2021年1月30日土曜日

2021 ARIZONA DIAMONDBACKS TOP 20 PROSPECTS

2021 ARIZONA DIAMONDBACKS

TOP 20 PROSPECTS

Daulton Varsho


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.ドールトン・バーショー(C/OF)/Daulton Varsho:23歳
(2A)108G 396AB 18HR 42BB 63K .301/.378/.520/.899
(MLB)37G 101AB 3HR 12BB 33K .188/.287/.366/.653
◯スピード 打撃 パワー / △肩 
父ゲリーはMLBで8年間プレーした元メジャーリーガー。捕手離れしたしたアスリートで、「20-20」が狙える攻撃型捕手。バットコントロールが巧みで、広角に打ち分けながら四球も稼げる。走塁ではマイナーにおいて18-19年で40盗塁(成功率83%)と盗塁技術も高い。運動能力の高さからブロッキングとレシービングは十分も、捕手としては肩の弱さが欠点。19年後半からCFとしても経験を積んでいる。20年は外野で19試合、捕手で10試合に出場。

2.クリスチャン・ロビンソン(OF)/Kristian Robinson:20歳
(A-/A)69G 255AB 14HR 31BB 77K 17SB .282/.368/.514/.881
◎パワー / ◯スピード 肩 / △RF向き? 素材型 コンタクト
17年に契約金255万ドルでプロ入りしたバハマ出身のプロスペクト。豪快なパワーとスピードを備えた5ツール候補で、完成型はジャスティン・アップトン(エンゼルス)か。三振率26.8%と三振数は多いが、全体的な選球眼、コンタクト評価は低くない。CF守備では打球勘やルート取りにも優れるが、大柄な体格から将来的にはRF向きと目されている。ポテンシャルでは1位のバーショーよりも上だが、Aでは打率.217とまだ適応できていなかったので2位とした。20年はオフに減量を行い、スリム化してキャンプに登場。その後教育リーグで実戦経験を積んだ。
Kristian Robinson

3.アレク・トーマス(OF)/Alek Thomas:21歳
(A/A+)114G 447AB 10HR 52BB 105K 15SB .300/.379/.450/.829
◯コンタクト スピード CF守備 / △素材型 パワー 肩
18年ドラフト2巡目。小柄だが俊足巧打でCF守備も素晴らしく、アダム・イートン(Wソックス)やジョン・ジェイ(元カージナルス他)と比較されている。19年はフューチャーズゲーム出場を果たすなどブレークを果たした。パワーは発展途上だが将来的には12-15ホーマーも可能との見立て。20年は代替キャンプで経験を積んだ。父アレンはWソックスのコンディションコーチ。
Alek Thomas

4.ジェラルド・ペルドモ(SS)/Geraldo Perdomo:21歳
(A/A+)116G 407AB 3HR 70BB 67K 26SB .275/.397/.364/.761
◯アプローチ 肩 SS守備 スピード / △素材型 パワー
パワーが平均以下のため2位のロビンソンほどの天井はないが、攻守の完成度では上。成熟したアプローチで出塁率が高く、マイナー3年で169BB/148K・出塁率.411をマークしている。20盗塁レベルのスピードに加えて、SS守備もメジャー平均をわずかに上回るだろうとの見立て。SSを長く任せられるだろう。若き日のディディ・グレゴリウスと重なるものがある。

5.コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:20歳
(R/A-)42G 154AB 2HR 29BB 41K 18SB .299/.409/.487/.896
◎スピード / ◯コンタクト CF守備 / △素材型 パワー 肩
19年ドラフト1巡目の高卒選手。3位のアレク・トーマスと似たような選手像だが、スピードツールで上回る。フィールド全体にラインドライブを量産し、Rで四球率15.6%と選球眼も良い。ダブルプラスのスピードでCF守備も優秀。年齢以上に磨かれており、トーマス、ペルドモと違ってフルシーズンでの実績がないため、控えめの5位とした。
Corbin Carroll

6.
ブライス・ジャービス(RHP)/Bryce Jarvis:23歳
◯コマンド チェンジアップ 即戦力 /
20年ドラフト全体18位指名。完成度の高いカレッジ出身投手で、早期昇格が狙える。チェンジアップが武器のストライクスロワーだったが球速を伸ばしてドラフト前に評価を急上昇させた。元々90マイル前後だった速球は93-96マイルになり、カーブも成長。20年のシーズン打ち切りがなければもっと評価を上げていたかもしれない。
◯速球 スライダー 奪三振 体格 / △素材型
20年ドラフト全体33位指名。まだ大学2年で他のドラフト候補よりも1歳若く、6-4/212の体格も含め、6位のジャービスと比較すると即戦力というよりも素材型の側面が強い。不安定ながら、好調時はインステップの角度あるオーバースローから90マイル後半の速球と縦スライダーを投げ下ろす。ゾーン主体で攻めるコントロールを備えており、大学2シーズンでBB/9=2.2をマーク。
20年は代替キャンプでも好パフォーマンスを見せた。
(R/A-)2.45ERA 11.0IP BB/9=1.6 K/BB=13.9 K/BB=8.50
◯速球 4球種 伸びしろ / △素材型
バリー・ジト(元ジャイアンツ他)と比べられる19年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができ、速球とカーブの2球種がプラスピッチ候補。特に速球は高校時90マイル前後だったものがプロ入り後に最速97マイルと成長著しい。6-5/195の恵まれた体格とクオーターバックとしても活躍の運動能力の高さからさらなる伸びしろが期待できる。しかし20年は代替キャンプで速球が90マイル前半止まりと不発に終わった。
(MLB)5.59ERA 5GS 19.1IP BB/9=5.6 K/9=8.8 K/BB=1.58
(3A)3.13ERA 8GS 37.1IP BB/9=4.3 K/9=10.8 K/BB=2.50
◯4球種 速球 奪三振 / △TJ手術明け
19年にメジャーデビュー後に肘の痛みを訴えてTJ手術を受けた。20年はリハビリを続けていたが斜筋を痛めてシーズン終了となった。しかし後に続くフリアス、ケリーよりも完成度と先発適性の点で勝っている。平均95マイル/最速98マイルの速球はスピンレートが優秀で高めで空振りが取れる。83マイルのパワーカーブと89マイルのスライダーが平均以上で、チェンジアップは平均的ながら落差が大きく空振りが取れる。健康に復帰できればローテーション3-4番手クラスの活躍が期待できるだろう。
(A+/2A)123G 440AB 12HR 59BB 61K .291/.370/.466/.835
(MLB)12G 37AB 1HR 5BB 8K .270/.341/.405/.746
◯即戦力 アプローチ 1B守備 / △パワー
17ドラフト全体7位指名も、パワー不足がネック。コンタクトと選球眼に優れたピュアヒッターで、19年にマイナーで四球率11.6%/三振率12%とアプローチも洗練されている。19年からは出場機会を増やすために外野両翼でも経験を積んでいる。完成型は「3割・15本・30二塁打」だろう。20年はMLBデビューを飾った。長打狙いのアプローチに転換中だが、それが吉と出ればレギュラーでも価値を生み出せるだろう。

11.ルイス・フリアス(RHP)/Luis Frias:23歳
(A-/A)2.83ERA 16GS 76.1IP BB/9=3.4 K/9=11.9 K/BB=3.48
◎速球 / ◯カーブ 奪三振 / △リリーフ向き? コマンド 体重管理
投球のダイナミックさは傘下No.1。力感あふれる垂直に近いオーバースローから最速99マイルの速球と縦に鋭く割れるスパイクカーブのコンビネーション。19年は第3球種にスプリットチェンジを習得し、19年の対左被OPS.513は対右打者よりも優秀な数字だった。登録上は180ポンドになっているが、19年は250ポンドまで増量してしまい、コンディション維持に注意が必要。加えて先発に残るにはコマンドとスタミナを磨く必要がある。

12.
リーバイ・ケリー(RHP)/Levi Kelly:22歳
(A)2.15ERA 22GS 100.1IP BB/9=3.5 K/9=11.3 K/BB=3.23
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド リリーフ向き? フォーム
高速系の3球種をもったパワーピッチャー。90マイル中盤の速球と縦スライダーの2球種がプラスピッチ。19年はチェンジアップをスプリット気味に改良し、パワフルさが増した。しかしマックスで投げるフォームからコマンドと耐久性を不安視されており、リリーフ向きと見るスカウトが多い。それでもプロ入り後にフォームをシンプルにするように特訓中で、時間はかかるだろうが改善できればローテーション入りが見えてくる。

(A+/2A)2.71ERA 22GS 126.1IP BB/9=1.5 K/9=7.2 K/BB=4.81
◯シンカー グラウンドボーラー コマンド / 
ライバルスカウトからダコタ・ハドソン(カージナルス)と比較されるグラウンドボーラー。最速96マイルのシンカーと縦カーブを武器に19年はマイナー全体トップ(120回以上)のグラウンドボール率67.2%をマークした。平均的なチェンジアップと不安定ながらスラッターも交える。コマンドも平均以上。19年は全22先発で5イニング以上を投げるなどゲームメーク能力も高い。

14.セス・ビーア(1B/OF)/Seth Beer:24歳
(A+/2A)122G 450AB 26HR 46BB 113K .289/.388/.516/.904
◯パワー / ✖守備走塁
18年ドラフト1巡目の左のパワーバット。パワーとヒットツールを兼ね備えており、19年にマイナーで放った26本塁打のうち半分がレフトからセンター方向と広角に長打が打てる。空振りは多いが、四球率8.6%と見極めは及第点。スピードに乏しく守備力は平均以下。一塁とレフトが守れ、マット・アダムス(元ナショナルズ他)と比べられる。

15.マット・テイボー(RHP)/Matt Tabor:22歳
(A)2.93ERA 21GS 95.1IP BB/9=1.5 K/9=9.5 K/BB=6.31
◯コマンド 3球種 / △素材型 球威
球威は傑出していないが、滑らかな投球フォームと配球の巧さからDバックス傘下出身のチェース・アンダーソン(前ブルージェイズ)と比較されている。90マイル前半の速球とチェンジアップのコンビネーションで打者のタイミングを崩す投球が持ち味。19年はスライダーを磨いて、チェンジアップを抜いて第2球種と評されるまでに成長した。マイナー3年でBB/9=1.6とコントロールも抜群。ローテーション下位向きも、球威を伸ばせれば2~3番手も狙える?

(A+/2A)109G 401AB 12HR 44BB 83K 6SB .264/.352/.441/.794
◯パワー スピード CF守備 / △コンタクト 肩
昨年夏にアーチ-・ブラッドリーとのトレードでレッズから獲得。プルヒッターで高打率が望めるタイプではないが「出塁率.350・20本塁打・20盗塁」が狙える。平均以上のスピードを生かして外野3ポジションが守れ、ハイフロアーな第四の外野手と見るスカウトが多い。打撃力を伸ばせるかがレギュラーになれるかを左右するだろう。

17.
J.B.バカウスカス(RHP)/J.B. Bukauskas:24歳
(2A)5.44ERA 22G/16GS 92.2IP BB/9=5.7 K/9=10.6 K/BB=1.85
◎速球 スライダー / ◯奪三振 / △耐久性 体格 / ✖コマンド
こんなところでくすぶっている場合ではない。19年夏にザック・グレインキーとのトレードで加入したが2試合投げた後に肘の痛みを訴えてシーズン終了に。テイクバックの小さいショートアームから最速98マイルの速球と80マイル後半のスラッターのコンボは強烈の一言。しかしコントロールが悪く、体格も先発としては小さいため、ブルペン転向のリスクもある。

(R)40G 141AB 1HR 13BB 46K 14SB .319/.378/.447/.825
◯5ツール / △素材型
元々レンジャースとの130万ドルで契約が決まっていたが、肘の故障が見つかったため破談に。のちに98万ドルでDバックス入りが決まった。父はベネズエラの元プロバスケットボール選手で、パティーノ自身もその血を引いた5ツール候補だ。中でも平均を大きく上回るスピードが武器で、打撃もコンパクトかつ力強いスイングを見せている。CF守備も平均以上で、スターリング・マーテ(マーリンズ)が完成型だろう。

(A)97G 343AB 7HR 42BB 89K 14SB .262/.355/.382/.737
◎肩 / 〇守備 / △素材型 打撃
ダブルプラスの強肩を生かしたSS守備が自慢。19年は2Bや3Bでも経験を積み、ユーティリティー性を高めた。打撃は平均的ながらパンチ力があり、課題の選球眼も四球率10.2%と進歩を遂げた。このまま打撃を伸ばし続けることができれば、J.J.ハーディ(元オリオールズ他)やクリス・テイラー(ドジャース)のような将来像が見込まれる。

20.
アンディ・ヤング(2B)/Andy Young:27歳
2A/3A)133G 462AB 29HR 42BB 121K 3SB .271/.368/.535/.903
(MLB)12G 26AB 1HR 5BB 10K .192/.382/.385/.767
◯パワー / △守備走塁
18年にポール・ゴールドシュミットとのトレードで加入。コンタクトは少々荒いが打撃に関しては文句無し。19年にマークした29本塁打・81打点はいずれもキャリアハイで、マイナー通算出塁率.367と出塁率も及第点。しかし守備に不安を抱えており、フルタイムでレギュラーを任せるのは厳しいか。長い目で見れば、レギュラーよりも攻撃型ユーティリティーが適任だろう。

Plus One Prospect
ドミニック・フレッチャー(OF)/Dominic Fletcher:23歳
(A)55G 214AB 5HR 22BB 50K 1SB .318/.389/.463/.852
◯パワー CF守備 / △スピード コンタクト
エンゼルスのデビッド・フレッチャーの弟で、攻守にオールラウンドな外野手。滑らかなスイングでライナーを量産し、15ホーマー級のパンチ力も秘める。スピードは平均的だがCF守備は平均以上。目立ったツールはなく第四の外野手向きかもしれないが、打撃が伸びればレギュラーCFになれるだろう。

2021年1月24日日曜日

2021 TEXAS RANGERS TOP 20 PROSPECTS

2021 TEXAS RANGERS 

TOP 20 PROSPECTS

Josh Jung

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ジョシュ・ヤング(3B)/Josh Jung:23歳
(R/A)44G 174AB 2HR 18BB 32K 316/.389/.443/.831
◯打撃 肩 / △スピード
19年ドラフト1巡目。滑らかなスイングで二塁打を量産するヒットツールが武器。パワー面には疑問も、一部スカウトは25ホーマーレベルとも。元々は遊撃だったがスピードが平均以下のため三塁転向。堅実なグラブ捌きと平均以上の肩の強さはホットコーナーに適任と見られている。20年は教育リーグで打率.350・OPS1.034とよく打ち、評価を上げた。
Josh Jung

2.
デーン・ダニング(RHP)/Dane Dunning:26歳
(MLB)3.97ERA 34.0IP BB/9=3.4 K/9=9.3 K/BB=2.69
◯即戦力 3球種 グラウンドボーラー / △TJ手術歴
今オフにランス・リンとのトレードでWソックスから獲得。マイナー3年で防御率2.73・K/BB=4.23と安定感抜群で、19年はTJ手術で全休も20年はカムバック。メジャーで7先発して防御率3.97と新人とは思えない落ち着いた投球内容を見せた。90マイル前半のシンカーと平均以上のスライダー&チェンジアップを低めにコマンドするグラウンドボーラー。TJ歴があり、耐久面だけが気がかり。
Dane Dunning

3.
サム・ハフ(C)/Sam Huff:24歳
(A/A+)127G 475AB 28HR 33BB 154K .278/.335/.509/.845
(MLB)10G 31AB 3HR 2BB 11K .355/.394/.742/1.136
◯パワー 肩 / △コンタクト スピード
19年にマイナーで28ホーマーを放つなどブレーク。フューチャーズゲームでも特大ホームランを放ちMVPを獲得した。20年はメジャーデビューすると10試合で3本塁打を放つなど印象的な活躍を見せた。アプローチの荒さは懸念材料だが、メジャーで30本も狙える長打力は魅力。守備ではマイナーで盗塁阻止率48%の強肩が強み。大柄な体格ながらボビー・ウィルソンコーチとの特訓を経てフットワーク&ブロッキングに磨きがかかった。

4.
レオディ・タベラス(OF)/Leody Taveras:22歳
(A+/2A)131G 519AB 5HR 54BB 122K 32SB .279/.344/.376/.719
(MLB)33G 119AB 4HR 14BB 43K 8SB .227/.308/.395/.703
◎スピード / 〇肩 CF守備 / △打撃 パワー 
プロ入り時に「パワーを引いたカルロス・ベルトラン」と評されるポテンシャルも、マイナー4年でOPS.681止まりの打撃面が不安要素。それでも20年はメジャーデビューすると33試合で4本塁打を放ち、平均打球速度&ハードヒット%もメジャー平均を超えるなど成長。守備走塁での貢献は文句無しなので、昨年程度打てればエンダー・インシアーテのような守備走塁型レギュラー、打撃が覚醒すればロレンゾ・ケインのようなオールスター選手になれる。(A+)43G 158AB 4HR 17BB 58K 9SB .234/.315/.386/.701
(MLB)23G 75AB 3HR 2BB 30K .253/.273/.453/.726
◯SS守備 パワー 肩 / ✖コンタクト アプローチ
荒削りだが「20-20」が狙える両打ちSS。メジャーでは限られたサンプルながら平均以上の打球速度&バレル%をマークしたが、三振率39%/四球率2.6%とコンタクト面はかなり怪しい。一方のSS守備はメジャーで18試合守ってDRS+3をマークするなど問題ない。20-80スケールで70評価の強肩が武器。守備はすでに計算できるだけに、打撃の荒さを取り除くことができるかがポイントとなる。21年はマイナーで実戦を積むことになるだろう。

6.
ハンス・クロウズ(RHP)/Hans Crouse:22歳
(A)4.41ERA 87.2IP BB/9=2.0 K/9=7.8 K/BB=4.00
◯速球 スライダー 奪三振 体格 / △チェンジアップ コンディション
19年は肘の故障により19先発にとどまり、オフには手術を受けた。最速99マイルの速球と縦に鋭く切れるスライダーはいずれもプラスピッチになり得る。チェンジアップは磨いている段階だが、課題のコントロールは改善を見せた。20年は家庭の都合で教育リーグに参加できなかったが、チームの投球プログラムに取り組んだ。コンディションが万全なら21年の飛躍に期待がもてる。◯パワー / △スピード フリースインガー 2B守備
20年ドラフト1巡目指名。パワーとアベレージを両立した攻撃型二塁手。フリースインガーながらコンタクトを苦にしておらず、適応できれば「.280・25本塁打」との評判。一方でガッシリ体型で足も速くないため、二塁守備は平均から平均以下との評価。三塁や外野に移る可能性もある。
Justin Foscue

8.
マキシモ・アコスタ(SS)/Maximo Acosta:18歳
◯打撃 スピード 肩 / △素材型
19年に契約金165万ドルで加入の18歳。ツールや体格からグレイバー・トーレス(ヤンキース)と比べられる大器。すでに高い打撃技術を身に付けており、平均以上の打者になり得る。守備は傑出していないが、SSとして必要な資質を見せており、ポジションに残れるとの見立て。20年は教育リーグでプレーした。(DSL)51G 202AB 2HR 34BB 26K 17SB .342/.438/.455/.893
◯スピード 肩 / △素材型
ロナルド・アクーニャ(ブレーブス)の弟。体は大きくないが、ゆったりとした一本足から素早く力強いスイングでライナーを量産する姿は兄と重なるものがある。プロ入り前は二塁かセンターへの転向が濃厚と見られていたが、飛躍的に向上を遂げ、遊撃にとどまれる可能性を示した。20年は教育リーグでプレーし、打率.344とアピールに成功。

10.ジョー・パルンボ(LHP)/Joe Palumbo:26歳
(2A/3A)3.01ERA 80.2IP BB/9=3.9 K/9=12.0 K/BB=3.09
(MLB)11.57ERA 2.1IP BB/9=11.6 K/9=19.3 K/BB=1.67
◯速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ 耐久性
クロスファイヤーから最速96マイルの速球と平均以上のパワーカーブのコンボ。マイナーでは4年連続K/9=11.0超、19年はメジャーでも16.2回/21Kと自慢の奪三振能力を示した。20年は春季トレーニングで結果を残せず、シーズンもわずか2試合に登板にとどまった。プロ7年で100イニング以上投げたシーズンが一度もなく、耐久性に不安。

11.
コール・ウィン(RHP)/Cole Winn:21歳
(A)4.46ERA 68.2IP BB/9=5.1 K/9=8.5 K/BB=1.67
◯速球 4球種 フォーム / △素材型 コントロール
18年ドラフト1巡目の高卒右腕。よく磨かれた右腕で、滑らかで無駄の少ないフォームから平均から平均以上の4球種を投げ込む。93-97マイルの縦変化の大きい速球と70マイル台の縦カーブがプラスピッチ。平均以上のスライダー、発達途中のチェンジアップが後に続く。20年は代替キャンプで自信をつけ、教育リーグでは9イニングで2失点16Kと支配的な内容。

12.
バイロン・ローラ(OF)/Bayron Lora:18歳
◎パワー / △素材型 コンタクト 守備
19年に契約金390万ドルで入団の18歳。40ホーマーも狙える驚異的なパワーの持ち主で、ジョーイ・ギャロ(レンジャース)のような選手への成長を期待されている。スイングが大振りでコンタクト面に不安があり、実戦でパワーを証明する必要がある。RF守備ではルート取りが荒く、1B転向になるリスクもある。

13.カイル・コディ(RHP)/Kyle Cody:26歳
(MLB)1.59ERA 22.2IP BB/9=5.2 K/9=7.1 K/BB=1.38
◯速球 スライダー / △スタミナ 肘の手術歴
TJ手術の影響で19年はプレーがなかったが、20年はメジャーデビューすると印象的なパフォーマンス。デビューから3試合無失点リリーフを続けると、以降は先発として5試合を任された。平均94マイルの4シームと平均以上のスライダー主体の投球で的を絞らせず、バレル%は上位8%と致命傷を防いだ。21年はローテーション入りが期待される。肘の手術歴がある上、スタミナにも課題があるため、先発としてイニング消化ができるかが分かれ目。

14.
ジョナ・ヘイム(C)/Jonah Heim:26歳
(2A/3A)85G 287AB 9HR 35BB 45K .310/.385/.477/.863
(MLB)13G 38AB 0HR 3BB 3K .211/.268/.211/.479
◯コンタクト C守備 / △パワー 
今オフにエルビス・アンドラスとのトレードでレンジャースから加入の守備型捕手。19年に突如打撃覚醒し、20年はメジャーデビューを飾った。好球必打の早打ちアプローチでラインドライブを量産した。肩の強さ、守備力はいずれも平均以上でこのまま打てれば優秀なバックアップになれるだろう。20年はショーン・マーフィーのバックアップとしてプレーオフのロースター入りを果たした。

15.
シェルテン・アポステル(3B/1B)/Sherten Apostel:22歳
(A/A+)121G 418AB 19HR 51BB 120K .251/.339/.440/.779
(MLB)7G 20AB 0HR 1BB 9K .100/.143/.150/.293
◯パワー 肩 / △素材型 3B守備
キュラソー島出身のプロスペクトで、オランダのU-23やU-18でもプレーの経験がある。体格に恵まれたパワーヒッターで、打席での辛抱強さも身に付けている。守備では肩が強く、19年はマイナーの試合で失策も減らしたが、一塁転向になるリスクがある。20年はメジャーデビューを経験した。

16.
デービス・ウェンゼル(3B)/Davis Wendzel:24歳 
(R/A-)7G 19AB 1HR 5BB 6K .316/.458/.526/.985
◯コンタクト 守備 / △パワー スピード
19年ドラフト全体41位指名。1位のヤングと同じくヒットツールに長けた三塁プロスペクトで、ヤングにはパワーで劣るが守備力で勝る。レンジャースはウェンゼルを三塁だけでなく、遊撃や二塁でも起用しているプランを持っている。21年は遊撃として開幕を迎える予定。

17.スティール・ウォーカー(OF)/Steele Walker:24歳
(A/A+)120G 457AB 10HR 50BB 78K 13SB .284/.361/.451/.811
◯コンタクト / △パワー 両翼向き?
ノマー・マザーラとのトレードでホワイトソックスから獲得。走攻守と穴がなく、中でも三振率がわずか15%コンタクト力に長けている。スピードと肩の強さが平均的で、コーナーに回ると心配するスカウトも多い。パワー面を伸ばせるかが分かれ目。

18.ロニー・ヘンリケス(RHP)/Ronny Henriquez:21歳
(A)4.50ERA 82.0IP BB/9=3.0 K/9=10.9 K/BB=3.67
◯速球 3球種 / △素材型 体格
5-10/155と小柄ながら素早い腕の振りで常時93-96マイル、最速98マイルを計測するハードボーラー。スライダー&チェンジアップはどちらも空振りが奪え、決め球になり得る。安定してゾーンに集めるコントロールも備わっており、先発ローテーション半ばクラスのポテンシャル。

19.
イェリー・ロドリゲス(RHP)/Yerry Rodriguez:23歳
(A)2.08ERA 73.2IP BB/9=2.6 K/9=10.4 K/BB=4.05
◯速球 コマンド 3球種 / △素材型 
92-96マイルの速球を軸にした投球が真骨頂。高めで空振りを奪ったり、低めに沈ませてゴロを打たせたりできる。カーブ&チェンジアップを織り交ぜるが、安定感を磨いていきたい。マイナー4年でB/9=1.9とコマンド能力も高い。

20.リッキー・バナスコ(RHP)/Ricky Vanasco:22歳
(A-/A)1.81ERA 49.2IP BB/9=4.5 K/9=13.6 K/BB=3.00
◯速球 奪三振 / △素材型 コントロール チェンジアップ
17年ドラフト15巡目右腕が急成長を遂げている。プロ入り時にMAX93マイルだった速球は99マイルに達し、カーブも第2球種として確立。チームはチェンジアップの向上に取り組ませている。コントロールも磨いていきたい。

21.ブロック・バーク(LHP)/Brock Burke:24歳
(R/A/2A/3A)3.90ERA 62.1IP BB/9=2.6 K/9=9.2 K/BB=3.56
(MLB)7.43ERA 26.2IP BB/9=3.7 K/9=4.7 K/BB=1.27
◯3球種 / △コンディション 
19年はメジャーデビューを果たしたが、肩のコンディション不良で思ったような投球ができず、オフに肩の手術を受けた。20年は全休予定だったが、オフの教育リーグで復帰。万全健康ならば堅実なローテーション4-5番手になれる。90-93マイルの速球、スライダー、チェンジアップ。21年は春季トレーニングでアピールしてローテーション入りを争う。

Plus One Prospect
コディ・ブラッドフォード(LHP)/Cody Bradford:23歳
◯速球 カーブ / △コンディション
18年に大学でカンファレンスの最優秀投手に輝き、USA代表でもプレーした実力者。2巡目相当の評価を得ていたが、肩の胸郭出口症候群の手術を受けたため6巡目での指名となった。同手術は過去にマット・ハリソンやクリス・カーペンターが受けるなど復帰の難しいものだが、健康であれば90マイル前半の速球にキレの良いカーブを軸にチェンジアップも扱う。

2021年1月23日土曜日

2021 SEATTLE MARINERS TOP 20 PROSPECTS

2021 SEATTLE MARINERS

TOP 20 PROSPECTS

Julio Rodriguez

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
フリオ・ロドリゲス(OF)/Julio Rodriguez:20歳
(A/A+)84G 328AB 12HR 25BB 76K .326/.390/.540/.929
◎パワー 肩 / △素材型 RF向き スピード
ダイナミックな5ツール候補で、完成度では2位のケレニックが勝っているが、天井の高さは文句無し。ダブルプラスと評されるパワーで広角に長打を量産し、コンタクトもここまで苦にしていない。20年は教育リーグで毎試合のように100マイル超えの打球速度をマークし、将来は30-35本塁打も可能とも。走者としては平均的で、19年はCFとRFを半々で守ったが、肩の強さ的にもRFが適任だろう。
Julio Rodriguez

2.
ジャレッド・ケレニック(OF)/Jarred Kelenic:21歳
(A/A+/2A)117G 443AB 23HR 50BB 111K 20SB .291/.364/.540/.904
◯打撃 スピード 肩 CF守備 アプローチ / △素材型
18年ドラフト全体6位の高校生。ロビンソン・カノーとのトレードで18年12月にメッツから加入。グレディ・サイズモア(元インディアンズ)と比較される5ツール候補。特に年齢離れした打撃技術が最も評価されており、すでにプロレベルに適応している。現在プラスのスピードは体格の成熟につれて低下が心配されるが、平均レベルのCFになれる可能性を秘めている。
Jarred Kelenic
(A/A+/2A)2.13ERA 135.0IP BB/9=2.2 K/9=11.0 K/BB=5.00
◎速球 / ◯4球種 コマンド 体格 
18年ドラフト1巡目。ジェーコブ・デグロム(メッツ)、コリー・クルーバー(ヤンキース)は大学の先輩で、二人のようなエース候補として期待。6-6/225の恵まれた体格から平均以上の4球種をコマンドよく投げ込む。中でもエクステンション抜群の速球はMAX98マイル。大学では3年連続GPA4.0(=オールS)と秀才ぶりも際立つ。腕の動きが長いが、今のところはスタミナ&コントロールを維持できている。将来を考えるとコンパクトなフォームを習得する必要があるかもしれない。
Logan Gilbert

4.エマーソン・ハンコック(RHP)/Emerson Hancock:22歳
◯速球 4球種 コマンド / △コンディション
20年ドラフト全体6位指名。19年にに広背筋を痛めて評価を落としたが、健康であれば最速99マイルのノビのある速球に平均以上のスライダー&チェンジアップで支配的な投球を見せる。20年は大学で4先発して防御率3.75も、K/BB=11.3とコマンド面は良好だった。比較されるケーシー・マイズ(タイガース)よりもスケールは上だろう。

5.ノエルビ・マーテイ(SS)/Noelvi Marte:19歳
(DSL)65G 262AB 9HR 29BB 55K 17SB .309/.371/.511/.883
◯パワー スピード 肩 / △素材型 3B向き? 
18年に契約150万ドルで入団のドミニカン。パワー&スピードを兼ね備えていて、ポテンシャルを高く評価されている。プロデビューとなった19年はDSLで65試合プレーして長打を31本放つなどすでにパワーポテンシャルを発揮。9本塁打のうち3本は飛距離130m超え。シーズン序盤には送球難を露呈していたが徐々に克服していった。体格の成熟次第ではスピードは失われる可能性あり。守備範囲と体格面の問題からSSに止まれるかどうかは評価が分かれているが、3Bに回っても見劣りしない長打力が期待できる。

6.テイラー・トランメル(OF)/Taylor Trammell:23歳
(2A)126G 436AB 10HR 67BB 122K 20SB .234/.340/.349/.689 
◯スピード アプローチ / △肩 LF向き?  
18、19年と2年続けてフューチャーズゲームでプレーの5ツール候補。20年夏にオースティン・ノラとのトレードでパドレスから加入した。攻撃面ではパワー&スピードに加えて、マイナー4年で四球率12.2%と辛抱強さも身に着けているが、
19年は2Aでシーズンを通して苦戦。20年は代替キャンプ、教育リーグで守備面の改善がみられ、CFに残れる可能性を示した。肩が弱く、CFから移るならLFが適任。
(A-)2.35ERA 23.0IP BB/9=0.0 K/9=9.8
◎コントロール / ◯速球 カーブ スライダー
19年ドラフト1巡目のコントロールアーティスト。プロデビューでは短いイニングだったこともあり、MAX98マイルを計測するなど大学時よりも高い球威を披露した。90マイル前半の速球に2種類のブレーキングボールを交えゾーンを揺さぶる。即戦力で先発ローテーション3,4番手が見込める。20年は代替キャンプで99マイルを計測。

8.ジェーク・フレイリー(OF)/Jake Fraley:26歳
(2A/3A)99G 382AB 19HR 34BB 89K 22SB .298/.365/.545/.910
(MLB)7G 26AB 0HR 2BB 11K .154/.241/.269/.511
◯コンタクト スピード 守備 / 
俊足巧打の控え外野手タイプが、19年は打撃覚醒で一気にメジャーデビュー。力強いスイングで広角にライナーを打ち分ける。守備は外野3ポジションを堅実にこなすことができる。昨季のパワーが本物ならばチャーリー・ブラックモン(ロッキーズ)のようなオールスター外野手になる可能性も。メジャー通算70打席でOPS.427と適応に苦しんでいる。

9.
カル・ローリー(C)/Cal Raleigh:24歳
(A+/2A)121G 455AB 29HR 47BB 116K .251/.323/.497/.820
◯パワー / △C守備 コンタクト
膨大なパワーを有した両打ち捕手。19年は50%以上のフライボールをキープし、29ホーマーを放つことに成功した。しかし2A昇格後は三振率29.6%とコンタクトに苦しんだため、アプローチの修正が必要だろう。スイングスピードが遅く、速球への対応を不安視する声がある。守備では肩の弱さがネックだが、フレーミングが優秀。

10.
フアン・ゼン(RHP)/Juan Then:21歳
(R/A-/A)2.98ERA 48.1IP BB/9=2.4 K/9=8.9 K/BB=3.69
◯速球 3球種 伸びしろ / △素材型
20年は代替キャンプ&教育リーグで急成長した姿を見せて評価アップ。10ポンドの増量に成功し、19年に92-96マイルだった速球は、常時96-97マイル/最速100マイルにパワーアップ。87-91マイルのスライダーもシャープで切れがありプラスピッチ。チェンジアップは未完成ながら扱うセンスが良く、平均以上のボールになりうる。
制球も年齢に比して落ち着いており、マイナー3年でBB/9=2.2。フルシーズンデビューとなる2021年シーズンに期待したい。
(A)2.35ERA 15.1IP BB/9=2.9 K/9=14.7 K/BB=5.00
◯奪三振 速球 / △コントロール
19年ドラフト2巡目。安定感に欠けドラフトイヤーは防御率4.19と振るわなかったが、プロでは別人のような好投を披露。6-6/210の迫力ある体格から最速97マイルの速球を投げ込む。コントロールを維持できればローテーション3番手クラス。コントロールが改善されなければリリーフに回ることになるだろう。

12.イザイア・キャンベル(RHP)/Isaiah Campbell:23歳 
◯速球 4球種 / △耐久性 
大学4年にして12勝1敗・防御率2.13とブレーク。長身から92-95マイルの速球を主体に4球種を扱うスペックの高さが光る。スラッターとスプリットは速球との相性が抜群で、カウント球としても決め球としても効果的に使える。70マイル台のカーブは平均以下だがカウントを取るのに使う。プロ未デビューで、21年が初のプロシーズンとなる。

13.
サム・カールソン(RHP)/Sam Carlson:22歳
◯速球 3球種 コマンド / △素材型 TJ手術明け
TJ手術により18&19年を全休したが、ポテンシャルはエース級。93-97マイルの速球&平均以上のスライダー&プラスのチェンジアップを織り交ぜ、制球力も平均以上。体格にも恵まれているが、耐久性を考えるとかなりハイリスク。20年はコロナ渦でリハビリに専念し、肘の状態は完全復活したようで、21年のカムバックに期待したい。

14.コナー・フィリップス(RHP)/Connor Phillips:20歳
◯速球 / △素材型
20年ドラフト2巡目指名の高校生投手。92-96マイル、MAX98マイルの速球が最大の強みで、第2球種のカーブもプラスピッチになる可能性を秘めている。高校では速球とカーブの2球種で圧倒できたが、プロではチェンジアップを磨くことが求められる。6-2/190と体格的な伸びしろもある。

15.
アンドレス・ムノス(RHP)/Andres Munoz:22歳
(MLB)3.91ERA 23.0IP BB/9=4.3 K/9=11.7 K/BB=2.73
(2A/3A)3.03ERA 35.2IP BB/9=4.5 K/9=14.6 K/BB=3.22
◎速球 / ◯奪三振 / △TJ手術明け コマンド
オースティン・ノラのトレード相手の一人として加入したクローザー候補。常時99-100マイル、最速103マイルの速球はノビがあり、高めに集めて空振りが奪える。平均的なスライダーを磨くことができればもっと三振数を増やせるだろう。規格外のスピードボールの代償か、肘の違和感を訴えて20年3月にTJ手術を受けた。健康に復帰できれば、21年はマリナーズブルペンの一角を担ることになるだろう。

16.ザック・デローシュ(OF)/Zach DeLoach:22歳
◯コンタクト / △パワー 実績
20年ドラフト2巡目。大学2年のシーズンを打率.200・OPS.611スランプで終えたが、その後挑んだケープコッドリーグ(有望大学生を集めたサマーリーグ)で首位打者を獲得する素晴らしいパフォーマンス。翌20年シーズンはパンデミックで打ち切りになってしまったが、18試合で打率.421、77打席で三振わずか3つと絶好調だった。走攻守のバランスが良い4番手外野手タイプで、パワーを伸ばせるかがレギュラーになれるかどうかを左右するだろう。

17.
ジェイ・ニューサム(RHP)/Ljay Newsome:24歳
(A+/2A/3A)3.54ERA 155.0IP BB/9=1.0 K/9=9.8 K/BB=9.94
(MLB)5.17ERA 15.2IP BB/9=0.6 K/9=5.2 K/BB=9.00
◎コマンド / △球威
4球種を抜群のコマンドで投げ分ける技巧派右腕。昨季は速球が常時90-94マイルを計測するなどパワーアップに成功。ピンポイントに投げ込むコントロールのおかげで球速以上に打ちにくい。20年はメジャーデビューし15.2回/1四球とコントロールの良さは見せつけた。ローテーションに残るにはスライダーorカーブを磨いて決め球を確立したいところ。

18.
ジョナサン・クラセ(OF)/Jonatan Clase:19歳
(DSL)63G 223AB 2HR 51BB 56K 31SB .300/.434/.444/.878
◯スピード / △素材型 / ✖パワー 体格
契約金$35Kと格安での契約だったが、19年はDSLで好デビュー。5-8/150と小柄でパワーはないが、20-80スケールで70評価のスピードを武器にエネルギッシュさが光る。守備では守備範囲こそ広いがルート取りが拙く、危なっかしい場面が目立つ。攻守に磨かれる必要がある。

19.ブライアン・ペレス(LHP)/Brayan Perez:20歳
(R/A-)3.34ERA 67.1IP BB/9=2.3 K/9=8.3 K/BB=3.65
◯コマンド / △球威
球威は目立たないが、年齢離れした投球術が光るテクニカル左腕。19年は増量に成功し、ここぞという場面では92-93マイルを計測するなどパワーもつけている。カーブ&スライダーを決め球として扱い、コマンドも身に付けている。順調なら
将来はローテーション下位を任せられるか。

20.デビン・スウィート(RHP)/Devin Sweet:24歳
(A/A+)2.76ERA 127.1IP BB/9=1.9 K/9=10.7 K/BB=5.63
◎コマンド / △球威 スライダー
ピッチトンネルを絶妙に通す技術に長けた技巧派右腕。86-88マイルだった速球は19年に91-94マイルに上昇し、支配力が向上した。この速球と落差に優れたチェンジアップをコマンドよく投げ分ける投球が持ち味。スライダーを磨ければ先発としての可能性を上げることができるはずだ。

Plus One Prospect
ケイデン・ポルコビッチ(2B)/Kaden Polcovich:22歳
◯コンタクト 複数ポジション / △パワー 実績
20年ドラフト3巡目で、元パイレーツのケビン・ポルコビッチの息子。2B/3BをメインにSS/CFも経験のあるユーティリティータイプで、打撃は両打席からスムーズかつ鋭いスイングでライナーを量産する。20年は大学で打率.344、19BB/10Kをマークし、夏の代替キャンプでも好パフォーマンス。

2021年1月18日月曜日

2021 OAKLAND ATHLETICS TOP 20 PROSPECTS

2021 OAKLAND ATHLETICS

TOP 20 PROSPECTS

Tyler Soderstrom


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
タイラー・ソダーストロム(C)/Tyler Soderstrom:19歳
〇打撃 パワー / △C守備 素材型
20年ドラフト1巡目指名。パワーとアベレージを両立した打撃のポテンシャルは20年ドラフトの高校生では屈指と評判だった。代替キャンプでは1週間で3本塁打を放ち、その後参加した教育リーグでも圧倒。一方で捕手としての守備力はかなり怪しく、外野転向が濃厚との見立て。ウィル・マイヤーズ(パドレス)のような将来を辿るか。
Tyler Soderstrom

2.
A.J.パク(LHP)/A.J. Puk:26歳
(A+/2A/3A)4.97ERA 25.1IP BB/9=3.6 K/9=13.5 K/BB=3.80
(MLB)3.18ERA 11.1IP BB/9=4.0 K/9=10.3 K/BB=2.60
◯速球 スライダー 奪三振 / △コマンド 肩の手術明け
長身から93-99マイルの速球と80マイル後半の切れ味鋭いスライダーを投げ下ろす大型左腕。マイナー3年でK/9=12.9と支配力は文句無し。先発として期待したいところだが球種の少なさやコマンド、故障の多さを考慮するとジョシュ・ヘイダー(ブルワーズ)やアンドリュー・ミラー(カージナルス)のようにリリーフが適任か。20年は肩の張りによりプレー無し。オフに肩の手術を受けた。
A.J. Puk

3.ドールトン・ジェフリーズ(RHP)/Daulton Jefferies:25歳
(A+/2A)3.42ERA 79.0IP BB/9=1.0 K/9=10.6 K/BB=10.33
◯速球 3球種 コマンド / △耐久性 体格
16-18年の3シーズンで20.1回のプレーにとどまっていたが、19年はキャリアハイとなる79.2回を投げ支配的な投球。92-95マイルの速球と80マイル後半のチェンジアップ&スライダーをコマンドよく投げ分ける。健康を維持できればローテーション3番手クラス。20年は代替キャンプで好投し、メジャーデビューを経験。21年はローテーション入りを争う。
Daulton Jefferies

4.
ロバート・プアソン(SS)/Robert Puason:18歳
◯スピード 肩 / △打撃 素材型
19年に510万ドルで契約の大型ドミニカン。プラスのスピードを備えたスイッチヒッターで、パワーも体格の成熟につれて向上が見込まれている。スイングの長さと選球眼に課題あり。守備では軽快かつ滑らかな動きを見せており、肩の強さも平均以上。20年は代替キャンプで主力選手らと共に実戦経験を積んだ。

5.
ニック・アレン(SS)/Nick Allen:22歳
(A+)72G 288AB 3HR 28BB 52K 13SB .292/.363/.434/.797
◯守備 スピード 二塁打多い / ✖パワー 
5-9/155と小柄ながら素晴らしい守備能力を示し、遊撃手としての能力に疑いの余地はない。19年は非力な打撃を改善させ、ライナー性の打球を量産。二塁打マシーンに変貌をとげ、6月末にシーズン終了となる足首の故障を負うまで二塁打数はリーグトップだった。20年は故障なく代替キャンプでプレーできた。打撃が伸びればデビッド・フレッチャー(エンゼルス)のようなレギュラー、ダメでもブレンダン・ライアン(元マリナーズ)のような守備職人として出番を得られるだろう。

6.
ローガン・デビッドソン(SS)/Logan Davidson:23歳
(A-)54G 205AB 4HR 31BB 55K .239/.345/.332/.676
◯パワー 肩 / △コンタクト
19年ドラフト1巡目。20ホーマーも狙える強打のスイッチヒッターで、プラスの肩を備えた遊撃守備もOK。唯一にして最大の欠点はヒットツール。大学3年間で3割を打ったことがなく、空振りも多い。遊撃としては大柄で、20年は代替キャンプで二塁や三塁も守った。
将来像はジェド・ラウリー(元メッツ)か。

7.
ジェームズ・キャプリエリアン(RHP)/James Kaprielian:27歳
(A+/2A/3A)3.18ERA 68.0IP BB/9=2.1 K/9=9.9 K/BB=4.69
◯速球 変化球 コマンド / ✖耐久性
TJをはじめとした故障により17-18年は公式戦での登板なし。19年は復帰を果たしたが、かつて最速99マイルを計測の速球は90-93マイルにとどまった。それでもキレのよいスライダーや多彩な球種を操るコマンドを土台に支配的なパフォーマンス。20年はメジャーで1登板し、速球は平均95.1マイルを計測。故障なくプレーできればローテーション入りを狙える。

8.
ブレイヤン・ブエルバス(OF)/Brayan Buelvas:19歳
(DSL/R)67G 238AB 3HR 30BB 60K .282/.372/.450/.822
◯コンタクト スピード CF守備 / △パワー 素材型
19年はRで打率.300・OPS.899と目立ったパフォーマンス。20年は代替キャンプに招待されたが年上選手に苦戦。それでも10代の選手で招待されたのは3人だけであり、チームの期待は大きい。パワー以外の4ツールは平均以上で、アプローチ良く四球も選べるリードオフポテンシャル。

9.オースティン・アレン(C)/Austin Allen:28歳
(3A)67G 270AB 21HR 22BB 56K .330/.379/.663/1.042
(MLB)14G 31AB 1HR 1BB 14K .194/.219/.323/.541
◯パワー / △肩
ジュリクソン・プロファーとのトレードで加入。マイナーで3年連続20本塁打以上を放っている強打の捕手。スイングスピードはあまり速くないため高打率は望めないだろうが、アレックス・アビーラやミゲル・カストロあたりのプラトーン選手にはなれる見込みはある。マイナー5年で379試合マスクをかぶって428盗塁を許すなど守備力には不安。


10.ルイス・バレラ(OF)/Luis Barrera:25歳
(2A)54G 224AB 4HR 12BB 48K 9SB .321/.357/.513/.871
◯スピード 守備 / ✖パワー
攻守に確実性の高い第四の外野手タイプ。打撃は非力ながら外野の間をライナーで破り、二塁打・三塁打を稼ぐ。プラスのスピードを生かしたCF守備は平均以上で、肩も強いためRFもこなせる。ベンチにはうってつけの選手だ。20年は代替キャンプで.450近い打率をマークし評価を上げた。フルシーズンで結果を残してから評価したいところ。

11.ジュニア・ぺレス(OF)/Junior Perez:19歳
(R)51G 209AB 11HR 24BB 59K .268/.349/.512/.861
◯パワー / △両翼向き? コンタクト 素材型
昨年11月にホルヘ・マテオのトレード相手としてパドレスから獲得。パワーが武器のヒッティングプロスペクトで、19年は特に後半36試合で10本塁打・OPS.917と大活躍だった。空振りはやや多いが許容範囲内。守備は外野3ポジションを守れるが、長い目でみるとコーナー向きとの見立て。

12.
グラント・ホームズ(RHP)/Grant Holmes:25歳
(2A/3A)3.23ERA 86.1IP BB/9=2.9 K/9=8.4 K/BB=2.89
◯速球 カーブ / △リリーフ向き? コマンド
「80グレイドのパーマ」がトレードマークの投手。92-96マイルの速球はパワフルだが、最も得意とする球種は80マイル中盤のパワーカーブ。落差があり、空振りが取れる。90マイル前後のカッターも効果的。19年は健康な1年を送ったが、故障の多さと癖のある投球フォームからリリーフ向きとの声も多い。

13.
ラザロ・アルメンテロス(OF)/Lazaro Armenteros:22歳
(A+)126G 459AB 17HR 73BB 227K 22SB .222/.336/.403/.739
◯パワー スピード / △素材型 肩 LF向き / ✖コンタクト
16年に契約金300万ドルで入団したキューバ出身の大器。「ウィリー・メイズとボー・ジャクソンを足した選手」と評されていたが、足されたのは三振数だけになってしまった。19年は227三振・三振率42.2%と衝撃的なフルシーズンデビュー。打撃練習で見せるパワーは本物だが…。スピードも平均以上で、LF守備も平均レベルまで向上。

14.オースティン・ベック(OF)/Austin Beck:22歳
(A+)85G 338AB 8HR 24BB 126K 2SB .251/.302/.411/.714
◯パワー 肩 スピード / △素材型 / ✖アプローチ コンタクト 
ズバ抜けたパワー&スピードを兼ね備えたファイブツール候補でCF守備もプラス。しかし大振りが目立ち、コンタクトに苦しんでいる。四球率6.5%・三振率34.3%とアプローチを改善しなければいけない。守備面ではアルメンテロスより上だが、四球の少なさと年齢を考慮してこの順位とした。
(2A/3A)4.30ERA 144.1IP BB/9=2.9 K/9=8.4 K/BB=2.85
◯体格 コマンド / △球威
6フィート9の長身を生かしたオーバースローから投げ下ろす。90マイル前後の速球は表示以上に力があり、70マイル台の縦カーブも落差抜群。カッター&チェンジアップを織り交ぜ左打者対策も十分。大型投手にしては珍しくコントロールが良いのもプラス材料。◯速球 3球種 / △コマンド リリーフ向き?
20年ドラフト2巡目。6フィート4の長身から93-96マイルのシンキングファストを投げ下ろす。スライダー&チェンジアップも平均的で、メジャーレベルの3球種を備えるポテンシャルはローテーション半ば級。一方でマックスで投げるため、大学通算BB/9=4.3と制球難でブルペン向きか。

17.タイラー・バウム(RHP)/Tyler Baum:24歳
(A-)4.70ERA 30.2IP BB/9=2.1 K/9=10.0 K/BB=4.86
◯速球 カーブ / △チェンジアップ リリーフ向き?
19年ドラフト2巡目。最速97マイルの速球と70マイル後半のパワーカーブが強力で、スライダー気味にした80マイル前半のカーブも織り交ぜる。しかしチェンジアップの精度が低く、緩急に欠けるためリリーフ向きとの声が多い。

18.スカイ・ボルト(OF)/Skye Bolt:28歳
(3A)89G 305AB 11HR 37BB 94K 7SB .269/.350/.459/.809
(MLB)5G 10AB 0HR 1BB 3K .100/.182/.200/.382
◯パワー スピード / △コンタクト
コンタクトはやや荒いが、ソリッドなパワー&スピードを兼ね備えるスイッチヒッター。突出したツールがあるわけではないので長くレギュラーが務まるかは微妙だが、守備力も平均以上で第四の外野手にはなれるだろう。20年はメジャーでのプレー無し。

19.セス・ブラウン(1B/OF)/Seth Brown:28歳
(3A)112G 451AB 37HR 38BB 127K .297/.352/.634/.986
(MLB)7G 5AB 0HR 0BB 2K .000/.000/.000/.000
◯パワー / △守備走塁
すでに28歳と歳は食っているが、19年に3Aで37ホーマーのパワーは魅力。19年にはメジャーで26試合の出場で0本塁打ながらOPS.815をマークした。21年はクリス・デービスのトレードによって空いたDHの座を争うことになるだろう。

20.
グレッグ・ダイクマン(OF)/Greg Deichmann:25歳
(2A)80G 301AB 11HR 34BB 103K .219/.300/.375/.675
◯パワー 肩 / ✖コンタクト
25ホーマー以上を狙えるパワーが魅力の両翼選手。しかし肩の故障により18、19年と低迷。それでも19年シーズン後のAFLでは23試合で9本塁打を放つなど20年シーズンのブレークが期待されていた。19年に2Aで打率.219・三振率30%のコンタクト面が弱点。守備は強肩でRFに適任。

Plus One Prospect
バディ・リード(OF)/Buddy Reed:26歳
(2A)121G 381AB 14HR 42BB 126K 23SB .228/.310/.388/.698
◎スピード 肩 CF守備 / ✖打撃
ジュリクソン・プロファーとのトレードで獲得。爆発的なアスリートで、スピード&強肩&守備力はマイナートップクラス。パンチもあるがコンタクトに苦しんでおり、打撃能力には疑問。マイナー4年でOPS.710止まり。

2021年1月16日土曜日

2021 LOS ANGELES ANGELS TOP 20 PROSPECTS

2021 LOS ANGELES ANGELS

TOP 20 PROSPECTS

Brandon Marsh


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.
ブランドン・マーシュ(OF)/Brandon Marsh:23歳
(2A)96G 360AB 7HR 47BB 92K .300/.383/.428/.811
◯スピード 肩 CF守備 アプローチ / △パワー
5ツール全てが平均以上で、中でも平均を大きく上回るスピードと強肩を生かしたCF守備は傘下ベストとの評判。しかし、チームにはマイク・トラウトがいるため両翼に回ることになるだろう。19年はスイング改善に成功し、アベレージ、パワー面ともに成長。フルシーズンを通して長打力を証明できるかがポイント。
Brandon Marsh

2.リード・デマーズ(LHP)/Reid Detmers:21歳
◎カーブ / ◯コントロール 即戦力 / △球威
20年ドラフト全体10位指名のカレッジ左腕。完成度の高いストライクスロワーで、大学OBのブレンダン・マッケイ(レイズ)と比べられる。20年は大学で4先発ながら防御率1.23、全米一部リーグ2位のK/9=19.6をマークしていた。平均92マイルの速球と20年ドラフトNo.1のカーブのコンビネーション。チェンジアップの扱いも成長中。エースポテンシャルではないが、即戦力でローテーション4番手を狙えるタイプ。
Reid Detmers

3.ジョーディン・アダムス(OF)/Jordyn Adams:21歳
(R/A/A+)109G 420AB 8HR 56BB 111K .257/.351/.369/.720
◎スピード / △素材型 パワー
18年ドラフト全体17位。高校ではフットボールとの二刀流で鳴らし、自慢のスピードは20-80スケールで80評価。野球経験が浅く、昇格までは長い時間がかかるだろう。スイングスピードの速さと体の線の細さからパワーは向上が見込める。19年はフルシーズン1年目にして四球率は11.7%と優秀なアプローチ。20年は代替キャンプで経験を積んだ。

4.ジェレミア・ジャクソン(SS)/Jeremiah Jackson:21歳
(R)65G 256AB 23HR 24BB 96K .266/.333/.605/.939
◯パワー / △素材型 コンタクト 2B向き?
19歳ながらパイオニアリーグのシーズン記録となる23本塁打をマークした長打力は文句無し。三振率31.8%のコンタクト面とSSに残れるか疑問の守備面が課題。ジョナサン・スコープ(タイガース)のような攻撃型二塁手が将来像か。20年は代替キャンプと教育リーグで経験を積み、3Bも数試合守った。

5.クリス・ロドリゲス(RHP)/Chris Rodriguez:22歳
(A+)0.00ERA 9.1IP BB/9=3.9 K/9=12.5 K/BB=3.25
◯速球 3球種 コマンド 伸びしろ / △素材型 コンディション
故障続きで実績はないが、ポテンシャルの高さはエンゼルス傘下の投手でNo.1。常時95マイルオーバーのツーシームは強烈の一言で、スライダーも平均89マイルとパワフル。チェンジアップもスクリューのように大きく曲がる。コマンドも上質で、もし健康に過ごせればエース級の投手への成長が見込める。20年は代替キャンプで65-70イニングほどを投げた。21年こそブレークに期待したい。

6.
ジャック・コチャノウィッツ(RHP)/Jack Kochanowicz:20歳
◯速球 カーブ 体格 伸びしろ / △素材型
19年ドラフト3巡目の高卒選手。6-6/220と規格外の体格を有しており、ポテンシャルは無限大。入団時最速95マイルの速球はすでに97マイルに到達。伸びがあり、ゾーンに集めることができる。ハンマーカーブもベストピッチと評される。チェンジアップは投げ始めたばかりだが、軌道は良いため平均レベルの球種になれるだろう。21年にプロデビューを迎える。

7.
カイレン・パリス(SS)/Kyren Paris:19歳
(R)3G 10AB 0HR 3BB 4K .300/.462/.400/.862
◯コンタクト スピード SS守備/ △パワー 素材型
19年ドラフト2巡目の高卒選手。アンドレルトン・シモンズのようなSSディフェンダーになり得るポテンシャル。滑らかな守備動作と華麗なグラブ捌きは天性のモノ。打撃はコンパクトに振り抜きライナーを量産。高校通算91試合で2本塁打止まりだが、上手く育てば12-15本塁打程度も狙えるスイングスピードと筋力を兼ね備える。

8.アロル・ベラ(SS)/Arol Vera:18歳
◯打撃 / △素材型 スピード
19年に契約金200万ドルで入団した原石。若くしてゾーン理解に長けたスイッチヒッターで、ボール球にはめったに手を出さない。細身の体格で増量の余地も十分で、パワーポテンシャルも期待できる。足はあまり速くなく、SSに長くとどまるには一歩目の打球反応を磨く必要がある。長い目で見ると2B/3B向きだろう。
Arol Vera

9.ダショウン・ノウルズ(OF)/D’Shawn Knowles:21歳
(R)64G 253AB 6HR 26BB 76K 5SB .241/.310/.387/.698
◯スピード 肩 CF守備 / △コンタクト パワー 素材型
バハマ出身。20盗塁レベルのスピード&平均以上のCF守備のパッケージでリードオフ向き。打撃では三振率26.5%とコンタクト面の課題を露呈したが、四球率9%と出塁能力は示した。まだ20歳と若いため、打撃の安定感を高めることができれば高出塁率のCFとして重宝されるはずだ。

10.デビッド・カラブレージー(OF)/David Calabrese:18歳
◎スピード / △パワー 素材型 
20年ドラフト3巡目のカナディアン。小柄で長打面は期待薄だが、ダブルプラスのスピードを生かした攻守が光る。打撃はスムーズなスイングで左右にライナーを打ち分け、足を生かした二塁打、三塁打も多い。守備でもCFとして長くプレーできるだけの力をもっている。パワーがつけばアンドリュー・ベニンテンディ(レッドソックス)になれると見るスカウトも。

11.
パッキー・ノートン(LHP)/Packy Naughton:25歳
(A+/2A)3.32ERA 157.0IP BB/9=2.0 K/9=7.5 K/BB=3.74
◯3球種 コントロール スタミナ / △球威
球威は平凡だが、ファンキーなフォームから3球種をコントロールよく投げ分ける左腕。ポテンシャルはローテーション5番手かミドルリリーフ向きと目されている。18-19年にマイナーで2年続けて150イニング以上とスタミナも十分。しかし球威が平凡なためか19年の2A昇格後はK/9=6.9と下降が見られたので、3A、そしてメジャーに適応できるかがポイントとなる。

12.ヘクター・ヤン(LHP)/Hector Yan:22歳
(A)3.39ERA 109.0IP BB/9=4.3 K/9=12.2 K/BB=2.85
◯速球 奪三振 / △体格 / ✖コントロール 
ファンキーなサイドハンドから平均94マイルの速球を投げ込み、19年はAで被打率.190と支配的な投球を披露。スプリット&カーブも及第点だが、コントロールの悪さと小柄な体格からブルペン向きか。

13.ホセ・アルベルト・リベラ(RHP)/Jose Alberto Rivera:24歳
(A)3.81ERA 75.2IP BB/9=4.3 K/9=11.3 K/BB=2.64
◎速球 / ✖コントロール
オフのルール5ドラフトで指名されてアストロズから移籍。腕を素早く振り抜き、97-102マイルの速球を投げ込む。80マイル中盤のスプリットとスライダーは洗練する必要があるが、モノにできれば恐ろしい投手になれるだろう。目一杯力を込めて投げるフォームのためコントロールが悪く、リリーフ向きか。

14.ウィリアム・ホームズ(RHP/OF)/William Holmes:20歳
(R)5.18ERA 24.1IP BB/9=7.4 K/9=14.1 K/BB=1.90
43AB 1HR 7BB 15K .326/.431/.488/.920
◯速球 チェンジアップ 奪三振 二刀流 / ✖コントロール
二刀流プレーヤー。筋肉質の体格で、パワーとスピードを両立したアスリートだが、投手としての方がアップサイド評は上。平均94マイル/最速97マイルのムーブの利いた速球に、落差の大きいカーブ&チェンジアップを扱う。特にチェンジアップの質はエンゼルス傘下No.1とも。

15.
カイル・タイラー(RHP)/Kyle Tyler:24歳
(A/A+)2.59ERA 121.2IP BB/9=2.9 K/9=7.8 K/BB=2.72
◯速球 スライダー / △ブルペン向き? 
18年ドラフト20巡目の右腕が10勝1敗と神がかり的な投球。ブルペン向きとの評判を覆し、先発投手として評価を上げた。91-93マイルのツーシームとスライダーをコントロール良く投げ分け、19年はチェンジアップを習得。投球の幅が広がった。

16.
ホセ・ロハス(IF)/Jose Rojas:28歳
(3A)126G 515AB 31HR 58BB 131K .293/.362/.577/.938
◯打撃 / △年齢
確率よく外野の間をライナーで破るミドルヒッターが覚醒。19年は3Aで打率.293・31本塁打・OPS.938と素晴らしい打撃成績を残した。守備でも遊撃以外の内野3ポジションとレフトを守るなどユーティリティー性をアピール。ポテンシャルは目立たないが、ユーティリティープレーヤーとして期待。

17.
トレント・デボー(OF)/Trent Deveaux:21歳
(R)60G 244AB 7HR 26BB 91K 15SB .238/.320/.422/.742
◎スピード / △素材型 / ✖コンタクト
バハマ出身。20-80スケールで80評価のスピードが光り、強肩と併せてダイナミックなCFになり得る。しかし、現段階では打撃が荒すぎて計算はできない。三振率32.8%と空振りが多く、シーリングに達するにはスイングやアプローチを修正していく必要がある。(R)21G 72AB 0HR 9BB 31K .208/.313/.264/.577
◯パワー 速球 / △素材型 / ✖コンタクト
19年ドラフト4巡目の高卒二刀流プレーヤー。20年に9本塁打とブレークした新人ジョシュ・ウォルシュと同じかそれ以上のポテンシャル。現段階では空振りが目立つが、30ホーマー相当のパワーポテンシャルを秘めており、投げてもMAX95マイルを誇る。

19.
オリバー・オルテガ(RHP)/Oliver Ortega:24歳
(A+/2A)4.14ERA 111.0IP BB/9=4.6 K/9=10.9 K/BB=2.37
◯速球 カーブ 奪三振 / △コントロール チェンジアップ
奪三振能力の高いパワーピッチャー。MAX98マイルの速球と平均83マイルのスパイクカーブの2球種がプラスピッチで、コントロールとチェンジアップの質改善が先発残留の鍵となる。しかし大方の予想はブルペン向きとの見立て。20年はオフにドミニカ冬季リーグに参加。

(A)3.83ERA 108.0IP BB/9=5.1 K/9=12.2 K/BB=2.39
◯速球 奪三振 / △コントロール 素材型
19年に大きな成長を見せた右腕。シーズン序盤に91-93マイルだった速球は終盤には常時94-96マイルを計測するなどパワーアップ。カーブもプラス評価で、6-4/180の体格と併せて高いポテンシャル。コントロールと第3球種の改善が先発残留の鍵となる。

Plus One Prospect
ザック・リンギンフェルター(RHP)/Zach Linginfelter:24歳
◯速球 体格 / △コントロール リリーフ向き?
19年ドラフト9巡目のカレッジ出身右腕。大学最終年はHR/9=1.3と被弾増に苦しみ、防御率5.64と振るわなかったが、6-5/220の体格からMAX97マイルの速球と強度のあるスライダーを投げ込むポテンシャルは注目。コントロールの悪さからブルペン向きとの見方が強いが、時間をかけて育成すれば大化けの可能性もある。

2021年1月11日月曜日

2021 HOUSTON ASTROS TOP 20 PROSPECTS

2021 HOUSTON ASTROS

TOP 20 PROSPECTS

Forrest Whitley

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。
選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.フォレスト・ウィットリー(RHP)/Forrest Whitley:23歳
(R/A+/2A/3A)7.99ERA 59.2IP BB/9=6.6 K/9=13.0 K/BB=1.95
◯球威 4球種 体格 奪三振 / △コンディション / ✖コントロール
プラスピッチ4球種のエースポテンシャルも、評価が下降気味。19年は禁止薬物の使用により開幕から50試合出場停止。復帰後も制球難に苦しみ、不安定なパフォーマンス。肩の違和感による離脱もあり、健康面にも不安。オフには40人枠入りを果たしたが、「トッププロスペクト」を卒業できるか。
Forrest Whitley
(A+/2A)4.83ERA 91.1IP BB/9=5.3 K/9=12.4 K/BB=2.33
(MLB)2.70ERA 3.1IP BB/9=18.9 K/9=8.1 K/BB=0.43
◎カーブ / ◯速球 奪三振 / ✖コマンド チェンジアップ
高スピンレートのパワーカーブが武器でランス・マカラースと比較されている。得意のカーブは19年にメジャーでも被打率.091・空振り率27.4%と冴えわたっていた。速球も93-97マイルとパワフル。先発に残るにはコントロールとチェンジアップの精度を磨く必要がある。マイナー6年でBB/9=5.5。
(A)75G 282AB 3HR 15BB 68K 10SB .259/.301/.369/.670
◯パワー 肩 / △素材型 守備 / ✖アプローチ
ハンリー・ラミレス(元レッドソックス)と比較される大器。「20-20」も狙える遊撃手離れしたオフェンス力を有するが、フリースインガーなため打席での辛抱強さを身に着ける必要がある。また守備面ではダブルプラスの強肩の持ち主も、SSよりも3Bが適任と見られている。荒さは目立つが、傘下の野手では一番天井が高い。
(A/A+)109G 409AB 7HR 47BB 90K 20SB .303/.385/.440/.825
◯SS守備 肩 / △パワー 打撃
守備力が極めて高く、仮に打率.230程度でもアデイニー・エチャバリア(元マーリンズなど)のようなレギュラー遊撃手になれるだろう。課題の打撃面でも筋力UPに成功し、長打力をつけている。アプローチも辛抱強く、ある程度の出塁率は残せるだろう。ユーティリティー向きとの見方もあるが、オフのドミニカ冬季リーグでも好調を維持しており、打撃面の成長に期待がもてる。
Jeremy Pena

5.アレックス・サントス(RHP)/Alex Santos:19歳
◯伸びしろ 体格 速球 3球種 / △素材型
20年ドラフト2巡目。育成に時間はかかるだろうが、長身で伸びしろ◎な右腕。90-94マイルの速球と縦スライダーに加え、20年春にはチェンジアップも大きく向上。ストライクに集めるコントロールも備わっており、高卒投手というリスクはあるが、平均以上の3球種揃った先発投手になり得るポテンシャルは傘下内では稀有。

6.
タイラー・アイビー(RHP)/Tyler Ivey:25歳
(R/A+/2A)1.38ERA 52.0IP BB/9=3.5 K/9=11.8 K/BB=3.40
◯4球種 コントロール / △球威 コンディション 松ヤニ疑惑
平均以上のコントロールで4球種を効果的に投げ分けるローテーション3-4番手クラスの投手。90-95マイルのホップ型の速球と70マイル台のカーブは相性抜群。19年は肘の痛みで5-6月を離脱したコンディション面と試合中にグラブに異物(松ヤニ)が塗ってあり退場になるなど何かと不安がある。球威は飛びぬけていないが、20年に新人で活躍したクリスチャン・ハビアーと似たような成績を残しており、期待がもてる。
Tyler Ivey

7.
ルイス・ガルシア(RHP)/Luis Garcia:24歳
(A/A+)2.98ERA 108.2IP BB/9=4.1 K/9=13.9 K/BB=3.36
(MLB)2.92ERA 12.1IP BB/9=3.6 K/9=6.6 K/BB=1.80
◯速球 チェンジアップ 奪三振 / △コントロール
88-92マイルだった速球はアストロズの育成プログラムによって92-97マイルにまで上昇。元々得意にしていたチェンジアップとのコンビネーションで三振の山を築いた。コントロールは良くないが、元々技巧派だったこともあり、ゾーンの出し入れなどのスキルは高い。20年はメジャーデビューを果たし、プレーオフでも好投するなど21年のブレークに期待。コントロールの向上が先発に残れるかを左右するだろう。

8.
コリー・リー(C)/Korey Lee:22歳
(A-)64G 224AB 3HR 28BB 49K .268/.359/.371/.730
◯肩 パワー / △コンタクト C守備
19年ドラフト1巡目。攻守に荒さが目立つが、プルサイドへのパワーと20-80スケールで70評価のキャノンアームが自慢。フレーミング&レシービングいずれも課題があるが、アストロズスカウト陣はリーの運動能力を買っているようだ。20年は代替キャンプと教育リーグで経験を積んだ。

9.
エノリ・パレデス(RHP)/Enoli Paredes
(A+/2A)2.78ERA 94.0IP BB/9=4.0 K/9=12.3 K/BB=3.05
(MLB)3.05ERA 20.2IP BB/9=4.8 K/9=8.7 K/BB=1.82
◯速球 スライダー 奪三振 / △体格 コマンド チェンジアップ
ヨーダノ・ベンチュラ(元ロイヤルズ)と比べられる小さな大投手。力いっぱいのフォームから放たれる94-98マイルの速球とプラスのスライダーのコンビネーションは強烈。20年はメジャーデビューするとブルペンの一角を担った。先発に戻るのか、このままリリーフでプレーするのかは不透明だが、先発でやっていくにはコマンド&チェンジアップの向上が必要だろう。

10.
ブレット・コナイン(RHP)/Brett Conine:24歳
(A/A+/2A)2.20ERA 114.1IP BB/9=2.3 K/9=10.5 K/BB=4.62
◯カーブ 奪三振 / △チェンジアップ
長身から投げ下ろされるスパイクカーブが絶品。18年にプロ入り時から速球も2マイルほどUPし、常時90-94マイルとまずまず。コマンド能力も平均以上で、打者を圧倒するような球威はないが、メジャーでもやっていけるだろう。少なくともリリーフで戦力になれる。

11.
コリン・バーバー(OF)/Colin Barber:20歳
(R)28G 99AB 2HR 19BB 29K .263/.387/.394/.780
◯パワー スピード メークアップ / △素材型 両翼向き
19年ドラフト4巡目の高卒選手。ズバ抜けたスイングスピードを示し、バットコントロールも年齢に比して発達しているため、大化けする可能性を秘めている。Rでは四球率16.0%と上質な見極めを披露。スピードは平均以上だが、守備はコーナー向き。ある球団オフィシャルがアレックス・ブレグマンと比較するほどの勤勉なメークアップを備える。

12.ハンター・ブラウン(RHP)/Hunter Brown:22歳
(A-)4.56ERA 23.2IP BB/9=6.8 K/9=12.5 K/BB=1.83
◯速球 奪三振 / △コマンド 
ホップ型の92-100マイルの速球は強烈の一言で、空振りの山を築く。コントロールに課題があるが、改善の兆しを見せている。プロ最初の14イニングで16四球を出したが、それ以降は12イニングで4個に抑えた。カーブ&スライダーもよく切れる。先発で100マイルを出す馬力は魅力だがブルペン転向のリスクがある。

13.
ブレアー・ヘンリー(RHP)/Blair Henley:24歳
(R/A-)1.47ERA 36.2IP BB/9=2.2 K/9=12.3 K/BB=5.56
◯奪三振 カーブ / △素材型 コマンド チェンジアップ
19年ドラフト7巡目。プロ入り後に球速が上昇しており、支配的なプロデビューを飾った。93-94マイルに達する速球と高スピンレートのカーブのコンビネーション。コントロールとチェンジアップの精度を磨いていく必要がある。

14.
ヨハンセ・トーレス(RHP)/Jojanse Torres:25歳
(A/A+)1.71ERA 94.2IP BB/9=4.4 K/9=10.2 K/BB=2.33
◯速球 奪三振 / △素材型 コントロール
肩の強さが傑出しているファイヤーボーラー。95-100マイルの速球で積極的にゾーンを攻め、チェンジアップで緩急も生み出せる。スライダーもプラスピッチになり得るが、コントロールの悪さを克服しなければいけない。18年に22歳でプロ入りと遅咲きで、これからの活躍に期待したい。

15.ジョーダン・ブルワー(OF)/Jordan Brewer:23歳
(A-)16G 54AB 1HR 2BB 6K .130/.161/.185/.346
◯パワー スピード / △コンタクト 両翼向き
19年ドラフト3巡目のカレッジ選手。プロデビューは不発に終わったが、身体能力の高さはアストロズ傘下随一とも言われている。空振りの多さは懸念材料だが、適応できれば「20-20」も狙える。CFに残れる資質があるが、外野両翼がフィットするとの見立て。

16.ブランドン・ビエラク(RHP)/Brandon Bielak:25歳
(2A/3A)4.22ERA 121.2IP BB/9=3.7 K/9=8.8 K/BB=2.38
(MLB)6.75ERA 32.0IP BB/9=4.8 K/9=7.3 K/BB=1.53
◯速球 4球種 / △チェンジアップ コマンド
オーバースローからキレの良い4球種を投げ分ける。スピンレートの高い91-94マイルの速球、決め球のスパイクカーブ、左打者に有効なチェンジアップはいずれも平均以上の評価。平均以上のコマンド能力を持っているが、ゾーンの四隅を狙いすぎるため四球は多い。20年はメジャーデビューし12登板(6先発)を任されたが懸念通りコマンド難に苦しんだ。

17.チャス・マコーミック(OF)/Chas McCormick:26歳
(2A/3A)110G 368AB 14HR 67BB 62K .269/.386/.432/.818
◯アプローチ 守備 / △パワー
26歳とプロスペクトとしては年を食っているが、20年に新人王投票2位に輝いたジェーク・クロネンワース(パドレス)のようなブレークの可能性あり。コンタクト&アプローチに秀でており、19年は3Aでキャリアハイの14本塁打とパンチ力もある。外野3ポジションOKの守備力も重宝されるだろう。20年はメジャー未デビューながら、プレーオフのロースター入りを果たした。

18.グレイ・ケッシンガー(SS)/Grae Kessinger:23歳
(A-/A)62G 211AB 2HR 29BB 36K .232/.333/.308/.641
◯アプローチ / △守備範囲 パワー
19年ドラフト2巡目。プラスツールのないユーティリティー向きのプロフィールだが、非力な打撃面を克服できるかが鍵。打撃はコンタクト&アプローチが優秀で、パワーレスを改善できればダニエル・マーフィー(前ロッキーズ)のような飛躍もあり得る。守備は野球IQやポジショニングでカバーするタイプで、長い目で見ると2B/3B向きか。


19.
ショーン・ドゥビン(RHP)/Shawn Dubin:25歳
(A/A+)3.58ERA 110.2IP BB/9=3.7 K/9=12.3 K/BB=3.28
〇速球 スライダー 奪三振 / △チェンジアップ コントロール
19年は速球の球速が5マイル以上も伸び、A/A+でK/9=12.3・被OPS.547と支配的な投球内容だった。細身の体格から93-98マイルの速球と小さく鋭いスライダーのコンビネーション。チェンジアップ&コントロールの平凡さからブルペン向きか。

20.
ハイロ・ロペス(RHP)/Jairo Lopez:20歳
(R/A-)1.41ERA 51.0IP BB/9=4.1 K/9=10.8 K/BB=2.65
◯カーブ / △体格 コントロール
体は大きくないが、92-95マイルの速球とプラスのカーブは力強く、チェンジアップも平均レベル。R/A-ではやや四球数が多かったが、支配的なパフォーマンスを披露した。ゲーム感覚やフォームの力感も良く、先発投手向き。先発投手としてイニングを消化するために、コントロールの改善が求められる。

Plus One Prospect
ザック・ダニエルズ(OF)/Zach Daniels:22歳
◯5ツール / △コンタクト 実績
20年ドラフト4巡目。傘下No.1のアスリートとの評判で、適応できれば「20-20」も狙えるポテンシャル。大学最初の2年間で打率.176・三振率38%と実績不足でヒットツールに疑問。20年は17試合で中止となったが、打率.357・4本塁打・OPS1.228と打ちまくっていたので、この数字が本物かどうかを証明していく必要があるだろう。