2020 ARIZONA DIAMONDBACKS
TOP 20 PROSPECTS
Daulton Varsho(C) |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
1.ドールトン・バーショー(C/OF)/Daulton Varsho:23歳
(2A)108G 396AB 18HR 42BB 63K 21SB .301/.378/.520/.899
◯スピード 打撃 パワー / △肩
父ゲリーはMLBで8年間プレーした元メジャーリーガー。捕手離れしたしたアスリートで、「20-20」が狙える攻撃型捕手。バットコントロールが巧みで、広角に打ち分けながら四球も稼げる。走塁ではここ2年で40盗塁(成功率83%)と盗塁技術も高い。守備では少なくとも平均程度の評価を得ている。運動能力の高さからブロッキングとレシービングは十分も肩の弱さが欠点。昨季後半にはCFでも経験を積んだ。
2.クリスチャン・ロビンソン(OF)/Kristian Robinson:19歳
(A-/A)69G 255AB 14HR 31BB 77K 17SB .282/.368/.514/.881
◎パワー / ◯スピード 肩 / △RF向き? 素材型 コンタクト
17年に契約金255万ドルでプロ入りしたバハマ出身のプロスペクト。豪快なパワーとスピードを備えた5ツール候補で、完成型はジャスティン・アップトン(エンゼルス)か。三振率26.8%と三振数は多いが、全体的な選球眼、コンタクト評価は高い。CF守備では打球勘やルート取りにも優れるが、大柄な体格から将来的にはRF向きと目されている。ポテンシャルでは1位のバーショーよりも上だが、Aでは打率.217とまだ適応できていなかったので2位とした。
3.アレク・トーマス(OF)/Alek Thomas:19歳
(A/A+)114G 447AB 10HR 52BB 105K 15SB .300/.379/.450/.829
◯コンタクト スピード CF守備 / △素材型 パワー 肩
18年ドラフト2巡目。小柄だが俊足巧打でCF守備も素晴らしく、アダム・イートン(ナショナルズ)やジョン・ジェイ(元カージナルス他)と比較されている。昨季はフューチャーズゲーム出場を果たすなどブレークを果たした。パワーは発展途上だが将来的には12-15ホーマーも可能との見立て。
4.ジェラルド・ペルドモ(SS)/Geraldo Perdomo:20歳
(A/A+)116G 407AB 3HR 70BB 67K 26SB .275/.397/.364/.761
◯アプローチ 肩 SS守備 スピード / △素材型 パワー
1位のロビンソンほどの天井はないが、完成度では上。成熟したアプローチで出塁率が高く、マイナー3年で169BB/148K・出塁率.411をマークしている。20盗塁レベルのスピードに加えて、SS守備も申し分ない。長くSSを任せられるだろう。
5.コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:19歳
(R/A-)42G 154AB 2HR 29BB 41K 18SB .299/.409/.487/.896
◎スピード / ◯コンタクト CF守備 / △素材型 パワー 肩
19年ドラフト1巡目の高卒選手。3位のアレク・トーマスと似たような選手像だが、スピードツールで上回る。フィールド全体にラインドライブを量産し、Rで四球率15.6%と選球眼も良い。ダブルプラスのスピードでCF守備も優秀。年齢以上に磨かれており、トーマス、ペルドモと違ってフルシーズンでの実績がないため、控えめの5位とした。
6.ブレーク・ウォルストン(LHP)/Blake Walston:18歳
(R/A-)2.45ERA 6G/5GS 11.0IP BB/9=1.6 K/BB=13.9 K/BB=8.50
◯速球 カーブ コマンド 4球種 伸びしろ / △素材型
バリー・ジト(元ジャイアンツ他)と比べられる昨年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができ、速球とカーブの2球種がプラスピッチ候補。特に速球は高校時90マイル前後だったものがプロ入り後に最速97マイルと成長著しい。6-5/175の細身の体格とクオーターバックとしても活躍の運動能力の高さからさらなる伸びしろが期待できる。また、高卒投手ながら滑らかなフォームでコマンドも良いため、未来のエース候補として注目だ。
7.コービン・マーティン(RHP)/Corbin Martin:24歳
(MLB)5.59ERA 5GS 19.1IP BB/9=5.6 K/9=8.8 K/BB=1.58
(3A)3.13ERA 8GS 37.1IP BB/9=4.3 K/9=10.8 K/BB=2.50
◯4球種 速球 奪三振 / △TJ手術明け
昨季メジャーデビュー後に肘の痛みを訴えてTJ手術を受けた。今季中の復帰は絶望だが、後に続くフリアス、ケリーよりも完成度と先発適性の点で勝っている。平均95マイル/最速98マイルの速球はスピンレートが優秀で高めで空振りが取れる。83マイルのパワーカーブと89マイルのスライダーが平均以上で、チェンジアップは平均的ながら落差が大きく空振りが取れる。健康に復帰できればローテーション3番手クラスの活躍が期待できるだろう。
8.ルイス・フリアス(RHP)/Luis Frias:21歳
(A-/A)2.83ERA 16GS 76.1IP BB/9=3.4 K/9=11.9 K/BB=3.48
◎速球 / ◯カーブ 奪三振 / △リリーフ向き? コマンド コンディション
投球のダイナミックさは傘下No.1。力感あふれる垂直に近いオーバースローから最速99マイルの速球と縦に鋭く割れるスパイクカーブのコンビネーション。昨季は第3球種にスプリットチェンジを習得し、昨季の対左被OPS.513は対右打者よりも優秀な数字だった。登録上は180ポンドになっているが、昨年は250ポンドまで増量してしまい、コンディション維持に注意が必要。加えて先発に残るにはコマンドとスタミナを磨く必要がある。
9.リーバイ・ケリー(RHP)/Levi Kelly:20歳
(A)2.15ERA 22GS 100.1IP BB/9=3.5 K/9=11.3 K/BB=3.23
高速系の3球種をもったパワーピッチャー。90マイル中盤の速球と縦スライダーの2球種がプラスピッチ。昨季はチェンジアップをスプリット気味に改良し、パワフルさが増した。しかしマックスで投げるフォームからコマンドと耐久性を不安視されており、リリーフ向きと見るスカウトが多い。それでもプロ入り後にフォームをシンプルにするように特訓中で、時間はかかるだろうが改善できればローテーション入りが見えてくる。
(A+/2A)2.71ERA 22GS 126.1IP BB/9=1.5 K/9=7.2 K/BB=4.81
◯シンカー グラウンドボーラー コマンド /
ライバルスカウトから昨季16勝をあげたダコタ・ハドソン(カージナルス)と比較されるグラウンドボーラー。最速96マイルのシンカーと縦カーブを武器に昨季はマイナー全体トップ(120回以上)のグラウンドボール率67.2%をマークした。平均的なチェンジアップと不安定ながらスラッターも交える。コマンドも平均以上。昨季は全22先発で5イニング以上を投げるなどゲームメーク能力も高い。
11.セス・ビーア(1B/OF)/Seth Beer:23歳
(A+/2A)122G 450AB 26HR 46BB 113K .289/.388/.516/.904
◯パワー / ✖守備走塁
18年ドラフト1巡目の左のパワーバット。パワーとヒットツールを兼ね備えており、昨季26本塁打のうち半分がレフトからセンター方向と広角に長打が打てる。空振りは多いが、四球率8.6%と選べる。スピードに乏しく守備力は平均以下。一塁とレフトが守れ、マット・アダムス(元ナショナルズ他)と比べられる。
12.マット・テイボー(RHP)/Matt Tabor:21歳
(A)2.93ERA 21GS 95.1IP BB/9=1.5 K/9=9.5 K/BB=6.31
◯コマンド 3球種 / △素材型 球威
球威は傑出していないが、滑らかな投球フォームと配球の巧さからDバックス傘下出身のチェース・アンダーソン(現ブルージェイズ)と比較されている。90マイル前半の速球とチェンジアップのコンビネーションで打者のタイミングを崩す投球が持ち味。昨季はスライダーを磨いて、チェンジアップを抜いて第2球種と評されるまでに成長した。マイナー3年でBB/9=1.6とコントロールも抜群。ローテーション下位向きも、球威を伸ばせれば2~3番手も狙える?
13.J.B.バカウスカス(RHP)/J.B. Bukauskas:23歳
(2A)5.44ERA 22G/16GS 92.2IP BB/9=5.7 K/9=10.6 K/BB=1.85
こんなところでくすぶっている場合ではない。昨夏にザック・グレインキーのトレードで加入したが2試合投げた後に肘の痛みを訴えてシーズン終了に。テイクバックの小さいショートアームから最速98マイルの速球と80マイル後半のスラッターのコンボは強烈の一言。しかしコントロールが悪く、体格も先発としては小さいため、ブルペン転向のリスクもある。
14.ウィルダード・パティーノ(OF)/Wilderd Patino:18歳
(R)40G 141AB 1HR 13BB 46K 14SB .319/.378/.447/.825
◯スピード / △素材型
(A)97G 343AB 7HR 42BB 89K 14SB .262/.355/.382/.737
◎肩 / △素材型 コンタクト
ダブルプラスの強肩を生かしたSS守備が自慢。昨季は2Bや3Bでも経験を積み、ユーティリティー性を高めた。打撃は平均的ながらパンチ力があり、昨季は課題の選球眼も四球率10.2%と進歩を遂げた。J.J.ハーディ(元オリオールズ他)やクリス・テイラー(ドジャース)のような将来像が見込まれる。
16.ペイビン・スミス(1B/OF)/Pavin Smith:24歳
(A+/2A)123G 440AB 12HR 59BB 61K .291/.370/.466/.835
◯打撃 アプローチ コンタクト / △パワー / ✖スピード
17ドラフト全体7位指名も、パワー不足で評価を落としている。コンタクトと選球眼に優れたピュアヒッターで、昨季四球率11.6%/三振率12%とアプローチも洗練されている。昨季は出場機会を増やすために外野両翼でも経験を積んだ。完成型は「3割・15本・30二塁打」だろう。
17.ジョン・ダプランティアー(RHP)/Jon Duplantier:25歳
(MLB)4.42ERA 15G/3GS 36.2IP BB/9=4.4 K/9=8.3 K/BB=1.89
(3A)5.21ERA 13G/11GS 38.0IP BB/9=6.6 K/9=10.4 K/BB=1.57
◯カーブ 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? 故障多い
大学時代から故障の絶えないガラスのエース。17年にマイナー全体トップとなる防御率1.39とブレークを果たしたが、ここ2シーズンは再び肩の故障で離脱を経験している。平均92マイルのフォーシーム、シンカーを軸にスライダー、カーブで仕留める投球スタイル。故障の多さも制球難もフォームに問題があるとされており、昨季後半はフォームの修正に時間を費やした。チームは再び先発として試す予定だが、結果を出せないとブルペンに専念しなければならないだろう。
18.アンディ・ヤング(2B)/Andy Young:25歳
(2A/3A)133G 462AB 29HR 42BB 121K 3SB .271/.368/.535/.903
◯パワー / △守備走塁
18年にポール・ゴールドシュミットとのトレードで加入。コンタクトは少々荒いが打撃に関しては文句無し。昨季の29本塁打・81打点はいずれもキャリアハイで、マイナー通算出塁率.367と出塁率も及第点。しかし守備に不安を抱えており、フルタイムでレギュラーを任せるのは厳しいか。長い目で見れば、レギュラーよりも攻撃型ユーティリティーが適任だろう。
19.ドレイ・ジェームソン(RHP)/Drey Jameson:22歳
(A-)6.17ERA 8GS 11.2IP BB/9=6.9 K/9=9.3 K/BB=1.33
6-0/165と投手としては小柄だが球威が傑出している。最速98マイルの速球とブレーキングボールのコンビネーションはパワフル。スプリットチェンジも切れるが、どの球種も安定感に欠ける。小柄な体格と制球難、力のこもった投球フォームから先発適性には疑問。ブルペン転向なら支配的なリリーバーになれる。
20.ドミニック・フレッチャー(OF)/Dominic Fletcher:22歳
(A)55G 214AB 5HR 22BB 50K 1SB .318/.389/.463/.852
◯パワー CF守備 / △スピード コンタクト
Plus One Prospect
ジャスティン・マルティネス(RHP)/Justin Martinez:18歳
(DSL/R)2.89ERA 18G/10GS 56.0IP BB/9=5.9 K/9=12.5 K/BB=2.11
◯速球 奪三振 / △素材型 / ✖コマンド 投手経験
アマチュア時代は外野手としてプレー。16歳で契約解禁になっても契約が決まらなかったが、肩の強さを買ってDバックスが投手として獲得した。すると急成長を遂げ、速球は最速98マイルに到達。昨季はDSLを卒業して米国デビューも果たした。速球とパワースライダーはすでに強烈で、現在はフォームとチェンジアップを磨いているところ。投手経験の浅さと6-3/180の体格からまだまだ伸びるはず。