のポテンシャルだが制球が改善されないとブルペン転向もあり得る。


7.エドゥアルド・ガルシア(SS)/Eduardo Garcia:17歳
(DSL)10G 32AB 1HR 6BB 9K 1SB .313/.450/.469/.919
◯肩 SS守備 / △素材型
18年に契約金110万ドルで入団。走攻守にオールラウンドさが光り、中でも守備力が際立っている。平均以上の強肩の持ち主で、グラブ捌きも柔らかい。スピードは平均的だがポジショニングや打球勘が素晴らしくSSでプラスのディフェンダーになり得る。打撃ではアプローチよくライナーを量産でき、体格が成熟すれば15本塁打前後は狙えるだろう。

8.トレイ・スパック(RHP)/Trey Supak:23歳
(2A/3A)3.60ERA 27GS 152.2IP BB/9=1.9 K/9=7.0 K/BB=3.69
◯体格 球種 コマンド スタミナ / △球威
安定したコントロールと豊富なスタミナが持ち味のイニングイーター。6フィート5の長身から90マイル前半のツーシーム、スライダー、チェンジアップに加えて時折緩いカーブも織り交ぜる。いずれもプラスピッチではないだけに、打者にハードコンタクトを許さないように低めに集めるコマンドを磨いていく必要があるだろう。

9.ヘドベルト・ペレス(OF)/Hedbert Perez:17歳
◯スピード 肩 CF守備 コンタクト / △素材型
昨夏に契約金70万ドルで入団。父ロベルトは99年にオリックスでもプレーの元メジャーリーガー。プラスのスピード&肩を有した運動能力の高さと華麗なスイングでバレル性の打球を量産する打撃が自慢。選球眼も良く、パワーの評価も平均以上のため、完成すれば「20-20で出塁率.350、CF守備プラス」も狙える。

10.ドリュー・ラスムセン(RHP)/Drew Rasmussen:24歳
(A/A+/2A)3.15ERA 27G/23GS 74.1IP BB/9=3.8 K/9=11.6 K/BB=3.10
◎速球 / △耐久性 リリーフ向き? 
大学時代に2度のTJ手術を経験しており、耐久性に不安も19年は完全復活。常時90マイル中盤、最速99マイルの速球で空振りを量産し、88-91マイルの高速スライダーも決め球に使える。80マイル後半のチェンジアップは磨けば平均的な第3球種になれる。3球種持っていてコントロールも安定しているが、耐久面を考えると最終的にはブルペン転向の可能性が高い。

11.マックス・ラザル(RHP)/Max Lazar:20歳
(R/A)2.33ERA 22G/13GS 85.0IP BB/9=1.6 K/9=12.6 K/BB=7.93
◯奪三振 コマンド チェンジアップ / ×球速
速球は88-90マイル止まりだが球の出所が見にくく、昨季はマイナー全体6位となる三振率35.2%(85イニング以上)をマークするなど素晴らしいパフォーマンス。平均以上のチェンジアップとの相性も抜群だ。6-3/185と体格も細いため、今後増量できれば球速も数マイルの上積みが見込める。実現すれば投球スタイルの近いマルコ・エストラーダ(前アスレチックス)が比較対象か。

12.ザック・ブラウン(RHP)/Zack Brown:25歳
(3A)5.79ERA 23GS 116.2IP BB/9=4.9 K/9=7.6 K/BB=1.53
◯速球 グラウンドボーラー / △コマンド 
18年は2Aで防御率2.40をマークするなどブレークしリーグの最優秀投手にも選ばれたが、19年は一転してスランプに陥った。コントロールが悪いわけではないがコーナーで逃げる投球が目立ち、四死球が急増してしまった。それでも92-95マイルのツーシームは威力健在でグラウンドボール%は54.2%と18年(56.5%)とほとんど変わらなかった。またカーブとチェンジアップも効果的に空振りを取れていたので、投球のアプローチを取り戻せれば復活の可能性は十分ある。

13.コリー・レイ(OF)/Corey Ray:25歳
(R/2A/3A)69G 262AB 8HR 27BB 106K 6SB .218/.291/.363/.654
◯パワー スピード CF守備 / ✖コンタクト 
18年に2Aで27本塁打・37盗塁をマークしたパワーとスピードが魅力だが、コンタクト難が致命的。特に昨季は3Aで打率.188・三振率38.6%と脆さを露呈した。CF守備は肩の強さも合わせて平均以上と評されており、低打率でもそこそこ一発が見込める点も含めて、少なくとも第四、第五の外野手にはなれるだろう。しかしメジャー定着にはコンタクトの改善が必須だ。


14.ルイス・メディーナ(OF)/Luis Medina:17歳
◯パワー / △素材型 プルヒッター 両翼向き
昨夏に契約金130万ドルで入団。将来はRF向きと言われており、運動能力ではペレスにやや劣るが、「20-80スケール」で70評価のパワーポテンシャルが魅力。しかしプルヒッター傾向が強いため、体が開いて空振りするシーンがしばしば見られる。スイングのバランスを含めたアプローチを磨いていく必要があるだろう。


15.カルロス・ロドリゲス(OF)/Carlos Rodriguez:19歳
(R)43G 173AB 3HR 4BB 22K 5SB .329/.346/.416/.763
 ◯スピード CF守備 / △素材型 / ×パワー フリースインガー 
17年に契約金135万ドルで入団。スピードとCF守備の2ツールがプラス評価のコンタクトヒッター。マイナー4年で打率.327をマークのヒットツールに問題はないが、パワーレスな上にフリースインガーな点がネック。ゴロ性の打球が多く、昨季は43試合で4二塁打にとどまった。レギュラーになるにはもう少しライナー性の打球を増やして二塁打、三塁打を稼ぐ必要があるだろう。

16.デビン・ウィリアムズ(RHP)/Devin Williams:25歳
(MLB)3.95ERA 13G 13.2IP BB/9=4.0 K/9=9.2 K/BB=2.33
(2A/3A)2.21ERA 34G 57.0IP BB/9=4.7 K/9=12.9 K/BB=2.73
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / ×コマンド 
元トッププロスペクトがリリーフ転向でブレーク。昨季はフューチャーズゲームにも選出され、8月にはメジャーデビューも飾った。メジャー13登板で速球は平均96.4マイル・最速98.5マイルを計測するなど威力抜群で、第2球種のチェンジアップはその速球と12-13マイルの球速差があり、メジャーでも被打率.222・被長打率.259と効果的だった。ジョシュ・ヘイダーのようにマルチイニングを支配するリリーバーとして期待されている。

17.ペイトン・ヘンリー(C)/Payton Henry:22歳
(A+)121G 430AB 14HR 26BB 142K .242/.315/.395/.711
◯パワー 肩 守備 / ×コンタクト スピード
広角に長打の打てるパワーが魅力で、昨季はリーグ4位タイの14本塁打・3位の75打点をマークした。しかし一方で昨季三振率29.5%とコンタクトに不安があり、大成するかは疑問。それでも運動能力の高さと強肩に支えられた捕手守備がすでに計算できる域にあるため、少なくともバックアップは務まるだろう。盗塁阻止率は18年=44%、19年=38%。

18.ディラン・ファイル(RHP)/Dylan File:23歳
(A+/2A)3.24ERA 26GS 147.0IP BB/9=1.3 K/9=8.3 K/BB=6.18
◯コマンド / △球威 
昨季傘下トップとなる15勝をあげたコントロールアーティスト。サイド気味のリリースから90マイル前半の速球で両コーナーを突いて、スライダーで仕留める。大きいカーブで打者の目線を変え、左打者にはチェンジアップも交える。球威不足のため良くてもローテーション5番手だろうが、ハードコンタクトを許さない投球術がメジャーでも通用するか注目だ。

19.アレク・べッティンジャー(RHP)/Alec Bettinger:24歳
(2A)3.44ERA 26GS 146.1IP BB/9=2.2 K/9=9.7 K/BB=4.49
◯速球 奪三振 / △リリーフ向き? 
昨季はAで投球回、奪三振、WHIPの3部門でリーグ2位になるなどブレーク。その要因として球速UPがあげられている。常時90マイル前半、場面に応じて94-95マイルを計測するようになったことでゾーンで勝負できるようになった。この速球と平均以上のカーブを軸に、カッターやチェンジアップも効果的に織り交ぜることができる。将来像はローテーション5番手かロングリリーフか。

20.タイロン・テイラー(OF)/Tyrone Taylor:26歳
(MLB)15G 10AB 0HR 1BB 1K .400/.500/.600/1.100
(3A)92G 334AB 14HR 28BB 85K 5SB .269/.334/.461/.795
◯スピード CF守備 コンタクト / △パワー 年齢
12年ドラフト2巡目の古株で、昨季はブルワーズ傘下8年目にして悲願のメジャーデビューを果たした。目立ったツールはないが、パワー以外の4ツールが平均から平均以上で第四の外野手に適任。コンタクト技術が高く、18年=20本塁打、19年=14本塁打とパワースタッツも伸ばしている。

Plus One Prospect
ジョー・グレイ(OF)/Joe Gray:20歳
(R)31G 110AB 3HR 13BB 36K 3SB .164/.279/.300/.579
◎パワー 肩 / △素材型 / ✖故障多い コンタクト
18年ドラフト2巡目。ズバ抜けたパワーツールの持ち主で、ショーケースで98マイルを計測した強肩も自慢。しかし昨季打率.180・三振率28.6%とコンタクトの脆さが致命的。加えて故障の多さも気になるところ。開花すればアダム・ジョーンズ(現オリックス)級の大型CFになれる。

2020年4月18日土曜日

2020 CHINCINNATI REDS TOP 20 PROSPECTS

2020 CHINCINNATI REDS

TOP 20 PROSPECTS

Hunter Greene(RHP)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ハンター・グリーン(RHP)/Hunter Greene:20歳
※18年(A)4.48ERA 18GS 68.1IP BB/9=3.0 K/9=11.7 K/BB=3.87
◎速球 / ◯メークアップ 体格 打撃 / △素材型 チェンジアップ TJ手術明け
17年のドラフト全体2位指名。滑らかなフォームから最速103マイルの速球と80マイル中盤のスライダーを投げ込むポテンシャルの塊。学業も優秀でメークアップの評価が高い。19年はTJ手術により全休しており、健康面とチェンジアップの向上が懸念材料。

2.ニック・ロドロ(LHP)/Nick Lodolo:22歳
(R/A-)2.45ERA 8GS 18.1IP BB/9=0.0 K/9=14.7
◯3球種 コマンド 即戦力 /
19年ドラフト全体7位指名。エースポテンシャルではないが完成度が高く、即戦力でローテーション半ばクラスの活躍が見込める。6フィート6の長身から最速96マイルの速球、スライダー、チェンジアップをコマンドよく投げ込む。

3.ジョナサン・インディア(3B)/Jonathan India:23歳
(A+/2A)121G 428AB 11HR 59BB 110K 11SB .259/.365/.402/.767
◯打撃 肩 3B守備 / △パワー  
18年ドラフト全体5位指名。ジョシュ・ドナルドソン(ツインズ)とも比較される走攻守揃ったオールラウンド三塁手。中でも選球眼に優れ、出塁率の高さが特徴。20本塁打以上打てる力はあるが、マイナー通算165試合で17本塁打とパワー面をまだ発揮できていない。不動のレギュラーというよりも、複数ポジションを覚えてニック・センゼルのような立ち回りになる可能性もある。

4.ホセ・ガルシア(SS)/Jose Garcia:22歳
(A+)104G 404AB 8HR 25BB 83K 15SB .280/.343/.436/.779
◯スピード 肩 SS守備 / △打撃
キューバ出身で17年に契約金500万ドルで入団。運動能力がズバ抜けており、守備走塁がプラス評価。打撃面を伸ばせれば「20-20で守備プラス」のレギュラーSSになれる。打撃はこれからだが、昨季は50%以上のフライボール率をキープしながら37二塁打をマーク。フィジカル面も順調に成長しているため、将来は20本塁打以上も可能だろう。

5.タイラー・スティーブンソン(C)/Tyler Stephenson:23歳
(2A)89G 312AB 6HR 37BB 60K .285/.372/.410/.782
◯パワー アプローチ 肩 / △体格 C守備
M.ウィータースとも比べられる6-4/225の大型捕手。打撃ではパワーと選球眼を兼ね備えており、「出塁率.350&20本塁打」以上が見込める。一方で捕手守備は発展途上。肩は平均以上だが、大柄な体格のためかフットワークが鈍く、19年は盗塁阻止率26%止まりだった。打撃を生かすために一塁や外野に回る可能性もある。

6.スチュアート・フェアチャイルド(OF)/Stuart Fairchild:24歳
(A+/2A)109G 401AB 12HR 44BB 83K 6SB .264/.352/.441/.794
◯パワー スピード CF守備 / △コンタクト 肩
プルヒッターで高打率が望めるタイプではないが「出塁率.350・20本塁打・20盗塁」が狙える。平均以上のスピードを生かして外野3ポジションが守れ、ハイフロアーな第四の外野手と見るスカウトが多い。昨季は後半戦OPS.824と打撃の調子は上向きで、このまま打撃を伸ばせればレギュラーにもなれるだろう。

7.ライオン・リチャードソン(RHP)/Lyon Richardson:20歳
(A)4.15ERA 112.2IP BB/9=2.6 K/9=8.5 K/BB=3.21
◯コントロール 運動能力 3球種 / △素材型 コンディション
昨季19歳にしてAで1年間ローテーションを回した点を評価したい。高校時代に98マイルを計測した速球は91-94マイルにとどまっているが、カーブ&チェンジアップを器用に織り交ぜる投球術に磨きがかかったことが好成績につながった。コマンドと運動能力の高さからローテーション半ばクラスに育ってくれると期待したい。

8.タイラー・カリハン(2B/3B)/Tyler Callihan:19歳
(R)57G 224AB 6HR 10BB 50K 11SB .263/.298/.442/.740
◯パワー 打撃 / △スピード 守備 
19年ドラフト3巡目。U-18の米国代表でもプレーした経歴をもち、パワーとアベレージを兼ね備えた打撃面の評価が高い。打撃には疑う余地がない一方で運動能力には疑問。高校ではSSもプロでは早速2B/3Bに回った。レギュラー選手になるには守備を磨く必要がある。

9.マイク・シアニ(OF)/Mike Siani:20歳
(A)121G 466AB 6HR 46BB 109K 45SB .253/.333/.339/.672
◎スピード 肩 CF守備 / △素材型 打撃
傑出した運動能力を有し、ゴールドグラブが狙えるほどのセンター守備が1番の武器。一方の打撃面は発展途上で、磨かれる必要がある。平均レベルのパワーを秘めているものの、バレルコントロールが未熟で昨季はISO.083と長打不足が顕著だった。
 
10.トニー・サンティラン(RHP)/Tony Santillan:23歳
(2A)4.84ERA 21GS 102.1IP BB/9=4.7 K/9=8.1 K/BB=1.70
◯速球 / △コントロール コンディション
6-3/240の体格から最速100マイルの速球を投げ込むポテンシャルを昨季は発揮できなかった。上での痛みもあり、速球は90マイル前半にとどまり、BB/9、GB%はいずれも悪化。コントロール、変化球ともに磨く必要があり、ブルペン転向のリスクが高い。

11.レース・ヒンズ(3B)/Rece Hinds:19歳
(R)3G 8AB 0HR 2BB 3K .000/.200/.000/.200
◎パワー / ◯肩 / △素材型 RF向き? / ✖コンタクト
潜在的なパワーは20-80スケールで文句無しの80評価。シーリングに達することができれば40本塁打も夢ではない。しかしヒットツールに欠陥があり、空振りの多さが心配。ショーケースで98マイルを計測した強肩は三塁に適任も、守備範囲とハンドリングの問題からRF向きと見るスカウトも多い。攻守にハイリスク。

12.アラン・セルダ(OF)/Allan Cerda:20歳
(R)39G 132AB 9HR 20BB 56K .220/.360/.470/.829
◯パワー / △素材型 コンタクト 
パワーポテンシャルを高く評価されており、昨季はRでリーグ5位となISO.250をマークした。またフライボールを打つ技術も身に付けており、グラウンドボール率24.7%を上回っているのはメジャーではマイク・トラウトただ1人のみ。スピードと肩の強さはCF/RF向き。

13.ブラディミール・グティエレス(RHP)/Vladimir Gutierrez:24歳
(3A)6.04ERA 27GS 137.0IP BB/9=3.2 K/9=7.7 K/BB=2.44
◯速球 チェンジアップ / △リリーフ向き? 一発病 コマンド
キューバではリリーフとして活躍し、メジャーで先発に挑戦する経歴はライセル・イグレシアス(レッズ)と重なる。昨季は3Aでリーグワースト2位タイとなる26被本塁打を喫するなど不本意なシーズンに終わった。それでも速球とチェンジアップの2球種がプラスピッチで、カーブも平均レベル。復活の見込みはまだある。

14.イバン・ジョンソン(SS/2B/Ivan Johnson:21歳
(R)46G 188AB 6HR 18BB 46K 11SB .255/.327/.415/.742
◯打撃 / △2B向き? 
スターポテンシャルではないが攻守に平均以上になり得るスイッチヒッター。三振はやや多いがバレルゾーンに打球を量産でき、パワーも15~20本塁打相当を秘める。守備ではSSとしては肩が平均的なため2B向きか。2Bとしては平均以上になれる可能性がある。

15.パッキー・ノートン(LHP)/Packy Naughton:24歳
(A+/2A)3.32ERA 28GS 157.0IP BB/9=2.0 K/9=7.5 K/BB=3.74
◯3球種 コントロール スタミナ / △球威
球威は平凡だが、ファンキーなフォームから3球種をコントロールよく投げ分ける左腕。ポテンシャルはローテーション5番手かリリーフ向きと目されている。マイナーで2年続けて150イニング以上とスタミナも十分。しかし球威が平凡なためか昨季2A昇格後はK/9=6.9と下降が見られたので、3A、そしてメジャーに適応できるかがポイントとなる。

16.TJ フリードル(OF)/TJ Friedl:24歳
(2A)65G 226AB 5HR 29BB 50K 13SB .235/.347/.385/.732
◯スピード CF守備 / ×パワー 肩
俊足とハッスルプレーを武器に最多安打を2度受賞したレニー・ダイクストラ(元フィリーズ)と比較される。昨季は打撃成績を軒並み落としてしまったが、四球率10.8%・出塁率.347とチャンスメーカーとしての役割は果たした。パワーが平均以下のため第四の外野手止まりとの声が多い。

17.テジェイ・アントーン(RHP)/Tejay Antone:26歳
(2A/3A)4.00ERA 26GS 146.1IP BB/9=3.3 K/9=8.2 K/BB=2.51
◯グラウンドボーラー / △年齢
今季からレッズのピッチングコーディネーターに就任したカイル・ボーディ(ドライブラインの創設者)が「過小評価されている投手」に挙げた右腕。91-93マイルのツーシームを低めにコマンドし、昨季はグラウンドボール率56.8%をマークした。

18.ジェームソン・ハナ(OF)/Jameson Hannah:22歳
(A+)110G 442AB 2HR 38BB 104K 8SB .274/.339/.369/.708
◯スピード コンタクト / ×パワー ゴロ多い
昨夏にタナー・ロアークとのトレードで加入。プラスのスピードとバットコントロールに優れたコンパクトなスイングが魅力。昨季はグラウンドボール率56.1%とゴロマシーンと化してしまい、長打不足が目立った。コンタクト能力は高いだけにフライボールを増やせれば本塁打も増やせるはずだ。

19.ノア・デービス(RHP)/Noah Davis:22歳
(R)3.19ERA 13GS 42.1IP BB/9=2.8 K/9=7.4 K/BB=2.69
◯3球種 / △耐久性
18年ドラフト11巡目。ドラフト前にTJ手術を受け、昨季が復帰年になった。90-95マイルの速球、チェンジアップ、カーブを効果的に織り交ぜることができる。球威は先発として及第点なだけに健康面を維持できるかがポイントとなる。

20.クイン・コットン(OF)/Quin Cotton:22歳
(R)61G 237AB 4HR 34BB 49K 8SB .283/.376/.409/.785
◯アプローチ スピード / △パワー 肩 盗塁技術
19年ドラフト8巡目。下位指名となったがRでは好パフォーマンスを披露し、「スティール」との呼び声高い。目立ったツールはないが、平均以上のスピードと四球率11.8%をマークした選球眼から第四の外野手向き。レギュラーを目指すならパワーを伸ばすことが求められる。

Plus One Prospect
ミゲル・メドラノ(RHP)/Miguel Medrano:22歳
(R)3.13ERA 14GS 60.1IP BB/9=2.1 K/9=9.8 K/BB=4.71
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / △カーブ
92-94マイルの速球と平均以上のチェンジアップのコンビネーション。真上から投げ下ろすリリースのため角度も利いている。カーブは磨いていく必要があるが、フォーム&コントロールいずれも安定しており先発適性も持ち併せている。グラウンドボール率51.1%とゴロアウトの多さも特徴。

2020年4月17日金曜日

2020 CHICAGO CUBS TOP 20 PROSPECTS

2020 CHICAGO CUBS

TOP 20 PROSPECTS

Nico Hoerner(SS)

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。

1.ニコ・ホーナー(SS/2B)/Nico Hoerner
(2A)70G 268AB 3HR 21BB 31K 8SB .284/.344/.399/.743
(MLB)20G 78AB 3HR 3BB 11K 0SB .282/.305/.436/.741
◯コンタクト スピード / △2B向き? パワー  
18年ドラフト全体24位。パワーに疑問はあるも即戦力で攻守に堅実。将来は「3割・15本」相当の成績が見込める。SS守備はハビアー・バイエズを追いやるほどは飛び抜けておらず、2Bが適任との見立てだ。

2.ブレネン・デービス(OF)/Brennen Davis
(A)50G 177AB 8HR 18BB 38K 4SB .305/.381/.525/.907
◯スピード パワー 肩 / △素材型
「30-30」も狙えるズバ抜けたポテンシャルを秘め、6-4/175の体格から伸びしろ抜群。平均を大きく上回るスピードがベストツールだが、外野守備は発展途上でルート取りや打球判断を磨いている段階。育成に時間はかかるだろうが、スケールの大きいCFになれる。
3.ブレイリン・マルケス(LHP)/Brailyn Marquez
(A/A+)3.13ERA 22GS 103.2IP BB/9=4.3 K/9=11.1 K/BB=2.56
◎速球 / ◯奪三振 体格 / △チェンジアップ コマンド
急成長を遂げているファイアーボーラー。速球は常時90マイル後半、最速102マイルに達し、昨季は102マイルを24度も計測した。スライダーもキレるが、右打者対策のためにチェンジアップを磨ていく必要がある。変化球とコマンドの精度を磨くことができればエースも狙える。

4.ミゲル・アマヤ(C)/Miguel Amaya
(A+)99G 341AB 11HR 54BB 69K .235/.351/.402/.753
◯ 肩 C守備 / △スピード 素材型
パナマ出身の20歳。2年連続でフューチャーズゲームに出場している。攻守に発展途上だが、上手く育てば「打率.260・15本で守備プラスのキャッチャー」になれるだろう。守備ではレシービングが雑だが、ブロッキングとフレーミングが優秀。課題のスローイングも盗塁阻止率35%と改善の兆し。

5.コール・ローダー(OF)/Cole Roederer
(A)108G 384AB 9HR 52BB 112K 16SB .224/.319/.365/.684
◯パワー スピード / △両翼向き 素材型 アプローチ 肩
アプローチを磨けば「.280・25本」も狙える打撃が武器。しかし昨季は長打狙いのアプローチでプルヒッター傾向が強すぎてコンタクト難に苦しんだ。スイング&打球速度は速いだけにフィールド全体を扱う打撃を覚えれば率も残せるだろう。スピードは平均以上だが、肩が弱いためCFから移るとなるとLFが適任だろう。

6.アドベルト・アルゾロイ(RHP)/Adbert Alzolay
(A+/3A)4.80ERA 16GS 69.1IP BB/9=4.3 K/9=12.2 K/BB=2.85
(MLB)7.30ERA 2GS 12.1IP BB/9=6.6 K/9=9.5 K/BB=1.44
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? 
最速98マイルの速球と80マイル前半の鋭いカーブがプラスピッチ。チェンジアップも第3球種として効果的で三振数を稼げる。力いっぱい投げ込むスタイルのため細かいコマンドは期待できないが、ゾーンへ投げ込むコントロールは持っている。リリーフならクローザーポテンシャルもまだ先発として試される予定。

7.コール・フランクリン(RHP)/Kohl Franklin
(A-)2.31ERA 39.0IP 10GS BB/9=3.2 K/9=11.3 K/BB=3.50
◯速球 3球種 奪三振 体格 / △コマンド 
下半身を有効に使えるようになったことで17年に89マイル止まりだった速球は最速97マイルにまで上昇。チェンジアップの扱いに長け、課題とされてきたブレーキングボールもナックルカーブを習得。3球種で平均以上の評価を得ている。20歳とまだ若い上に6-4/190と体格的な伸びしろも十分。

8.ライリー・トンプソン(RHP)/Riley Thompson
(A)3.06ERA 21GS 94.0IP BB/9=3.0 K/9=8.3 K/BB=2.81
◯速球 カーブ / △コマンド 耐久性
高校ではTJ手術、大学では肩の故障に悩まされたが、成長著しくプロ2年目で開花の兆し。平均93マイルの速球と82-86マイルのカーブはいずれも平均以上のスピンレートを誇り、チェンジアップも昨季大きく向上を辿った。アマチュア時代には制球難に悩まされていたが、コントロールも進歩が見られる。

9.チェース・ストランプ(2B)/Chase Strumpf
(R/A-/A)39G 135AB 3HR 23BB 42K 2SB .244/.374/.400/.774
◯コンタクト / △スピード 肩
プロデビューではつまずいたが、攻守のポテンシャルはイアン・キンズラー(元レンジャース)と比べられる。コンパクトなスイングでライナーを打ち分け、四球も稼げる。走守の能力は平均から平均以下で肩も強くないため、2Bに残れないLFに回るリスクがある。
 
10.ライアン・ジェンセン(RHP)/Ryan Jensen
(A-)2.25ERA 6GS 12.0IP BB/9=10.5 K/9=14.3 K/BB=1.36
◎速球 / △コマンド チェンジアップ リリーフ向き? 
昨季平均96マイルを計測したフォーシーム&ツーシームのコンボが強烈な剛腕。変化球の安定感がイマイチだがスライダーは平均以上のボールになり得る。チェンジアップ&コマンドの精度が高くなく、体も大きくないためブルペンに回るリスクが高い。

11.コリー・アボット(RHP)/Cory Abbott
(2A)3.01ERA 26GS 146.2IP BB/9=3.2 K/9=10.2 K/BB=3.19
◯奪三振 5球種 / △球威
打者を圧倒する球威はないが5球種をコントロールよく投げ分けるイニングイーター。90-93マイルの速球でコマンドよくコーナーを突き、カッター&スライダー&カーブで打者の左右を問わず三振を奪える。チェンジアップはまだ発展途上。

12.クリストファー・モレル(3B)/Christopher Morel
(A)73G 257AB 6HR 11BB 60K 9SB .284/.320/.467/.787
◯パワー 3B守備 肩 / ✖フリースインガー
6-0/140(現在はもっと身長が伸びているとも)とかなりのヒョロヒョロ体型だが、プラスのパワーポテンシャルを秘める。四球率4%とアプローチを大幅に改善する必要があるが、バットスピードの速さは傘下トップクラス。元SSで、3B守備は平均以上の評価。

13.タイソン・ミラー(RHP)/Tyson Miller
(2A/3A)4.35ERA 26GS 136.2IP BB/9=2.8 K/9=8.1 K/BB=2.86
◯3球種 コントロール / △フライボーラー 一発病 
球威は支配的ではないが、切れの良い90マイル前半の速球と80マイル中盤のスラッターでゾーンを攻める。昨季はカーブとチェンジアップで向上を辿り、2Aでは15先発で防御率2.56・K/BB=4.44で成功。しかし球威が平均的な上に極度のフライボーラーであるため、3Aでは48.2回で13本塁打を喫し、防御率7.58と炎上した。

14.クリス・クラーク(RHP)/Chris Clarke
(A-)1.96ERA 8GS 23.0IP BB/9=1.6 K/9=10.2 K/BB=6.50
◎カーブ / ◯長身 / △チェンジアップ 先発経験
6フィート7の長身から繰り出されるハンマーカーブが強烈。速球は92-94マイルと支配的ではないが落差があり、スライダーも平均クラス。大学ではリリーフだったのでチェンジアップは発展途上で先発投手としてやっていくには磨いていく必要がある。

15.マイケル・マクアベニュー(RHP)/Michael McAvene
(A-)1.42ERA 6GS 12.2IP BB/9=2.8 K/9=14.2 K/BB=5.00
◎速球 / △チェンジアップ 先発経験
14位のクラークと同じく、大学ではクローザーだったがカブスは先発転向を目論んでいる。98-99マイルに達する速球とスライダーの威力は文句なしなので、チェンジアップを磨ければ先発としてやっていけるかもしれない。もしブルペンに戻れば支配的なリリーバーになれるだろう。

16.ザック・ショート(SS)/Zack Short
(R/2A/3A)63G 213AB 6HR 38BB 72K 2SB .235/.363/.404/.767
◯パワー SS守備 アプローチ / ✖コンタクト
フライボールに特化したアプローチで、高打率は望めないが一発がある。四球率14.2%と四球も選べ、マイナー7年で出塁率.377と出塁能力は優秀。機敏さと力強さを兼ね備えた内野守備は傘下No.1との評価で、仮に打てなくてもユーティリティーにはなれるだろう。

17.ペドロ・マルティネス(SS/2B/Pedro Martinez
(R/A-)54G 206AB 2HR 24BB 63K 19SB .311/.388/.437/.825
◯コンタクト 肩 / △2B向き パワー 素材型
まだ19歳と若く、実績には乏しいがコンタクト能力がズバ抜けている。ゾーン理解にも富んでおり、パワーは平均未満ながら磨けば二桁本塁打も狙える。守備は現在SSも、長い目で見れば2B向きだろう。2Bでなら平均以上のディフェンダーになり得る。肩も強く3Bでも面白い。将来はデービッド・ボーティのような攻撃型ユーティリティか。

18.イーサン・ハーン(C)/Ethan Hearn
(R)23G 80AB 2HR 13BB 36K .163/.286/.275/.561
◯パワー 肩 / △素材型 スピード / ✖コンタクト
MLB公式のドラフトランキングでは高校生捕手最高位の67位も、大学進学の可能性が高いことから11巡までスリップ。スティールに成功したが三振率36.7%とプロデビューは苦しんだ。パワーと肩がプラスツールで強肩強打が魅力。

19.ロニエル・キンテーロ(C)/Ronnier Quintero
◯パワー / △素材型 スピード
国際アマチュアFAの選手としては球団最高額となる290万ドルで入団した大器。打球速度が傑出しており、ウィルソン・コントレラスのような攻撃型捕手になり得る。守備では強肩を有しており、レシービングなどを磨くことができれば平均レベルまではなれるだろう。

20.キーガン・トンプソン(RHP)/Keegan Thompson
(R/2A)3.60ERA 4GS 10.0IP BB/9=0.9 K/9=11.7 K/BB=13.00
◯4球種 コマンド / △速球 肘の故障
17年ドラフト3巡目。球威は支配的ではないが、4球種をコマンドよく織り交ぜて打者のタイミングを外すことができる。肘に違和感により4か月以上をILで過ごし、PRP治療も受けたがオフのAFLでは実戦復帰。耐久面以外は欠点はなく、ハイフロアーなローテーション4~5番手候補だ。

Plus One Prospect
ラファエル・モレル(SS)/Rafael Morel
(DSL)60G 230AB 4HR 26BB 38K 23SB .283/.373/.448/.821
◯スピード 肩 コンタクト / △素材型 パワー CF向き?
リスト12位のクリストファーの弟。アスレチックさとコンタクト技術が魅力。スピードと肩の強さはいずれも平均を大きく上回るが、長い目で見ればCF転向が目されている。打撃では三振率14.2%・四球率9.7%と安定したアプローチで長打も稼げる。これからの成長に期待したい。